では運命のお昼休み編スタート!
昼休みが始まり、海電は親族が座ってる客席に足を運ぼうとステージ内の通路を歩いていた。
「ここ更衣室、医務室に屋台までの道まで色々あるから分からなくなるな…」
「俺っちは覚えてるぜ!悪魔の記憶力なめんなよ!」
「じゃあ客室までの道分かるよな?」
「え~バイス便は不時着しますので連絡は取れません…失礼しマウス!」
バイスに海電は道を尋ねようとすると焦った顔だろうか誤魔化しながら後ろに隠れてしまった。
飽きれて道をさまよっていると口から顎にかけてふさふさのひげをしたおじさんが綿あめを食べながら目の前に現れた。
「おや?君は…さっき騎馬戦にいた上杉君だったかな?試合見てたよ実にすばらしい!青春って感じでね!」
ものすごい笑顔で答えるおじさんに海電はどこか懐かしさを感じながらここに来た理由を尋ねた。
「あの…おじさんはどうしてこっちに?こっちはスタジアムにつながる道だと思うんですけど…」
「おっと!そうかそうか!いや~最近年のせいか物忘れが激しくてね!どっち行けばいいか分かるかい?」
海電は周りを見渡してみると道案内の掲示板があることに気が付いた。
「あっ!これですこれ!これを見ると…この通路を右に渡ってまっすぐ行けばつきますね!」
掲示板を指さし案内するとひげのおじさんは手を叩いて拍手を海電に送った。
「おうおう!そうか!助かったよ!君は将来きっと素晴らしいヒーローになるね!お礼と言ったらなんだがこれをあげよう!お昼ごはん終わったらおやつで食べるといいよ!ではさらば若きヒーローの卵よ!」
そうして海電に小さな紙袋を渡すとひげのおじさんはその場を後にしていった。
その様子を海電が眺めていると後ろから剣と耳郎がお昼を食べるため歩いてきた。
「あれ?海電じゃん!何してんの?」
「いや、おじさんに道案内してた…そしたらこれもらって…」
「紙袋?そうか!たしか屋台がいっぱいあるんだっけ?そしたらさぁいっそのこと海電も屋台見に行こうよ!」
女子高校生二人に屋台に誘われて照れている海電は流れに流されるまま通路を出ていった。
~スタジアム外屋台にて~
普段は学生のみであるためそこまで騒がしくない学校もこの日だけはたくさんの人の声であふれていた。
海電はその様子をみて心躍っていた。
「祭りなんて何年ぶりだろうか…少し楽しみだ…」
「何言ってんの!ほら時間無いからさっさと行こ!」
耳郎に手を引かれ海電たちは一つのお店にたどり着いた。
「パンケーキ屋さんだって!珍しいとこもあるもんだね…ってえ~!二乃さんに三玖さん!どうしてここに⁉」
パンケーキ屋の中には調理エプロンをした二乃と三玖が鉄板でパンケーキを焼いていた。
「あら耳郎ちゃんに剣ちゃんまで来たのね!食べてく?」
「というかカイデンも来てたんだ…お疲れ」
二人は三人に労いの言葉をかけパンケーキをおごった。
そして二乃たちは三人と一緒にさっきまでいた客席に燕返しのように移動した。
客席に向かうと屋台のものをたらふく買い占めた一花と五月がそれを消費しながら座っていた。
どうやら勇也とマルオは仕事の関係上帰ってしまったらしい。
「おっ!来た来た!二乃~三玖~お昼の分の販売おっつ~!」
「一花!あんた、もう仕事に行ったのかと思ってたわ…」
「一花姐さん!それに五月姐さんは相変わらずで…」
「カヒドンオホカッタネ!モゴモゴ(海電も遅かったね!うんうん…)」
口に蓄えている五月をよそに剣と耳郎は海電を挟む形で先ほど買ったものを食べ始めた。
「いや~三人ともいい試合だったよ~特に海ちゃん!お姐さんはあんな姿見れて嬉しかったよ!もうスマホの容量がパンパンになりそう~」
「やめてくれよ一花姐さんはいつも俺を子ども扱いして甘やかすんだから!」
「え~いいじゃん!いつまでも海ちゃんは海ちゃんだもの~ほれほれ~お姐さんの買ってきたものも食べないと大きくならないぞ~」
完全にアウェイになってる海電を見て嫉妬のまなざしを向ける耳郎と剣だったが相手は大女優、ただ見ることしかできなかった。
「くっ…うちもあんなナイスバディなら海電を落とせるかもしれないのに…」
「響香ちゃん⁉」
そんな感じでワイワイと4人の姉妹+雄英生の昼休みが終わろうとしていた。
~40分後~
最終種目に出る生徒の召集がかかり三人は各自それぞれの控室に向かった。
そして海電は今になってあのひげのおじさんにもらった紙袋を思い出し、緊張感をほぐすためにそれを食べようとした。
