戦闘力インフレ世界で努力してたら、いつの間にか異世界へ飛ばされた件について   作:リーグロード

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オリジナル物は技を考えるのが難しいというか面倒ですね。
さっさと戦闘シーンを書き上げようとしましたが、やっぱりもうちょっと文才が欲しいところです。


まだまだこっちの世界で胃痛と戦うよwwwww

 ついに決戦の火ぶたが切って落とされた。

 

 龍種と人間種と魔族による大戦争が始まりを告げたのだ。

 

 龍の精鋭に人の英雄軍に魔族の八魔天将といったこの世界でも特にやばい実力を持った実力者が纏まって戦争を起こしたのだ。

 世界地図も1日ごとに更新されていってゆき、毎日凄まじい数の死者が出来上がってゆく。

 

 何が原因で戦争が起きてしまったのかといえば、互いの種族の相互理解が無しえなかった故としか言いようがなかっただろう。

 

 まず、龍種は己の種族こそが至高と考えており、他の種族をないがしろにしている。

 

 次に人種だが、こっちは前世同様に数が増えすぎた為に、木々や土地を開発していって自分たち以外の存在をないがしろにしていたから。

 

 最後に魔族だが、極度の戦闘バカの脳筋種族故に、他種族の事を考えずに喧嘩を売っている迷惑集団だ。

 

 こうして説明してるとどの種族も救いようが全く無いな。

 早く滅べとすら思ってしまった私は間違ってはいないだろう。

 

 とはいえ、これでも曲りなりにも龍種の王となってしまった身だ。

 今日まで生きてきて託されたものも沢山ある。面倒だからという理由で見捨てられるほど軽いものではない。

 

 そんな思いを抱えつつ、王たる私は他の者たちとは違う決戦の舞台に降り立った。

 

 既にその場には神々しい大剣を背負いし黄金色に光る神秘的な鎧を纏った屈強な肉体を持つ人間と禍々しいオーラに包み込まれた漆黒を思わせるローブを着た異形の存在が対峙していた。

 

「長かった……。実に長かった。この我がこの世に生まれ落ちてどれだけの時が経ったであろうか? だが、その長き命にもとうとう終わりの時が来た!」

 

 いかにもラスボス的な口上を述べる異形の存在は、まさに魔王と名乗るに相応しい風格の持ち主だった。

 

 もしもこの場に並みの精神力を持つ者がいたならば、その頭を地面に叩きつけて道端に転がる石コロになろうと必死に息を殺していただろう。

 

 だが、ここにいるのは龍種の王と人種の希望足りえる勇者である。その風格にいささかも動じる事もなく、真っ向から睨みを効かせる。

 

「ほう、魔王ともあろう者が戦う前から負けを認めるか?」

 

「ふっふっふ、どうやら我は勇者殿に過分な評価をされているようだ。しかし、我とて伊達に長くは生きてはおらん。この場に揃いし強者を相手にすればただで済まぬことは重々承知しておる。例えこの場で生き残ったとしても、他の戦場で戦っている龍か人もしくは我が配下の手によって我の命は終わりを告げるであろう!」

 

「ならば、何故この場にやって来た?」

 

「龍の王よ、それは我への侮辱かそれとも挑発か?」

 

「ふん、こんな場所にまでわざわざ来させた貴様への挑発と取ってくれて構わん。どうせ魔族の考える事など、そこに戦える強者がいるからであろう」

 

「そうだ、その通りだ! 我は待ちわびていた。この我と純粋に心ゆくまで戦える存在が現れることを! それも、龍と人の2つの種から生まれてくれるなど、今日ほど神たる存在に感謝した日はなかったぞ!!!」

 

「下賤なる魔族風情が! 神の存在を軽々しく口にするでない!!!」

 

 魔王の神への感謝の言葉に青筋を浮かべて激怒する勇者は、背中に背負っていた大剣を抜いて、その剣先を魔王に向ける。

 

 それを合図に、魔王は魔力を高めて魔法を発動した。

 

死の妖精の咆哮(ブレス・オブ・バンシー)

 

 その魔法は万物を崩壊させる死滅の力を持つもの。

 当然、それを喰らって生きている者など存在しはしない。

 

