knights & magic ~odic theory~ 作:Drac
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51話
戦場は完全に地と空に分かれていた。
魔導飛槍によって撃墜の危機がある飛空船は積極的に対地攻撃を行えておらず、クシェペルカ側も同じく対空攻撃を行っていなかった。それ以前に、これまでの戦闘により飛空船の数が少なくなっており、牽制の効果があるために大きく前に出られなかった。
地上では城門を破ろうとする幻晶騎士の戦闘と、潜入して城門を開こうとする幻晶甲冑がいた。幻晶騎士戦は幻晶甲冑の陽動という意味もある。
一方空ではイカルガと竜が戦闘を行っていた。ジルバヴェールはというと、はじめに垂直投射式連装投鎗器の一斉射を行った後は装填が必要な事もあり、ジャロウデク地上戦力への牽制として動いていた。
竜も魔導飛槍の攻撃には対策をしており、雷の鞭と呼ばれる雷系の魔導兵装を連動させた防御機構で迎撃を行っていた。
一方でイカルガもその身軽さから竜の周囲を飛び回っており、魔導兵装の直撃を受け付けていなかった。また、大型兵器が持つ弱点の一つとして超近接における戦闘が不得意と言うこともある。これは普通の人間でもいえることで、手を振り回せる程度の間合いにいる相手との戦闘は得意でも密着するほど近づいた相手では対処が難しい。兵器も大型化するほど対処が難しくなる範囲が大きくなり、竜に密着してしまえば魔導兵装も有効とはなり得なかった。
結果としてそれなりに万全といえるイカルガと一応格闘戦を想定している程度の竜による接近戦となる。ただし、竜にとって超近接戦といってもそれよりも何倍も小さいイカルガにとっては違う。幻晶騎士にとってそれは通常と同じ普通の近接~遠距離程度であり、どの兵装であっても有効な効果が見込める。また。四方八方どこかしこもが敵であるこの状況では普段特製魔力転換炉の魔力を存分に使った全力戦闘も行える。配慮する味方もおらず、何をやってもいい状況というのは大規模爆弾など一部の兵器にとって理想的な環境となる。
初めのうちは拮抗していた竜とイカルガだったが、次第にイカルガ優勢に傾き始めており、その様子を見て取れる地上においても動揺が走り始めていた。