アツイゼ!~判子と本に想いを乗せて
10代終了まで後4日
「色々とありましてついに明日、オンパを控える海電君!そして前回仲良くなった剣と新キャラ芦戸三奈!さらにさらに、海岸で出会った少女耳郎響香!いったい海電君のメンタルはどこまで持つんでしょうか!乞うご期待!」
「マジでどこに向かって話しかけてんだよバイス…それに俺は見せ物じゃあないぞ!」
「マジすま~ん!な~んちって、でもある意味明日は見せ物じゃね?オンパってやつはみんなに見せるものなんだろ?俺っちチョ~楽しみなんですけど!」
「う…言うなよ緊張してくんだろうが…」
「それにあの後、イヤホン女と連絡先なんて交換しちゃってさらにはオンパにも招待してたじゃん!」
「なおさらだよ…」
明日のオンパに緊張している海電をバイスがいつもの悪魔いじりをしていると学校終わりの剣が汗をかきながら走ってやってきた
「お~い!海電!待った?」
「いや、待ってはないよ。それにずいぶん前に待たせたこともあったから気にしてない」
「懐かしいね全く人と話さなかった海電が話せるようになってからだいぶ経つんだね~…私とまた話せるようになってからも…」
剣は照れ隠しのように髪をいじりながらボソッと呟いた。
「今なんて?」
鈍感な海電は先ほどの剣の言ったことが気になり聞き返したが剣はさすがに恥ずかしかったのか手を振りながら顔を真っ赤にして海電の質問を遮った。
「何でもない!忘れて忘れて!」
「そもそも聞こえてないよ」
真っ赤になりながらも剣は明日の話題に切り替えた。
「てかいよいよ明日だね!オンパ!」
「正直軽音楽部のノリで決まったけどやっぱきついな…あの感じ」
「明日は三奈ちゃんたちと見に行くから頑張ってよね!」
「というか結局、あの人とは仲良くなったんだな」
「三奈ちゃんのこと?まぁあの後色々とお話して仲良くなったかな?あれ?もしかして妬いてるの?」
剣が意地悪気味に質問してみると海電の顔がタコのごとく赤くなっていることに気が付いた。そのことに対して剣嬉しくなってしまい、海電に聞き返してしまった。
「あれ?ほんとうに妬いてたの?」
「違うよ!あの芦戸って人と仲良くなってよかったなぁと思って感心してただけだよ!」
「ほ~う。なら今日も三奈ちゃんと二乃さんのカフェに行こうかな~」
「おい!からかうなよ!」
「ごめんごめんつい楽しくなっちゃって」
「でもなんだかんだ元気出てきた!明日は頑張る!だから見ててくれ!」
何がどうなってそうしたのか分からなかったが、気が付くと海電は剣の肩をもって宣言していた。もちろん剣は海電はともかく他の男子にもこんなことはされたこともないので顔だけでなく全身までもがタコのようになっていた。
「ちょ、いきなり何よ!びっくりなんだけど!」
驚いて肩を掴んでいた海電の手を急いで振り払ってしまった。すると海電も少し罪悪感を感じたのか剣に謝罪を反射的にしてしまった。
「ご、ごめん!熱くなりすぎた」
「お熱いカップルだ事」
ほぼ人影がいない帰り道に突然二人以外の声が聞こえた。その声の主は海電も知るあの忌まわしきアイツの声に似ていた。海電たちは声の主の方を振り向いた。
「⁉」
「あんたは‼カリバー⁉」
「お久しぶりだね…リバイス、いや上杉海電君」
カリバーは腕を広げ余裕そうに立っていた。
「何しに来た!」
危険を感じた海電はすかさずリバイスドライバーを取り出した。
「俺っちの出番じゃん!よ~し張り切っちゃうぞ~」
しかし、カリバーは手に持っていた闇黒剣暗闇を納刀し空間から二つのバイスタンプを取り出した。
「落ち着きたまえよ。今日は君に受験に向けてもプレゼントを持ってきたんだよ、お礼もかねてね」
