ダイヤのA〜世代最強右腕〜   作:ホークス馬鹿

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39話です。


39話

次の相手が明川学園に決まった翌日。倉持と亮介は、楊のような正確無比なコントロールとそれを活かしたクレバーなピッチングをする投手を揺さぶるためにバント練習をしていた。

その横で、結城らクリーンナップはフリーバッティングで力強い打球を飛ばしていた。

 

「おお~凄い・・・!」

 

「見てて気持ちが良いですね・・・!」

 

「大技だけじゃ無く、繋ぐ小技もしっかりしてますね・・・」

 

「やはり2試合連続で大量得点しただけの事はある・・・相手にとっては脅威でしょうな。」

 

「中でも飛び抜けてるのは、キャプテンの結城君・・・雰囲気ありますね。」

 

「プロのスカウトも注目してるんでしょ?」

 

「でも本人に全く興味が無いとか。」

 

「今は主将として甲子園出場を果たす事しか頭にないんでしょう。」

 

それを、周りの記者はそう思いながら見ていると

 

大和田「うわ~凄い数の記者!青道ってこんなに注目されてたんですね!」

 

1人の長身の女性記者が現れ

 

峰「大和田!当然のことを言うな!若い片岡監督の下、今年こそ名門復活なるか・・・他にも色々と記事にするネタが転がってるチームだからな。」

 

峰「まっ・・・今日来てる連中のお目当ては、1年の剛腕投手降谷暁と、未だ登板はゼロだが、バッターとしてチームの勝利に大きく貢献してる同じく1年の怪腕投手足立惇だからな!!俺達もブルペンに行くぞ。」

 

大和田「あ・・・はい!」

 

割腹の良い中年男性記者がそう言い、その者と共にブルペンに向かった。

ブルペンに到着すると、既に最前列は記者達で埋まっており、入れそうに無かった。

その前に

 

御幸「真っ直ぐ!」

 

惇「はい!」

 

惇と御幸がいた。

御幸に言われた惇は足を上げ、上から叩きつけるようなフォームから強烈な縦のスピン量を誇る真っ直ぐを投げた。

 

ズバアアンッ!!

 

御幸「ナイスボール!」

 

「「「おぉ・・・!」」」

 

これには、記者から声が上がり

 

峰「・・・良いボールだ。」

 

峰も同様の声を上げた。

 

大和田「凄いボールですね・・・私、途中から浮き上がってるように感じましたよ!」

 

峰「打者から見たら、打ちづらいだろうな。あれ程の強烈かつ綺麗な縦回転の真っ直ぐを投げる投手はプロでも少ない。」

 

峰「それに、彼の真っ直ぐが中学であれだけ打てなかったのはボールの質だけじゃない。」

 

大和田「どういう事ですか?」

 

峰「彼は中学に入学してすぐに本格的に投手に転向した。」

 

峰「にもかかわらず、その頃から今のようなボールの片鱗が出ていた。だが、まだ当初は線も細く、コントロールも未熟だった。」

 

峰「それと、これが中学1年の時の彼の投球フォームだ。」

 

そう言うと、峰は懐から1枚の写真を取り出して彼女に見せた。

 

大和田「うわ~、今よりほっそいですね!・・・ってあれ?何か・・・低い?」

 

峰「ああ。彼の当時の癖だった右足に体重をかけて出て行くという癖だ。膝を曲げすぎてボールを低く放る為に自分がまず低くなってしまっていた為、右腰が落ちて肩も落ちていた。それでトップの位置が低くなり、ボールを前で叩いたんだ。」

 

大和田「それだと・・・」

 

峰「ああ・・・肩肘に負担が掛かって、最悪故障する危険性があった。現にこの当時の彼は、肩と肘の痛みに苦しんでいた。」

 

大和田「そうだったんですね・・・」

 

峰「それで、チームの監督とコーチから『上から叩け』、『右膝に土を付けるな』という2つのアドバイスを元にしたフォーム改造を行わせた。その結果、以前と比べて体重移動がスムーズになり、腰と肘、そして肩の位置が高くなり、ボールに綺麗な縦回転がかかってスピードとキレ、伸びが格段に良くなっており、変化球のキレも増した。」