 だが、まともに喰らいさえしなければどうということはない存在はいる。

 それが私と勇者だ。私は自らの膨大なエネルギーを常にバリアのように展開しているために魔王の魔法がこの身に届くことはなく、勇者も神聖存在から譲り受けた神聖魔力で魔王からの魔法を相殺する。

 

「相変わらず魔族は野蛮な戦い方をするな」

 

「はっはっは、野蛮で結構! この我の魔法を受けて無傷で済むとは誠に見事だぞ! 勇者に龍の王よ!!」

 

 この時点で、決戦のフィールドはその景色を変えた。元々は草木の生い茂った緑豊かな土地であったが、先程の魔王の魔法による死滅の攻撃で一瞬の間に生命の息吹を感じさせぬ殺風景な場所へと様変わりしてしまった。

 

 だが、こんな程度で怖気づくような私や勇者ではない。

 既に勇者の方も大剣に神聖魔力を注ぎ終えたようで、魔王に向かって飛び出していった。

 

 それを魔王は回避するではなく、魔力で作り上げた魔剣で真っ向から受け止めた。

 

「おのれぇ!! 神から下されし罰を大人しく受け入れるがいい!!」

 

「笑止! これほど胸躍らせる戦いを何もせず終わらせる筈がなかろうが!!」

 

 生半可な実力者では両者の斬り合いに参加するどころか、近づくことさえできないであろう速度で振るわれる斬撃の嵐に、只でさえ殺風景となった大地に更なる傷跡を残してゆく。

 

 両者の剣技はほぼ互角だが、その手に持つ剣の質が明暗を分けた。

 勇者が持つ大剣は神界の最高硬度の鉱石であるゴッズレアメタルを使用して作成された紛れもない超1級品の神器に対して、魔王の持つ剣は己の魔力で編み込んで作り上げた魔剣だ。

 とはいえ、魔王ほどの強者が作り上げた魔剣ともなれば、そんじょそこらの武器屋に置いてある物とは天と地ほどの性能の差はあるが、流石に勇者の持つ大剣には敵わない。

 

 現に魔王の持つ魔剣は勇者の大剣とぶつかり合う度に少しずつヒビが入り、砕けるまで秒読みといった段階だ。

 

 このままいけば、あと数回の衝突で魔王の魔剣は砕けて斬られてしまうだろう。

 

 そう、このままいけばの話だが──―

 

「随分と2人だけで楽しそうだな! お陰でこっちは大技を放つエネルギーが溜まったぞ!!!」

 

 勇者が魔王へと向かっていったと同時に空高く飛翔したドラグレギオンは、自身の持つ最大の大技を放つ為に、雲海に潜みながらエネルギーを溜め終えると、遥か下の大地で斬り合いを続ける勇者と魔王へ向けてソレを放つ。

 

『覇王の降臨』

 

 それは龍のみが扱うことができる破壊を司る厄災のエネルギーの塊を卵のような形状に抑え込んで放り投げるだけの技ではあるが、このエネルギーを体外へと放出することが出来る龍は片手で数える程度しかいない程に扱うのが難しいのだ。

 そんな途轍もないエネルギーを体外に放出して卵のような形状に抑え込めるのはこのインフレ世界であってもドラグレギオンぐらいしか出来ない芸当であろう。

 

 そして、ドラグレギオンが放った破壊エネルギーの魂はドンドンと地面に向かって落下してゆき、地面に衝突したのと同時に世界から音が消えて光に飲まれていった。

 

ドゴォォォォォォン!!!!! 

 

 それは遥か遠くの戦場で戦っている龍と人と魔族の手を一瞬だけ止めさせるほどの轟音であった。

 

 遥か(そら)にさえ届かんばかりの光の柱が生まれ、破壊エネルギーの余波が荒れ狂う暴風となって世界中に吹き荒れていった。

 

 世界さえも揺るがさんとするその膨大なまでの破壊の力を受け止められるほど大地は強くはなく、破壊された大地の下に溜まっていたマグマが地上に溢れ出してきた。

 

「我ながら恐ろしい威力だな。──―しかし、これでまだ死なぬというのが驚きだ」

 

 眼下に広がるマグマの海と化した大地の上に浮かぶように立つ2つ人影が見える。

 

「全くもって忌々しい力だ。我らが神の創り上げたもうた大地をこうまで破壊するとは!!!」

 

「いやはや、流石は龍の王だ。この威力は如何(いか)に我であろうと真似することはできん」

 