「お礼だと⁉お前に貸しなんてさせた記憶ないぞ!」
「そーだ!そーだ!」
「とりあえず受け取るぐらいはしてくれよ。これはジャッカルバイスタンプ、君の移動手段として有効だよ。そしてこっちはプテラバイスタンプ、空を縦横無尽に飛ぶならこれだね」
バイスタンプの説明を終了するとカリバーはバイスタンプを海電に向けて投げつけ、海電はそれをキャッチした。
「あっぶね!おい!いきなりなんだよ!ってどこ行った!」
カリバーは気が付くと海電たちの前から消えていた。
そこから海電はレックスのほかにジャッカルとプテラのスタンプを手にいれ、オンパ前にも関わず人気のいない公園でバイスとスタンプの性能チェックをしていた。
「こんな時間まで練習して大丈夫?明日オンパなんだよ?」
「?あぁ…オンパは問題ないよもう全部の歌も調整も終わってるから」
「この天才男め…」
「はぁ…でもこの二つのスタンプは俺もバイスも扱いづらいな」
「俺っちなんてどっちもヒト型じゃないし!でも一輝よりも扱いがうまいから疲れないぜ~」
「一輝?誰だそれ?」
「あ~こんな時間!海電、明日早いからもう寝ないと!ほらもうこんな時間だし?良い子は寝ないと!」
口が滑り焦るバイスは公園の時計を海電たちに見せた。すると時間は夜の8時になっていた。
「なんでそうなるんだよ!でも確かにもうこんな時間か…剣色々と付き合わせてすまなかったな。お前も明日来るなら早く帰った方がいいぞ」
「そうだね今日はもう帰るわ」
(あぶね~一輝のことばれるところだった。)
「明日は頑張ってね!じゃ!」
「応、また明日な!」
焦るバイスをよそに二人はそれぞれの家に帰り、明日のイベントに各々備えていた。
~オンパ当日~
〇海電サイド
控室で待っているのが緊張感でやられそうだったからライブ会場の人ごみの中でこそこそとしていたが…
「人多すぎんだろ!もう一種のアイドルライブじゃんこれ!」
そこは小さなライブハウスとかのレベルではなく、数百人以上は入る超大型のライブ会場だった。
「俺っちテンションチョ~上がるわ!ライブとかいうからコウモリでも出るのかと思ったけど!」
「俺もそんぐらいの勇気が欲しいよ…てかライブはライブだろなんだよコウモリって…あ~緊張しすぎて早く帰りたいよ~」
会場についてテンション爆上がりのバイスを羨ましがっていると俺の肩に誰かの手が置かれた。
「いたいた!海電おはよう!」
「ウワッツ‼きっ響香ちゃん!来てくれたんだね」
「その驚き方何それ!チョー面白いんだけど!てかそりゃあ、憧れの人が前に出るなら見ないわけにはいかないでしょ!…それにせっかく誘ってくれたわけだし」
「あ、憧れなんて!俺なんか飛び入りだし…」
なぜか顔を赤くしている響香ちゃんとガチガチに緊張しながら会話をしていると派手な格好をした4人グループが割って入ってきた。
「見つけたぞ!海電!今日はサイコ―なライブにして部活潰しのお前に勝ってやるぜ!」
「そうかいそうかい、軽音部部長さん…そんなに負けて部活の看板を取られたいのか?」
「そうしないための俺たちだ!そろそろライブ始まんぞ!覚悟しろよ!」
「あんた本当に何者?」
軽音楽部の部長が捨て台詞を吐き立ち去った後、響香ちゃんが俺に聞き返そうとするとその裏から聞きなじみのある声が聞こえてきた。
「海電は運動からeースポーツに将棋や囲碁あらゆるジャンルで私たちの中学生部活動の看板を取ってるし、学校では部活潰しのリヴァイアサンなんて呼び名もあるみたいだよ」
影から出てきたのは剣とカフェであったピンクの肌をした少女だった。
「つ、剣!来てるなら連絡ぐらいくれよ!」
