ダイヤのA〜世代最強右腕〜   作:ホークス馬鹿

113 / 129
112話です。


112話

轟のボールに前園、白州が打ち取られてしまった青道。

そのピッチングに

 

拓馬「スゲぇな、轟って人!」

 

瀬戸は興奮を隠せなかった。

 

拓馬「打つ方だけじゃなく投げる方も怪物クラスかよ。」

 

拓馬「御幸さんも犠牲フライ打ったとはいえ、ストレートで押し切ったしな。」

 

しかし

 

拓馬「けど、今日の惇さんは一番スゲぇかもな!」

 

拓馬「ストレートも変化球も前見たときよりキレてるし、構えたところにビッタビタに投げれてるしな!」

 

拓馬はそれ以上に惇の良さにそう興奮しながら光舟に話しかけた。

そう話している中、惇は7番先頭の阿部を打ち取った。

その時、惇の様子に少し変化がみられた。

 

惇(何だ・・・この感覚・・・思い通りにボールが操れるし、体も動けるんだけど・・・!)

 

自身の頭に思い描いていた動きのイメージがピタッと嵌まる感覚になっていた。

そして、8番米原に対しての初球は外のスローカーブ、2球目はインハイ141㎞の真っ直ぐで追い込むと

 

ズバアアンッ!!!

 

米原「うっ!」

 

最後はインサイドに140㎞の真っ直ぐが決まり、見逃し三振に打ち取った。

その時

 

米原「っ!」

 

米原の背筋から、どこか寒気を感じマウンドを見ると

 

惇「・・・。」

 

マウンド上の惇が、いつも以上に大きく見えたのだ。

米原だけじゃなく

 

前園(何や・・・この感じ・・・?)

 

春市(足立君・・・?)

 

倉持(足立・・・?)

 

バックも、惇がいつもの雰囲気と違う事に気付き

 

暁「惇・・・?」

 

栄純「何だ・・・これ・・・?」

 

栄純と暁もそう感じ、彼らの周りも同じ感覚を味わった。

この時

 

片岡(まさか・・・足立・・・!)

 

御幸(ゾーンに・・・入ったのか!?)

 

片岡と御幸は、惇がゾーンに入った事に気付いた。

 

拓馬「・・・なあ、光舟。」

 

光舟「何だ・・・?」

 

拓馬「俺らも初めて見るよな・・・?」

 

光舟「ああ・・・これが・・・」

 

光舟「惇さんの本当の姿なのかもしれないな・・・」

 

この時、瀬戸と奥村はそう惇を見て言った。

次の森山には、初球のスローカーブでストライクを取り、2球目には外低めの140㎞の真っ直ぐで追い込んで

 

ズバアアンッ!!!

 

最後はインハイ140㎞の真っ直ぐで空振り三振に打ち取り、3アウトチェンジとなった。

4回の表の青道の攻撃は、樋笠から始まったのだが、轟のボールに押され、三者凡退に終わった。

その裏の薬師の攻撃は、一巡して1番秋葉から始まったのだが

 

ズバアアンッ!!!

 

惇「シャアアアッ!!」

 

三島「な・・・何だよこれ・・・!」

 

三島(さっきよりボールのノビが違う・・・!それに、何て威圧感だ・・・!)

 

秋葉はインハイ140㎞の真っ直ぐを打ち上げサードフライに、2番増田はSFFで空振り三振に倒れ、御幸も何とか体の前で止めアウトにし、3番の三島には真ん中高め141㎞の真っ直ぐで空振り三振に打ち取り、雄叫びを上げた。

 

「おいおい・・・もう二巡目だぞ・・・」

 

「いくら何でも薬師が殆どまともに打てないなんて・・・!」

 

観客も、惇のこの姿に驚きを隠せなかった。

 

拓馬「今の惇さんのボール、薬師の選手はどう感じてるんだろうな。」

 

光舟「多分、今までの2倍ほど速く感じてるはずだ。」

 

光舟「ゾーンに入ったら、余計な思考が無くなってプレイに没頭する。」

 

拓馬「つまり、惇さんの集中力は・・・」

 

光舟「ああ・・・最早極限状態だ。」

 

ベンチに戻っても

 

栄純「・・・。」

 

暁「・・・。」

 

栄純と暁は、惇にコップを差し出せなかった。

周りも、惇に声をかけられなかった。

それだけ、惇の雰囲気は普段と大きく違っていたのだ。

惇のこの姿に

 

吉川「何か・・・足立君怖いです・・・」

 

藤原「そうね・・・ねえ唯。」

 

唯「はい。」

 

藤原「足立君のこの姿、見たことはあるの?」

 

唯「いえ、初めて見ました。」

 

藤原「そうなの?」

 

唯「はい・・・」

 

スタンドのマネージャー達もそう話しており

 

結城「この姿・・・あの日以来だな。」

 

