knights & magic ~odic theory~   作:Drac

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前話投稿してから、オリ主でやれば良かったのでは?と思った。
現状の憑依?も活かせる気がしない。
まあノリと勢いで書いてるので、やっちゃったものは仕方ないと思って頑張ります。


4話

「エルはその...まだ小さいだろ?」

 

 マティアスから告げられたその言葉にエルネスティは崩れ落ちた。

 

 ライヒアラ騎操士学園初等部の入学式が近づいてきて、エルネスティは悩んでいた。

 もちろん、別の夢を見つけただとかそういった話ではない。

 

 学園は旧型機の幻晶騎士(シルエットナイト)を複数所持しているが、数が限られていることもあって実際に乗って訓練が出来るのは高等部の特に最高学年が主であり、中等部では触れる機会も少ない。

 一応、学園は農民から貴族まで通うため騎士学科や鍛冶学科、商業学科などある程度の細分化がなさられている。初等部は全国民が自衛手段を身につけるのが主な目的であり、一部の学科を除いて幻晶騎士(シルエットナイト)は影も形も無い。

 

 加えて、幻晶騎士(シルエットナイト)の数は限られている。心臓ともいえる魔力転換炉(エーテルリアクタ)の生産量は多くなく、幻晶騎士(シルエットナイト)の巨大さも相まって大量生産は難しい。

 

 彼らのいる国では未だ魔獣の脅威に晒され続いている。過去、人間の生活圏が南北に端から端まで続くオービニエ山脈と呼ばれる大山脈の西側にしか存在しなかった。西側全土を支配した際、さらなる領土を求めて東側へと進行を行ったが、西側にいた魔獣よりも強力なものが多く、失敗に終わった。

 その際、東側で確保できた少ない領域にできた国が彼らの過ごすフレメヴィーラ王国だ。

 

 そんな事情もあって、新型の幻晶騎士(シルエットナイト)が開発されても末端まで配備されるのに十数年は必要になる。一部分の改良では新規製造機に適応されるだけで、補填はされど改修は行われない。今日明日どうこうなるほどではないが、それほど切迫した情勢なのだ。

 

 要するに、ただ乗るだけでも10年近く未来の話で、自由に乗れるようになるには騎士団に所属して十分な功績を挙げたり、実力を示して数少ない幻晶騎士(シルエットナイト)に乗れる騎操士(ナイトランナー)と呼ばれる存在になる必要がある。

 そのことに気づいたエルネスティは少しでも早く乗れるようにならないかと考えていたのだ。

 

 相談として父に騎士学園に飛び級制度が存在するか聞いたのだが、マティアスから出てきた返答が先の言葉だ。

 幻晶騎士(シルエットナイト)も兵器なのだからある程度は身体に差異があっても扱えるように作られている。

 しかし、エルネスティの身長は年齢相応とは言え無い。バトソンといい勝負をしそうなほど身長が低い。

 エルネスティとしては将来に期待したいが、少なくとも現在は幻晶騎士(シルエットナイト)に乗れるほどの体躯になっていない。

 もちろん、礼儀作法など新しく学ぶ必要のある分野があることもあるが、もしも今から身長が伸びなかったら幻晶騎士(シルエットナイト)に乗ることは生涯出来ないということになる。もちろん少しながら純粋に男としての矜持もある。

 

 

 アーキッド、アデルトルートの二人と魔法の勉強を始めても悩みの顔を崩すことはなかった。

 二人もそんな様子のエルネスティを見て休憩中に話しかけた。

 

「どうしたの?そんな難しそうな顔して」

「あれか?騎士学科なんて簡単すぎて退屈だ。とか思ってんのか?」

「いえ、そういうわけではないんですけど...騎操士(ナイトランナー)になるためにも必要なことですし」

 

 エルネスティは騎操士(ナイトランナー)になって幻晶騎士(シルエットナイト)に乗る夢をよく語っていたため、アーキッドやアデルトルートも聞いていた。

 エルネスティの悩みを聞いて、三人で頭を悩ませているとアデルトルートが決定的な一言を放った。

 

「そうだ。エル君改造だとかカスタムだとかよく言ってたでしょ?動かす場所をエル君に合わせて作るってのはどう?」

「作るですか...」

「でも、一人のためにそんな大がかりなもん作ってくれんのか?」

 

 二人がその提案に対して否定的な意見になっていたが、エルネスティは違った。

 彼は今までただ幻晶騎士(シルエットナイト)に乗ることを考えていた。アデルトルートの言葉で専用機という概念を思い出した。

 

「そうです!作るんです!」

「ひゃっ」

「うわっ」

 

 今し方思いついたことを新たな目標として掲げるためにもエルネスティは声に出したが、彼の想定以上に大声になってしまった。

 少しの間静かになっていたエルネスティが突然大声を上げたこともあり二人は驚いた。

 

「作るって、なにをだよ?」

「さっきの動かすところを?」

「全部です。操縦席だけといわず一から十まで全部!僕だけの幻晶騎士(シルエットナイト)を!」

 

 一拍早く冷静になったアーキッドが先に疑問を口に出し、アデルトルートが続く。

 エルネスティはそれに興奮冷めやらぬ様子で返答する。

 

「ああ、どうしましょうか!色は青にしましょうか。夢が!広がります!」

「ちょっと待てよ!作るってことは騎士学科はやめるのか!?」

「そんなことはありません。騎操士(ナイトランナー)にならなければ乗れないでしょう!」

 

 それからも彼の暴走はしばらく続いた。

 しばらくしてエルネスティは二人に諫められて落ち着きを取り戻して一旦保留ということに落ち着いた。しかし、彼の中では決定事項だった。

 専用機とは乗る人に合わせた機体で、他の人が扱うことは基本考えない。某Zなどでは乗る人が自分で設計することもある。

 故に、彼は将来の目標を変えるのではなく、更新(アップデート)というで形より理想的に、現実的に変えたのだ。

 

 

 ここで時計の針は三年ほど進む。

 

 ライヒアラ騎操士学園に入学してから、エルネスティは騎士学科に所属していながら鍛冶学科に入り浸って幻晶騎士(シルエットナイト)の設計を学んだりしていた。その時間を作るために魔法の授業で上級魔法(ハイ・スペル)を使用して免除を依頼するなど、型破りなことを多く行ったことで問題児として有名になっていった。

 また、アーキッドとアデルトルートの戦力増強にエルネスティの持つ銃杖(ガンライクロッド)、特にヴァーテックスの使用感をフィードバックした新型の銃杖(ガンライクロッド)ガーンデーヴァを作成していた。

 入学後には、アーキッドとアデルトルートの異母兄弟の一人と決闘騒ぎが起こってエルネスティが彼らの家庭事情を知るなど様々なことが起こった。この際、相手が決闘でアーキッドを再起不能にしようとアデルトルートを拉致したのだが、エルネスティがヒロイックに助け出していた。

 そんなこともあって、アデルトルートはそのときからエルネスティのことを男の子として意識し始めた...のだが、前後で態度が猫かわいがりから変化していなかったため、エルネスティからはあまり意識されていなかった。エルネスティの前世が経験不足なこともあって鈍感であることを差し引いても残当というほか無い。

 

 舞台はライヒアラ学園中等部に代わり、エルネスティ達は総合訓練として野外演習へと向かっていた。

 世界は再び大きな転換点を迎える。

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