栄純(沢村伝説の幕開けだー!)
そう思い、助走しステップしながら投げた栄純。
田中「うおっ!飛んでんぞ!」
山崎「フェンスまで行くんじゃねーか!」
栄純「行けー!!」
惇(あっ・・・そういえば、コイツの球って・・・)
その時、惇は栄純のボールはクセ球だという事を思い出した。
それを尻目に、ボールはフェンス手前で曲がった。
片岡「っ!」
栄純「何故曲がるー!?」
その声も虚しく、ボールはフェンス手前で落ちてしまった。
惇(あっちゃー。やっぱりこうなったか・・・)
すると
「「「あはははは!!!」」」
「遠投で曲げてどうすんだよ!」
「曲がってなきゃフェンスに届いたんじゃねーの!」
周りが栄純を嘲笑し
惇(・・・チッ。野次馬がうっせえよ。)
その様子を、惇は蔑むように見ていた。
片岡「答えは出たようだな。約束通り、投手は諦めて貰うぞ!」
片岡「練習にも参加させん。暇なら走ってろ。」
すると、片岡は栄純にそう宣告したのだった。
栄純「ガクッ・・・」
これには、栄純も流石に膝を付いた。
惇「こればかりは俺は何とも言えねーな。」
惇「けど、反省してんだったら、それを気持ちと行動で示せ。そうすりゃあ、あの人も許してくれると思うぞ。」
それを見た惇は、栄純にそう言った。
栄純「・・・ああ。」
惇「そんじゃあ、俺はテストを受けに行くから。じゃあな。」
そして、そう言い残してBグラウンドへ向かった。
惇(普通あんなクセ球を90メートル近く飛ばす事がムズい筈だ・・・。)
惇(それをやってのけるなんてな・・・。立ち直れるか否かは本人次第だけど・・・アイツ・・・案外おもしれーかも!)
その際、惇はそんな事を心の中で呟き、少し微笑を浮かべた。
そして、能力テストを受けた惇だったが
片岡「御幸、お前が受けろ。」
御幸「はい。」
惇だけ、御幸が受ける事になった。
惇「真っ直ぐ行きます!」
まず初球は真っ直ぐを投げた。
ズバアアンッ!!
御幸「ふぅー・・・」
御幸(久し振りに見たが、スゲー球だ・・・。何とか取れたぜ・・・!)
受けた御幸は、去年上手く取れなかった惇の真っ直ぐを取れて、少しホッとしていた。
惇(おっ・・・この俺の真っ直ぐを初球でしっかり取れるなんて・・・!)
惇は、御幸が去年しっかり取れなかった真っ直ぐをちゃんとミットのポケットに収めた事に少し驚いていた。
「す、スゲー・・・!」
「マジで浮き上がってるように見えるぜ・・・!」
金丸「ヤベえ・・・去年の大会を思い出したわ・・・!」
東条「確か信二、3打席全て三振で、全部真っ直ぐだったね。」
金丸「ああ。初めてだったぜ、真っ直ぐを待ってて当たるどころか掠りもしなかったのは・・・」
これには、周りも少しざわついた。
片岡「もう1球!」
惇「はい!」
そして、真っ直ぐを3球投げると
片岡「変化球は何を投げれる?」
片岡がそう聞いてきた。
惇「カーブ、スライダー、SFFです。」
これに、惇がそう答えると
片岡「投げてみろ。」
と言われ
惇「カーブから。」
カーブ、スライダー、SFFを投げた。
御幸は、カーブは危なげなく取れた。
惇「スライダー行きます!」
そう言い、惇はスライダーを投げた。
御幸(んっ?真っ直ぐか・・・?)
しかし、御幸の目には真っ直ぐに見え、すっぽ抜けたと思い構えたが
御幸(なっ・・・!?)