「これなんのお菓子なんだろうか…」
袋の中身を覗くとそこにはお菓子ではなく、海電が普段見慣れたスタンプが入っていた。
「⁉これってバイスタンプ!それにこんな形状のスタンプ見たことない…バイス!」
この謎のスタンプが気になり、隠れていたバイスが姿を現した。
「なんだよ海電!俺っちは今チョークールなんだけど⁉」
海電は未知のスタンプをバイスに見せるとバイスは初めて見たかのような顔でスタンプを覗きだした。
「ってこんなスタンプ見たことないんですけど!これ海電どこでもらったの⁉」
「やっぱりバイスも知らないスタンプか…あのおじさん一体何者なんだ…」
不吉な予感もままならないまま最終種目出場選手の召集がかかった。
「さぁさぁ!行くぜ最終種目のトーナメント式!一対一のガチンコバトル!出場選手の登場だ!」
そのアナウンスを筆頭に先ほどの上位4チームが集まった。
「こんなに人がいるとやっぱり緊張するなぁ」
「ケッ…全員ぶっ潰す!」
「私も負けられないからね!」
出場選手が強い信念を持って試合前からバチバチと火花を散らしていた。
そしてミッドナイトから戦う選手の順番がモニターに映し出された。
剣 聖菜 対 芦戸 三奈
発目 明 対 上鳴 電気
緑谷 出久 対 常闇 踏陰
爆豪 勝己 対 上杉 海電
耳郎 響香 対 飯田 天哉
轟 焦凍 対 木場山連子
切島 鋭児郎対 八百万百
麗日 お茶子対 拳藤 一佳
「以上8試合をお送りするぜ!」
「じゃあ第一試合はこれから10分後に行うから心の準備してなさい!」
そして他の選手はそれぞれ自分の準備を始めた
ある選手はスタジアムの外をランニングする者、準備室でウロウロする者、観客席で相手の選手を分析するつもりの者、はたから試合に興味がなく発明をする者
皆の思いが交差する中で10分の時間はあっという間だった。
プレゼントマイクがスタジアムに立つ二人の選手の名を呼ぶ
「それじゃあ早速第一試合!始めるぜ!まずは入ったときからの熱血聖剣ガール!剣聖菜!そして対するは酸を出せるアシッドガール!芦戸三奈!初手から白熱のガールズファイトが始まるぜ!」
「三奈ちゃんが最初の関門だとはね…でも勝ちを譲る気はないからね!」
「うん!聖菜もどんと向かってきなよ!私の酸で倒してあげるから!」
歓声鳴りやまないなかミッドナイトの試合開始のホイッスルがスタジアムに響いた。
「変身!」
ブレイブドラゴン!
セイバーは宣言通り試合開始と同時に聖剣を芦戸目掛けて投げつけた。
「うぇ~いきなり聖剣投げつける剣士とか聞いてないよ!」
「だってそんな剣士私ぐらいしかいないでしょ?」
まっすぐ投てきされた聖剣を芦戸は酸をうまく利用して身をかわしたが、かわした先には先回りしていたセイバーが待機していた。
「予想通りの行動で助かったよ!そりゃぁ!」
「うげぇ!」
セイバーは不安定な状態になった芦戸の腕をつかみそのまま一本背負いで場外にもっていってしまった。
「芦戸さん場外!勝者剣さん!」
「ウッソダロ!もう試合終了かよ!まだ始まって数秒だぜ!どうなってんだよ今年のA組!」
メガネがカタリと外れて驚くマイクにイレイザーは嫌味声で答えた。
「マイク…もう少し静かに話せ…一応は怪我人だ、それにあいつらはこんなところでウロチョロするような球じゃないってことだよ」
スタジアムは聖剣を使わないセイバーに夢中になった。
そしてセイバーは倒れこむ芦戸に手を差し伸べお互いの健闘を称えあった。
「やっぱ聖菜強すぎ~私も聖剣欲しい~!」
「でも三奈ちゃんもあの一瞬私に攻撃しようとしてきたから少し焦ったよ…」
照れながらセイバーは変身を解いてそのまま芦戸と共にスタジアムを出た。
そのままミッドナイトは次の試合の選手を呼び出しマイクはその選手の説明を始めた。
一方そのころ海電は自身の控室でストレッチをしながら剣の試合を見ていた。
「やっぱり剣は強敵になるなこれ…あのセイバーの聖剣とブックの特徴を頭に叩き込んでおかないと命とりだぜあれ…」
「でもさ俺っちたちにはあのおっさんからもらったスタンプがあんじゃねぇか!あれなんかやばそうだから剣なんて一発よ!きっと!」
そう言われ、机の上に置いてあったバイスタンプを見つめていると控室のドアが開いた。
その開いた主は隣の控室にいた耳郎であった。
「うわっ!ってなんだ響香ちゃんか…びっくりした~どうしたの?何かあった?」
