世話焼きギャルとの物語(仮)   作:こってりラーメン

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5話

「でね、友希那ってば───────」

「うちの蘭も〜───────」

 

 前を歩く美しい華、二輪。そして、後ろを歩く俺は間違いなく雑草だ。具体的にいうとひっつき虫。そういえば、一口にひっつき虫といってもさまざまな種類があるらしい。かぎ爪型のひっつき虫もあればトゲトゲ型のひっつき虫もある。さらには、ベタベタ型なんてものもあるらしい。

 

 ・・・・・・いや、さすがにベタベタ型は嫌だな。なんか字面が気持ち悪いし。個人的には見慣れてるえんどう豆的なひっつき虫がいい。それにしよう。

 というか、何話してるかまったくわかんないけど君たち仲良すぎない?俺、完全に空気なんだけど。予想はしてたけどそれ以上に空気だな。はっ!この空気感を利用したらこのままトンズラしてもバレないんじゃ・・・・・・そうと決まれば、やってやるぜ。この一大ミッション。普段から教室で目立たないように気配を消している俺にしかできない!

 

 決意した俺の行動は実に的確で迅速なものだった。

 

 対象との距離、1メートル!到達目標、後方の曲がり角!距離にしておよそ7メートル!いける!俺なら対象に気づかれず───────

 

「こーら、逃がさないぞ☆」

「あ、はい」

 

 


 

 

 くっそぉ・・・・・・なんでバレたんだ。俺の隠蔽スキルは完璧だったはず・・・・・・もしかして、今井さんは何か特殊な力の持ち主なのか?あんだけ美人で気配りもできる。そのうえギャル。さらには、超能力者だなんて・・・・・・属性もりもりじゃないか。くっ!俺程度のスキルじゃ太刀打ちできないはずだ・・・!

 

「あの〜三浦クン・・・?」

「え?」

「アタシ別に超能力者でもなんでもないからね・・・」

「いや、それは冗談のつもりだったんだけど・・・・・・今信じそうだわ」

「え、なんで!?」

「早くご飯こないかな〜」

 

 端的に言うとカオスだった。

 

 あれから俺たちは青葉さんの行きつけであるという『羽沢珈琲店』へと向かい、現在はその店内である。

 

 いや〜にしても、ここの店員さん可愛い子だったな〜。しかも、いかにも真面目!って感じでファーストコンタクトから好感度MAXだわ。むしろ天元突破してる。ドリルは俺の魂まである。

 

「ふっふっふ〜」

 

 青葉さんが急に得意気に笑いだすので思わず視線がそちらへ向かう。

 

「つぐが可愛いのはわかりますけど〜手を出しちゃだめですよ〜」

「え?つぐ・・・さん?って、誰?」

「さっきの店員のコだよ☆」

「あ〜あの子か・・・・・・って、なんで!?あんな可愛いのに・・・!」

「それはモカちゃんの大事なお友達だからでーす。三浦さんには任せられないですね〜」

「くっ・・・!なんて正論・・・!」

「ア、アハハ〜・・・」

 

 そんなこんなで注文した料理がくるまでくだらない会話をしていると、先程のつぐさん?が料理を運んできてくれる。

 

「お待たせしましたっ」

「おー待ってました〜」

「あいかわらず美味しそう♪」

「ありがとうございます」

 

 確かに美味そうだ。つぐさんが運んできてくれたから12割増で美味そうだ。こんな美味しそうな料理食べたら俺死んじゃうんじゃないの?いや、つぐさんの料理で死ねるなら本望か・・・・・・

 

「あ〜言っときますけど〜これ作ったのはつぐのおとーさんですからね〜」

「いろいろ台無しだよ・・・・・・ん?お父さん?」

「そうなんです。父がこのお店のマスターで、商品はだいたい父が調理しているんです」

「へぇ、そうなんですか・・・・・・ん?マスター?」

「つぐみはその一人娘ってことだね」

「なるほど・・・文字通り看板娘ってわけだ」

「そ、そんな・・・!看板娘だなんて・・・」

 

 どうやら『つぐ』というのは青葉さんが呼んでいるあだ名のようなもので、ちゃんとした名前は今井さんが呼んでたように『つぐみ』というらしい。そして、この店の『羽沢珈琲店』という名前から推測するに多分『羽沢つぐみ』というのが彼女の名前だろう。漢字までは知りようがないが。

 そんな羽沢さんは少し顔を赤くして両手を胸の前で横に振りながら俺の発言を否定しているらしい。

 

 ・・・・・・え、マジ可愛いんですけど。具体的にはちょっと赤らんでる頬とか綺麗な手とか。さっきからドキがムネムネしている。あ、違う。胸がドキドキしている。いけない、羽沢さんのあまりの可愛さに頭が処理落ちしているようだ。そうか・・・・・・これが恋、なのか・・・・・・

 

「いっつ!」

「そんな私なんかが看板娘だなんて・・・・・・って、どうされたんですか?」

「あ、いや、なんでもないです。ええ、本当に」

 

 羽沢さんは不思議がっているがどうやら深くは追求する気はないらしい。助かった・・・。どうやら青葉さんは薄々勘づいているようだが。

 

 俺は()()()()()()()()()()()()()()()()唐突の痛みを与えた張本人へと視線を向ける。しかし、当の本人はどこ吹く風だ。しまいにはふくれっ面をしてやたらいい音色の口笛まで吹き始める始末。そんな横顔ですら綺麗だと思ってしまうのだから始末に負えない。なんで不機嫌になっているのかは皆目検討もつかないが。

 

 とりあえず、この件は先の件と合わせて問い詰めることにしよう。

 

 先んじて今までの恨みを込めて軽くひと睨みしておく。

 そうすると、綺麗な満面の笑みが返ってきた。

 

 あ、あっれ〜?めちゃめちゃ綺麗な笑顔なのにすっげぇ怖い。笑顔って人の緊張を解したりとか幸せな気持ちにさせてくれるもんじゃないの?俺今めっちゃ体震えてるしめっちゃ嫌な汗でてきたし、なんならこの先のこと考えたら不幸が訪れる気しかしないんですけど。

 

 こうして、これから確実に訪れるであろう試練に若干・・・いや、かなり思い悩みながら昼食を食べ始める。

 

 あれ、このお箸、鉛かなんかでできてんの?全然ご飯進まないんだけど。

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