9/12 推敲
どうも、響だよ、食堂で朝食を頂いた後、前回のリベンジとして鎮守府正面海域の警備へと乗り出すことになったよ。
編成内容は、電が旗艦と、私、暁を随伴艦とした3人で組み合わされています。
…3人に勝てるわけないだろ!
海域へ出撃する前、提督が私たちに
「怪我はしないように。」
優しい言葉をかけてくれた。
初めての気遣い。
胸が苦しい、溢れる感情に張り裂けてしまいそうだ。
痛い…いや、嬉しいのか。
腐った様な暖かさが心地いい。
湧き上がる感情を必死に飲み干す。
今、感情に振り回されてはいけない。
私はその言葉に少し笑いながら
「…気を付けておくよ」
「じゃあ、出撃、なのです!」
「行くわよー!」
2人ともやる気は十分のようだ。
「…気張っていこう。」
言葉をを合図に
電、暁の順で出航、その後ろを追いかけるので位置的に言えば私は殿、1番最後尾。
私達が海上を進んでいると、前方に黒いメカクジラがぽつんと1隻。
「前方に駆逐艦を1隻捕捉したよ、提督。」
海風で揺れる髪を抑え 、伝えた言葉は無線越し。
「どーするのです?」
…ここまで近づけば向こうもこちらを直ぐに捕捉するだろう。
「やっちゃいましょうよ!」
腕を振り上げ威嚇するように、強い声が上がる。
…暁は…少し血の気が多いんだね…うん
「そう…だね!じゃあ交戦を許可しよう!」
少し考えながら、提督は私たちに交戦許可を出した。
同時に暁が動く。
「当たりなさい!」
そう叫ぶと同時に、発砲、そして轟音、イ級が煙に包まれ消える。
次に目にする時にはもうイ級は水に溶けるように沈み始めている。
…駆逐艦にしては火力が高い。
機関部や弾薬庫に直撃したのだろうか、砲塔がでかいのか。
うーん俗に言うクリティカルヒット!ってやつ…?
「敵、轟沈確認!、こちらに損害はありません!次はどうすればいいのです?」
「無傷なら…そうだね、そのまま進撃してもらおうか」
偉くあやふやな命令だね…
「了解しました、進撃します!」
どこに進撃…?
疑問を問いかける。
「これを使って、進む方角を決めるのです!」
そう言って彼女は艦装から羅針盤を取り出し、こちらへ見せてくれた。
「そのコンパスでどう決めるの?いまいち分からないのだけど。」
レディーは理解ができていないらしい、私もいまいちだ
「ただの羅針盤じゃありません!見ててください!」
そう言って電は羅針盤を振ったり、眺めたり。
すると不思議なことに中身が回転し始めました。
しばらく回転した後、カチッと音がするのを聞き、回転が止まる。
「あっちです!」
電は羅針盤が示したであろう方角を指さします、羅針盤ってこんな使い道あったかな…?
「方角は決定したようね、引き続き警護、お願いね」
提督はそう言います。
「響、電、行きましょうよ!」
「あいよー、電、行こうか…」
「えぇ!」
せっかちなレディーに急かされ、水上をスイスイと行軍。
少し進むと、積んであるレーダーに、3つの艦影が表示、敵。
…精度は良くないが今回は運良く捉えることが出来たようだ。
「電、右に敵3隻捕捉、どうする?」
「あっ…ええと…提督はどうされます?…」
自分で判断はしないんですね、提督と話せるんだからそれもそうか。
「…そうねー…撃滅して貰っていいかなー?」
軽いノリで戦えって私達に言ってきますね…
「そのくらい暁たちにとったら楽勝よ!」
暁は無知なのか、区切りをつけているのか知らないが、戦闘に結構躊躇がない。
「じゃあ…響ちゃん、行きましょうか」
「そうだね…」
3人で方向転換をして進む、そうやって敵影に近づいていくと、メカクジラが2体と 、
2体の少し奥に髑髏に乗ったお化けのようなやつが出てきました、なんですかこいつ、
「駆逐艦2隻に…なんだ…?」
「そんな事どうでもいいわ!おりゃー!」
暁が髑髏お化けに砲撃を浴びせます。
ちょっと、1人で突出はしないで。危ないから。
煙からでてきたお化けは傷はあるもののまだまだ健在です。
「あれっ?硬いわね…ってきゃー!」
ドクロのお化けに反撃を食らわせられた暁、一撃で中破までイカれたようだ。
言わんこっちゃない…
「何をやってるんだい…相手は軽巡ホ級、練度も高くない駆逐艦1隻じゃ無理だろう!」
「て、提督…うぅー!」
私達にいい所を見せようとしてくれたのかな、だけど今回はそれが裏目に出たようです。
「暁ちゃん!下がってください!」
暁が中破なので、それを庇うように私達が前に立つ。
「駆逐艦は電が、暁はその援護、軽巡は…」
「響ちゃん、君がやるべきだね。」
あ!セリフをとられた!
