knights & magic ~odic theory~ 作:Drac
「そんなこんなあってテレスターレの原案を考えた僕の護衛とさらなる新型機の開発を目的として、僕を団長とする新しい騎士団が設立されたのです。その名も銀凰騎士団!」
「「「大事なところはしょりすぎだ!!!」」」
唐突に話を切って再び結論だけを述べたエルネスティに対し、事情を知らないバトソンとフィーネ、お目付役としてついてきたディートリヒが総じて突っ込む。
「そう言われましても、ディーさん達に何があったのかは聞いただけですし、陛下との謁見で話したこともこの一言に収められるんですよ」
「エルネスティ、団長となった身なのだから、欠けた情報でもできるだけ部下に話す場面も多くなる。第一、騎士団の構成員など話せることがあるだろう。そんななりでは親方当たりに
「それはいけませんね!では、もう少しだけ頑張ってみましょう」
そんなやりとりをしつつエルネスティは再び語り出す。余談だが、体験したことと伝聞したことではやはり話の密度が変わり、二人は淡々とした印象を受けた。
ダーヴィド他、エルネスティを迎えに行った一行は道中、二機のテレスターレと遭遇した。どうしたものかと語りかけるも返答を返さず、むしろ武器を構えだした。事情はわからくも、非常事態が発生したと察したエドガーとディートリヒは臨戦態勢を整えるが、テレスターレ二機は別々の行動をとった。一機はこちらへと斬りかかってきて、もう一機は一目散に逃げ出した。
性能差や
「というのは見栄を張りたいエドガーの言い分でね。その実、逃げたのがトランドオーケスがベースだと気づいたあいつがこちらには目もくれず走り出したからなのだけれどね」
ディートリヒの方は、敵味方どちらも慣れていない事もあって膠着状態に陥っていた。そこへ、エルネスティより一足早くアーキッドとアデルトルートが
「彼らは
一方でエドガーの方は、彼がかなり防御に振った戦闘が得意であり、テレスターレが性能上攻撃に振らざるを得ない事も重なって優位とはいえずとも対等といえるほどだった。しかし、ヘルヴィとの模擬戦でもわかっているようにサロドレアでテレスターレに勝つには相応の技量と集中力が必要になる。
結果、エドガーの機体は腕をもがれる程の損傷を負った。なんとかそんな状態の機体でエルネスティたちが近くに来るまで持たせる事は出来たがあと一歩及ばず、敵は機体の奪取を成功させた。とはいえ、エドガーは重傷を負いつつもとどめを刺す余裕をなくす程の戦果―とどめを刺すのをためらうほどの
「あのときは気が気じゃなかったよ。アールカンバーを見つけたと思えば生きているのが不思議なくらいボロボロだった。仇を討とうとすれば見たことのないほど複数の種類が混ざった魔獣の集団に襲われたからね」
ちなみに、賊のほとんどは服毒して自殺し、逃走に成功した一部の賊の進行方向には闇夜に紛れる黒くて細身な影の目撃情報が出ている。国王やクヌート他、国営に関わる人物は、それが隠密に特化した
閑話休題
今回は技術の奪取が目的だったが、今後
結果、自衛手段の意味合いとエルネスティ
ところで...
「ん?」
「そこまで解説するならディーさんが説明すれば良かったのでは?」
「まあいいじゃないか。さっきも言ったけど経験だよ経験」
そんなやりとりをする二人を見つつ、バトソンとフィーネは今後の苦労を考えて顔に疲労の色を浮かべるのだった。とはいえ、エルネスティに振り回されるのはいつもの事かと若干諦めの考えも含みつつ笑い合った。ちなみに、二人とも騎士団への加入に関しては特に文句が無かった。突拍子のなさが過去一のスケールだったために取り乱しただけなのである。
「ちなみに拠点とかはどうするんだ?場所があんまり思い浮かばな」
「
「「え?」」
「しばらくは学園の設備を貸してもらいます。平行して鍛冶学科新入生の一部に入団してもらって、近くに砦の建造を予定しています。僕が卒業する頃までにそちらへ移る予定ですね」
「「...」」
百歩譲って場所や設備の話に納得できても、ここまでの話にラウリの名前がなかったことに、本当に加入して良かったのかと早々に不安に駆られる二人だった。