 光と闇、それぞれ2つの球体に包まれ守られるように喜怒の2つの感情を吐き出す勇者と魔王は空高くに飛んでいるドラグレギオンを見上げる。

 

 先の大技はドラグレギオンの持つエネルギーの約半分もの量を消費した。その結果は敵2人は生きており、大地がマグマの海となった。

 一見すれば無駄撃ちしたと思われるがそうではない。

 

 マグマの海は如何なる生物であろうと生存を決して許さぬ灼熱の地獄。故に、自ずと戦いのフィールドは空となる。

 

 そうなれば飛行魔法を発動せねば空を飛ぶことができない勇者と魔王は、翼を持つドラグレギオンよりも不利となる。

 更に、あの大技を凌ぐために展開したバリアは生半可なエネルギーで作れるような代物ではない。

 

 今この時点で3人の持つエネルギーは半分を切っている。まだ戦闘が始まって3分も経っていないというのに、これほどの消耗をするということは、それだけこの3人の実力が拮抗して認め合っているという証拠だ。

 

 戦いは更に激闘を繰り広げる。

 

 ドラグレギオンのブレスを切り裂きながら突進する勇者に、遠くから遠距離用の魔法で巻き込むように爆発系魔法を発動する。

 

「ぬぅ、ドラゴンのブレスをも切り裂く神界の神器とは厄介な」

 

「当然だ! 如何にドラゴンであろうと、この剣で斬れぬものは存在しはしない」

 

「くっはっは、我が爆炎による範囲攻撃魔法の威力をものともせず無視するか! 何とも生意気な!!」

 

 ──―神話の大戦というのはこの様な天変地異すらも笑い飛ばせる程の苛烈な規模の争いを指しているのだろうか。

 

 龍が動けば嵐が巻き起こり、勇者が剣を振るえば空間がズレ動き、魔王が魔法を撃てば何もかもが消し飛んでゆく。

 

『ウォォォォォォォ!!!』

 

 もはや星そのものすらが崩壊せん勢いの戦いは次第にだが終わりを迎えようとしていた。

 

「この巨体による超高速スピードの体当たりは貴様らとて無事には済まぬぞ!」

 

『オーバー・ドラゴンズダイブ』

 

 亜光速と同等レベルの速さによるドラグレギオンの体当たりは、宣言通り勇者や魔王が如何に規格外の肉体を持っていたとしても、掠っただけでも致命傷を負う威力を誇る。

 

「「転移魔法(テレポート)」」

 

 そのことを悟った2人はドラグレギオンが動き出すより先に転移魔法(テレポート)で咄嗟にドラグレギオンの背後に移動した。

 その事に気づきながらも、ドラグレギオンは構わずに自身のエネルギーを推進力として、さながらミサイルのように勇者と魔王がさっきまでいた場所を通過していった。

 

 文字通り目にも止まらぬスピードで遥か地平線の彼方へと消えていったドラグレギオンを見て、勇者と魔王が取った行動は全く一緒であった。

 

「我らが神と共に大地に生きる人に願う! 純白なる意思と高潔なる魂によって創り上げられし誇り高き白亜の城壁よ!! この脆弱なる我が身を守りたまえ!!!」

 

「我が増悪と恐怖によって産み出されし破滅の根源よ! この身を喰らう怨敵よりからの攻撃を防ぎし盾を創り上げたよ!!!」

 

遥か彼方の神の城(ロード・オブ・ゴッズキャッスル)

 

『絶望と増悪の盾』

 

 即座にドラグレギオンが去っていった方向の真逆の方へ向いたかと思うと、各々が持つ最大レベルの防御技を展開させる。

 

 その一瞬後に、遥か前方に何やら黒い小粒のようなものが見えたかと思ったと同時に、展開した盾に衝撃が走り崩壊した。

 

「「「ぐっ──―、おおぉぉぉ!!!」」」

 

 亜高速で移動したドラグレギオンは星を一周して元の場所に戻ってきたのだ。

 そして、その勢いのままに勇者と魔王が展開した盾に衝突した。

 その衝撃は凄まじく、盾を構えて身構えていた勇者と魔王すらも意識が吹き飛ぶ程の威力だった。

 

 だがそれは、ドラグレギオンも同じことだった。

 

