世話焼きギャルとの物語(仮)   作:こってりラーメン

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8話

 は〜眠い。昼頃まで寝て睡眠時間はバッチリ確保できてるはずなのになんでこんな眠いんだろうか。浅い眠りで目覚めた後に眠気があるのは寝るべき時間が足りてないということであろうと理解はできるが、なぜ取りすぎだと思えるくらい睡眠時間を取っているにもかかわらずこんなにも眠気が凄まじいのか。

 一説によると、眠りというのは浅い眠りと深い眠りを一定時間、交互に繰り返されるらしい。そして、その浅い眠りの時に起きてしまうと体がきちんと睡眠を取れていないと判断してしまうのだとか。

 いや〜その記事読んだ時は衝撃だったね。だって、睡眠って寝れば寝るほどいいと思ってたもん。まあ、今でもそう思ってるんだけど。なんか長時間寝れたらお得感あるし。そういえば、知り合いに長時間寝れることでマウント取ってくるやついたな。なんで長時間寝れることが凄いことだと思ってるのか知らんが、少し腹が立ったのを覚えている。よし、今度あいつの机の向きを前後逆にしておいてやろう。

 

 睡眠の話からどこをどう転んで知り合いに嫌がらせをする結論に至ったのかは自分でもわからないが、それは一旦彼方へ放り投げ枕元に置いてあった自身のスマホのロックを解除する。

 そしていつもは家族や極小数の友人としかやり取りしないため、滅多に開くことのない連絡アプリを起動する。そうして友達とのトーク一覧画面を表示させる。

 

 ・・・・・・はぁ、よかったぁ。夢じゃなかった。昨日のが夢だったらどうしようかと思ったわ。

 

 俺が真っ先にしたかったのは昨日の出来事が夢ではなく実際に起こったことだという確認だ。

 トーク一覧画面には確かに今井さんのアカウントの名前が一番上に表示されている。最後に送ったのはどちらかはこの画面では判別がつかないが俺の記憶が正しければこちらが最後で終了したような気がする。さらにこの画面ではどちらが最後に送信したのかはわからないが、一番最後の内容だけは表示できる文字数分だけ表示される。そこには『おやすみ』という文字が。

 今井さんを家まで送り届けた後、寄り道することもなく俺は帰宅し自室で一息ついていたところに今井さんからメッセージが届いたのだ。内容は送ってくれてありがとー、とかそんな感じのものだったと思う。

 

 ぶっちゃけ、メッセージ来たことで浮かれまくってどんな話したのかあんまり覚えてないんだよなぁ。いや仕方ないじゃん。好きな子と連絡取り合うなんて初めてなんだし。そりゃ緊張もするでしょ。何気ないメッセージだとしてもなんかユーモアに溢れた面白い返事にして笑ってくれたりしたらいいなとか、でもほんとにこんな内容でいいんだろうかとか考えるじゃん。一返事一返事めっちゃ確認したよね。誤字脱字とか。そんなことをしてたら当然返信までの時間が長くなるわけで。

 けど、今井さんはめっちゃ返信早いんだよなぁ。予め送る内容決めてるんじゃ、とまで思えるスピードなのだ。具体的には送ったらノータイムで返ってくるくらい。いや、いくらなんでも早すぎでしょ。まあ、俺とのやり取りなんて今井さんからしたらどうでもいいのかもしんないけど。一度フラれてるし。それにしたって、やるせないよなぁ・・・・・・いや、そもそもフった相手と連絡のやり取りなんて普通嫌じゃないか?俺だったら露骨に邪険にはしないが、しかしやはりどこか素っ気ない対応などになってしまうかもしれない。だとしたら今井さんも・・・・・・

 

 そんな当たってほしくない予感が頭をよぎったが、深くは考えないようにして週末最後の休みをどう過ごそうかを考えることにした。

 

 うーん、新しい小説とか漫画欲しいな。となると本屋になるが・・・・・・いや、ゲームも欲しいしな・・・・・・うーん、悩ましいな。よし、両方行くか。

 

 本日の予定がだいぶ固まったところで、まずは昼食をいただくべく自室を抜け出し一階のリビングへと向かう。

 そこには、両親がテレビを観ながら寛いでいた。昨日とは違う光景を尻目にしつつ、冷蔵庫を開ける。そして目の前に広がる景色が昨日見た景色とまったく同じであり、その事実に戦慄する。

