どうも今回は海電の過去について進んでいきますよ!
これは7年前のこと…これは当時小学2年生だった上杉海電の話である
~とある公園~
「お父さん!お母さん!こっち来てよ!」
「分かった。今行く。」
首元に緑のリボンを巻き、二本のくせ毛がある少年がベンチに座っている両親を大きな声で呼んだ。それに応じようと少年と同じようなくせ毛がある男性が椅子から腰を上げようとするとピンクの髪をした女性がベンチの場所で男性を引き留めた。
「風太郎、そっちは危ないからあまりはしゃぎすぎないでね。」
「分かってるって。それにお前も遊びたいんじゃないのか?」
「いや~あんまりにも海電と風太郎が楽しく遊ぶものだからつい見行っちゃって」
「そうか?四葉も俺が仕事に行ってるときなんてしょっちゅうこの公園で海電と遊んでるって近所さんから聞いてるぞ」
「へへへ…ばれてたのか~」
「それに今日はあいつの誕生日だ。いい日にしてやりたいだろ?」
「そうだね!今日も楽しくいかないとね!」
二人が大人の話していると海電はちっとも来ない二人にしびれをきらしたのかほほに空気をためてこちらに近づいてきた。
「ねぇ!聞いてる!こっち早く来てよ!」
「あぁ…すまんすまん。」
「お母さんも来てよ!」
「分かったよ。いこ~!」
彼らは三人しかいないこの公園で遊び始めた。これを見ればだれでもよい家族であると認識できる。きっとこれが彼ら家族の形なのだろう…
~1時間後~
鬼ごっこやサッカーなど幅広く遊んだ影響か風太郎は息を切らしていた。
「ハァ…ハァ…も~無理。なんで二人ともそんな動けるんだ⁉」
「逆になんでそんなに風太郎は動けないんだろうね…」
「そうだよ!お父さんはいっつも疲れるの早い!」
「年取ればそんなもんになるだろ!」
「私は何の問題もありませんが?」
「お前は運動能力が個性になってるからなおさらだろ…まぁその分、知能はあり得ないぐらい低いがな!」
「そこは言わないでよ~」
体力が有り余る二人と風太郎が会話をしていると夕方のチャイムがなり、海電が時計を見ながら風太郎達に尋ねた。
「ねぇねぇ。この後、二乃お姉ちゃんたちと一緒に夜ご飯食べに行くんだよね?」
「そうだが」
「今ってチャイムがなったから5時になったんだよね?」
「そうだね!よくわかったじゃん!」
「二乃お姉ちゃんたちとの約束の時間って6時じゃなかったの?」
その子供の一言が大人二人にはかなり刺さったのか、顔が真っ青になっていった。
「やっべ!完全にいつもの休日感覚で遊んじまった!」
「どうしよ…今から車で行っても間に合うかな?」
「馬鹿言え!一度家に戻ってたりしてたら100%間に合わねぇぞ!」
「ど~しよう!でも車使わないともっと遅れるし!あ~二乃に怒られる!」
焦りで動転しまくってる親をよそに海電は小学2年生かと思うほどに冷静だった。そして涙目になりながら海電は両親に答えた。
「そしたら僕が二乃お姉ちゃんたちにごめんなさいの電話する!」
「「えっ」」
「お父さんとお母さんが電話したらみんなに怒られるんでしょ…僕嫌だもん!だから僕がごめんなさいの電話したら僕が二乃姐さんに怒られるだけでいいから大丈夫だもん!」
完全に両親が子に負けたと思った瞬間であった。
「よし!なら電話してみるか?」
「ちょっと風太郎!それはいけないよ!いくら二乃でもこれは海電を怒こると思うし…ってもう電話してる!」
四葉が息子に電話させるのを拒否させようと説得する間もなく、風太郎は電話を海電に預けていた。海電も出かけていた涙を拭って電話で相手が出るのを待っていた。
「ほんとに怒られたらどうするの!」
「大丈夫だ。あいつならきっと平気だろ。それにあいつから謝りたいって言ったんだ親なら見守ることも重要じゃないか?」
裏で二人が話していると海電のかけた電話にどうやら誰か出たようで話し始めた。
「私だ…君たちは今どこにいるんだい?どうもいつもの君たちならついててもいい時間帯だが?」
その声は一般の人が聞けばどこかの組の人じゃないかといわんばかりに落ち着いた声だったが、海電はこの声の主を知っていた。
「⁉マルオおじいちゃん!」
電話の主を知った風太郎はますます青ざめた顔になっていった。
「⁉」(お義父さん‼マジか…今日来てたのか!)
