花より男子8(エイト)   作:角刈りツインテール

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お久しぶりの投稿です。
そういえば本日は5×20の日米同時公開ですね。私は行きますが皆さんはどうでしょうか?
ちなみにこれに行ったら5回目なんですよね。一体どんだけ行けばええのん。


015 もう一度言おう。これはデートではない。

「お待たせ〜」

本日は土曜日。

俺と牧野は十時に恵比寿ガーデンプレイス 時計広場で待ち合わせをした。そして現在時刻は、と時計を確認するとなんとびっくり、針は午前10時15秒を指していた。つまり牧野が「お待たせ」したのはほとんど午前10時ぴったりだったというわけだ。計算なのか否かは定かではないがこれだけは言いたい。

遅れるよりも早く来るよりも正しいことのように見えるのに、一番ヤバい印象を与えるのはどうしてなのだろうか…。

「ごめん、待った?」

「うん」

「いやそこは『今来たところだ』でしょうよ。だからモテないんだよアンタ」

「…今来たのはお前なんだからおかしいだろそれだと」

「え?あー、たしかに」

納得しちゃうのかよ、と心の中でツッコミを入れつつ立ち上がり背伸びをする(やはりこの人、あまり頭はよろしくないようだ)。昨日は課題にも集中できず結局就寝したのは午前2時。心も体も疲弊しきっていたのだ。別に楽しみだったからとかでは断じてない。

もう一度言おう。

断じてない。

まぁ、それは一度置いておいて。

「でどこ行くんだよ。俺千葉ならともかく東京のモールなんて知らねぇぞ」

「あ、うん大丈夫そこは期待してないから」

じゃあなんで呼んだんだよ、と思いつつ溜息を吐いた。何?俺のこと好きなの?あ、違います?ですよねー。

「モールにドレスとか売ってんの?」

「さぁ?安物ならあるんじゃない?」

さぁ?じゃねぇよ。

本当にいいのか、安物で。最悪目利きの金持ちだったら一瞬でバレるぞ。いくら顔が良かったとしてもパーティで浮いてしまうのは確定事項だし。パーティなんか誘われたことないから知らんけど。むしろ友達と遊んだ記憶さえほとんどないまである。何それ超悲しいじゃん。

「まー歩いてりゃ見つかるでしょ!行こ行こ!」

袖を握られた。

「あちょ待っ」

て、という暇もなく走る羽目になった。ていうかこれちょっとカノカレっぽい…とかは別に思わない。

そこら辺は弁えている。この人は恐らく、ある程度に仲の良さであれば平気でこれくらいはできる人間なのだ。

花沢類にも。

だからここで勘違いをしてはならない。どうやったって玉砕するのがオチだ。

これからもし仮に恋愛感情なんかを抱いたとしても、それは仮初の偽物でしかないのである。まさに『青春とは嘘であり悪である。』だ。

さて。

どうしたものか…。

本当にどこに行けばいいのか、もはや右も左も分からないのだ。間違って単独で女性用の服屋へ乗り込んでしまい訝しげな目線を注がれることがないようにしたい。そのためには。

「…はぁ」

とりあえず、こいつについて行くしか選択肢が無さそうだった。

畜生め。

 

「あのさ」

不意に牧野が振り向く。

「なんだ」

「なんかこれデートっぽいね」

「………はぁ」

「ちょっと酷くない!?少しくらい乗ってよ!」

そう言って照れながらもニッコリと笑う牧野の美しさに、俺の体温はいくらか上がった気がした。

だが今一度はっきり言わせてもらおう。

これは、デートではない。

 

♦︎♦︎♦︎

 

「ねーねーこれ似合う!?」

まぁ流石にユニ○ロとかG○ではなかろうということで我々はちょいお高めらしき名前も聞いたこともない店に来ていた。あたりを見渡すと客は女性だらけ。普段俺が何かの間違えで立ち入れば辺りはざわつくこと必須なのだが今回はお供がいる。実に心強い。とまではいかないが頼りにさせてもらうこととしよう。

「いいんじゃねぇの。シンプルで」

俺は顔を逸らしつつ答えた。

「…っ!もう、ほんっとアンタって正直じゃないよね!ほらもっとはっきり言いなさいよ」

「そういうところが可愛くないと思う」

「うるせぇ!」

殴られた。

痛い。痛い。痛い。流石に理不尽すぎる。なんでだよはっきり言えって言ったじゃねぇか…。

だからそういうところだっての———とは口が裂けても言わんけど。同じ轍は踏まない。俺は頭がいいのだ。目の前の雑草野郎とは違ってな。

俺たちはそれからも暫くショッピングモール内部を散策し続けた。なんのことはない、と俺自身は言いづらいところもあるのだが一般的にはなんてことない買い物中の光景であろう。

斯くいう自身も楽しんでいないと言えば嘘だったかもしれない。時々牧野のファッションショーに付き合っては別の店へ足を向けての繰り返しだったので面倒ではないと言えばそれはそれで嘘になると思うが…。

で、四つの店を練り歩きした頃、事件は起こる。

「ちょっと、なんでいるのよアイツ…!」

「俺に聞くなっての」

俺たちはある人物を見つけ、これまたオシャンティーなカフェに身を隠す羽目になっていた。

 

道明寺司である。

どうしてこんな場所にいるのだろうか、骨の髄まで金持ち野郎のくせにこんな場所に興味なんてないだろお前。それともあれか?貧民を煽りにきたのか?何それめっちゃ楽しそう。

「…アンタ笑い方キモいよね」

「言っていいことと悪いことがあるだろ」

「これはどっち?」

「悪いことだ」

「あそう」

おっと、不覚にもイラッとしてしまった。落ち着け。落ち着いて戸塚の名前を唱えるんだ…。

戸塚が1人、戸塚が2人…あれ?

戸塚って誰だっけ。

あぁ、戸塚再開発くんか、と納得。こんな簡単に納得していい話ではない気もするけど、宇宙意志すら感じざるを得ないけれどまぁいい。どうせいつか出会ったどうでもいい有象無象の1人だろう。

ていうか今更ながら俺たちなんで隠れてんの?俺といるのを他人に見られるのがそんなに嫌ですかね。だったら最初から呼ぶなよ。

…まぁ、この場合は道明寺に近づきたくないというあちら側への嫌悪が勝っているだろうけれど。

「で、どうすんの?」と牧野。

「とりあえず隠れとくしかないだろ。それとも何。殴る?」

「ちょ、私をなんだと思ってんの!?」

「初対面の人間を本気で殴る人」

「ハァァ!?ばっかじゃないの!?私だってしたくてした訳じゃないわ!」

いつの話かというと、俺がまだ牧野を知らないころのことだ。彼女の口から聞いたので多少脚色が付いているのかもしれないが、牧野は親の金でイキリまくっていた道明寺を殴ったらしい。

その点で言えば道明寺も牧野もあまり変わらない気がする。

「あれ?どこ行った?」俺は道明寺が視界から消えていることに気がつく。

「ん…あれ。どこだろ」

「んー……いた」

「え、どこ?」

あれ、と俺は指を刺す。

と同時に、あれ?とつい声を漏らす。

何しろ道明寺の横にはロングヘアの女性がいて———カップルのように腕を組んでいたのだから。

 

 

……へぇ。

まぁ、別に、悔しくなんてないし?羨ましくなんてないし?

ほ、ほんとなんだからね!




感想・評価など是非お願いします!!!

松潤繋がりということで99.9の深山大翔を出そうと考えているのですがどうでしょうか

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