紅白戦終了後、片岡はかつての恩師である榊英二郎と再会を果たしていた。
片岡「お久し振りです、榊監督。」
そう言い、頭を下げた片岡。
榊「おいおい、鉄心。ここの監督はもうお前だぞ。榊さん、で良い。」
これに榊は、片岡に苦笑いを浮かべながらそう言い
榊「鉄心。言うのが遅くなっちまったが、甲子園ご苦労だったな。」
片岡に労いの言葉をかけた。
片岡「ありがとうございます。しかし、目標の全国制覇はまだ程遠いです。」
これに、片岡は神妙な表情を浮かべながら答えた。
榊「今日のレギュラーチームの先発ピッチャーだけどよ・・・」
片岡「足立ですか?」
榊「ああ・・・。あの強烈な縦回転を誇るストレートと鋭い変化球は誰よりも抜きん出てる。加えて、マウンド上でのあの闘志と気迫・・・実際テレビで見ててお前と勘違いしてしまった程だ。」
榊「ついさっきも、お前と錯覚してしまったよ・・・」
榊「まあ、目つきの悪いお前と違って二枚目だがな、ガハハハ!!」
これには
片岡「・・・。」
片岡も苦笑いを浮かべた。
榊「だが、甲子園でのあの涙は今でも覚えてる。その時思ったさ、彼はもっと素晴らしいピッチャーになれるってな。」
榊「だからこそ、お前は彼にエースナンバーを託したんだろ?」
この問いに
片岡「はい。」
片岡は真っ直ぐに答えた。
それを見た榊は
榊「・・・ふっ。」
笑みを浮かべ
榊「彼の他にも生きの良いピッチャーが揃っている。それだけじゃあねぇ・・・他にも生きの良い選手が揃っている。皆どれも全国クラスだ。」
榊「皆をしっかり導いてやれよ、鉄心。」
そう、真っ直ぐな目で榊は片岡に言った。
片岡「・・・はい。」
これに、片岡はそう答えたのだった。
こうして、熱い紅白戦は終わりを告げた。
そして、準決勝の前日に
暁「ちょっと良い、惇。」
惇「あっ?」
栄純「お前に聞きたい事があってな。」
暁と栄純が一緒になって惇を呼んだ。
惇「聞きてー事?」
栄純「ああ・・・」
そう言いながら、3人で室内練習場に向かった。
何故この2人は惇を呼んだのかというと
惇「変化球の投げ方?」
栄純「ああ・・・惇は変化球を投げる際、どういう意識で投げてるのか聞きたくて。」
惇「暁。お前も?」
暁「うん。」
変化球を投げる時の意識を聞くために呼んだのだ。
惇「成程・・・お前ら、変化球投げんのが楽しくなったのか?」
栄純「ま、まあな。」
暁「うん。縦スラがあんな良い感じに決まったのが気持ち良くて。」
惇「そっか・・・。まあ、良いぞ。」
そう言うと、惇はボールを取って
惇「じゃあ、何を聞きたい?」
と尋ねた。
暁「じゃあ、SFFなんだけど。どういう握り方してるの?」
この質問に
惇「SFFは、こうやって握ってる。」
惇は握りを見せた。
栄純「第1関節の所に縫い目をかけてるのか・・・」
惇「実は俺、この球種をしっかり投げれるようになったのは中3になる前の3月だったんだ。」
暁「そうなの?」
惇「ああ。最初はコーチに教わった通り結構深く握っててさ、このくらいで。」
そう言い、がっつり深く握って2人に見せた。
惇「所謂フォークなんだけど、これくらいの握りで投げたらスゲー落ちたんだよ。」
惇「ただ、抜けやすくてさ・・・棒球になっちまってさ、あんま自信なかったんだよ。」
この言葉に
暁「そうだったんだ・・・」
栄純「今じゃ信じらんねーな・・・」
暁と栄純は驚きの表情を浮かべた。
惇「それで色々考えたんだよ。どうやったらしっかり投げれるのかなーってな。」
惇「色々考えた結果思い付いたのが、このボールを両サイドに投げ分ける事が出来れば、それだけで1つの球種でバリエーションが増えるんじゃねーのかって発想が浮かんだんだよ。」
惇「そうすりゃあ、配球の組み立てに幅が出来るし、それで改良してみようと思ったんだよ。」
惇「まず、この深さの握りじゃ、両サイドに投げ分けられるのは無理だったから、違う角度で物事を考えてみたんだよ。」
暁「それで・・・!」
栄純「どうなんだ!」
これに、2人は食いつくように言った。
惇「はは。まあ落ち着け。で、俺フォームを改造してから真っ直ぐにスゲー手応えを感じてたんだよ。」
惇「であれば、真っ直ぐに近い感覚、握りが1番フォークもコントロールしやすいんじゃねーかなって発想に辿り着いたんだよ。」
惇「そこから、この握りから幅を狭めてみたりしてみたんだけど、それでもしっくりこなくてな。」
惇「それで、真っ直ぐは縫い目にかけてるからそれみてーに縫い目にかけたんだよ。」
惇「最初は少し深く握ってみて、最終的にこう第1関節に縫い目をかけて真っ直ぐと同じ感覚で投げてる。」
そう言い、惇は握りを変えて2人に丁寧に説明した。
暁「それで、どういう意識で投げてるの?」
惇「フォークを投げた当初は、しっかり落としたいって思ってたんだけど、その発想を捨てて、バットの幅くらい落ちれば空振りを取れるし、当たっても引っかけさせてゴロを打たす事が出来るっていう発想に辿り着いたんだ。」
惇「もうこれは勝手に落ちるんだっていう意識で投げるようになってから、このボールに自信がついたんだ。」
そう言い、今投げている握りを見せた。
暁「落とそうっている意識を捨てて・・・」
栄純「勝手に落ちる・・・」
惇「そう。他のカーブとスライダーも同様。曲げようって意識すると肘が下がるし、手首も寝てしまう。」
惇「だから、曲げようと意識せず、真っ直ぐと同じ感覚で腕を振るようにしてる。」
そう、惇は2人に言った。
この惇の変化球を投げる時の意識に、暁と栄純にとって良い刺激となった。
その様子を見ていた御幸らは物珍しさを感じ、この際御幸は明日の準決勝の先発は暁であると伝えたのであった。
投稿出来ました。
最後の最後でグダりました。
すいません・・・(土下座)
後、本日ダイヤのAの最終巻が発売されました!!
僕自身、小学校5年の時から読んでおり、全巻揃えて毎回とても楽しく読んでおりました!!
この結末に賛否両論分かれると思いますが、寺嶋さんには本当にお疲れ様です、このような素晴らしい作品ありがとうございましたと伝えたいです!!
しかし、最終巻で青道の夏の甲子園7年ぶり5回目と書かれてあったけど、無印37巻で片岡監督が高2の時4年ぶり8回目と書かれてあったんだよなぁ・・・。
変に気にしすぎてしまって、大変申し訳ございません。
けど、栄純の世代のキャプテンが彼なのは予想通りだったな(笑)
ダイヤのA、感動を本当にありがとうございました!!
そして青道高校、全国制覇目指し、頑張って下さい!!
それでは、また!!