やー、響だ。
金剛と言う艦娘が任務中に我が鎮守府に所属することになり、どうやって鎮守府まで送るかを考えていたところです。
「どうすればいいかなぁー…出撃にはついていけないし…」
提督が唸るように悩んでいます。
「…かと言って単艦で鎮守府にも行けなさそうだよね。」
「oh…ソーリーデース…」
申し訳なさそうな顔でこちらを金剛が見ています。
「誰かが連れて帰っちゃえばいいんじゃない?」
暁がそうやって言っていますがそんなのは無…理…じゃないですね
ちょうど私がサボれるいい方法を思いついたんだぁ
「…そうだね、私が鎮守府まで連れて帰るから代わりに電をよこしてくれないかな」
「いいんだけど…どうして電?」
怪訝そうに提督が聞いてきます。
本当に頭が回らないんだなぁ…
「…コスパがいいって言うことと長門と違って高速だから時間もかからない。」
「なるほどぉ。考えたわね、よし!じゃあ響は金剛を護衛しながら帰投、電には出撃用意をさせるから、羽黒たちは警戒を怠らずその場で待機してもらうわ!」
提案した事を足早にまとめ口にする提督。
「…守るから、行こう」
私はそう言って金剛の手を取ります。
「わ、わァ!?何するんデスか!ワタシ1人でも動けま…マース!」
そんなこと言っちゃって足首くらいまで沈んじゃってるじゃないか。
「…いいから」
そうして金剛と私で曳航を行って鎮守府へ向かう途中、口調の違和感について問います。
「…その…取ってつけたような口調はなんだい?」
すると彼女はとても動揺したようですぐに誤魔化そうとしてきます
「そ…そう聞こえマスか!?…ちょっとだけタイアードなだけで…デース!」
「…明らかに嘘だよね、それ。」
そう聞くと彼女は言い訳を考えてるらしくあたふたしています、畳み掛けましょうか。
「…まるで役者が演じてるように感じるんだけど、君…本当は誰なんだい?」
「ナ、なに言ってるんだか、わ…分からないです!…見てわかる通り金剛ですって!」
おや…?さっきまで語末のですますを伸ばしていたのに辞めてしまいましたね。
「…質問に答えて欲しいんだけど、答えなければ君は沈むぞ、今、ここで。」
面倒になってきたので少し脅してみましょうか。
「ちょっと待ってくださいって! わかったから、答えるから!、その武器を向けないで!」
やっと口を割りそうですね、脅かすのもここまでにしときましょう、もしかしたら同族かもしれませんからね、ここで悪い印象を持たせたくは無いですし。
「…うん、わかった。じゃあ話して欲しいな。」
素直に向けていた艦砲を下ろすと彼女は安心したように、落ち着いた抑揚で話し始めます
「意味のわからないことだとは思いマスが…私は元々違う世界で違う姿、違う性別で、されど同じ言語を持って暮らしてたのです。」
やはり私と同じようだ、正に運命的な出会いってやつですね
「外でゲームをやっていたら雷にバーニングされたようで…気づけばゲームのキャラクター、ゲームのワールドで海の上デスよ?...アンラッキーなのかラッキーなのかもうわかんなくなっちゃいマスね。」
少し考えるフリをして、話を受け止めます。
「…ふむ…よし、信じよう。」
「信じてくれるんですか!?」
彼女の信じられないと言う顔が少し面白いですね。
「…信じるさ、同じ体験をしてるんだからね」
ここで自分の事もアピって起きましょう。
「ほ、ホントですか!?」
「本当さ、君の言っているゲームとやらは私も知っているしね。」
「こんなに早く同じ境遇の人に会えると思っていませんでシタ!私嬉しいでス!」
嬉しそうに舞い出す彼女、感情を身体で表すのが得意そうだね。
「…それは良かったね、でもこの話は2人だけの秘密だ、偽物だとバレたくは無いんだ…」
「イェスいェス!言いません言いまセーン!機密も機密、トップシークレットですね!」
なんか落ち着いてから演技がマシになっている気がするね、良かった。
「ところで、君の金剛の喋り方、すっごいぎこちないかも…」
思い切ってそう言ってみると、面白い返事が帰ってきました。
「喋り方は別にイミテイションしてませんけど、どうやら言語変換機能があるようデス。」
え!?なんか面白い装置だね
驚く私を差し置いて、淡々と彼女は説明を続けます。
「今はこのウレックしてしまった、俗に言う大破状態なので上手く作動がしないようですね」
壊れていたのですか、それはしょうがないね。
「では入渠すれば治る…?」
「イェス!なので出来るだけ早く帰っちゃいたいデース!」
じれったさを手を振り回すことで表現しているのでしょうか、なんか面白いですね。
「よし、善処しよう!」
彼女の手を取り、鎮守府に向かって曳航を続けました。
1週間に四暗刻単騎待ちを2回上がる男、スパイダーマッ!!!