 

 ・・・・・・あ。昨日昼飯外で食ったし、その後もいろいろあったから買い物にもいけてないんだった。だからってなんで何にもないんだよ・・・・・・

 

 俺の視界には昨日と同じく中身が飲料や調味料類のみの冷蔵庫が映し出されているのであった。

 

 


 

 

 というわけでやってきました、ファストフード店。みんな大好きジャンクフードである。

 何であれってジャンクフードって言うんだろうな。あんなに美味いのに。俺だったら週14で食べちゃうわ。まあ、そんなことしてたらお金がいくらあっても足りないのでやらないのだが。

 

「いらっしゃいませっ」

「えーと・・・これのセットで。ドリンクはこれにしてください」

「かしこまりました。こちらでお召し上がりになりますか?」

「そう・・・ですね。はい、それでお願いします」

「では、できあがりましたらあちらのモニターに番号が表示されますのでそれまでお待ちください」

「ありがとうございます」

 

 そうして女性の店員さんから呼び出される番号が印字されたレシートを受け取り他の人の迷惑にならないように脇へ逸れる。

 待っている間手持ち無沙汰なので、今井さんとのやり取りを見返す。好きな子との連絡のやり取りを定期的に見返してしまうのは恋愛初心者の思春期男子にはあるある説を提唱する。

 

 にしても・・・・・・うわぁ、なんで俺こんなこと言っちゃってんの。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。冷静になって読み返すと相当気持ち悪いこと言ってるな俺。恐るべし深夜テンションと純真無垢な恋心。これもさっきの説と同じような感じで、やり取りしてるその時は満足いく返事をしてるんだけど、改めて見ると全然そんなことなくむしろ黒歴史まである説だと思う。

 

 そうしてもはや手遅れな若干やってしまった感を抱きながら商品が完成するのを待っていたが、比較的早めに俺の番号が表示され俺は商品の受け取りに向かう。そこで初めて店員さんの顔を見て、少しの間停止してしまった。なぜなら、めちゃくちゃ美人な空色のサイドテールの少女が店員さんだったからだ。コミュ力が著しく低い俺は基本的にあまり人と目を合わせずに会話することが多いから店員さんがどれだけ美人だったのか気がつかなかったのだ。

 

 え、めちゃくちゃ可愛いんですけど。羽沢さんの時にも思ったけど、この街美人の店員さん多すぎない?こんなところにもそんな人がいたなんて・・・・・・またしても俺の普段の勤勉さが仇となってしまった・・・・・・

 

 そうして少しの間放心していた俺を怪訝に思ったのか少女がこちらへ呼びかけてくれる。

 

「あ、あの〜・・・」

「え、あ、ごめんなさい」

「どうかされましたか?」

「いや、な、なんでもありません。大丈夫です」

「・・・・・・では、ごゆっくり」

 

 少女は何か言いたそうではあったが、他にもお客さんが並んでいたためそれを飲み込んで食事スペースへと案内をする。

 彼女に対して心中でごめんね、ほんと気持ち悪くてごめんねと謝罪し商品を受け取り空いている席へ向かう。

 そして、席に着いた俺は先ほどの胸元の名札から判断するに『松原さん』という店員さんのことを思い出す。

 

 にしても彼女、ほんとに可愛いかったな。どこか気弱そうだったけど、それがまた女の子らしさを強調していたように思う。さらに、彼女が持つ二つの立派な果実も女の子らしさに拍車をかけていたように思う。あ、いや、名札見たらたまたまね?たまたま目に入っただけだから。ほんとほんと。

 

 心の中で誰に対するものかわからない言い訳をしていると、ポケットに入れていたスマホが振動する。どうやら誰かからメッセージがきたようだ。

 俺はスマホの画面を点灯させ通知を見る。そこには今井さんのアカウントの名前で、つまり彼女からメッセージが送信されたということだ。

 あまりの急な出来事に嬉しさと戸惑いで少しパニックになってしまうが、落ち着いて本文を確認すると。

 

『なんか三浦クンが鼻の下伸ばしてる気がする』

 

 ・・・・・・おい、俺のドキドキ返せ。というかここまできたらエスパー云々通り越して怖いわ。あと怖い。

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