二軍の試合が終わった後
太田部長「え!?もう決めてるんですか!?一軍入りのメンバーを・・・」
片岡「・・・ああ。夏への戦いはもう既に始まっている。選手選考に時間をかけている暇は無い。」
太田部長「・・・!!」
片岡「今すぐ選手を、全員集めろ。」
太田部長「・・・はい。」
片岡は選手全員を集めるよう言った。
そして、室内練習場に選手全てが集まった。
栄純(アレ・・・?何だっけ、コレ・・・?)
しかし、栄純だけ状況が呑み込めていなかった。
片岡「今から、一軍昇格選手を発表する!!」
この言葉で
栄純(・・・そうか。一軍昇格・・・今から?)
栄純は何の集まりか分かったが、今から決める事に驚いた。
片岡「これまでの練習試合を参考に、自分の判断でメンバーを決めた。選ばれた2名は、我が校代表としての責任を自覚せよ。」
片岡「選ばれなかった者は、夏までの1ヶ月、一軍メンバーをサポートしてやって欲しい。」
栄純(あれ・・・2人だけ?)
栄純は2人だけという事に疑問を抱き
春市(うわ~、緊張する。)
春市は選ばれるか否かの緊張を感じ
クリス(・・・。)
クリスは結果を全て受け入れるという強い意志を込めた目をした。
片岡「一軍昇格メンバーは・・・」
そして、選ばれたのは
片岡「1年、小湊春市。」
春市「!」
片岡「同じく1年、沢村栄純。」
栄純「!?」
片岡「以上だ・・・」
栄純と春市だった。
「「「・・・。」」」
この決定に、それぞれ色んな想いを浮かべた顔をした。
栄純「・・・。」
栄純(・・・え。え!?ちょっと待って・・・クリス先輩は・・・!?)
栄純のみ、何故クリスが選ばれないのか疑問の顔を浮かべた。
片岡「この2人を加えた一軍20名で夏を闘う・・・明日からの練習に備え、今日はこれで解散だ。」
片岡「選ばれなかった3年生だけ、ここに残れ!」
そう言い、3年生以外の皆は解散した。
栄純「・・・。」
しかし、栄純のみ動かなかったため
惇「・・・行くぞ。」
惇は栄純の肩を叩いて、一緒に出た。
片岡「これまでの2年間・・・お前らは本当によく頑張った。厳しい練習に、熾烈なレギュラー争い・・・辛く悔しい想いなど、いくらでもした事だろう。」
片岡「だがお前らは、決して挫けず、最後までこの俺についてきてくれた・・・」
そう言うと、片岡は頭を下げ
片岡「これからもずっと・・・俺の誇りであってくれ。」
そう言った。
それを聞いた選ばれなかった3年生は
「・・・っ・・・」
「ぐっ。」
「うぐっ・・・」
「うう・・・」
(覚悟はしていた・・・)
(例え選手に選ばれなくても・・・)
(絶対に後悔しないと・・・)
(けど・・・けどやっぱり悔しい・・・)
(俺達の夏は・・・ここで・・・終わったんだ・・・)
涙を流し、そう心の中で呟いた。
クリス「・・・。」
しかし、クリスのみ、悔いの無い顔を浮かべていた。
片岡「クリス・・・お前にもこの先、選手としての道が必ずある。」
片岡「だからまず、その肩を完全に治す事だけを考えろ。」
クリス「・・・。」
片岡「その上で、御幸や宮内らキャッチャーのサポート・・・そして投手陣を纏めて見てもらいたい。頼めるか?」
片岡は、クリスにそう頼んだ。
それを聞いたクリスは
クリス「良いんですか・・・自分で・・・」
クリス「自分の指導は、監督より厳しいかもしれませんよ。」
そう片岡に言うと
片岡「ああ。よろしく頼む。」
片岡はそう返事をし
片岡「お前らも青道の一員として、一軍メンバーをサポートしてやってくれ。」
他の3年生にも頼んだ。
「「「はい!勿論です!!」」」
クリス(悔いは無い・・・最後の最後・・・俺はプレーヤーとして・・・最高のボールを受ける事が出来たんだからな・・・)
その様子を聞いていた栄純は
栄純(な・・・何で俺だけ・・・今日のピッチングだって、クリス先輩がいたからだろ・・・)
栄純(凄いのはあの人なんだ・・・クリス先輩が、俺の力を引き出してくれたから・・・)
辞退しようと思い中に入ろうとしたが
惇「どこに行くんだ、栄純?」
栄純「惇・・・」
惇に止められた。
惇「辞退するつもりじゃねーだろうな。」
栄純「だって・・・これは・・・」
惇「テメーも監督に選ばれた以上、黙って見る他ねーんだよ。テメーも春市も、ココに選ばれた以上、勝手な事すんじゃねー。哲さん達にも迷惑かける気か?」
惇にそう言われると
栄純「・・・。」
栄純は黙って下を向いた。
そして
結城「足立の言う通りだ。そんな俺達に出来る事はただ一つ・・・選ばれなかったあいつらの分まで、強くなる事だ。」
結城はそう栄純に言った。
惇「一緒に強くなろう・・・栄純。」
そして、惇は栄純の肩を叩いて言った。
それを聞いた栄純は、ただ泣くしかなかった。
御幸(俺は最後まで戦い抜くぞ・・・クリス先輩の分まで・・・)
御幸も、決意を込めた目を浮かべながらその場を後にしたのであった。
投稿出来ました。
一軍選考・・・辛いですけど、全ては夏のためですからね・・・。
皆、色んな想いを背負って闘ってるんだと思うと、胸がこみ上げて来ます・・・。
それでは、また。