刻渡りの勇者   作:嶽山

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西暦編 5.初陣とこれからと

若葉達が背後から立ち上る光に気付いたのは増えるバーテックスへの対応に焦りが見え始めた時だった。

 

あれは自分達が勇者アプリを立ち上げた時に見る光だ。

 

一体誰が?ひなたは巫女であり勇者ではない

 

だとすると…

 

「お、おいアレ見ろよ…奈津雄じゃないのか…?」

 

「え…?」

 

球子の声に他の全員の声が重なる。

 

「男の人が勇者に…」

 

「えー!?すごーい!」

 

「どうなってるの…?」

 

光が収まったそこには六人とはまた違ったタイプの勇者装束の奈津雄だった。

 

「…」

 

若葉はひなたの言葉を思い返す。彼女が受けていた神託は生存者の他に戦力になりうる存在であると。

 

『その戦力が奈津雄だと言う事か…』

 

「向こうは奈津雄に任せよう!私達は此方を片付けるぞ!!」

 

若葉の号令で戦闘が再開される。

 

―――――――――――――――――――――

 

やれる

 

やれる

 

やれる

 

やれる

 

剣術の型も何もない。

 

奈津雄は思うがまま力任せに長刀を振るう。

 

 

「お前…達がッ!!」

 

父を、母を、妹を、そして故郷を滅ぼしたバーテックス。これを怒りに身を任せて斬り伏せる。

 

 

奈津雄の振るう長刀は気持ち良い程にバーテックスを斬り割き、瞬く間に数を減らして行く。

 

「これでっ!!最後!!!!」

 

短時間でひなたと奈津雄を取り囲んでいたバーテックスの最後の一体が一刀の元に斬り捨てられる。

 

一先ず此方は片付いた。

 

長刀を地面に突き刺し片膝を付く。いきなりの戦闘で体力をかなり消耗したようだ。

 

「奈津雄さん!!」

 

ひなたが駆け寄って来る。

 

「あ、あぁ…ケガは…無い…か?」

 

「はい、あなたのおかげで」

 

「そうか…」

 

今度は生き延びれた。

 

それだけじゃない、人の命も救えたのだ。

 

最初は訳が解らなかった奈津雄もこの結果には自分を呼んだ土地神と神樹に礼を言いたい気分だった。

 

「若葉ちゃん達の方も片付いた様ですね」

 

見ると、離れた所で戦っていた五人の勇者もバーテックスを全て倒し終えた様だ。

 

 

 

戦闘を終えた7人は改めて集まる。

 

「奈津雄ここからの事なんだが…」

 

「解ってる。若葉達に付いて行けば良いんだろ?」

 

「…!そうか…!」

 

安堵した顔で若葉が答える。

 

「しっかし謎だよなー。奈津雄はなんで勇者になれたんだ?」

 

「そうそう」

 

球子と友奈は不思議そうに言う。

 

「勇者って皆女の子だもんな。自分のはまぁ…神様の気紛れじゃないかな、多分。…よくは解らん」

 

「それにしても奈津雄さんの端末、私達のと随分違いますね」

 

「パッドに…メダルを嵌め込むタイプなのね」

 

杏と千景は奈津雄の端末が気になるようだった。

 

「雑談はその位にして、そろそろ此処を離れましょう。」

 

先程からずっと黙っていたひなたが深刻な顔で口を開く。

 

「…?ひなた、どうかしたのか?」

 

「神託が降りました。」

 

「戻りましょう。四国に、危機が迫っています」

 

状況は目まぐるしい変化をして行く。

 

奈津雄は若葉達勇者に付いて行く事になった。

 

次の目的地は四国。

 

神樹が守る、この地球に残された最も安全な場所へ。

 

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こうして彼は私達と一緒に四国へ向かうことになりました

 

出会って立て続けに色々な事に巻き込まれていた彼ですが、どこか落ち着いていて...

 

そんな彼に私は何処か希望を見ていたのかもしれないと今でも思います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からは舞台が四国、香川へ。
奈津雄というイレギュラーな存在の登場によりバーテックスの出現は原作よりも遅れてく事になります
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