花より男子8(エイト)   作:角刈りツインテール

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11話になってまだドラマ第二話すら終わってないのが恐怖です。それに加えて今年は僕の大学受験も控えているので時々更新が止まるかもしれませんが愛想を尽かさないで見守ってくれるとありがたいです。



011 意図的なのか天然なのか、それは花沢類にしか分からない。

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僕らはいつも探してる。

でっかい愛とか希望探してる。

 

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翌日。

「…まじかよ」

俺は想定していたものよりもずっと性悪な光景を目にした。

赤札は、もう牧野つくしには貼られていない。だがそれは素直に喜べるような事態ではないことは分かりきっている。むしろこれ以上深刻にならないために、焦らなければならないのかもしれない。

 

牧野の代わりに彼女の友人の三条桜子に貼られていたのだ。

逃げられないように彼女の周りを取り囲み。

全校生徒が彼女へゴミやボールを投げる。

罵詈雑言を吐く。

 

「こいつら本当に人間かよ…ったく」

道明寺はどこだろうか、と辺りを見回すと、その姿はすぐに見つかった。

輪を作っている人だかりから少し離れた場所で、道明寺はフカフカで高級そうな姿に足を組んで座っていた。その隣にいる2人も恐らくF4のメンバーであろう。だが親友のその行いを止めようともせず、ただ立っているのみだった。

あぁ、くだらねぇ。

何もかもくだらない。

まぁ、ここで俺が何をしたとしても現状に変化はないだろう。むしろターゲットが2人になるだけで、それはいじめっ子から見たら良いことでしかない。だから俺は面倒ごとには関わらない。そしてあとで『知りませんでした』と言っておけば完璧だ。

世も末だなぁ、なんて思いながら俺はすごすごとその場を立ち去ろうとしたのだが———

 

「ちょっと何やってんのよ!!!」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

♦︎♦︎♦︎

 

たった今登校したのだろう。牧野つくしは大声で怒鳴りながら走って現れ、輪の中心へ向かったのだった。

「牧野……すげぇなあいつ」

俺は素直に感心してしてしまった。いくら友人とはいえ、あの輪の中心に入るのは流石に勇気いるぞ…ノータイムで割り込めるのは勇者か馬鹿くらいだろう。そして彼女は後者だった。

「狙いは私でしょ!?この子は関係ないじゃない!!」

玉座(?)に座って優雅にいじめを見ていた道明寺に叫ぶ牧野の声がホールに響き渡る。まるで魔王に立ち向かう勇者のようで、なかなか勇ましかった。

 

魔王・道明寺司。

お似合いすぎる称号だな。

 

で、そこから2人で何やら話しているようだったが上手く聞き取れず———いい加減人混みに酔いそうだったのでもう帰ろうかと思ったその時のことだ。

「こいつも一緒にやれッ!!!!」

その怒号とともに再び生徒たちがものを投げ始めた。おいおいおい、嘘だろ。

「やめてよッ!」

怒る牧野の声に居た堪れない気持ちになる。さて、どうする比企谷八幡。俺の存在はバレずに、誰も傷つかずに終わる方法は何かないか———もちろん道明寺を除いて。こいつだけはいくらでも傷つけばいいと思う。

「…あぁ、花沢か」

喧騒の中、俺はボソリと呟いた。こういう時こそ彼を呼ぶべきだ。先程見た道明寺の周辺には花沢はいなかった。つまりまだこの学校に来ていないということだ。善は急げ、と俺は電話をする為に外に出ようとした。

その時のこと。

「……あ?」

シン、とあたりが静まり返った。どうした急に。え、何。何が「やばいって…」「きゃっ…道明寺様…」なの?何が———と2階へ上がって確認する。同時に最初からこうすればよかったなと反省し、見たものに目を丸くする。

道明寺の靴にはケチャップが付いていた。うわぁ牧野…それはやっちまったな…いくらするんだろ、あれ。少なくとも俺たち凡人には手も足も届かない額だということ容易に想像がつくが———一体、道明寺は何をするのか…ハラハラしながら片手で花沢に「牧野ピンチはよ来い」とタイプする。それが完了して安堵した頃、道明寺の口からある言葉が聞こえた。

