唯に叱咤された翌日、惇は着替えてすぐに監督室に向かった。
その前日に、栄純と倉持に謝罪をし、気まずさは解消されている。
すれ違うチームメイトに頭を下げながら、惇は目的の部屋の扉に立つ。
惇「ふぅー・・・」
そして、一つ息を吐いて
コンコン
ノックをした。
惇「失礼します。」
一言言って、部屋に入った。
そこには、片岡と高島先生、そして大田部長がいて、その中に知らない中年男性がいた。
太田部長「おお、足立!もう大丈夫か?」
惇「はい。ご迷惑をお掛けしました。」
そう、太田部長に言うと
惇「監督。」
惇は片岡に目を向け
惇「個人的私情で練習を休んでしまい、大変申し訳ありませんでした。」
頭を下げて謝罪した。
すると
片岡「頭を上げろ。」
そう、声が聞こえたので顔を上げると
片岡「体に異常は無いか?」
と聞かれた。
惇「はい。練習に出なかったので、少し体が重い程度っすね。」
片岡「なら、今日から復帰しろ。」
これに
惇「・・・良いのですか?」
と惇は聞くと
片岡「ただ休んでいたわけでは無い事は、こちらも分かっている。」
片岡はそう答えた。
片岡本人も分かっていた。自身も高校時代、甲子園決勝まで勝ち進んでいった。その投球スタイルは、惇とよく似ていた。
マウンド上の気迫、三振を奪い、ピンチを凌ぐ度に吼える姿は、OBやファンから見ても似ており、『東都の怪腕』だけじゃなく、『片岡2世』と呼ばれており、その2つの異名が定着していた。
唯一の違いは、目つきが悪く、強面の片岡と端整な顔立ちで女性ファンが多い惇といったビジュアル面だけだった。
だからこそ、片岡は分かっていた。必ず乗り越えてくれる事を。
だからこそ、片岡は惇にある事を言った。
片岡「それと、お前にも言っておく。新チームのエースナンバーを、お前に託そうと思う。」
それは、新チームのエースを惇に託すという事だ。
惇「・・・俺で、良いんすか?」
これには、惇は目を見開いた。
片岡「ああ。これは3年と1,2年全員の意見だ。お前なら、きっとこのチームを引っ張ってくれると信じてる。」
そう、片岡は真っ直ぐ見て言った。
惇「・・・俺、監督を日本一に出来なかったんすよ。そんな俺が、エースナンバーを背負っても、良いんすか?」
片岡「甲子園での敗戦、お前が責を背負う必要は無い。全ての責任は、勝たせる事が仕事の監督である俺の責任だ。」
惇「監督・・・」
片岡「お前が、俺を思って責任を感じてくれるのはありがたい。だが、それで自身を追い込むのは許さん。お前は、自分らしく野球を楽しむんだ。勝敗の責任は全て、監督である俺が取る。」
こう、片岡は監督として、一教師として惇を庇おうとした。
これに、惇は目頭が熱くなり、涙が出そうになった。
惇「・・・はい。ありがとうございます。」
涙を堪えた惇は、そう言い監督室を後にしたのだった。
惇が出て行った後
高島「彼、思っていた以上に相当気に病んでいたみたいですね。」
高島先生は、そう片岡に言った。
片岡「ああ、そうだったな・・・」
太田部長「それだけ、責任を感じたという事でしょうか・・・」
片岡「・・・。」
すると
??「彼が足立ですね。甲子園の活躍は見てました。」
??「彼は才気溢れてますが、危うさを感じさせます。しっかりフォローせねば、最悪・・・」
言葉を発さなかった中年男性が、惇をそう評した。
片岡「はい。だからこそ、私がいるのです。彼だけじゃ無い、甲子園で、皆の意識は変わりました。」
片岡「皆をしっかりフォローし、これからの野球人生の大きな糧になっていければと・・・」
これに、片岡はそう中年男性に言った。
この中年男性だが、名は落合博光。神奈川の名門である紅海大相良でコーチを務め、多くの勝利に貢献してきた名参謀だ。
今回の甲子園準優勝で来年の野球部入部する者が増える事を想定して、片岡以外にも選手に目を配れる人を依頼したのだ。
片岡に相談するための野球ノートだけじゃ、限界があるからだ。
こうして、本当の意味での新チームが始動した。
しかし、片岡は惇にランニング等の別メニューを課した。
その理由は、惇がここ最近あの決勝の事が夢に出てくる為、満足に野球が出来ないと思い片岡に伝えたのからだ。
その為、片岡は惇に別メニューでの調整を課したのであった。
投稿出来ました。
かなりグダグダな内容になりました。
落合コーチを登場させました。
この人、完全にモデルはあの人ですよね・・・。
それは誰も気付いたか・・・。
それでは、また。