 必殺技というのは与える威力が大きければ大きいほど、技を掛ける使用者本人にもそのダメージは跳ね返ってくる。

 それに加えて『オーバー・ドラゴンズダイブ』はスピードと質量によるただのタックルだ。

 いくら龍の最強種である超魔神滅龍の鱗を持つとはいえ、亜高速による移動だけでも肉体にダメージを受けていたというのに、勇者と魔王の最強の盾×2に真っ向からぶつかっていったのだ。

 当然のことながら、ドラグレギオンが負ったダメージは無視することのできないものだった。

 

 そのまま3人はぶつかり合って揉みくちゃになったままマグマの海へと落ちていった。

 

 本来ならば、マグマの海なんぞ触れただけで焼け爛れるのが常識ではあるが、この3人はそれぞれの種の最強の称号を持っている。

 たかだか自然災害如きではこの3人をどうにか出来る筈もなく、マグマの海に沈んで数秒で飛び出してきた。

 

「ぐっはっはっは、今度のは流石に死ぬかと思ったぞ!!」

 

「ぐ、う……死んだ母上が一瞬見えたぞ」

 

「ぬぅ……、やはり威力特化のみ考えただけあって破壊力は凄まじかったが、その分の反動もデカかったか……」

 

 魔王は笑ってはいるがその半身はグズグズになっており、勇者は体の至る箇所に傷と火傷を負っている。

 そして、大技中の大技である『オーバー・ドラゴンズダイブ』を使用したドラグレギオンはありとあらゆる龍が羨望のまなざしで見ていた朱色の龍の鱗(ドラゴンスケイル)が剝がれ落ち、その鋼よりも硬い肉体から血が溢れ出していた。

 

 エネルギーだけではなく肉体すらも全員が限界だった。

 

 恐らくは次の一撃が互いに最後の一撃となることは全員が理解していた。

 それと同時に魔王は欲望の為に、勇者は信仰の為に、龍の王は誇りの為に逃げることや小細工をすることなく正々堂々と真っ向から勝負することも直感的に理解していた。

 

 もうこの時点では言葉は不要であり戦場を彩らせる飾りにすらならん。

 ならば後は互いに今持てる力の最大最強の技で敵を葬り倒すことのみ──―

 

超魔神滅龍の咆哮(ちょうましんめつりゅうのほうこう)

 

魔王の逆鱗(サタンメテオ)

 

究極の一撃(アルティメット・ワン)

 

 星をも破壊する超高エネルギーの3つの必殺技がぶつかり合った瞬間、世界は轟音という名の悲鳴と、衝撃という名の雄叫びを上げた。

 

 そんな途轍もない力の奔流の中心地点の付近にいた3人が無事に済む筈が無く、この神話と呼ぶべき大戦の勝利者は3種族の戦争が終結してなお現れず、3名共が行方不明となったと後の歴史書に書かれることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──―麗らかな日の光と、優しい木々が風で揺れる音が耳に入った。

 

 体の至る場所から激痛が走り、とてもではないが体を動かすことができなかった。

 あれからどうなったのだろうか? こうして痛みを感じられるということは生きているということなのだろうか? 

 

 だけど、そんなことがどうでもいいくらいにここは居心地がいい。争いと全く無縁な場所なんて何十年ぶりだろうか? 

 いつも他種族との戦争を考えながら、部下の不平不満を抑え込む損な役回りばかりで胃痛と戦っていたからか、この木漏れ日の心地良い日差しがとても気持ちよく感じられる。

 

 そういえば、こうしてゆっくりと日光浴を楽しみながら無防備になるのはどれ位ぶりだっただろうか? 

 もう戦争のことやあの厄介な勇者と魔王のことなんぞ考えずにこの場で永眠しちゃいたい。

 

 そんな風にうたた寝を楽しんでいると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。

 

「やった! やったわ!! こんなに大きいドラゴンを使い魔にできるだなんて、やっぱり私は偉大な人間ね♪」

 

 薄っすらと目を見開いて声のする方を見てみると、私の腕の近くでピョンピョンと飛び跳ねる女の子がいた。

 

「ん? あっ、起きたのね! 光栄に思いなさいドラゴン! 貴方は今日からこの私ルーナ・アルエーム・ラ・バラン・フォン・ヴァリアムの使い魔となったのよ!」

 

 どうやら、まだまだ面倒事からは逃げられないようだ。

 




これからどんなストーリーになるか、成り行きに任せて頑張ります。
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