その球は加速しながら滑るようにホームベース付近で真横に一気に曲がり、御幸のミットに収まる事無く後ろに転々と転がった。
「な、何だ今の球・・・!?」
「スライダー・・・なのか・・・?」
「けど・・・ほぼ真っ直ぐの軌道からホームベース付近で真横に曲がるスライダーなんて見た事・・・!」
これに、周りの者はそう言ったが
片岡「スライダーでも高速スライダーか・・・」
片岡がそう言うと
御幸「そうっすね・・・」
御幸はそう答えた。
片岡「もう1球、スライダー。」
惇「はい!」
またスライダーを投げたが
御幸「クッ!」
御幸(いってー!YouTubeで見た事はあるが、これは取りづれー!)
何とか取るのがやっとで、ミットに入ってもポケットで捕球できず、痛みに耐えるのがやっとだった。
惇(へえ・・・俺のスライダーを2球目でミットに収めるなんて・・・去年俺の真っ直ぐを取れなかったが今回は取ったし、流石雑誌に載る程の選手だな・・・)
この時、惇は自身のスライダーをミットに収めた事に内心少し驚いていた。
惇(けど・・・これは取れねーだろ!)
惇「SFF行きます!」
そして、最後にそう思いながらSFFを投げた。
御幸(これもほぼ真っ直ぐの軌道とスピードだな・・・)
それを見て構えた御幸だったが
御幸(なっ!?消え・・・!?)
視界から消え、御幸は何も出来ず後ろに逸らしてしまった。
「い・・・今の・・・真っ直ぐとほぼ同じ軌道とスピードだったよな・・・!」
「ああ・・・そこからスッと落ちた・・・しかもあのスピードと落差って・・・!」
これには、先程投げたスライダー同様、皆驚きの表情だった。
御幸「は・・・はは・・・!!」
御幸(これが足立のボールか・・・!真っ直ぐと言い、全てのボールが一級品だ・・・!ヤベえ・・・去年と同様、笑いが止まらねえ・・・!)
この時の御幸の表情は、去年惇の真っ直ぐを取れなかった時と同様、目を輝かせていたのだった。
惇(へえ・・・俺の球を受けて心折れる奴はごまんと見たが・・・この人は去年と同じで目を輝かせてんな・・・!)
その様子を見ていた惇は、驚きと同時に少し嬉しい気持ちになった。
そして、その他にも惇は高水準の能力を示した。
その夜、栄純は今回の件で酷く落ち込んだが、倉持の一言にここに来て青道の一員になったという自覚を持ち、その場に一緒にいた惇も、気を引き締めた。
その翌日の早朝
高島「片岡監督・・・」
高島「沢村君を・・・あの子を本当に投手を諦めさせるつもりですか?」
高島先生が、片岡にそう尋ねた。
片岡「・・・。」
高島「まだ入部したばかりで、実力も未知数ですし、今の段階で決定するのは時期尚早かと・・・」
高島「それに・・・東君を三振に打ち取った中学生2人は、足立君と・・・」
その時
片岡「んっ?」
高島「こんな朝早くに誰が?」
誰かがグラウンドで走っていたので見て見ると
高島「さ・・・沢村君・・・」
栄純が汗を流しながら走っていた。
それを見た片岡は
片岡「フン・・・一体どういう投げ方をすれば、あんなクセのある球を90メートル近くまで投げられるのか・・・」
そう呆れ声で言い
高島「え?」
片岡「だが・・・約束は約束だ。今はまだ投手として練習に参加させるわけにはいかん・・・」
片岡「日が暮れるまで・・・とことん走らせておけ!」
そう、少し笑みを浮かべた。
高島(今はまだ・・・か。)
それを聞いた高島先生は、クスッと笑みを浮かべながら栄純を見たのであった。
投稿出来ました。
上手く書けたかな・・・(汗)倉持と栄純君のやり取りですが、纏められなかったので書けませんでした。
すみません(土下座)
ちなみに主人公の真っ直ぐは藤川○児、SFFは斉藤○巳、スライダーは伊藤○仁を参考にしてます。
個人的に最強のスライダーを投げるピッチャーは伊藤○仁選手かなあっと思っております。
あのスライダーは本当に凄いです!!斉藤○巳同様、怪我さえ無ければどれ程の成績を残せたかな・・・。
それでは、また。