原田「どういう意味だ、結城?」

 

結城「俺が足立のあの姿を見たのはこれで2度目でな。」

 

結城「あの日、御幸に頼まれてアイツの本気を見るために打席に立ったのだが、何も出来なかった。」

 

原田「おいおい・・・あの決勝も凄かったけど、あれより上かよ。」

 

結城「まあ・・・この状態になれるのはそう簡単じゃないからな。本人も言ってたし。」

 

原田「そうか・・・」

 

結城と原田もそう話し

 

カルロス「ヤベぇな、これは・・・」

 

白河「あんな姿、初めて見た・・・」

 

鳴「・・・。」

 

多田野「凄いですね、足立君。」

 

稲実主力組もそう話していた。

 

御幸「・・・。」

 

一方の御幸は、左手を冷やしながら

 

御幸(あの姿・・・あの日以来か・・・)

 

あの時を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

 

それは、関東大会が終わった後の話だ。

大会が終わった後、御幸は惇がまだ全力を出していない事に気付き、本当の姿を見せてくれと頼んだのだ。

 

惇「いや別に良いっすけど・・・何でっすか?」

 

御幸「いやぁ・・・お前の本気をちょっと見て見たくてな。」

 

惇「そっすか・・・そんじゃあ、哲さん呼んでくれませんか?」

 

惇「この状態でも投げれますけど、バッターいた方が良いので。」

 

御幸「・・・分かった。」

 

そして、御幸は結城を呼んで1打席勝負させたのだ。

 

御幸「忙しい中すいません。」

 

結城「いや、良いんだ。足立のボールをバッター目線で見て見たかった。」

 

そう言うと

 

結城「良いぞ。いつでも来い。」

 

結城はオーラを出しながら構えた。

その姿は、まさに名門青道の4番であり、キャプテンに相応しい姿だった。

 

惇「そんじゃあ、いきますね。」

 

惇はそう言うと、一度目を閉じ

 

惇「・・・。」

 

セットポジションに構えたその瞬間

 

御・結「「っ!!」」

 

一気に途轍もない威圧感が噴き出て、御幸と結城の背筋から得体の知れない寒気が出てきた。

その初球

 

ズバアアンッ!!!

 

結城「っ!?」

 

御幸の構えたところに寸分の違いもなく真っ直ぐが投げ込まれ、結城は何一つ反応できなかった。

 

御幸「っ~!」

 

ボールを受けた御幸は、この強烈なボールに苦痛で歪んだ。

 

結城「大丈夫か、御幸?」

 

御幸「はい、大丈夫です。」

 

結城の気遣いの言葉に、御幸はそう答え

 

御幸「ナイスボール!」

 

惇に返球した。

2球目

 

ズバアアンッ!!!

 

同じコースに真っ直ぐを投げたのだが

 

結城「っ!」

 

結城のバットは空を切った。

 

結城「これは凄いな・・・」

 

御幸「そうっすね・・・俺も手がちょっと・・・」

 

結城「ああ。俺も少し怖いな・・・」

 

この時、結城は惇の姿に恐怖を感じていた。

そして3球目

 

バシィィンッ!!

 

最後も真っ直ぐで、結城のバットは最後まで掠ること無く

 

御幸「クッ!」

 

御幸も、最後のボールを受け取れず、ミットが弾かれた。

 

惇「ふぅー・・・」

 

その時、惇が一息ついて

 

惇「手ぇ、大丈夫っすか?」

 

そう御幸に聞いた。

 

御幸「ああ、大丈夫だ。これがお前の本当のボールか・・・」

 

惇「まあ、そう都合良く使えないっすけど。」

 

御幸「成程・・・突然で悪かったな。」

 

惇「いえ、とんでもありません。」

 

御幸「哲さんも、ありがとうございます。」

 

結城「別に構わんさ。こちらこそ、良い経験させてもらったよ。」

 

そう言い、この日は解散となった。

 

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

 

 

御幸(昨日受けた時からボールがキレてるなと思ってたし、構えたところにドンピシャに決まるなと思ってたけど、やはりその予兆だったか・・・)

 

御幸(持ってくれよ、左手!)

 

そう思いながら、御幸は腫れ始めた左手を見ていた。

 

倉持「・・・。」

 

その様子を、倉持はジッと見ていたのであった。




投稿出来ました。

上手く書けたか分かりませんが、分かりにくかったらお許し下さい(土下座)

甲子園始まりましたね!!

仙台育英、初戦突破したけど、この投手陣が9点取られたのはビックリしたのと同時にやっぱ全国レベルだなと思い、「2度目の初優勝」はそんな簡単じゃないんだなと感じました。

けど、最後まで「2度目の初優勝」を諦めず頑張って下さい!!

また、活動報告にて皆さんにお聞きしたいことがありますので、見ていただけると幸いです。

それでは、また。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。