ダイヤのA〜世代最強右腕〜   作:ホークス馬鹿

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23話です。


23話

3年校舎

 

 

 

 

丹波「やっぱり、まだ肩の状態良くなかったんだな。」

 

クリス「ああ。完全に治るまでは、もう少し時間が掛かりそうだな。」

 

クリス「けど後悔はしてない。俺を選手として試合に出してくれた監督には感謝してるよ。」

 

それを聞いた丹波は、複雑な顔だった。

 

クリス「後はお前らが・・・俺達の夏をどれだけ長くしてくれるかだな。俺は裏方として、チームに貢献していくよ。」

 

そう言い、クリスはその場を後にした。

これに丹波は

 

丹波(バカヤロー。何が後悔してないだ。最後の夏・・・俺はお前とバッテリーを組みたかったんだよ。)

 

本音を心の中で呟いたのだった。

 

 

 

 

2年校舎

 

 

 

 

 

「亮介さんの弟はまだ分かるとしても、何であの沢村が一軍なんだよ。」

 

「あの試合だってクリス先輩がいなきゃボロボロだったし、セットプレーも出来てねーんだぞ、アイツ・・・」

 

「アイツ入れるぐらいなら他の先輩を入れてあげれば良いのによ。」

 

「やっぱ監督って鬼だよな・・・」

 

「俺達も簡単に切り捨てられたりして・・・」

 

これに

 

前園「アホかお前ら。」

 

「ゾノ・・・」

 

前園「俺らは常に甲子園を目指すチームなんやぞ。来年以降のチームを支える選手をベンチに入れるなんてよくある事やろーが!」

 

「分かってるよ、そんな事・・・けどお前は・・・お前は悔しくねーのかよ・・・」

 

前園「悔しいに決まっとるやろ!けどな・・・一番悔しいはずの3年の先輩達が、誰1人欠ける事無く今朝の練習に揃っとったんやぞ!!」

 

「「「!」」」

 

前園「もう1年チャンスのある2年の俺達が、ゴチャゴチャ文句言うとる場合か!悔しかったら、頑張るしかないやろ!!」

 

前園はそう一喝した。

これには

 

「「「・・・。」」」

 

愚痴っていた3人は黙って下を向いた。

 

前園(頑張るしか・・・)

 

前園「見とれよ!俺は来年、絶対に生き残ってやるからな!!」

 

そう、前園は決意を込めた顔で言ったのだった。

 

 

 

 

 

2-B

 

 

 

 

 

御幸「・・・。」

 

御幸は、スコアブックを真剣に見ていた。

そこに

 

倉持「御幸!真剣な面して、何見てんだよ?」

 

倉持「この前の黒土舘戦のスコアブックか。お前ホントそれ見るの好きだよなぁ。ヒャハハ!」

 

倉持が現れた。

 

御幸「まあ、これも仕事のうちだからな。」

 

倉持「正直言って俺も、この短期間で沢村がここまで化けるとは思ってなかったけどなぁ。」

 

倉持「まぁ・・・全部クリス先輩が引き出したんだろーけど?」

 

倉持「けどアイツ、ちゃんと切り替えられんのかよ?昨日の晩もずーっと泣いてやがったしよ!」

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

栄純『グスッ・・・グスッ・・・』

 

惇(まだ泣いてんのか・・・)

 

倉持『うるせーな!いつまで泣いてんだ!!』

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

倉持「アイツはどう見ても、足立と同じで気持ちで投げるタイプのピッチャーだろ?足立はともかく、これからに影響が出なけりゃ良いけどよ!」

 

これに

 

御幸「切り替えてみせるさ・・・この俺がな!」

 

御幸は自信を浮かべた笑みで言った。

 

倉持「!」

 

これに倉持は

 

倉持「言ってろコノヤロー!!テメェのそういうとこが鼻につくんだよ!」

 

御幸「はっはっはっ。そりゃどーも。」

 

倉持「褒めてねーよ!」

 

そう怒鳴ったのだった。

 

 

 

 

 

1-C

 

 

 

 

 

「おー日直。赤チョーク補充しとくっちゃよ。」

 

「卜部兼好、俗称吉田兼好の『徒然草』は、『枕草子』『方丈記』と並んで、日本三大随筆の1つだな・・・」

 

この日の1-Cは、少し違った。それは

 

栄純「・・・。」

 

栄純が教科書を開いて、授業を受けているという事だった。

 

惇(コイツ・・・なーんかやな予感が・・・)

 

吉川(なんか・・・沢村君。一軍に上がって変わった?)

