羊が1匹…羊が2匹…夢の中でも羊を数えている響だ。
こんな夢を見るのは初めてです。
せっかくなので数えれるだけ数えて…
「…イ…Hey!」
…ん? なんだ、今7匹目なんだ、静かにしないと羊が逃げ…
「起きて!!クダサーイ!」
「ぶぁ…!」
突然の轟音によって現実へ帰還します。
気持ちよく眠っていたのに…現実は残酷だね。
「やっとゲットアップ、デスか?」
この声は金剛…いつでも元気な奴だな
「…おはよう」
なんでこんなに早く起こすんだ…?
「さっき目が覚めちゃって、余りにも暇だったんで起こしちゃったデース!」
悪びれもせず腰に手を当てポージングを取る金剛、なんかイラッとくる。
「…あぁそう…」
「ネー、早く遊びまショー?、退屈すぎて沈んじゃいマース…」
ん…遊ぶ…?
「…寝起きで何も準備が出来てないんだ、まだ遊べない。」
身を整えようとベッドから降り、洗面台の鏡と向き合います。
「こう見ると大分 リトルなんですネー、響。」
着いてきた金剛がそう言って胴を抱いてきます。近い近い。
というか私も小さいけどさ、君も随分とデカいからな。
「…駆逐艦は基本歳若い幼子の姿だからね、そりゃ小さいさ」
歯ブラシでしゃこしゃこと歯を磨きます。
「レディが遅いですヨー、ワタシが髪の方やっちゃうゾー?」
手伝ってくれるらしい、犬みたいなやつだ。
「…うん、頼む」
「痒いトコロとかって、アリマスー?」
痒い所…?
「ちょっと、右…」
「ココですカー?」
細い指が優しく頭皮を擽る。1
「うん、そこ…」
ふぁー…気持ちいい…
「woo!…こうやって見ると妹みたいに見えマース!」
「…そうかい」
お姉ちゃんなら間に合ってます…
喋食ってるうちに身支度は終了し 、またやることが無くなった私達は部屋でくつろいでいました。
「響ー、こっち来て遊びましょうヨー、暇デース。」
私も暇になったし丁度いい、遊んであげよう
「…いいよ」
そう言って私は向かいのベッドに座る金剛の元へ歩み寄ります。
「…遊ぶ遊ぶと言ってはいるけど、何をして遊ぶのかは決めているのかい?」
「イヤ?、全然考えてないデス!」
はっきりそう言った彼女のお腹からグウと音が鳴る、朝食も取らずこれだけ騒げるとは、戦艦のコスパも案外良いんじゃないか?
「…朝食を取りに行かないか?」
「…それはいい考えデース…行きますヨー!hurry up!」
急げと言い私の手を取る彼女、大淀に見つかるとアルゼンチンバックブリーカーを掛けてきそうな速度で仄暗い廊下を走っています、普通に怖い、これが高速戦艦の速度でしょうかぁ!
目まぐるしい程に変わっていく景色と急な方向転換による運動エネルギーの暴力によって、三半規管が悲鳴をあげています。
「くぉ…!おぉー…」
おっと、三半規管だけではなく私も悲鳴をあげてしまいました。
靴底を心配してしまう程大きい音を立て、急ブレーキを踏む金剛、
やっとゴールに着いたのだろうか。
「ココがダイニングルームのようデスネー…少し疲れマシタ…」
「や…やっと着いたぁ…」
暇だの腹減っただの疲れただの本当に忙しいヤツだ。
がちゃり、と音を立てて食堂へ入室、流石にまだ間宮さんは居ないようだ。
「まだメイドさんは来てませんネー…どうしまショーか…」
項垂れる彼女、食堂の電気は常灯になっているので間宮さんが来てなくてもずっと明るいのだ。
「…メイドさん…間宮さんの事か、さすがに早く来すぎたからね、小一時間くらい経たないと来ないんじゃないかな」
「そうデスか…じゃあワタシが作っちゃいマスから腰掛けて待ってるといいデスヨー!」
少しの期待を残して、彼女はキッチンへと入っていきました。
過度な資材不足