異世界のオキシジェン・デストロイヤー ~Fランクハンターだけど、大物狩る許可はもらってます~   作:RightWorld

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第118話「領主の行方 その1」

 

 マヤはお茶を飲み干すと、レオナルドが兵士達と話をしているところにやってきた。

 

 ポーションの効果に興奮していた負傷兵達だが、この頃にはサンドラの配ったお茶が効いてきて落ち着きを取り戻してきており、レオナルドもそろそろ頃合いかと兵士達に詳しく質問を始めていたところだった。

 

「ところで、領主のヴェルディ殿がここに来てたというのは本当か?」

「はい。ヴェルディ様は増援の重装甲獣兵20騎と随伴補給竜10頭をヘキサチカから引き連れて来てました」

「今はどこに?」

「重装甲獣兵と、ここにいた予備兵力を引き連れて、最前線基地へ向かわれました」

 

 探検者(エクスプローラー)達から安堵の息が漏れる。

 横で聞いていたマヤは、リネールに尋ねた。

 

「じゅうそうこうじゅうって?」

「大型の剣竜や角竜、鎧竜なんかに鉄の鎧を被せたものだよ。敵集団の中央に突っ込ませて、角や尻尾で殴り倒しながら蹂躙するんだ。弓兵を乗せて弓で攻撃したりもする。ヘキサリネではトリケラトプスやステゴサウルス、アンキロサウルスを使っているよ」

 

 おおー。この世界に飛ばされてすぐ戦った、超巨大はぐれマンモスを思い出すよ。暴れる大型獣は手がつけられなかったもんね。わたしのいた世界だと象を使った軍団なんてのがあったね。初期の戦車も、兵隊を踏み潰すとか、そんな戦い方だったんじゃなかったっけかな。

 

「肉食の恐竜は使わないの?」

「あれは言うこと聞かないから、手懐けられないんだ」

 

 そおかぁ。映画みたいに頭の良さそうなラプトルの集団とか使役してたら強そうだったのに。

 

 レオナルドはさらに事情聴取を続けた。

 

「ここの指揮官は?」

「指揮官は……魔物に喰われました」

「えっ!」

 

 マヤは手を口に当てて真っ青になる。

 

「……そうか。それは残念であったな」

 

 レオナルドは胸に手を当てて、戦死した兵士の霊に哀悼の礼を取った。

 

「では生き残ってるもので先任は?」

「私です。コドリン上級軍曹であります」

 

 横腹に血を滲ませた軍服の下士官が答えた。しかし動きは滑らかで、腹の傷はポーションによって既に無いことは確かだ。

 

「ただ私は前線から来た負傷兵でして、ここの駐屯兵では現在、こちらのクラーク下級軍曹が最上位です」

 

 紹介されたクラーク下級軍曹が前に出てきて敬礼した。

 

「クラークだな。ここが襲われたのはいつだ?」

「今朝夜が明けてすぐでした」

「ここにはどれくらいの兵力がいたんだ?」

「補給・設営関係の兵が20、負傷兵が24といったところです。補給・設営関係の兵はオーク襲撃の際に8名が犠牲になっております」

「後方の補給中継用拠点だから、基本的に戦闘する兵は残されていなかったってことか」

「お言葉ですが王太子殿下」

 

 コドリンが口を挟んだ。

 

「ヘキサリネ兵は、後方支援に充てがわれたとしても兵は兵。必要な時は戦います。8名は全員激しい抵抗の末の戦死です」

 

 コドリンのフォローに、クラークも口を一文字に結んでこくりと頷いた。

 

「む、それは失礼したな。なるほど。それがヘキサリネ軍の強さの一端なのだな。襲ってきたのはオーク・ソルジャー約120頭で間違いないか?」

「いいえ、ここを襲ったのは、オーク・ソルジャーだけではありません」

「何?」

 

 レオナルドは改めて顔を上げてクラークに向いた。

 

「最初に発見した魔物は、空を飛ぶワイバーンの群れでした」

 

 後ろの探検者(エクスプローラー)達からざわめきの声が立った。。

 

「ほう。詳しく聞こうか」

 

 乗り出すレオナルドにクラークは「はい」と答えた。

 

 

 

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