嘘つきヴィランは裏返す   作:ニィー太郎

1 / 2

Am〇zonプラ〇ムでRe:CREATORSを最近見たんですが、その時にまがねちゃんを知ってこれはもう書くしかないと思い至りました。



一話 まがねちゃんになったのだよ

 

 

俺は現代社会でごく一般的な普通のサラリーマンとして生活していたが、先程自動車に轢かれて死んだ…

 

………はずだったが、気付けば全く知らない場所で身動きが取れなくなっていた。

 

「オギャー(え?何これどういう状況?)」

 

「奥さん、産まれましたよ!」

 

「はぁはぁ、鍳助さん…私達の子が産まれたわ」

 

「あぁ、お疲れ真美…よく産んでくれた」

 

視界がぼやけているので耳を傾けていると、知らない名前を呼びあっていた事しか分からなかったので、俺は引き続き会話を聞き続ける。

 

「おめでとうございます、元気な女の子ですよ」

 

「オギャー(だからどういう事?…ってあれ?何か眠くなってきたな…)」

 

できるだけ周囲の状況を知ろうとするが、ぼやけた視界が暗くなるのと同時に俺の意識はなくなった。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

という事で俺…いや私は1歳になりました。

寝落ちした後に色々と状況確認をしたらね、あぁこれ転生だなと気付いた訳ですよ。

 

私の前世では創作物などをよく見ていたので、転生関連の知識はバッチリである。だから比較的落ち着いてこの一年間情報を集める事が出来た。

 

まず女の子になりました。

重要なのでもう一度言います…女の子になりました。

いやまさか自分がTSするとは思わんよ…。

 

まだ一度も使われる機会の無かった相棒に思う事はあるけれど、二次元にしか興味がなかったので未練はあまり無いです。

 

それと転生先はヒロアカでした。

個性やらヒーロー、ヴィランなどの単語を沢山聞けば簡単に特定する事が出来たよ。

そしてこの世界がヒロアカだと判明した時は思わず歓喜したね。

 

私の前世は普通だった、そして私はその普通がコンプレックスだったから自分だけのモノが欲しかった。

 

そしてヒロアカの世界には自分だけの()()がある。

だから今回の人生では普通と言われないほど、自由に好き勝手に生きよう!

 

 

 

 

これからが私のヒーローアカデミアだ!

 

 

 

 

 

 

あぁそれと今世の名前は真鍳(まがね)というらしい、苗字はまだ分からないけど珍しい名前だね。でもどっかで聞いた事がある気がするんだよなぁ。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

あれからすくすくと成長して2歳になった。

けれど、まだ個性らしきものは発現していない。

 

「そんなに心配しなくても大丈夫よ、5歳まであと三年もあるのだから」

 

母さまが私の頭を撫でながら安心させようとしてくれているが、心配なものは心配なのだ。

 

「かぁさま、まがねはしんぱいです」

 

「安心して真鍳、私も個性が発現したのは4歳の頃だったもの」

 

「うぅ〜ん」

 

個性の件もそうだが気になる事が別にもう一つある。

…それは精神の変化についてだ。

 

私の前世は男だったので、女の子っぽい言動を早めに馴染ませる為に、喋れない頃から心の中で口調や一人称などを意識して練習していた。

 

……が、それにしても定着するのが早すぎるのである。

思考する時は前世の口調とほぼ同じだが、会話となると先程の子供みたいな言動も違和感なく自然に発する事が出来る。

 

 

だから私はこう結論付けた……精神がこの体に引っ張られているのではないかと。

 

なのでこれから成長していくにつれ、元の人格から大きく変化してしまう可能性があるのだ。

まぁ気にしたところで結局は自分であるという事に、変わりないのであまり意味が無いだろうけど。

 

「まぁまぁ個性の話もいいけど、真鍳はもう少しで幼稚園に通えるのよ」

 

随分と長い間思考していた為ずっと黙ったままだったからか、母さまには個性の事をだいぶ気にしてると勘違いされ、別の話題に変えられてしまった。

 