「おや?海電かい?君のお父さんは今どこにいるか分かるかい?」
「あのね…僕ねさっきお父さんとお母さんとね公園で遊んでたんだけどねあの、たくさん遊んじゃっておじいちゃんのところに行くのが遅くなっちゃうんだ…それでね…ごめんなさいの電話をしないとって思って電話したの…ごめんなさい!」
海電はきちんと電話越しでも頭を下げていた。今にも泣きそうになっている海電にマルオはいつもの声色より優しい口調で諭した。
「君は偉いね海電…流石はわが孫だ。このことは了解したよ。他のお姐さんたちにも言っとくよ。」
「ありがとう!マルオおじいちゃん!」
「いいんだ…それに今日は君のためにいるんだ。君が謝ることなんて一つもないよ。」
「うん!」
先ほどまで緊張していたのかこわばっていた海電の顔がマルオの言葉で笑顔に変わっていた。
「ところで海電、君のお父さんに代わってもらえるかい?少しお話がしたいんだ」
「お父さん怒らない?」
「あぁ…君のお父さんを怒らないと約束しよう」
「分かった!」
そういうと海電は風太郎に代わってほしいことを伝えてスマホを渡した。風太郎はスマホを震えながら受け取り海電と変わった。
「こ、こんばんわお世話になっています。お義父さん」
「今日は何の日か分かっているかい?風太郎君?」
「もちろんですとも!今日はわが息子海電の誕生日会をする日ですよ!」
「では何故時間に間に合わない予定で遊んでいるのかい?それに孫に謝罪をさせるとは…」
風太郎の顔がマルオの話によりさらに青ざめているのが四葉にも分かったため、四葉はすぐさま海電を公園のベンチに座らせた。
「なんでここに座るの?早くお店行こ~よ」
「ちょっと今お父さんおじいちゃんとお電話してるから少しだけ待とうね!」
「分かった。」
「い、いえ時間に関してはつい息子との時間を楽しみすぎてしまって…それと謝罪に関しても息子自身が謝りたいとのことでしたのでその後謝罪しようかと…」
言い訳に感じるのではと思いながらも正直に話す風太郎にマルオはかつて自分が娘たちにできなかったことをしている風太郎に何もいう事がなかった。
マルオは今後の彼らを案じて忠告をした。
「ただ先ほど海電と君たちを怒らないと約束したからね。早急にきたまえ。私はともかく、二乃達は君に何するかわからないからね。」
「了解しました!すぐさま向かいます!失礼いたします!」
風太郎はすぐさま電話を切って自宅へ走るとベンチにいた二人に告げた。
「今から車持ってくるから少しだけ待っててくれ!5分で着く!」
「分かったけど事故起こさないでね…」
その後本当に5分後に車をもってきて二人を乗せ、皆の待つ店へ向かった風太郎であった。
~カフェなかのにて~
「さ~てどう言い訳したい?フー君?四葉?」
「いつもならまだしも今日はカイデンの誕生日…流石に弁明してもらわないと…」
「甥っ子に会えなくてお姉ちゃんもプンプンだぞ!」
「あなたたちならまだしも、息子の誕生日会に遅れるなんて!」
海電の両親は案の定、姉妹全員に圧迫面接のごとく詰められていた。
「言葉が出んマジですまんかった!」
「その節は本当に申し訳ないです!」
二人が謝罪を述べていると、先ほどまで祖父たちのもとで楽しんでいた海電が話に入ってきた。
「お姉ちゃん!お父さんとお母さんは悪くないよ!僕が遊ぼって言ったから遊んでくれて、それで遅れちゃったんだ!だから僕のせいなんだ…ごめんなさい!」
その言葉を聞いて姉妹全員は驚いていた。そして各々海電に謝罪や弁明を始めた。
