世話焼きギャルとの物語(仮)   作:こってりラーメン

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4話

 近所のコンビニで灰髪の表情が乏しい美少女である青葉さんに出会ったかと思うと、フラれた今も諦めきれず絶賛片想い中の今井さんとも遭遇した俺は目当ての昼食を買うこともなく手ぶらで店の前に独り佇んでいた。

 どうしてこんなことになったのかと思わないわけではないが、要するに未だ今井さんに未練タラタラな俺が生んだ哀れな結果だ。

 

 

 


 

 

 

「な、なんでここに・・・」

「ア、アハハ〜・・・なんで、って言われてもアタシココで働いてるんだよね〜」

 

 なんてことだ。俺としたことが知らなかった、今井さんがここで働いているだなんて。彼女がここで働いていると知っていたら毎日ここに・・・・・・いや、そうじゃない。まさかこんなところで放課後は直帰したり、休みの日は毎週欠かさず自宅警備員をしている勤勉さが裏目に出るとは・・・!何かの本で情報が大事と書いてあったがこういうことだったのか・・・!

 

「み、三浦クン?」

「え、あ、な、なに?」

「いや、急に黙り込んじゃうからどうしたのカナ〜って思って」

「・・・・・・ちょっと考えごとを」

「考えごと?」

「大丈夫。もう解決したから」

「そ、そう?それならいいんだケド・・・」

「うん。この問題は解決しないから思考を放棄したよ」

「ダメじゃん!何にも解決してないよそれ!」

 

 そんな俺たちの会話が気になったのか、一見親しそうに思える会話ができる関係性が気になったのか灰髪の少女が乱入してくる。

 

「リサさ〜ん、その人誰ですか〜?随分仲良さそうですけど〜」

「あ、いや、俺は今井さんとはただのクラスメイ─────」

「アタシのカレシ・・・・・・かな?」

「・・・・・・は?」

「お〜、どおりでラブラブだと思いました〜」

「いやいや、何言ってんの?バカなの?死ぬの?」

「もう〜()()ったら照れちゃって〜☆」

 

 そう言いながら今井さんは俺の腕を肘でついてくる。こんな状況にも関わらず、さらに一度フラれている今井さんにつかれた場所に必要以上に意識を集中してしまったりボディタッチが嬉しいと思ったり、他の人をからかうための一瞬とはいえ名前を呼んでもらえたことに舞い上がりそうになるのは思春期男子の性だと思う。・・・・・・こういう時、単純すぎる自分が嫌になる。

 

「・・・・・・はぁ。えーと、ごめん。俺たちは別にそういう関係じゃないんだ。今井さんとはただのクラスメイトで、名前は三浦陽翔」

 

 未だ陽翔ってば〜、とじゃれついてくる今井さんに()()()()()()()()()()()彼女を軽く受け流して灰髪の少女に意図せずとも嘘をついてしまったことを詫び、改めて自己紹介を行う。

 すると、表情に乏しいと思っていた彼女が笑ったような気がした。

 

「・・・・・・最初からわかってましたよ〜リサさんのが冗談だってことは〜」

「え、マジ?」

 

 目の前の少女はモカちゃん天才なんで〜と軽くピースを交えながら答える。

 

「もう〜三浦クンってばバラすの早すぎ〜。せっかくモカをからかおうと思ってたのに〜・・・・・・」

「そりゃ悪うござんした」

 

 俺が欠片ほどの気持ちを込めた謝罪を彼女に告げると、今井さんは少しバツが悪そうな顔をして、

 

「・・・・・・そ、そうだ!アタシたちもうすぐあがりだからこの後お昼ご飯でも食べに行こうよ!モカもお昼まだでしょ?」

 

 全身の毛が粟立ったような気がした。全細胞が歓喜に震えた気さえした。

 

「お〜リサさん太っ腹〜」

「アタシ奢るなんて一言も言ってないんだケド〜?」

 

 そう言いつつも今井さんはあの灰髪の少女の昼食代も出すのだろう。彼女がそういう心の優しい人間であるということを俺は知っている。・・・・・・まあ、先程のようにたまに失敗もするが。

 

「三浦クンはどこがいい?」

「・・・・・・俺は遠慮しとくよ。2人の邪魔しちゃ悪いし」

「え!?邪魔なんて・・・そんな・・・」

「そうですよ〜モカちゃんはお腹が空いたので細かいことは気にしないでくださ〜い」

「いや、細かいことじゃ───────」

「それじゃ、三浦さんは外で待っといてくださいね〜」

「え、いや、だから──────────」

 

 そうやって店の外へと押し出される。

 

「モカ・・・・・・」

「・・・・・・まあ、リサさんだって失敗するときはありますよ〜。だから、あんまり気にしちゃだめですよ〜」

「・・・・・・うん、アリガト」

 

 

 


 

 

 

 あの時、今井さんに誘われたあの時。俺の想いが彼女に届かないと知ったのに、彼女が俺に対して何の感情も抱いていないと知っていたのに・・・・・・俺は嬉しいと思ってしまった。なんて浅ましいのだろう。こんな惨めな自分が嫌で嫌で仕方ない。まだ彼女にしがみついているなんて・・・・・・灰髪の彼女に押された時もそうだ。俺が本当に行きたくないと、やめてくれと言ったら彼女はきっと俺の気持ちを汲んでくれた。にも関わらず俺は・・・・・・

 

「おっまたせー☆」

「いや〜あがり際に仕事増やされちゃいまして〜ヨヨヨ〜・・・・・・そーいえばまだあたしだけ挨拶してませんでしたね〜。モカちゃんは青葉モカちゃんっていーます。よろしくどうぞ〜」

「あ、ああ。よろしく」

 

 ・・・・・・なんてわざとらしい泣き方なんだ。これ一発で泣いてないってバレるでしょ。まあ、それも彼女なら許せてしまうのだからなんだか不思議だ。これが彼女の魅力なのだろうか。

 にしても・・・・・・これが今井さんの私服姿なのか。ヤバい。何がヤバいっていかんせん肌色が多い。正直思春期男子には毒でしかない。

 というか俺、コンビニで買い物して帰るつもりだったから適当にその辺の服着てきただけなんだよな・・・・・・ヤバい、急に恥ずかしくなってきた。こんな可愛い子たちの横歩くのに、顔面普通、服装普通じゃ周りの目が・・・・・・案の定なんであんなやつが的な視線が痛い。これで昼飯も食べるんだよなぁ・・・・・・なんでこんなことに・・・・・・

 

 そんなこんなで分不相応な弾丸両手に花昼食ツアーが開幕した。

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