「幼稚園生になる為に自己紹介を出来るようにしないとね」

 

「それくらいできるよ!まがねだよ!よろしくね!」

 

…やはり演技などしなくても違和感なく返事出来るあたり、相当影響されてるな…子供だから自然に映るだろうが、元大人としては恥ずかしい限りだ。

 

「フルネームで言うのよ…あら?そういえば苗字教えてなかったわね」

 

あ、そういえば苗字を聞いていなかったな…大体自分の名前を言えるようになるのは、三歳くらいと聞いた事があるが…。

それにしても苗字を教えられてない事を忘れるとは…我ながら大丈夫か?

 

「ふるねーむ?」

 

「そうよ、貴方の名前は築城院 真鍳って言うのよ。ちなみに真鍳っていうのは私と鍳助さんとの名前を〜」

 

え?

 

 

 

あっ…

 

 

 

思い出したァ!

 

 

あの真鍳ちゃんだと!?

 

鏡で紫紺色の髪、琥珀色の瞳、ギザ歯の整った顔を毎日見ていたが、原作とは違い髪型が異なっていたのと不気味な笑みを浮かべてなかったので全然気付かなかった。

 

 

ここでこのキャラを知らない人の為に、築城院 真鍳の人物像について簡単に説明をしておくと…

 

Re:CREATORSというアニメに登場するキャラであり、原作では主人公陣営や敵陣営に属さないで場を掻き回し続けた傍迷惑なサイコパス系女子高生である。

 

黙って真顔でいれば、スレンダーで美脚な美少女だと言われるだろう容姿をしているが…本人の言動とあの不気味な笑みで色々と台無しにしている。

 

 

勝手気ままで、かつ残忍、自由を縛られる事が嫌いな快楽主義の猟奇殺人鬼であり、彼女の行動原理は『自分が楽しめるか?』に集約されている。

 

他のキャラからは『嘘が人の皮を被って笑ってる』、『人じゃない』など散々な評価を受けている。

さらにその評価すらも、本人が最高の褒め言葉として受け取ってしまうなどメンタルもイカれてる。

 

 

そして私はこんな頭のおかしいキャラに憑依転生してしまったのである。

 

 

 

…これ将来確定でヴィランになるやつでは?

 

「真鍳?どうしたの?もしかして名前気に入らなかった?」

 

衝撃の事実を知り現実逃避していたら、母さまに心配されてしまった。

 

「ううん、…なんでもない」

 

「そう、ならいいけど、あらもうこんな時間!じゃあお母さんご飯作ってくるね」

 

そう言って母さまは料理するためにキッチンへと向かっていった。

 

一人になったので、情報を整理しながらこれからの事を考える。

 

 

 

 

うん、でもまぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィランも楽しそうだなぁ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?何だ今の思考……

 

 

スゥーーー

 

 

これは………

 

 

 

 

「ごめなさい…かぁさま、まがね…ゔぃらんになるかもしれないです~」

 

私は一人だけになったリビングで歪な笑みを浮かべながら小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

時間というものは存外早いものですね、ヒロアカの世界に誕生してから早数年もう4歳になりました。

 

そんなまがねちゃんこと築城院 真鍳は最近、幼稚園に通いながら充実した生活を送っていま…せん!

 

とても不味い…。

自分が真鍳というキャラだと発覚してから二年経ったけど…()()()()がしたくなってきた。

やりたい事を我慢をし続けているので、ストレスが少しずつ着々と溜まってきている。

 

トガちゃんもこんな気持ちだったのか…そりゃ爆発するよ、むしろ中学卒業まで我慢出来たの凄いなぁ〜。

 

 

 

まぁそれは一旦置いといて、個性の件だが…

みんなはこんな話を聞いた事があるかな?