「おぉ~流石は甥っ子!えらいねぇ本当に偉い!お姉ちゃんもう怒るのやめる!私こそお父さんたちに怒ってごめんねぇ~」
「え…そ、そんなに怒ってないよ!き、君の将来のために怒っていただけだよ!だから嫌いにならないでね!」
「甥っ子にそこまで言われると何も言えないね…カイデン、私も悪かったよ…ごめん」
「今回は許すけどいい?きちんと遊ぶ時間をよく見て行動することも意識なさいそうすればお父さんたちも怒られないわよ」
「うん!ありがとうお姉ちゃん!」
こうして姉妹たちによる両親の説教?も終わり無事?に海電の誕生日会が開かれた。
そしてこの日を境に海電は変わってしまう…
~誕生日会開始から4時間後~
海電はとても楽しい誕生日会で疲れたのかショートヘアの一花とてっぺんがブーメランのようなくせ毛になっている五月の席で眠ってしまっていた。その後、大人たちは誕生日会の後片付けと大人の二次会が開始されていた。もちろん風太郎と四葉は後片付けに参加している。
「いや~海ちゃん、風太郎君に似て可愛らしいね。この膝枕されてる画も懐かしいよ」
「次は私も膝枕してあげたい!一花変わってよ!」
「あれ~そんなに風太郎君の子供が気になるのかな?」
「ち、違うよ!普段、二乃や三玖みたいに会えるわけじゃないから可愛がってあげたいだけ!」
「本当にそれだけかな?お姐さん心配だよ…それにまだ食べてるし、五月ちゃんが食べ続けてるから風太郎君たちがいつまでたっても海ちゃんに触れやしないよ」
「一花~!」
一花と五月が膝枕戦争をしていると色白の年齢が少しだけ若く見えるおじさんと金髪でサングラスを頭にかけているおじさん二人が別室から出きた。
「お父さん!と勇也さん!奥で飲んでいたんじゃ?」
「先ほどから彼のせいで冷めてしまってね。」
「ケッなにを~|お前だってその色白肌がタコ助みたいに赤かったじゃねぇか!悪いな五月ちゃんたち!」
「ところで海電はもうとっくに寝たのならベッドにでも入れてあげなさい。風邪をひいてしまったら彼がかわいそうだ。」
「え~もう少しこのままでいたかったのに~」
「でもしかたないね。一花、一人で大丈夫?」
「へーき、へーき。よっこらせっと。じゃあ私も明日早いから今日は寝かせてもらうねぇ~」
「聞き捨てならないよ!そのまま海電をどうするつもり!」
「今は四葉ちゃんも風太郎君もいないからこのまま養子にでもしちゃおっかな~」
「駄目だよ!犯罪!」
「い~じゃん!私もなかなか会えないし!」
そう言いながら寝ている海電をおぶりながら一花と五月は別室に入っていった。
「やけに盛り上がってるな~これはまた酒が進むぜ」
「君は彼らの手伝いでもしたらどうだい?すまないが私は明日は早いからねここらで帰らせてもらうよ。」
「そうかい!ってまぁ俺も明日仕事あるからな…二乃ちゃんたち!俺たち先に帰るから!うまかったぜ!」
勇也が大きな声で呼ぶと裏から二乃と三玖、そして風太郎が顔を出した。
「ありがとうございます。またどうぞお願いします!パパもまたね!」
「お父さんに勇也さん。今日はありがとうございました。」
「お義父さん、本当に今日はありがとうございました。そして申し訳ないです…」
風太郎がマルオに謝罪の意を込めて深く礼をするとマルオは睨みを聞かせながら冷たい声で再度忠告をした。
「まぁ結果として海電の顔も無事に見ることもできたし問題はないね。また呼んでくれたまえ。ただし、次はないよ」
