投手交代を言った片岡。
「ここで投手交代かよ。」
「早くねーか?まだ4回だし、無失点だぜ。」
これには、スタンドは疑問を抱いた。
『青道高校、選手の交代をお知らせします。』
信二「やっぱりここは川上先輩か・・・」
東条「ロングリリーフになるけど、試合展開を考えたら仕方ないよ。」
この時、スタンドの皆はそう思っていたが
『9番降谷君がベンチに下がり、ライトの足立君がマウンドに。』
『ライトには、背番号10番の白州君が入り、9番ライト、白州君。』
『3番ピッチャー、足立君。』
このコールに
信二「マジかよ・・・!?」
東条「ここで足立・・・!?」
一部は驚いた。
藤原「この場面で足立君・・・」
梅本「はい・・・」
吉川「足立君・・・」
しかし
唯「・・・。」
唯だけ、落ち着いていた。
梅本「唯。やけに落ち着いてるね。」
これに、梅本はそう尋ねると
唯「いや、私も驚いてるよ。まさかこんな大事な場面で初登板を迎えるなんて思わなかったし・・・」
唯「けど、惇君なら大丈夫。私は、信じてる・・・」
唯は真っ直ぐな目でライトのポジションからマウンドへ駆ける惇を見た。
マウンドに着いた惇は
白州「はい。」
惇「あざっす!」
白州からグラブを受け取り
惇「暁、ボール。」
暁からボールを受け取ろうとした。
しかし
暁「・・・。」
惇「おい、暁。」
暁は動こうとしなかった。
結城「ベンチの指示だ。代われ、降谷!」
結城が言っても
倉持「おい!降谷!」
倉持が言っても
暁「・・・。」
暁はマウンドを降りようとしなかった。
「どうした?早く代わりなさい。」
これには、二塁審もそう言う程だった。
太田部長「か・・・監督。降谷がマウンド降りませんよ!」
クリス(降谷・・・)
倉持「絶対守って点取ってやるっつってんだろ!」
亮介「1年のくせに我儘すぎ!」
倉持「さっさとベンチで休んでろ!聞いてんのか!」
それでもマウンドを降りようとしない暁。
惇「・・・。」
それを見た惇は
惇「ライトから見てたけど、力みは抜けねーし、真っ直ぐも高くなっていく一方じゃねーか・・・」
惇「テメーがこのまま投げても、チームの足引っ張るだけなんだよ!さっさとマウンドから消えろ!」
暁「っ!」
暁にキツい言葉を放った。
これには
倉持「・・・。」
亮介「・・・。」
倉持と亮介はドン引きの表情を浮かべ
御幸「・・・。」
御幸でさえも、一歩引いてしまうほどだった。
そして、惇はグラブを暁の前に出すと、暁はボールを惇に渡し、マウンドを降りた。
その際
暁「ごめん・・・」
一言そう言い残し、マウンドを降りた。
惇(お前の気持ち、受け取ったぞ。俺も、皆も・・・)
その後ろ姿を、惇はそう思いながら見ていた。
すると
倉持「この場面でお前か!監督も思いきったな!」
亮介「けど・・・さっきは怖かったよ。」
倉持「結構ビビったぞ!」
御幸「はは!かく言う俺も!」
倉持「テメェもかよ!」
結城「俺も、正直ビビった・・・」
増子「うが!」
そう、皆はさっきの惇を思い出し、少し怯えていた。
惇「すいません。ああでも言わねーと、アイツ降りねーと思ったんで・・・」
御幸「成程。良し、思い切っていけ!」
惇「はい!」
そして、各守備位置に散り、惇もマウンドを均して投球練習を行った。
投球練習を見ている明川ナインは、作戦を変え、積極的に打つ作戦に変更した。
そして、惇はいつものルーティンの股割りストレッチを行い、セットポジションに構えた。
御幸(リラックスしてるようだな・・・まずは一旦牽制を入れてみるか・・・)
そう思った御幸は、牽制のサインを出した。
それを見た惇は、1球牽制を入れ、再び御幸のサインを見た。
御幸(インコースに真っ直ぐ!バッターを仰け反らせろ!)
それを見て構えた惇。その瞬間
二宮(な・・・何だ・・・この寒気は・・・?)
打席の二宮は、惇の威圧感に寒気を感じた。
次の瞬間
ズバアアンッ!!
二宮(え!?)