「やっほ~リボンボーイ君」
「何よ、せっかく見に来てあげたんだから感謝ぐらいしたらどう?」
耳郎はモデルのような完璧体形の剣をまじまじと見ていた。
「…デケェ(何がとは言わないけど)」
「えっと~この娘が海岸であったて言ってた耳郎ちゃん?」
「あっうん。耳郎響香っていうんだ。そっちは海電から聞いてた剣聖菜だね!お隣は…」
「たまたま剣とカフェであった同じ高校志望の芦戸三奈っていうんだよろしく!」
「剣ちゃんと一緒ってことは、海電と同じところでつまりはうちとも一緒…ここのメンバー全員雄英志望じゃん!」
「おっ!意外と世界はせまいねぇ~」
意気投合する女子についていけない俺はつい思ってしまった。
(なぜ世界が狭いのに女子しか現れないんだ…)
「それは作者のご都合主義ってやつだぜ!書きたい奴の趣味とか推しって出したいもんじゃん?」
「そんなもんなのか?てか作者ってなんだよ…こんななら男子の一人や二人書いてほしいもんだね!てかなんでバイスは俺の心の声聞こえんだよ!」
「だって俺っちお前の悪魔だも~ん!考えることぐらい動作もないね~」
「この悪魔が!」
「うわっビックリした!誰に話してんの?緊張しすぎてついにおかしくなったの?」
バイスが見えないことを忘れていた俺は必死に響香ちゃんに理由を説明した。
「いやいや何でもないよ!俺の個性が少し特殊っていうかなんというか…」
こんなペースで話を進めていると裏からスタッフの人が俺に声をかけてきた。
「上杉海電さん!次出番ですので準備お願いします!」
「う~ついに出番か…」
そう言い残し、三人と別れた俺は軽音楽部たちが歌っているステージの裏でギターの調節をしてスタンバっていた。
「今日はどうもありがとう!今日は俺たちが対戦を申し込んだ奴がいるからそいつの歌を聴いてどっちがうまいか見ってくれ!よろしこ!」
彼らが言い終わると俺らがいるステージ端の反対側に消えていった。その直後にスタッフのアナウンスが入る。
「これより次の方の準備に入ります。10分程度お待ちください」
すると観客たちは次の演奏者は誰だとパンフレットを見返す人が見た感じ多かった。
「この後の奴がさっきあの中学生バンドの言ってた子かな?」
「てか一人ってことは弾き語りでもすんのか?」
「そもそも飛び入りだろ?普段から常に音に触れてる奴に勝てんのかよ」
(ギャラリーってのはマジで他人事でしか見ないから腹立つんだよな~あの時の商店街の時もそうだったけど…)
観客の声に聴き耳を立てていると立てていない反対側の耳にバイスが心配そうに聞いてきた。
「なぁ本当に俺っちでてきていいの?」
「あぁ手はず通りに頼むぞバイス!ある意味このオンパは俺のヒーローの踏み台にしてやる!」
「了解!派手に暴れちゃうもんね~!」
「ではお願いします」
その言葉とともに別のスタッフはアナウンスを流した。そして俺はバイスタンプとリバイスドライバーを構え、ステージに立った。
「皆様、お待たせ致しました。次が最後の演奏となります!エントリ№50…?リバイスです?なんか違くない⁉」
「あれ?リバイス?そんなの予定に入ってなかったぞ?」
「次ってあの地味そうな上杉なんとかじゃないのか?」
異常事態にあたふたしている観客やスタッフを見ながら俺はリバイスドライバーにバイスタンプを装填した。
「変身」
バディアップ!オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!
仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!
