内容も『おかえり深山ーッ!』って感じでドラマ以上の面白さ、感動をくれました。嵐に興味ある、ないに関係なしに一度行ってみることをお勧めします。
「……あんの野郎、ぶっ殺す」
俺は窓越しに、屋敷を出た牧野つくしの姿を見ていた。
少し前の話だ。
俺は彼女の宣戦布告を受けて降伏させるための策を練った。これもそのうちの一つだ。
具体的に何をしたか———簡単に言うと、金に眩ませようとしたのだ。
ネイル、サロン、そして一級品のドレス。
あの時の牧野には1000万以上が費やされていた。
『な———なにこれ』
目が覚めた彼女が自分の姿を鏡で確認し見惚れているのを見たとき、落ちた、と確信した。こいつも結局そこらの庶民と変わらないのだ。どんなに去勢を張っても金の前では無力だ。
『お前、今見惚れてたろ?』『笑えよ』
だから俺はこう尋ねた。今までの女性ならここで笑った。なんとも幸せそうに、醜く笑うのだ。それを見て俺は嘲笑する。なんとも愉快だった。
だが、しかし。
牧野つくしは。
『バッカじゃないの!?』『こんなの、笑える訳ないじゃない!』
そう啖呵を切って———張り手を食らわせてきた。
何が起きたのか分からないうちに彼女は部屋の外へ逃げ———気がついた時にはもうすでに外にいた。
初めて会った時もそうだ。あいつは俺を殴ってきたのだ。
『財閥の息子かなんか知らないけどねぇ。 自分で稼いだこともないガキが——— 調子こいてんじゃねぇ!!』 『私は逃げない。 宣戦布告よ!』
こういうタイプの女は初めてだった。怒りと同時に幾らか面白い、とさえ思った。
思ったのだ。
なのに。
ドレス姿の牧野を見た時の———
なんだろう、この気持ちは。
分からない。
分からない。
分からない。
「……………?」
どうして、こう、胸が痛むんだ…?いくら考えてみても分からない。何か深刻な病だったりするのだろうか…病院に行くべきか?
と、真剣に迷っていたそのとき。
「それはやめておきなさい。恥を晒すことになるわよ」
は、と振り向くとそこには俺の母親———道明寺楓とその側近たちが立っていた。
「あ?何がだよ」
「何がって、まさか気がついてな…んんっ、今のは聞かなかったことにして頂戴。時系列的におかしい発言だったわ」
つか、つか、つかとハイヒールを鳴らしながら去っていった。ぺこりと、昔からの側仕えの1人・西田がお辞儀をしてからついて行く。訳がわからん。
なんだ、時系列って。
「…………はぁ。面倒クセェ」
まぁいいや。どうせすぐに降伏するだろ。圧倒的な力の前では庶民の意志なんて何の意味も持たない。そんな場面をいつも見てきた俺にとっては日常
リンゴでも食うか、と机の上に置いてあるリンゴを掴もうとしたとき、1人の男の名前が頭によぎった。
類に気に入られているあの男———比企谷八幡。
一見ただの庶民のようにしか見えないが…実際そうなのだが、なんとなく牧野と同じものを感じてしまったのも事実だ。
あいつは一体、何者なんだ———?
♦︎♦︎♦︎
「———っていうことがあったわけよ!馬ッ鹿じゃないのほんと…」
そして語り部は比企谷八幡へと戻り。
俺がカフェでコーヒーを飲みながら牧野の愚痴を聞いている場面から話は始まる。ちなみに牧野はやけ食いだと言わんばかりにイチゴケーキを豪快に頬張っている。見ているこちらが胃もたれしそうだ。
「…ほう」
「ほう、ってアンタ…もっと無いの?『お疲れ様でした』とか」
「いやお疲れも何も、むしろ綺麗にされて帰ってきただけじゃねぇか」
聞いてみればこいつ、道明寺にコーディネートされて帰ってきたらしいのだ。帰り際にドレスは押収されたもののエステされた肌を剥がされるなんてホラー展開はなく、要するに彼女は得しているだけなのである。心配して損したわこの野郎。
「そういう話じゃないでしょ…」と呆れる牧野。「なんであそこまでするかなぁ…」
呆れた次は不安そうな表情で言った。まぁそれはそうなる。いくら宣戦布告したとはいえ(そもそも日常生活で宣戦布告なんてするなという話だが)まさか誘拐までするとは想像できまい。
まぁ正直、理由はわかるのだが。
「なぁお前、道明寺がなんでつっかかってくるか分かるか?」
「は?気に入らないからじゃないの?」
「ちげぇ。だったらもっとエグいことをしてくるはずだ」
「た———例えば?」牧野はごくりと唾液を飲んだ。
「そうだなぁ…お前、バイトとかしてんの?」
「うん…お土産屋さんで働いてる」
「なら何らかの方法でそこを経営難にする———もしくは無理矢理潰す、とか」
「えっ、いやぁ…」牧野は言葉を濁した。「…流石にそこまではないでしょ」
「する。お前は人間の嫌悪の恐ろしさを舐めすぎだ。人生の先輩が言ってんだから信じろ」
「アンタ同級生でしょうが」
「…3年生だけど」
………………。
「———は!?まじで!?」
一呼吸置いて本気で驚かれた。おかしい、大人っぽいで定評があるはずなのに…。
「え、じゃあ敬語のほうがよかったりする?」
「…いや、別に敬語は———」と言いかけて1ついいことを思いつきやめた。「敬語は別にいい。だがひとつだけいいか?」
「できる範囲なら」
「先輩って呼べ」
その言葉を聞いた瞬間、牧野はゴミを見るような目に切り替えた。ほら見ろ、人間の嫌悪感とはこうも恐ろしいものなのだ。最悪死にたくなる。今みたいに。本気で傷つくからやめてね。
「……ロリコン?」牧野は悍ましそうにそう尋ねた。
「お前にロリ要素は皆無だ」
「ロリコンという部分は否定しないの?」
「否定するわ」
冗談だってば〜、と快活に男勝りに笑う牧野。クラスの陽キャと同じような語尾の伸ばし方だったが不思議と嫌悪感はなかった。何故だろうか。雰囲気が陰キャっぽいからかな。
「まぁそれは置いておいて、だ」
「取っておかないでよ。気持ち悪いから今すぐ捨ててよロリコン」
「先輩って知ってからの対応のほうが酷いのなんなんだよ…ロリコンじゃねぇから。それはもうどうでもいいだろ。理由だ理由。あいつ、多分な———」
お前のこと好きだぞ
「は?」
そういえば今日が2021最後の日ですね。なんとなく2022って文字のバランス悪い感じがしてあれなんですけども皆さまどうか良いお年をお過ごしください。あれ、これ新年に言うやつだっけ。
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松潤繋がりということで99.9の深山大翔を出そうと考えているのですがどうでしょうか
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