knights & magic ~odic theory~   作:Drac

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39話

 行動方針が決まってからは遭遇するジャロウデク軍と仕入れ(戦闘)を行いつつ、活動拠点を求めて関所からほど近いレントマキ男爵の下と訪れていた。

 

 彼の他いくつかの貴族へ接触を試みたが積極的に協力してくれる者はいなかった。一応ジャロウデクへ一泡吹かせたいと多少の物資支援といった消極的な協力を約束してくれた者はいた。

 しかし、国王は敵の大将であるクリストバルとの一騎打ちで亡くなり、他の王族も捕らえられ、処刑された者もいた。つまり、彼らが付き従う相手、御旗といえる存在がいないために国としてまとまる事も出来無かった。

 故にこそエルネスティ達は処刑の報が無い王族の救出を目的に動き始めた。

 

 その間、銀凰商会は救出部隊、撹乱部隊、鍛冶部隊の三部隊―撹乱部隊と鍛冶部隊は一緒に動いていたため実質二部隊―に分かれて動いていた。

 

 救出部隊はエルネスティやオルター兄妹、エムリス、銀凰騎士団と一緒に来ていた諜報を専門とする騎士団、藍鷹騎士団の数名で動いていた。フレメヴィーラで普及し始めた幻晶甲冑(シルエットギア)を諜報用に様々な調整を行ったシャドウラートを使用し、無事に救出作戦を成功させていた。

 

 撹乱部隊は名称こそ撹乱だが、その実これまで通りに動いていた。救出部隊の動きを悟らせない事が目的であり、ついでに鹵獲(仕入れ)を行うということであった。つまり、目的が増えただけで基本はこれまで通りということである。

 しかし、ここまで銀凰騎士団―得にエルネスティ―が暴れ散らかしたために逃げ延びた騎士達から正体不明の略奪集団として商会の存在が漏れ、討伐隊がグスターボという名の人物が率いる騎士団が派遣されていた。

 ディートリヒの部隊は、グスターボ達の乗る正しく空飛ぶ船である飛空船(レビテートシップ)に初めて遭遇した。存在自体はクシェペルカ貴族達から情報だけ聞いていたが眉唾物の存在に遭遇したことで多少の驚きはあった。しかし、普段エルネスティのオーバーテクノロジー(ヘンテコ技術)で振り回されていたために「同種の人間っているんだなぁ」とクシェペルカ軍ほど驚愕はしていなかった。それよりも、敵の団長と見られるグスターボの機体の方が異常だった。

 他とは造形がことなり、かなり細身に仕上がっている。見て取れる外装(アウタースキン)も異様でどこもかしこもが鋭くとがっている...というよりも剣そのものを大量に付けている雰囲気―実際に大小様々な剣を装備している―であった。本人曰く、「武器の中で剣が一番強い」、「強いヤツいっぱい持ってるヤツが一番強い」というなんとも頭の悪い理論だった。しかし、いざ戦闘になれば大量に装備した剣が見た目通り装甲の役割を持って、一種のクラッシャブルゾーンを形成していた。肉弾戦を行えば剣に阻まれ、全身の剣はそのまま両手に持ち変える事が出来るため武器破壊もそれほど意味を持たない。一見は頭が悪いのに、実戦してみれば一周回って頭いいタイプの理屈といえる。それは補助腕(サブアーム)にも剣を持たせて立体的に攻撃を仕掛けてくるグスターボの技術あってのものだが対峙したディートリヒとしてはかなり厄介といえた。

 結果としてはツェンドリンブルを移送用と勘違いしていたグスターボ達が数的不利に陥り、ジャロウデク側の諜報が仕掛けた煙幕で撤退した。

 

 鍛冶部隊は実のところ二つに分けられる。一つは撹乱部隊の損傷修理や鹵獲機体の解体等、通常業務とも呼べるそれらを行う組。もう一つは救出部隊の作戦が成功した際、いち早くクシェペルカ側の体制を整えるためにモートリフトの量産を行う組だ。モートリフトは鍛冶士の個性が大きく出て一つとして同じ者は存在しないが、何も一から全てを個人で手がけるわけでは無い。名称を決めた際に基準となる構造も定義している。銀凰騎士団では始めに先輩の助力と共に一月足らずで完成させる。その間、モートリフトにかかりきりというわけでは無く、勿論通常業務もあるため自分の長所短所、銀凰騎士団での役割が見えてきて、ここから初めて自分用にカスタマイズを始める。

 一応、貴族達に基準構造の設計図は渡しているが、銀凰商会の仕事ぶりと突拍子のなさに半信半疑といったところ。救出作戦を成功させても、準備が整ってなかったのですぐ返り討ちに遭いましたでは意味が無いのだ。そのため、勝手知ったる銀凰騎士団であらかじめ数を用意しておき、動き始める時期を少しでも早くしようという目的である。

 

 余談だが、設計図の供与を行えたのはエルネスティに理由がある。エルネスティは幻晶騎士(シルエットナイト)事業に関しては国機研(ラボ)に匹敵する権力を持っている。今回は国王からの許可もあったが、ある程度は個人で采配を決定することが出来るのだ。

 一個人が国営組織と同等の権限を持つと思えば異常だが、いくつもの新技術を確立し、全く新しいツェンドルグ系譜の開発、今後新しく開発するであろう幻晶騎士(シルエットナイト)を考えれば、それだけのことをしてでもつなぎとめておきたい人材と言うことである。実際、数ヶ月後にはこの権限付与の成果がない事も無かった。




最近会話文がかけてないな...
と考えていたらふと思った事があるんです。
...もしかして、これがプロットとかいうヤツでは?
とりあえず、頑張れる所まで頑張ろうと思う所存です。
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