俺は仮面ライダーリバイにバイスは仮面ライダーバイスへと変身しそれぞれギターを持って観客に答えた。
「面白かったでしょ!最後だけど盛り上がっていきましょ~!」
「ども~!俺っちは仮面ライダーバイス!こいつの悪魔!そしてこいつはチョ~カッコイイ仮面ライダーリバイ!二人合わせて仮面ライダーリバイス!覚えてね~!」
いきなり現れたバイスや変身した俺たちに圧倒され、観客全体が時を止められたように固まっていた。そしてその観客たちを置いていくかのように俺たちは演奏を始めた。
〇一瞬剣サイド
海電がパンフレットの名前を変えて立った今、ステージで歌ってる。私たちは観客席でアイドルを応援するかのように手を振っていた。
「海電があんなことするなんて驚きだよ」
「上杉思ったより肝っ玉が据わってるね~」
「やっぱかっこいいなぁ~海電…」
その響香ちゃんから放たれた一言に私は草食動物を見るライオンのごとく睨みを利かせた。
「響香ちゃん?それはどうゆう…」
「あ~歌がってこと!ほらずっと海岸で聴いてたからさぁ~」
顔を赤くしながら誤解だと言う響香ちゃんに私は海電のライブを忘れ、至近距離でずっとほほを膨らませながら見つめていた。
「ムゥ~ムゥ~」
「剣ちゃん顔が近いよ~」
気が付いたらすでに海電はステージから退散していた。
「あ~見逃しちゃった!」
「そりゃあうちばっか見てたからね…」
「そんな~」
落ち込む私は次の日、海電から渡されたオンパのDVDを見て響香ちゃんを許したのであった。
〇海電サイド
ライブ終わった後もギャラリーたちは拍手もなしで俺たちにあっけを取られ、唖然としていた。俺たちはその状態をクスクスと笑いながらステージ裏へと向かった。
~演奏後~
俺はその後、裏の方に行き軽音楽部の奴らとスタッフで会話をしていた。
「お疲れ様です。というか予定表を書き換えておくなんて前代未聞ですよ!でもとてもインパクトのある歌で個人的にファンになりそうです!」
「ありがとうございます、でも個人的に今回のライブでもう懲り懲りですね…」
「上杉君また来てよ!いつでも待ってるから!」
「そんな奴のことなんてどうでもいいから早く結果がみたいぜ!」
「やめた方がいいよ?どうせギャラリーの反応的にお前たちの負けは確定している」
「俺は3年以上もこいつらと音楽を合わせてきてるんだぞ!お前みたいなぽっと出のやつに負けるわけないだろうが!」
「それが分かるのが今日なんだからいいだろ別に…それに俺はお前から軽音部の名前を取れればそれでいいしな」
適当にあしらう俺のセリフに軽音部部長は真剣な表情で返した。
「俺はお前がヒーロー目指す器の人間とは思えねぇな」
「なんだと?」
空気がまずくなったのをこの中にいた誰もが思っただろう。なんせさっき褒めてくれたスタッフも軽音部の他メンバーもその空気に耐え切れずにどこかへ行ってしまったからな。
「俺がヒーロー向いていないってどうゆうことだ!」
怒りに任せて強く聞き返し、部長の胸ぐらをつかむ俺に軽音部部長は冷静に俺の質問に答えた。
「お前が今やってることは俺たちの3年間の思いを侮辱する行為に値する。それだけじゃない、お前は気にしていないだろうが最初のころに始めたお前の部活潰しのせいで一体どれだけの部活が悔しい思いをしたと思っていやがる!」
「⁉」
「他人の気持ちを理解したことがあんのか!自分が不幸に見舞われたからって他人にあたってるんじゃないのか!それに俺が今日お前に勝負を挑んだのは俺たち軽音部のためだけじゃない!お前からとられたもんを取り戻しにいろんなもんを背負って来たからだ!」
確かに俺は小学2年生のころ両親がどこかへ行ってしまい、いなくなることの恐怖が生まれてそれが今後誰かと仲良くなってそれが失われてしまうことを恐れていた。それを消すために運動や勉強を嫌というほど行って学力は1位は当たり前で運動でも誰にも負けなかった。そして…
「知った口きいてんじゃねぇぞ…お前に俺の何が分かるってんだ…」
「あぁしらねぇな!お前みたいな自分勝手なエゴイストは!」
