惇が復帰し、本当の意味で新チームが始動した青道高校に新学期が始まった。
「お~野球部!真っ黒だな!!」
「甲子園お疲れ様!」
信二「おお、お前ら!」
「本当に惜しかったな、全国制覇。スタンドの皆も泣いてたしよ、俺のツレで今まで見た試合の中で一番盛り上がったって言ってたし・・・」
そう、クラスメイトは信二に話していたが
信二(いつの話してんだ・・・もうとっくに次に向かってんだよ・・・)
信二は皆の声を聞いてそう心の中で思っていた。
「てかさ、沢村も凄かったけど、足立マジでヤバかったな!」
信二「!」
「甲子園のマウンドで堂々と投げてるし、メッチャ吼えるし、普段クールで大人しいからギャップ半端なかったわ!」
「ああ!次の野球部のエースは足立になるんじゃねぇのか?」
そう、皆は惇の活躍を思い出し、興奮していた。
信二「・・・。」
それらを聞いて、信二は複雑な表情を浮かべたのだった。
実を言うと、惇は復帰してから片岡からの指示でずっとブルペンに入らず、ランニングする等の別メニューを行っていたのだ。
「甲子園の活躍、格好良かったよ!」
「マジ凄かったぜ!」
信二が教室に到着すると、惇の周りには大勢の生徒で溢れていた。
惇も笑顔で対応していたが、少し複雑そうな表情を浮かべていた。
栄純「・・・。」
吉川「・・・。」
その様子を、栄純と吉川は複雑に見ていた。
そして、全ての授業が終わり、練習が始まった
ブルペンでは、栄純は狩場に、暁は御幸に、川上は小野に受けさせていた。
小野「御幸。足立は今日もランニングか?」
御幸「ああ・・・」
狩場「大丈夫なんでしょうか・・・」
御幸「倉持や沢村から聞いた限りじゃ、普段は大丈夫らしい。」
小野「普段は?」
御幸「これはアイツ本人から聞いたんだが、あの決勝戦での出来事が夢に出てくるらしい。」
狩場「本当ですか・・・」
御幸「ああ・・・けど、アイツなりに前を向こうと必死なんだろう・・・腐らずランニングしてるからな。」
小野「そうだな・・・もしあの時夏川が説得しなかったら、マジヤバかったしな・・・」
御幸「そうだな・・・」
御幸(ホント・・・夏川には感謝だな・・・)
そう思っていると
栄純「狩場!行くぞ!」
栄純が狩場に声をかけ
狩場「あ、ああ!来い、沢村!」
狩場はミットを構えた。
栄純(打席には右バッター・・・コースは、アウトロー・・・!)
この時、栄純はアウトローにボールを投げる練習をしていた。
その理由は、ある日惇とこんな話をしたのがきっかけだった。
回想
栄純「なあ、惇。」
惇「ん?」
栄純「お前、何で足を上げた瞬間三塁方向に目を向けてんだ?」
惇「ああ、あれ?俺さ、あまりミットをジッと見てっと、変な力が入っちまうんだよ。」
惇「他にも、体が突っ込んで流れねーように、1回体勢を作ってから投げにいってんな。」
栄純「そうだったのか・・・だから、内と外にあんなに投げれるんだ・・・」
惇「あ、因みになんだけど、俺日によって視線変えてっから。」
栄純「え、マジ?」
惇「ああ。その日その日によって調子変わるからな。それでバランス保ってやってる。」
惇「自分で作っときゃ、色んな状況に対応できるしな。今日ここが駄目だったらここをこうしてみようかなってな。」
惇「そうやって、自分の中で引き出しを増やしてんだよ。」
栄純「成程・・・」
惇「お前も、今まで攻め一辺倒だったろ。あのボールが外に投げれたら、お前マジで打たれなくなるんじゃねーのか?」
栄純「外に・・・」
惇「ああ。そうなりゃあ、お前は無敵のサウスポーに一歩近づけんぞ。」
栄純「!」
これに、栄純は背筋から鳥肌が立った感覚になった。
回想終了
栄純(いつまでも攻め一辺倒じゃ、上には通用しない。ましてや惇にも・・・このコースを投げれるようにし、一歩・・・いや半歩でも前へ進んで、惇に勝ちたい!)
栄純(だから惇・・・待ってるからな!)
と栄純は強い決意を胸に投げ込んだ。
一方の暁は、真っ直ぐの握りを少し変えて投げていた。
以前は指2本ぐらいの間隔で空けていたのだが、今は指1本ぐらいに狭めた。
その理由は、とある日に惇とこんな話をした。
回想
暁「惇。ストレートどうやって握ってるの?」
惇「藪から棒になんだ?」
暁「いや、惇って僕よりスピード無いのに、数字以上に伸びてるしバッターを空振りにしてるし、逆に僕はファールにされて、バッターに捉えられちゃうんだ。」
暁「だから、惇みたいな伸びのあるボールを投げたいんだ。」
そう言われ
惇「・・・わーった。良いぞ、暁。」
惇は承諾した。
暁「ありがとう。見せて。」
それを聞き、暁は惇にボールを差し出した。
惇「俺は真っ直ぐをこうやって握ってる。」
受け取った惇は、暁に真っ直ぐの握りを見せた。
暁「・・・指をくっつけてるんだ。」
それを見た暁は、少し驚きの表情を見せた。
惇「ああ・・・俺はこうやって握ってる。」
暁「・・・何でこういう握りしてるの?」
惇「押し出す力が増すし、普通より多く回転かけれるからな。」
惇「もしお前がこのボールを投げれたら、お前の真っ直ぐは更に最強に近づける。」
惇「タダでさえお前の真っ直ぐの球威は半端ねーんだ。誰も打てねーぞ。」
それを聞いた暁は
暁「・・・どうやって投げるの?」
そう、惇に尋ねた。
惇「簡単に会得出来ねーぞ。それで良いのか?」
これに、惇は暁にそう言ったが
暁「構わない。教えて。」
暁は真っ直ぐ惇を見て言った。
惇「わーった。じゃあまずは・・・」
こうして、惇は暁に真っ直ぐの投げ方を教えたのだった。
回想終了
暁(最初は全く感覚が合わなかったけど、今はだいぶしっくりきたし、以前よりボールが伸びてるように感じる・・・)
暁(絶対に負けない・・・!このボールをしっかり投げれるようにして、惇に・・・勝ちたい!)
暁(だから惇・・・待ってるからね!)
そう思い、暁は真っ直ぐを投げ込んだ。
そんな中、惇はグラウンドを走っていた。
惇(マジ情けねー・・・俺1人こうやって走って何やってんだよ・・・)
惇(最後の最後で打たれて、日本一を逃して、いつまでもあんな夢に惑わされて・・・)
惇(本当マジ情けねー・・・マジでカッコ悪ぃ・・・)
惇(俺は・・・まだまだ弱ぇ・・・)
そう思いながら、惇は前を向き走り続けた。
片岡「・・・。」
その様子を、片岡はしっかりと見ていたのであった。
投稿出来ました。
オリジナル話を投稿しました。
中々内容が文章に出来ませんね・・・頭には浮かぶのに・・・(涙)
ホント、難しいです。
それでは、また。