「出来るんです?響ちゃん…」
「秘策がある、任しておいて」
私達は高角砲が肩に、魚雷が脇腹に、主砲が右手に装備されている、秘策に用いるのは主砲と魚雷。
「響、突貫する」
最大戦速で敵駆逐艦の間を突っ切る。
首がちぎれそうだ。
右の防盾がギッと軋んで剥がれてく。
秘策のキモは邪魔をされない事、つまりぶっちぎりで接近してドクロと駆逐艦の間に入ること。
それが出来れば駆逐艦は誤射を恐れて動かなくなる。
「電!暁!駆逐艦は任せたよ!」
そして、軽巡と対面します。怖いなこいつ
まずは軽く右手の主砲で牽制だ。
こういう時、響はどうやって叫ぶんだっけ、う、うりゃー?だっけ、違うな、Урааааааааааааа!だ!
「うらー!」
全然ダメージなし!思ってた声も違います!もっと雄々しく言うつもりだったのに!
軽巡が反撃してきます
「いったいな…」
中破とまではいきませんが小破。
早くケリをつけなければ。
こちらの砲撃では火力が低く、魚雷は火力が高い。
だが魚雷を撃とうものなら普通に避けられるでしょう。
ならそろそろ秘策の時間です
燻る身体を震わせて、気を入れ直します。
何せ初見殺しだからね…この秘策は…
軽巡に向けて砲身を向けます、ですが撃ちません。
軽巡は砲身を向けられたことで左右に回避行動を取り始める、量産型、あまり知性が高くないらしい。
今軽巡は砲撃から逃れる行動で頭がいっぱいなはず、気づかれないように魚雷をどぼぼん。
ある程度予測して撃たないと行けないので難しいのですが。
爆音、軽巡を水柱が隠します、当たったようですね。
水柱が消えた後、白波と発光体を残して軽巡は沈んでいました。
「確か…ドロップ艦だよね。早く回収して暁達の援護へ行こうか。」
艦装へ発光体を収納し、私は口で言った通り暁たちの援護へ向かいます。
着いた先に敵影は無く、そちらも戦闘は終わったようでした。
「電、終わったの…?」
「響ちゃん!こちらは大丈夫です!響ちゃんも大丈夫そうなのです!」
「軽巡を1人で抑えたのね!すごいじゃない!」
褒めてくれる、嬉しいな
「戦闘結果の報告をしてくれないかな!」
提督、そういえばいたな
「旗艦の私が小破、暁ちゃん、響ちゃんが中破なのです!」
「勝利Aってとこね、怪我しちゃってるようだね、帰投したまえ。」
「えぇ!わかったわ!」
「はーい…」
帰った時にドロップ艦の事を伝えちゃおう、疲れたんだ。
「第一艦隊、帰投します!」
電が気合いの入った声で言います、なるほど、帰るまでが出撃ってね。
そして私達は問題なく来た道…道?、海路か、そう、海路を辿って鎮守府へ帰投しました。
次回で帰還まで、ドロップ艦は誰なんだ.!!
今の鎮守府のパワーバランスは、一定の条件下の場合を除いて
暁>響>電
の順で形成されています。
暁ちゃんはいい所を見せようとするあまり、空回りしてるだけです。