俺の怒りがMaxになり、リバイスドライバーに手をかけた途端、裏から別のスタッフが俺たちに呼びかけた。
「あのすみません!結果発表があるのでステージに登壇願います!」
「行くぞ…部活潰しのリヴァイアサンお前から奪われてきたもん取り返すためにな」
「…」
(なんで俺は今、ドライバーに手をかけたんだ…)
部長と俺たちは思いを乗せながらステージに登壇した。今回は俺たちだけでなく、他の中学の軽音部から高校の軽音部さらには本格的なグループとして活動している方たちまで参加しているためランク外なんてこともある。だが、あのことがあった後だと俺は…
気持ちの整理がつかないまま、スタッフが順位の発表を始めた。
「では第50回目、音楽パラダイスのトップ10から発表していきたいと思います!こちらのスライドをご覧ください!」
そしてそのスライドには10位から順番にグループの名前が載っていく。うちの軽音部はなんと中学生にして第4位であった。
「俺たち4位かよ!初じゃん!これは俺たちの勝ちなんじゃ…「…では今回の優勝者は…投票数ぶっちぎりの1位!なんと今回飛び入り参加の二人組!リバイスです!」なんだって!」
スタッフも軽音楽部部長もましてや本格グループたちをも抑えてなぜか俺が1位となってしまった。
「え~!俺っちがまさかの一番!スゲーじゃん!マジサイコー!」
「俺の勝ちだったな…」
「クッソ!最後の軽音部部部長としての戦いは負けか…」
「これで軽音部も貰っていくぞ」
「仕方ない…お前のことを認めるしかないな…」
「悪いな…俺はもう前にしか進まないから…」
「…」
(後味悪いなぁどうすればいいんだ…)
頭をかきむしりながら身を小さくして去っていく部長の背中をみて考えているとバイスが意外な提案をしてきた。
「海電君さ~お前ヒーローになるために変わるって決めたんだろ?だったらさぁ~今から変わればいいんじゃね?絶対に遅くはないと思うぞ?悪魔が言うのもあれだけどさっ!フフフハハハハハ!」
「バイス…」
俺の中の自分はきっと誰かに認めてもらいたかったのかもしれない、自分が失ったあの存在の代わりを運動や勉強に充てていただけなのかもしれない…でも今は違う、きっと認めてくれる人はいる。俺はもう一つの覚悟を決めた。
「軽音部の部長さんよ!」
すると小さくなっていた部長はこちらを振り向いた。
「なんだ今更」
「お前の部活の看板は俺が持ってる!」
「だな…お前が勝ったからな…俺をけなしてるのか?おめでたいやつだ…」
「なら俺はこの看板を自由に使えるからな!ここで宣言する!」
「?」
頭が点になっている部長に俺は宣言した。
「俺はお前らからとってきた看板すべてを学校に返上する!来年の代も続けられるようにな!」
すると部長の眼に生気が宿った。
「本気なのか⁉お前は負けたやつのいい文なんて気にする必要ないだろ…」
「俺が決めたことだ!それにあんたに気づかされた。ありがとな…木場山 連子」
「⁉俺の名前しってたのか!」
「俺は奪ったすべての部活のメンバーの名前は把握してる。それにそいつらの努力も分かってた。だけど、俺は誰かに認めてほしかった…誰かと対等に話し合いたかった…ただそれだけだったんだ…」
「上杉…」
俺の眼には一滴、二滴と涙がこぼれていた。
「俺はでもヒーローやりてぇんだよ…あいつみたいにカッコイイヒーローに…それなのに他人の未来を奪ってたらそりゃヴィランと同じだしな」
「ありがとう…」
「楽しかったよありがとな」
そう言い、膝から崩れ落ちる木場山を置いて俺はその場を後にした。
こうして俺のオンパでの戦いが終わりを迎えた。
「これで後は受験だけか…」
新たな思いを乗せて少年は夢への一歩を踏み出した。
〇海電サイド
オンパ終了から2週間がたち、俺はついに雄英高校の門に立っていた。
実はその2週間はとても大変で俺じゃなければ確実に高校なんて受験できないレベルだった。新人なのにいきなりオンパにて優勝、この段階でメディアには引っ張りだこ。おかげで家の前にもメディアがくっついてきてうざかった。さらには商店街で俺たちの戦いを見ていた人がオンパに来ていたらしくメディアに流していたらしい…危うく俺たちの素性や個人情報がばれるところであった(そこは一花姐さんに頼んで圧力で消してもらったけど…)。