 

吉川(ずっとエースになるって言ってたから・・・もっと喜んでると思ったけど・・・)

 

吉川(朝からちゃんと授業受けてるし、一度も居眠りしてないし、事件だわ・・・これは。)

 

(ワシの熱意がやっとコイツにも伝わったか・・・)

 

惇(いや、ちげーから・・・)

 

信二「おいアレ・・・大丈夫なのか?」

 

惇「さあな・・・まあ、確かに朝起きてから変だったけど、アイツなりに色々考えてんだろ。」

 

信二「成程・・・馬鹿なりにってやつか。」

 

惇「まあな・・・」

 

そう、惇と信二は小声で話しながら栄純を見ていた。

そして、練習が始まると

 

栄純(今やれる事を全てやる・・・それが・・・俺がクリス先輩に出来る唯一の恩返しなんだ!)

 

栄純「だりゃあああ、負けるかあ~!!自分に~!!そして野球に~!!」

 

栄純はタイヤを引きながら気合の入った表情で走っていた。

 

春市「気合入ってるな栄純君。やると決めたら迷わず突き進む。あれが栄純君の凄い所だよね。」

 

それを見た春市が素直に言うと

 

暁「・・・。」

 

春市(あ・・・ちょっと加速した。)

 

惇「・・・ちょっとペース上げっか。」

 

春市(足立君も・・・)

 

惇と暁は、感化したのか少しペースを上げた。

 

春市(僕ももっともっと頑張らないと!)

 

春市も続いたが

 

春市(結局、一度も目を合わせてくれなかったな・・・兄貴・・・。お前には一軍はまだ早いって思われてんのかな・・・)

 

亮介に避けられてる事に少し疑問を抱いたのだった。

 

栄純「おっしゃ~!後10本!!」

 

この様子に

 

御幸「はっはっはっ。余計な心配だったみてぇだな!あのヤロー・・・今まで以上に気合入ってんじゃねーか!」

 

倉持「・・・ちぃ。」

 

御幸は笑いながら見ていた。

 

クリス「そうでなきゃ困るさ・・・常に前へ進む姿勢。それこそが、沢村の一番の武器だからな。」

 

御幸「クリス先輩。」

 

クリス「だが・・・少し危ういな・・・」

 

御幸「え?」

 

クリス「アイツにはこの先、覚えなきゃならない事が山ほどあるんだ・・・俺達がしっかりコントロールしてやらないと、潰れるまでやりかねないぞ。」

 

御幸「そうっスね。手加減知らずの馬鹿ですからね。」

 

クリス「ああ・・・止まる所を知らない馬鹿だからな。」

 

倉持「ヒャハハハ!!褒めてんすかそれ!」

 

栄純の練習姿を

 

太田部長「片岡監督。やはり丹波の調子がイマイチ上がらない事が、投手をもう1人ベンチに入れた理由ですか?」

 

太田部長はそう片岡に尋ねた。

 

片岡「三振をいくつ奪ったとか、ヒットを何本に抑えたとか、勝たなければ次のない高校野球に、内容の良いピッチングなど必要ない。」

 

片岡「どんな不細工なピッチングだろうが、勝負に勝てるピッチャー。それが俺の求めるエースだ!!」

 

高島「!」

 

片岡「そういう意味では、今このチームにエースと呼べる存在はいない。これからの合宿と大会中の実戦で、エースを育てていくしかあるまい。」

 

片岡「調子さえ良ければ、1年だろうがガンガン登板させるぞ!」

 

そう、片岡は言い切ったのであった。




投稿出来ました。

片岡監督の理想のエース像は、まさに的を得てますね・・・。

それでは、また。
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