 

個性は人格に影響するという説を。

 

トガちゃんは個性の影響で血に異常な関心を覚え、弔くんは強烈な破壊衝動など結構明確な事例が何個かある。

 

それで最近ね…元々持っていた()()()()をしたいという欲求の他にしたい事が増えたのだよ。

 

そう、異常に嘘をつきたくなったのだ。

 

そして真鍳といえば、原作で持っていた特殊能力…

言葉無限欺(コトノハムゲンノアザムキ)』が有名である。

 

能力は相手に問いかけをして、相手に否定させることで物事の本来の事実を逆転させる事が出来る…。

 

簡単に説明すると、自分の嘘を相手に否定させることで、その嘘を現実のものとして永続的に定着させるというもの。

 

ここで重要なのは()に関連する能力だという事…

 

 

つまり多分個性が発現しました!

 

 

なので早速試して見ましょう…母さまで!

 

実験をするために母さまを探しに家を走る。

 

うん?何故わざわざ母さまなのかだって?

それはね、母さまの個性が『言霊』だからだよ!

 

個性『言霊』は言葉の力を読み取ったりする事が出来る個性だ、なので()はすぐにバレる。

だからまがねちゃんにとって、都合が良いんだよ。

 

「あっ居た!母さまー」

 

洗濯物を干していた母さまが、私の声に振り返る。

 

「どうしたの真鍳?」

 

「ねぇねぇ、母さまの()()()()()()()()()()

 

嘘の嘘…

 

「ん?()()()()()()()()()()()()()

 

それはくるりと裏返る

 

決まった…決めゼリフも心の中で言ったから完璧だ…

これで母さまの肩に猫が……

 

居ないだと!?

 

「え?あれ…何で?」

 

「あ!こら!嘘ついたわね!お母さん言ったよね、嘘はついちゃ駄目だって!」

 

何でか発動しなかったけどもう一度!

 

「うん?まがねは()()()()()()()()()

 

「また()()()()()()()()お母さん嘘が分かるって……あれ?嘘ついてない?」

 

あら?今度は成功したぞ?

 

「うーん?猫はまがねの見間違いだったかも、ごめんね」

 

「え、えぇ私も怒ってごめんね…確かに個性は反応してた筈なんだけどなぁ

 

 

 

 

 

私は母さまと別れてから、しばらく個性の事について考えていた。

 

「これで『言葉無限欺』が個性として発現した事は確認出来たけど…何で一回目は失敗したのかな?」

 

うーん、分からないなら実験あるのみ!

 

 

 

 

 

数日後──────────

 

 

 

 

謎が解けたよ、実に簡単な事だったとも。

 

答えはただの個性の練度不足でした…というより個性の出力不足と言った方が正しいかもしれない。

 

よく個性は身体機能の一つと言われてるからね。

個性を発現したばっかりの幼児が、無から生命を生み出すなど大それた事が出来る筈がない。

 

原作で真鍳は能力を使って、ティンダロスの猟犬など架空の生物すらも現界させていたが、その時の真鍳は17歳であり今の私はまだ4歳だ。

なので13年分の経験値がない、だから出来ないことだらけでも仕方がないことだ。

 

が、しかしである。

そんな甘えた考えでは、将来()()()()をしようとした時にヒーローやヴィランなどに捕まったり、殺されるかもしれない。

 

それじゃあ駄目だ、私が楽しめないじゃないか…。

 

 

なら力をつけよう…誰にも阻まれないように…

 

もちろん楽しむことも忘れない、楽しむ為に楽しくない事をやってちゃ本末転倒だし…よし宣言しよう、目標がある方が頑張れるしね。

 

 

 

 

 

「まがねちゃんは〜将来の為に楽しみながら努力する事をここに宣言します!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 






補足)主人公の口調が初めと終わりで大分変わっていますが、それは主人公が段々まがねちゃんに近づいてるという事を表現したかったわけです。
下手くそな表現ですいません。


※裏設定
この主人公は自分の事を普通だと思っていますが、割とサイコパスです。

2歳の時にヴィラン思考になったのを主人公はまがねちゃんボディのせいにしていますが、幾らまがねちゃんでも2歳の頃は純粋ですよ。つまり2歳辺りまでの言動は主人公の元々持っていた才能が開花しただけです。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。