かんかんとした風が地を巡り、からからの木の葉をゆらゆらと揺り動かす冬の朝、私達はせかせかと荷物を纏めていた。
「さぁ! 出発だぞ」
うん? やけにご機嫌じゃないか、提督。
「おやおや? 偉くプラザント、デスね?」
「室内で書き物ばかり目にいていたからね、とーっても良い気持ちさ」
今日は提督や金剛と一緒に別の鎮守府へ遠出をするらしい、響だよ。
その鎮守府はかなり規模が大きいらしく、艦娘もたくさん所属しているらしい、
他の子と会えるのはいいんだけど……紛い物2匹で突っ込んで同型艦が居たりしたら……はぁ。
「ウン? 響はちょっとダウンな感じデス?」
「え、あ……ん、寒いし、ちょっと不安……かも、金剛は寒くない……?」
金剛の服って明らかに季節外れだよね……脇とか空いてるし
「ぜーんぜん! こうやって貴方をハグすればソーホット! 寒くないネー!」
わわ、くっつくな……冷たい……
「はは、ずっとくっついてる訳にはいかないだろう、響ちゃんは車中から防寒着を取って来るといいよ」
車から出したもこもこの白い防寒着に手を通す、首元のふわふわの毛がちょっとくすぐったいかも。
「ワタシのはナイですかー?」
いややっぱり寒いんだろ君さ。
「金剛ちゃんは活発だから大丈夫大丈夫」
「Boo! もう響チャーンはドンレンド! 借してあげないんだからネー!」
ちょっと不満げに唇を尖らしている金剛を笑う提督、やっぱロリばかり優遇してるなコイツ……
「荷物持ってくからはよ乗っけといてやー」
ブルルンと愉快な音を出すトラックの窓から顔を出したのは龍驤。
……ってあれ、ソコ……運転席だよね……乗れるんだ……
「というかその人数なら乗っけてけるわー、乗りー?」
いや、席が足りないと思うんだが……
「のっぽとおちびの2人は荷台やな!」
八重歯がチャーミングなその笑顔、ムカッとくるね、誰がのっぽだ。
ん…? 違う?…些細な事は気にしないことだ、老けるぞ。
荷物を積んで台に腰掛けると、非常にゆったりとした速度で車が動き出した。
聞けばこのトラックは売り払われたオンボロを安く買い取って手に入れたものらしい。
それを提督がどうにも改良したようなのだが、ロリコンに車は専門外だったらしく馬力は異常に上がったが速度がとんでもなく下がるというマジカルを起こしてしまった悲しき1品だったようだ。
「ほな、行くで〜」
やがてかたつむりと五分五分の速度でトラックは動き出した。
ぶるるんぶるるんと大層な音を撒き散らす割には悲しいかな、景色はちょっとずつズレていくだけ、徒歩よかマシ、てな感じ。
「…」
「…焦れったいわァ…」
「「…」」
「いくら遅いにしても……遅すぎマスよネ……」「いや遅すぎやろ!!!」
「わがままだなぁ…君達は…」
「やかましいわ!」
結局トラックは途中で乗り換えた。
まいぺーす、それは心のぴーす…てね!