ショタドクターシリーズ   作:ハセアキオ

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微エロと頭の悪い下ネタにご注意ください


○○しないと出られない部屋に閉じ込められたショタドクターとテキサス(前編)

気づくとそこは白い部屋の中だった。なぜか中央のソファに座っており、今まで腰掛けながら眠っていたようだ。

寝ぼけ眼をこすり、周りを見てみる。ロドス内であまり見ない部屋だ。電子扉が正面にあり、斜め後ろには木製の扉がある。

窓は無く、光はいくつかの照明のみ。あとはテーブル、棚、コーヒーメーカーがあるサイドテーブル、冷蔵庫。そしてこれみよがしに置かれた、部屋隅のベッド。

なんの変哲も無い部屋。だがそこに、ただ一つだけ異物がある。電子扉の上にあるステッカーらしきものを見た。

 

『○○しないと出られない部屋』

 

えっ、なにこのエロ同人でしか見ない文字は。

わけのわからない文字に戸惑っていると、後ろの方からガチャリと音がした。自分以外に人がいると思わず、心臓がびくりとして振り返る。

それが目に入った瞬間、さらに心臓がはね上がった。

 

「ドクターも起きたか」

 

そこにいたのはテキサスだった。だが普段の彼女の格好では全くない。

上半身が裸なのだ。

ほかほかと湯気が立っている彼女はハーフパンツだけを穿いてほぼ半裸である。首に掛かったタオルが胸を隠してるだけでギリギリの格好をした彼女が、平然と立っている。

 

「な、なんだその格好は!」

「ああ、すまない。まだ起きてないと思って着替えを取りに来たんだ」

「早く服を着てくれ」

 

慌てて目を背ける。

 

「着替えってことは、お風呂でもあるのか?」

「部屋の奥にバスルームがあるんだ」

 

色々と質問をしたかったが、衣擦れの音が止むのを待つ。しかし思春期の子供みたいにドキドキしてるのは恥ずかしい。今の姿みたいな子供時代に戻ったみたいな免疫力の無さ。

 

「それにしてもドクターが小さくなったというのは本当だったんだな」

 

白シャツを着たテキサスが、隣にすっと座ってきた。

 

「ああ、本当だよ。ソファに深く腰を下ろしたら、床に足が着かない程度には小さくなってしまった」

「誰かの薬で体が縮んでしまったと聞いたが、本当だったとはな」

「参ってるよ。そして今の状況も、体が小さくなるのと同等くらいのおかしな話だ」

 

再び扉の上の文字を見る。

 

「先ほど扉は確認したが、全く出られる様子はなかった。電子キーのような差し口もなく、仕方ないのでシャワーを浴びた」

 

なかなかの適応力だ。

 

「外から鍵がかかってるのか。一体誰が、何の目的で閉じ込めたんだ」

「○○しないと出られないって何だろうか?」

「さ、さあ」

「何をすればいい?」

「え?」

「子供になろうが、ドクターは指揮官に変わりはない」

 

小さくはなっても、いつもどおり話しかけてくる。それに安心し、二人で話し合いをする。

 

「とりあえず、この部屋に来た経緯を教えて欲しい。ちなみに私は自室で眠って起きたらここにいた」

「私も全く一緒だな。自室で寝ていて、起きたらこのソファにいた。ドクターより先に起きて、一通り部屋を物色していた」

「何か気になることは?」

「まず気になったのは部屋の調度品だな。まるでここで生活しろと言えるくらいにそろってる」

 

食材や服もそろっており、水道やガスも通っているらしい。

 

「そして一番気になったのは手紙だな」

「手紙?」

 

テキサスはシャツのポケットから1枚の紙を取り出す。それを渡されたので読んでみる。

 

『おはようお二方。突然のことで驚いているだろうが、ぜひともこの部屋から脱出してもらいたい。ある条件を満たせば自動的に扉は開くが、達成できない限り絶対に扉が開くことはない。当然ノーヒントだと不平等のため、部屋に散らばってあるヒントを頼りに脱出を試みて欲しい』

 

なんだこれ?

 

「私のポケットに入ってあったものだ」

「目的がまるで見えないな。とにかく脱出して首謀者に話を聞いてみないと」

「そうだな。私も今日は用事があったから、早く終わらせたいのだが」

「ヒントについて心当たりは?」

「手紙は封筒に入っていたが、その中にカードもあった」

 

今度はカードを取り出した。

 

『まずはシャワーを浴びて頭をスッキリさせよう』

 

テーブルに置かれた、クレジットカードくらいの大きさにそんな文字が書かれていた。

 

「これのどこがヒントなんだ」

「私がシャワーを浴びたのはこの指示に従ったからだ。そしたらシャワールームの鏡にこんなものが貼ってあった」

 

またカードをポケットから取り出した。

 

『○○はズバリ、異性の二人じゃないとできないこと』

 

……あれ?