インサイドに伸びのある真っ直ぐが投げ込まれ、空振りを取られてしまった。
楊(な・・・!?横から見ても凄まじい伸びだ・・・!これで1年だと!?)
ベンチで見ていた楊は、惇の真っ直ぐに目を見開き、ベンチにいる他の皆も絶句していた。
「な・・・何て真っ直ぐだー!!」
「さっきの降谷より凄いぞー!!」
「あれ何㎞出てんだよ!」
スタンドの観客も、惇の真っ直ぐを見て喚声を挙げていた。
2球目
ズバアアンッ!!
二宮「くっ!」
また同じコースを空振った。
二宮(な・・・何だよ・・・コイツの球・・・!?)
二宮(手元で浮き上がって・・・!?)
3球目
ズバアアンッ!!
「ットライーク!バッターアウト!!」
惇「シャアアアッ!!」
空振り三振に打ち取り、惇は雄叫びを上げた。
結城「ナイスボール!」
亮介「ナイピー!」
倉持「ヒャハハハ!ホント頼もしい奴だぜ!」
増子「うがっ!」
御幸(初登板だというのに、流石だな・・・)
クリス(降谷の想いを引き継いでしっかりと投げ抜いた・・・これは大きいぞ!)
春市「ナイスピッチ、足立君!」
栄純「おーし!おしおしおし!」
吉川「す、凄い・・・足立君!」
唯「ねっ!大丈夫だったでしょ!」
梅本「そ、そうね・・・!」
藤原「・・・。」
スタンドにいるマネージャー組も、唯を除いて絶句していた。
二宮「・・・。」
白鳥「き、気にすんなニノ!切り替えてこーぜ!」
二宮「あ、ああ・・・」
二宮(何なんだよあの真っ直ぐ・・・今まで一度も見た事ねー!あの雰囲気といい、打席に立つのが怖えー・・・!)
この打席で、二宮の心は折れていた。
楊(マズいな・・・流れが向こうに傾きかけてる・・・こちら側に持ち込もう・・・)
それを見た楊は、何とか流れを引き戻そうと考えた。
『4回裏、青道高校の攻撃は、3番ピッチャー足立君』
そして、惇が打席に入った。
楊(2巡目のクリーンアップ。ここからはより厳しく攻めさせてもらう!)
楊(それに、彼は先程のピッチングで勢いがある。挫くぞ!)
それを見た楊は、初球胸元に厳しいボールを投げた。
しかし
カキーン!
楊「なっ・・・!?」
惇はそのボールを上手く肘をたたんで完璧に捉えた。
その打球は、見事レフトスタンド最上段に飛んでいった。
信二「うおおおっ!!先制ホームランー!!」
東条「あの厳しいコースをスタンドイン!!」
前園「ナイバッチ、足立ー!!」
青道側スタンドは大盛り上がりで
藤原「す・・・凄いわね・・・」
梅本「は・・・はい・・・」
吉川「足立君・・・凄い・・・!」
唯「ナイスバッティング、惇くーん!!」
マネージャー組も、唯以外驚きの表情だった。
関口(嘘だろ・・・インハイギリギリのコースだったんだぞ・・・!?)
関口(それをスタンドに入れやがった・・・!)
惇がホームインすると、その後ろ姿を呆然としながら関口はそう思いながら見ていた。
結城「ナイスバッティングだ。」
惇「あざっす!」
結城「俺も続こう・・・」
惇(うわ~・・・何つーオーラ・・・)
春市「ナイスバッティング足立君!!」
伊佐敷「ナイスバッティングだコノヤロォ!」
亮介「あのコースをスタンドに入れるなんて・・・狙ってたの?」
惇「いえ・・・体が勝手に反応しました。入って良かったです・・・」
これには
倉持「か・・・勝手に反応って・・・」
倉持はドン引きしていた。
楊「・・・。」
一方の楊は、惇の一発で動揺したのか、いつもの正確なコントロールが乱れ、結城にツーベースを打たれ、その後も打ち込まれ続けていった。春市も途中代打で出場し、卓越したバットコントロールを見せた。
惇も4回途中から6回まで投げて7個のアウトのうち、4者連続を含む6つの三振を奪う快投を演じ、続く栄純と川上に繋ぎ、青道は9-0の8回コールドで勝利を収めたのであった。
投稿出来ました。
最後は思いっ切り駆け足で投稿しました。
大変申し訳ございません(土下座)
それでは、また。