丹波の怪我があった翌日、外は大粒の雨が降っていた。
惇「・・・。」
信二「・・・。」
栄純「・・・。」
この日、1年C組の野球部達は、暗い表情だった。
栄純「・・・そう言えば、トーナメントが決まるのって、今日だっけ?」
信二「・・・ああ。哲さんと部長が行ってるよ。」
栄純「・・・そっか。」
惇「いよいよ始まるな・・・夏が。」
信二「・・・ああ。」
昨日の今日で、野球部は暗いままだった。
「ねえ、春乃。野球部の皆、どうしちゃったの?何か暗いけど・・・」
吉川「う、うん・・・ちょっとね・・・」
吉川(流石に昨日の今日だもん・・・丹波先輩・・・)
そのまま、放課後室内練習場に集まった。
この日、野球部全員集合したが
倉持「大丈夫か・・・先輩達・・・。昨日から全然元気ねーけど。」
御幸(同じ時間を過ごしてきた3年生にとって、昨日の事はショックがでかいだろうな。)
御幸(しかも一番士気を高めなきゃいけないこの時期に・・・)
3年生は暗いままだった。
暫くして、片岡が現れた。
片岡「お前らも聞いてると思うが・・・昨日のデッドボールで、丹波の顎の骨にはひびが入っている・・・」
片岡「幸い骨折には至らず、脳の方にも影響はないそうだが、予選には間に合わないかもしれん。」
この言葉に、3年生の顔は俯いた。
片岡は、拳を握りしめ
片岡「正直・・・俺自身まだ戸惑っているところもある。ようやくエースとして目覚めつつあっただけに、本人も悔しくて仕方ないだろう・・・」
そう、戸惑いの言葉を述べた。
しかし、片岡は真っ直ぐ見据え
片岡「しかし、これはチームの監督としての意見であり、決して一個人の感情で決めたわけではない・・・」
片岡「エースナンバーは丹波に渡す!!あいつが戻ってくるまで、チーム一丸となって戦い抜くぞ!!!」
そう力強く言った。
片岡「その上で、川上は勿論だが、足立、降谷、そして沢村。この1年生3人にも、投手としての出番が多くなるだろう。その時は3年が中心となり・・・この3人をバックアップしてやって欲しい。」
これに、3年生全員が頷いた。
片岡「頼んだぞ・・・」
「「「はい!!」」」
この時
惇(丹波さん・・・)
ある事を思い出していた。
回想
丹波「足立。少し良いか?」
惇「はい。何すか、丹波さん?」
丹波「足立。いつも思うのだが、お前はよく吼えるな。」
惇「え?えっと・・・鬱陶しいっすか?」
これに、惇は少し慌てた表情で言うと
丹波「いや、そうじゃない。言葉足らずで悪かった。」
丹波は慌てて弁明し
丹波「ピンチを凌いで吼える姿は、まさに俺にとって理想のエース象だ。そんなお前が羨ましい。ピンチを凌ぎ、結果を残すお前の強靱なメンタルに・・・」
丹波「それに比べて俺は、打たれてランナーを背負うと、いつも頭が真っ白になって自滅する・・・自分が情けない・・・」
そう、羨むように言った。
すると
惇「いやいや丹波さん。俺、メッチャ脆いっすよ。俺、登板の日は毎試合胃が痛くなるんすよ。」
惇は手を振ってそう言った。
丹波「そうだったのか?」
惇「ええ。酷い時は胃薬を飲まなきゃ駄目だった時もあったんすよ。」
丹波「何か・・・意外だな。」
惇「でも、背負えるもんは、逆に背負って行ったれって思いながら投げてますね。」
丹波「背負って行く・・・?」
惇「ええ。それで自分の力が出せるのなら、まあそれの方が俺にとって良いのであれば、そうしようって決めたんすよ。」
丹波「・・・。」
惇「俺個人としても、丹波さんはマジでスゲー良いピッチャーだなっていつも思いますよ。」
惇「背も高いから角度のあるボール投げれるし、俺には無い武器っすよ。」
丹波「フッ・・・この身長はお前にはやらんぞ。」
惇「うわぁ・・・ハッキリ言われたっす!」
丹波「フッ・・・」
惇「はは!」
回想終了
惇(丹波さん・・・信じて待ってますよ・・・。エースナンバーを・・・チームの皆の思いを背負えるのは・・・丹波さんしかいないっすよ・・・)
惇(必ず戻って下さい・・・!)
そう思いながら、惇は拳を握りしめたのであった。
投稿出来ました。
丹波さんが怪我した後のお話を少しオリジナル風に書きました。
読みにくかったら申し訳ございません(土下座)
それでは、また。