オフライン化希望は出したけどどうなるかな…
「さぁ、参りましょうか。」
「はい。」
神世紀最初の戦闘があった翌朝、奈津雄は送迎役の神官に連れられ大赦本部、旧瀬戸大橋記念公園から出発しようとしていた。
「ん?」
ふと、足を止める。海に面した場所に大きなドームがあった。
「どうかされましたか?」
「あ、いやあのドームって何かなって。」
「あれは慰霊碑場ですよ」
「慰霊碑?」
「西暦の時代から今日に至るまで、人々の為に戦った勇者や巫女の方々を奉ってあるのです。」
「…少し、見に行っても良いですか?」
「まだお時間はあります、構いませんよ。」
神官の返事を受けた奈津雄は駆け出す。
奉られてるのが勇者と巫女であるならもしや…
「…やっぱりな。」
奈津雄の目の前にある沢山の慰霊碑達。
そこには乃木若葉、高嶋友奈、郡千景、土居球子、伊予島杏、上里ひなた、安芸真鈴、花本美佳…。
西暦の時代を共に戦った仲間達の名が刻まれていた。
「ごめん皆、遅くなった。ここに…いたんだな。」
「まさか300年近い未来に来るなんて思わなかったよ」
「俺の卸役目まだ続くみたいだ。見てくれよこれ、身体縮んじゃったんだぜ?笑えるだろ。」
「俺は必ずここでもやってのける。見ててくれよ。」
そう若葉達の慰霊碑に告げた奈津雄は静かに歩き出しある慰霊碑の前で足を止めた。
「…先生はこっちにいたのか。皆の傍に行けばいいのに」
烏丸久美子
その慰霊碑にはそう書かれていた。
西暦の時代奈津雄に「欠番勇者」の名を与えた女性神官、彼女もまた、ここにいた。
「あんたが俺に付けたあだ名、この時代まで伝わってたよ。全く…」
「それじゃ、また来ます。」
ドームから出た奈津雄は神官と合流する。
「何かありましたかな?」
「いえ、懐かしい人達と会って来ました。戦友…って言うんですかね。」
駐車場で送迎の車に乗り込む。神樹館小学校での日々が始まろうとしていた。
「この辺りで下ります」
「宜しいので?」
「ええ、後は歩いて行けそうなんで。」
「そうですか。では、お気を付けて。」
車は神樹館小学校の少し手前に止まり、奈津雄はそこから歩く事にした。
車は大赦の物だ。校門前まで行ったらちょっと騒ぎになるかもしれない、そう考えての事だった。
『さて…』
ランドセルを背負い歩き出す。昨日の樹海であった少女達も此処に通っている。
どう接触した物か…奈津雄は歩きながら考えを巡らす。
まだ神樹からの指示は来てないがある程度の準備は必要だ。
「あ…。」
「ん?」
考えながら歩いていた奈津雄の目の前に見知った顔の少女がいつの間にか立っていた。
「結嶋。」
「暫く振りだな、しずく。」
山伏しずく、この時代に最初に自分を助けてくれた少女がそこにいた。