 

峰「後、普通の投手のストライドは6足から6足半なのだが、彼はあの天性の股関節の柔らかさがあるため、7足分のストライドを誇り、上から叩きつけるように投げ下ろす。」

 

大和田「・・・それだと!」

 

峰「ああ。ただでさえあの伸び上がるストレートを打者により近くリリースされているんだ。それ故に球持ちが良い。だからより打ちにくいんだろうな。」

 

大和田「成程・・・だから彼は・・・!」

 

峰(それだけじゃない・・・他にも体の開きや足の上げ下げ、腕の振りやリリースポイントを微妙に変えたりしていると言っていた。)

 

峰(そのような技術も兼ね備える者は、他にも聞いた事が無い・・・)

 

そう考えているとその隣で

 

信二「テメェ・・・ワザとやってんだろ!」

 

栄純「すまん!」

 

栄純がピッチングをしていたが、フル装備の信二の背中に思い切り当ててしまった。

 

大和田「痛そう・・・」

 

峰(面白い投げ方をする子だなぁ・・・)

 

そのまた更に隣では、川上もピッチングをしており、丹波は片岡と一緒にネットスローをやっていた。

 

大和田「やはり、丹波君の故障の噂は本当なんでしょうか?」

 

峰「分からん。だとしたら今年も、厳しい夏になりそうだな。」

 

峰「いくら速い球が投げられるとはいっても、足立君と降谷君はまだ1年だしな。」

 

大和田「あれ?そう言えば、噂の剛腕投手は?」

 

しかし、何故か暁はいなかった。

 

惇「カズさん!」

 

御幸「ん?」

 

惇「暁探しに行っても良いっすか?」

 

御幸「ああ。流石に俺も我慢の限界だしな。」

 

これに、御幸は怒りの声で言った。

 

惇「では、ちょっと行ってきますね。」

 

御幸「ああ。」

 

そう言い、惇はブルペンを後にした。

暁は何処にいるのかというと

 

暁「くか~。」

 

室内練習場で寝ていた。

これを見つけた惇は

 

惇(マ・・・マジかよコイツ・・・!)

 

怒りで震えていた。

 

惇「起きろ!」

 

そう、怒りの声で言うと

 

暁「!」

 

暁は目を覚ました。

 

惇「テメェ何でそんなとこで寝てんだ!ランニングやったのか!」

 

暁「・・・うん。」

 

惇「じゃあ、さっさと準備しな!お前の投げ込みの時間だぞ!」

 

しかし

 

暁「いや、今日は蒸し暑いし、もうちょっと休んでから・・・」

 

そう暁が言うと

 

惇「ったりめーだろーが!夏なんだからよ!」

 

惇はそうツッコんだ。

 

惇(コイツ・・・マジで大丈夫か・・・?)

 

そう思いながら暁を連れて行った。

 

惇「そういやお前、昨日もメシ残したらしーじゃねーか。大丈夫か?マジ食わねーとぶっ倒れんぞ!」

 

惇「マジ今年の夏は猛暑なんだから、バテても知らね・・・っ!」

 

その時

 

惇(夏・・・?)

 

惇(確かコイツは北海道から来たんだった・・・)

 

惇(まさか・・・コイツ・・・初めて経験するここの夏の気温に体がついてきてねーのか!?)

 

惇は暁のもう1つの弱点に気付いたのだった。

この事を

 

惇「カズさん!」

 

御幸「ん?ああ、悪かったな。」

 

惇「いえ。それより、ちょっと耳に入れたい事が・・・」

 

御幸「どうした?」

 

惇は御幸に伝えた。

これを聞いた御幸は、その日暁の投げ込みを10球ほどで終わらせたのであった。




投稿出来ました。

楊君のフォームって、上○浩治さんをモデルとしてるらしいですね。

あの人も、マジコントロール半端なかったなぁ・・・。

真っ直ぐは伸びてたしSFFはキレてるし、テンポも良かったですね・・・。

凄かったなぁ・・・。

そ、それでは、また。

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