 

「舐めろ」

 

「は…?」少し遅れて牧野の困惑が耳に届く。

牧野を辱めるためにわざと大声で言ったというのもあるのだろうがはっきりと聞こえた。流石に可哀想だと思ったのか、目を逸らす生徒もいた。

 

なんとも言えない雰囲気がだだっ広いホールを支配し、十分スペースはあるのに肩身が狭くなる。

 

…まぁ、なんだ。

俺は全校生徒の前で正義を語れるほど正しい人間ではないし、しようとも思わない。

 

いや、勿論この現状を見て可哀想だとは思っている。舐めないでほしい。いくら目が腐っていてもそれくらいの道徳心はある。

 

だけど。先ほど述べたようにここで俺が何をしようと何も変わらない。無視されれば万々歳だ。最悪俺まで巻き込まれる。

 

俺はこの学校生活を楽して送りたいのだ。1年の頃のようないじめはもう懲り懲りだし2度と関わりたくない。

 

だけどここで解決されなかったら、俺はずっとそのいじめの光景を横目に食事をとらなければならなくなる。傍観者も同罪、とはよく言った話だ。ったく…それじゃ俺の夢見が悪くなるだろうが。これ以上目を腐らせるなよ。

 

関わりたくない。ならばここでの解決が望ましい。

 

つまり、だ。

 

 

「———気にくわねぇんだよ、この野郎」

 

 

ボソッと言ったつもりだったのだが横の女子には聞こえていたらしくビクッと肩を震わせ、気色悪いものを見る目でこちらをみてくる。まぁ別にどうでもいい。この人と今後関わることなんてないのだから。今は俺の知り合いである牧野をどうにかしよう。そう思い、口を開いた———

 

 

 

「———おい、おま」

「間違ってるよー」

 

 

 

その声の主は。

 

「お前…」

「よっ、比企谷くん。メールありがとね」

その台詞を境に全校生徒の目線が一斉にこちらへ向く。なんで言うんだよ馬鹿。目立ちたくないってさっき言ったばっかじゃねぇか…。

ったくもう、少しくらい空気読めよ。こんな空気の中よく笑えるな。

だけど。

「———はっ」

だけど今は彼のその姿が、俺の目にはとても心強く映った。

 

「花沢類…?」

一昨日と変わらずフルネーム呼びで彼の名前を呼ぶ。

「間違ってたよ」

花沢は彼女に、再び同じ言葉を繰り返した。

間違ってるってなんだ…道明寺の行いがってことか?なら納得だが…ならどうして牧野を見て言うんだ?俺には全く予想がつかなかったため次の言葉は何だと、どんなカッコいい言葉を放ってくれるのかとワクワクした。恐らく道明寺以外の全員が同じ心情だろう。

だが、俺たちはまだ知らなかったのだ。

花沢類がいかに空気を読めないか———いや、それも狙っての行為なのかもしれないが…だとすれば脱帽せざるを得ないのだが彼は全校生徒の前で、牧野にこう言ったのだった。

 

「間違ってたよ——— 時差。正確には7時間だった」

10月はサマータイムだから。

 

 

一体どっちだ花沢よ。

それは天然なのか、そうやって道明寺の威勢を削ぐ計画なのか、どっちなんだ———!?

 




[比企谷八幡による登場人物]

・比企谷八幡 3年生 ぼっち。

・比企谷小町 中学3年生 我が妹。モデル。性格以外は可愛い。

・道明寺司 3年生 F4。俺様(笑)。松潤に似てる気がする。

・花沢類 3年生 F4。自由奔放。

・牧野つくし 2年生 雑草魂。割とギャグセンスはある。

・雪ノ下雪乃 3年生 奉仕部。怖い。

・三条桜子 2年生 赤札なう。さっき初めて知った。牧野、友達なんていたのか…。

松潤繋がりということで99.9の深山大翔を出そうと考えているのですがどうでしょうか

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