こんな感じで大忙しの俺は今雄英に立ってしまっている。
「ついにここまで来たか…」
「俺っちたちなら何の問題もないぜ!」
「だな!よ~し!まずは第一歩だ!」
俺が門に一歩足をかけたとたんに俺の肩に手を当てた人間がいた。その手は懐かしいいつもの手であった。
「やっほ~海電!今日は頑張ろう!」
「俺の記念すべき第一歩が…」
「そんなの入ればもう一回できるよ」
「そういう事じゃないんだよ~」
「まぁもう終わったことだから前向いてこ」
「うぅ…」
しょげてる俺を剣が引きずりながら試験会場についた。
~雄英試験会場~
会場は所狭しと受験生でいっぱいであった。海電の中学の受験者は海電、剣、緑谷、爆豪とそこそこ多めのメンバーである。もちろんこのメンバーに不満を持っている奴が隣に一人…
「おい!なんで二人野郎以外にもここ受けに来てる奴がいんだあぁん?」
「いいじゃん!受けるのは自由だし…はっきり言って君に私が負ける要素がないわ」
「何だと!」
相変わらず挑発する剣に激昂する爆豪を緑谷は抑え込んでいた。
「かっちゃん落ち着いてここ受験会場だよ」
「チッ」
「剣も一旦落ち着こう」
「…ごめん」
そしてプロヒーロープレゼント・マイクによる実技の説明を受け、俺たちは各々会場に分かれていった。
海電はC会場、剣はE会場、緑谷はA会場、爆豪はB会場へと分けられていた。
~E会場~
〇剣サイド
「なぁあの女子可愛くね?」
「それなあれはモデルでもいける口だぞ」
「どこ中なのかな?声かけようかな?」
誰でも聞こえそうな声でみんな誰のこと言ってんだろう?それよりも海電たちと一緒じゃなくてある意味良かったかな?私の個性は海電にサプライズで出したかったからね…
「よし!頑張ろう!」
「お~!」
隣で拳を挙げた少女は私の知り合いのあの子だった。
「え~!響香ちゃん⁉」
「やっほ~聖菜ちゃん。同じ場所とは意外だね」
少し彼女にはどうしても敵意を向けてしまう、どうしてだろうなぁ
「でも今はお互い落としあう仲だからね」
「いやいやお互い受かるように頑張ろうよ!そっちの方が楽しいじゃん!」
つい愚痴を吐いてしまったけど確かに同じ高校に知ってる人がいる方がいいと思った。
(でもあのことに関してはちゃんとくぎを刺しとかないとね)
「そうだね…後、響香ちゃん私の個性のことなんだけど海電には高校入るまで言わないでくれない?」
「なんで?いわれてみれば聖菜ちゃんの個性ってなんだっけ?」
私は響香ちゃんに言われると腰にドライバーを装着した。
「私の個性はね…」
聖剣ソ―ドライバー‼
《ブレイブドラゴン》
《かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた…》
本が語り終わるとドライバーに本をセットし、縮小化された剣を抜刀した。
「変身!」
烈火抜刀‼ブレイブドラゴン‼
烈火一冊…勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時真紅の剣が悪を貫く‼
抜刀された剣は大きくなり、その場所には紅に染まったドラゴンをまとった剣士が立っていた。
「私の個性はセイバー…仮面ライダーセイバー!」
「マジ⁉」
私の受験が始まった。
今回は長くなりましたがここで終了します!剣の個性をようやっと解禁できました!実は剣に関しては元々男の子キャラでだす予定でした。がテン・ゴーカイジャーを見てきたあの日アイムのリュウソウジャーを見て女性剣士って意外とありじゃね?と思いまして剣は女の子キャラへと変わりました。なんでリバイスメインなのにセイバー出したのかって?それは見た目がカッコイイのとヴェノムショッカーがかかわっ…ってついつい癖で出してしまいました。危ない危ない…
次回は剣と海電の受験を描きたいと思います。