 

「ふ、二人の異性じゃないとできないことってなんだろうな」

 

テキサスはうーんと首をかしげ、ひらめいたようにつぶやいた。

 

「セックスか」

「直球だなテキサス。直球だな」

 

思わず二回も言ってしまった。

 

「シャワーに行けと言われて行ってみたら、そこに異性二人でしかできないことと書かれている。これはどう考えても情事前に体を洗うのを促しているような……」

「気のせい。気のせいだから。そもそもテキサスも嫌だろう」

 

テキサスは腕を組む。

 

「ドクターのことは尊敬しているし信頼もしている。だがそういう目では見れないし、ましてや今は子供の姿だ。いくらなんでも抵抗はある」

「そう、それでいい。一指揮官としてオペレーターに手を出すわけにはいかない。そもそもペンギン急便はロドスと提携している会社で、従業員に手を出したら大問題だろう」

 

とりあえず変な空気にならなくてよかった。

 

「異性の二人でしかできない……か」

 

ん? 先ほどまで正面を見ていたテキサスが、今は私の顔をじっと見る。すると次の瞬間、私の肩をガシッとつかみ、ゆっくりと顔を近づける。

息つく間もなく、彼女のやわらかい唇が私のものに触れた。

おそろしく柔らかく、口先に全神経が張り巡らされているかのような快感がほとばしった。彼女の体温が一点に集中し、私の顔に否応なく侵入してくる。

 

「ぶはあ!」

 

たまらず、理性を一部使って顔をのけぞらせた。

 

「きゅ、急に何をするんだ!」

「異性二人でできないことと言ったらキスだ。思えばシャワールームには歯ブラシもあったから、きっとそういう行為をする前にきれいにしろという意味で――」

「開いてない。扉開いてないから」

 

私の肩をつかんだまま、テキサスは入口を見る。電子扉は物言わぬまま閉まりきっている。

 

「ふむ。ならば」

 

言うが早いか、今度はさらに力を込めて体を寄せてきた。

先ほどの感覚がまた口先を襲う。しかし今度は、そこににゅるっとした感覚も加わってきた。

柔らかく粘性のあるものが、堅牢な口をこじ開けて入ってくる。口内を生きた触手のようなぬらぬらしたものが襲いかかる。自分は何も抵抗できないまま、歯、頬の内側、舌をねぶられていく。その細い触手が脳髄にまで達したかのような衝撃が、体の中を走っていく。全ての神経が口に集中して何もかも力が入らなかった。さっきのように理性を使うこともできず、ただなすがまま涎と舌の侵入を許し続けた。

 

「にゅぷ……ぷは」

 

解放されたと同時に、ソファに倒れた。まるで全力疾走した後のように空気を求めた。口の周りは粘性のあるもの塗れだ。

もうダメ……お嫁に行けない。

 

「ディープキスでも開かないか」

 

じゅるっと腕で口を拭ってテキサスは言った。

 

「急にキスをしないでくれよ……せめて言ってくれよ」

「すまない。嫌だったか?」

「そういう話じゃない。何の抵抗もなく、心の準備もなくするような行為じゃないと言ってるんだ。君の方こそ嫌だったんじゃないか?」

「まあ、私はキスくらいなら全然」

 

……先鋒はコストも尻も軽いのか。

 

「と、とにかくキスは条件でも何でもないのがわかった。これから何か行動する際は私に相談してくれ」

「わかった。今更だが、キスは同性でもできたな」

 

百合の花が一輪咲きかけた頭をすかさず振り払い、

 

「とにかく落ち着こう。試すのは部屋を調べてからだ」

 

下半身は全く落ち着かなかったが、部屋を物色する。部屋自体はさほど広くなく、キッチンが余計についた一個人の部屋と言ってもいいくらいの広さだ。探すのに大して時間は取らなかった。

あれよあれよと、いろんな場所からカードが見つかった。

 

 

冷蔵庫には『食糧や栄養ドリンクを摂取して備えよう』

棚には『サフランのハーブティーとチョコレートがあるので食べてみよう』

風呂場のシャンプーが置かれた箱には『イランイランオイルをバスタブに入れて浸かってみよう』

部屋の壁のスピーカーには『ムーディーな音楽を流してみよう』

とそれぞれ指示が書かれていた。

 

ダメだ。カードの指示のベクトルが何もかもセックスに向かっている気がする。

 

冷蔵庫には納豆、豆乳、枝豆、豆腐などやたら大豆食品が目立った。大豆と言えば性欲アップの食品として有名なやつだ。これはもうセックスだ。

それに加えてバナナもある。もう形があれ……と言いたいところだが、バナナにはカリウムが含まれている。筋肉の収縮に必要な栄養素であり、この状況を作った犯人はセックスの質まで求めていることがわかる。

 

サフランは性欲を活性化させるセックスにつながるハーブの一種である。またチョコレートにもエンドルフィンと呼ばれる成分もあり、これもまたセックスだ。エンドルフィン=セックスだ。

 

イランイランはもうセックスの権化だ。そっち系のお店でマッサージなどに用いられるオイルの成分にこの植物が使われているため、もはや完全にセックスにつなげて考えろと言わんばかりの主張だ。

 

「変な指示ばかりだ。一体何をさせたいんだ」

「そうだね……」

「加えて、目的を知らせない意図もわからない。何かを実験させたいならさっさと言えばいいのに」

 

……そうだおかしい。セックスに支配された頭を戻す。

 

ほんとにただセックスをさせたいだけなら、堂々と○○のところにセックスと書けばいいだけの話だ。わざわざ遠回しにこんなことをして何のメリットがある。

 

違う。どう考えても違う。一体何が悲しくて私のセックスなんか見たいんだ。考えれば当たり前じゃないか。

 

「テキサス」

「ん?」

「何としてでもこの部屋から脱出するぞ。私のIQを100くらい下げた犯人を絶対に許さない」

「何のことだかわからないが、助けになろう」

 

きっと何かある。犯人の意図は、私でも想像が付かない何かかもしれない。

 

この部屋からの脱出方法は何か? 誰が閉じ込めた? それを暴くためにさらに部屋を物色した。

 

 

後半へ続く。

 

※推理要素は一切ありません

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