海電がそう聞くと耳郎は何も言わずに控室のウォーターサーバーから水を入れて椅子に座った。
「えっ…何も言わないの怖いんだけど…俺何かした?」
謎の行動に動揺していると耳郎は机に並んでいたバイスタンプからレックススタンプを拾い、海電に押印した。
もちろんそうするとバイスが姿を現した。
「え~なんか出てきちゃったんですけど⁉俺っちなんで~⁉」
「バイス!ちょっと席外してくれない?少し海電に聞きたいことがあってさ…」
いつもの雰囲気とは違う耳郎にバイスは何も言わずに控室から出ていった。
二人になった海電と耳郎は沈黙に包まれ机にはバイスタンプと耳郎が控室に入ってから飲んだ水のコップが並んでいた。
「…」
「…」
この沈黙を抜けたのは海電だった。
「あの響香ちゃん⁉もうすぐ上鳴の試合があるから見たいんだけど何か用事があってk…「ずっと気になってたんだけど海電って剣ちゃんから聞いた話だと友達作らないんだってね…」…っ⁉えっまぁ色々とあって作りたいのは山々なんだけど作れないっていうか…なんというか…」
「なんで?どうして作らないの?普通にしてれば運動もできるし、勉強もできる…絶対にできない理由なんてないのにどうして作らないの?」
突然の押し問答に気が動転していく海電をよそにどんどんとエスカレートしていく耳郎
「今そんな話する必要ある?てかトイレにいこうk…「ちょっ…ちょっと待って!大事な話だからさ…」…う、うん」
先ほどから海電はなぜこんなにも耳郎が必死に止めるのか疑問で仕方なかった。
「じゃあそろそろ本題なんだけど、うちって海電にとって何?」
「⁉何とは…?」
「ほらその…友達とか友人とかさ…一応中学3年からとはいえ半年ぐらいは一緒にいるからさ…聞いておきたくて」
燃えるように赤い顔の耳郎を見て海電はウソ偽りなく答えた
「知人…それが俺の答え」
その答えに耳郎は落胆した顔を見せ、少しながら眼に潤いが宿った。
「そう…なんだ…分かった!教えてくれてありがとう!じゃあお互い頑張ろう!」
席を立ちあがりもう一杯水を飲むと控室のドアを開けて外へと出ていった。
「う~んあの顔は何だったんだろうか…まぁでもあんなことがあったなんて言えないし…そんなこと言って響香ちゃんが悲しむのは見たくないからね…」
少し腑に落ちない点がありながらもモニターを見ながらストレッチを始めようとしたその時だった。
再びドアが開き海電の後ろに何かが立ちつくした。
海電はバイスが戻ってきたと思い、先ほど起きた出来事を話そうとした。
「お~バイスか?聞いてくれよ、響香ちゃんがいきなり変な質問してきてさ…」
「海電…うちと付き合ってくれないかな?」
「⁉」
背中にいたのはバイスではなく、先ほど出ていった彼女だった。
その一言を聞いて体全体が瞬間冷凍されたように凍り付いた。
「…」
「ってお~い、海電?」
「今、なんて?」
「だから…うちと付き合ってくれないかって聞いたんだけど…」
後ろを振り向くと先ほど以上に真っ赤になった耳郎が体を震わせながら海電の返事を待っていた。
「うそだよね…聞き間違いだと思うんだけど…唐突すぎて何が何だか理解できなくて…どうして俺なの?」
「それは友達でもなくて知人ならもっと近づけるかと思ってそれに…「俺っちアックマ!アックマ!バイスちゃん!愛しきアックマ!バイスちゃん!」…っ‼」
理由を聞こうとすると控室から追い出されたバイスが戻ってくる声が聞こえ焦ったのか耳郎は海電を押し倒してしまった。
ドキドキと二人の鼓動がお互い感じるほどに近づいたが、耳郎は耐え切れなかったのかドアに向かって走った。
「と、とりあえず答えはまた後でいいから!…じゃあ」
バイスがドアを開けた瞬間に耳郎は自身の控室へ戻ってしまった。
「って何よもう!海電何話してたの?なんか響香っち顔真っ赤だったけど!」
海電はあの答えの意味が理解できずその場に立ちつくしてしまった。
「マジで俺、どうかしてるわ…」
「えっ何が?」
そしてこのことがあり、発目対上鳴の結果を海電は見ることができなかった。
(勝負は発目の不戦勝で上鳴の勝利となった…)
「うち大胆に出ちゃった~」
さらに自身の控室でものすごく照れまくる耳郎響香を知るものもまた誰もいなかった。
えっ?いきなりだって?いやいやご冗談を…僕は最初から知ってましたけどね⁉
と、とりあえず次回は白熱の試合がもっと見られるはず!はず!