「分かってます…」
忠告を受けて沈んだ風太郎に勇也が大きなプレゼント箱を渡してきた。
「ほれ、らいはからへの海電の誕生日プレゼントだとよ。今日はあいつ先約が入ってたから悔しがってたぞ~」
「だろうな。もらっとくよ感想は電話で来るって言っといてくれ」
「応!」
海電の誕生日プレゼントを受け取り、勇也たちが帰ろうとしたところで後片付けを済ませた四葉が裏から顔を出した。
「お父さんに勇也さん!今日は来てくださってありがとうございます!またやりますのでよろしくお願いいたします!」
「分かったぜ!そん時はらいはも一緒に来るぞ!四葉ちゃんも体には気をつけてな!」
そして手を振りながら勇也とマルオは店を出ていった。
「フー君、四葉がほとんど終わらせちゃってるからもう手伝いしなくていいわよ。後は私らで何とかする。」
「そ、そうか。悪いなお前たちに気を使わせちまって。」
そう言うと風太郎はカウンター席に腰を掛けた。
「別に平気、今日も楽しい誕生日会だったからカイデンも楽しそうで良かったよ。」
「一時はどうなるかと思ったけど無事に終わって良かった~」
「四葉もよくやったな助かった。」
カウンターに座って話していると部屋から一花が悔しそうに出てきた。
「?あんた部屋で寝てたんじゃないの?」
「それが海ちゃんと添い寝しようとしたら五月ちゃんに負けちゃって一人床でねてたから眼が覚めちゃって…」
「おい!甥っ子を襲おうとするな!それにだ…「プルルルル」…ってなんだよこんな時間に!」
突然かかってきたスマホをみて風太郎は固まった。その電話の主の名は…「venom」風太郎にはこの電話はいかに危険なものかが分かっていた。
「四葉すまない俺、会社での用事ができた…だからちょっと出てくる。」
今日は休日なはず、そして彼の仕事はただのサラリーマン、だが彼と四葉にはある組織との接点があった。世界で転生を果たした二人がこの世界の異変を調べるために潜入していた組織…「ヴェノムショッカー」この組織に風太郎は科学者として知識を提供するふりをしていた。つまりこの電話は彼にとってこの世界に危険が近づいている合図でもあった。もちろんそのことは四葉も風太郎の顔をみて理解した。
「帰ってくるよね?」
「あぁ…絶対に帰ってくる約束だ!」
沈んだ顔をした二人を見た二乃はその顔は何だと言わんばかりに心の声を漏らした。
「そんなただの急用じゃない。大袈裟な」
「…」
そして風太郎は海電が寝ている部屋に行き、五月に抱き着かれている海電の頭をなでてこの店を後にした。
その後、風太郎は上杉家に帰ってくることはなかった。
そして彼の行方を心配した四葉もまた海電を置いてどこかへ消えてしまった。
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〇海電サイド
「以上だ…」
「え~!その後どうなったんだよ!お前の母ちゃん帰ってきたのか!めっちゃ気になる!」
「帰ってきてたらこんな性格になっちゃねぇよ」
「確かに!」(だけどこれで分かったな…俺っちをこの世界に呼んだのは間違いなく四葉ということ…ならあの時言ってた知り合いってもしかして…)
バイスとの会話で盛り上がっているとカウンターから声が聞こえてきた
「独り言なんか話してないであんたも少しは手伝ったらどう?」
「二乃姐さん⁉俺そんなこと言ってたかな?」
「言ってたけどあまりに声が小さかったから内容はわからなかった…」
「海電みてみて!二乃さんたちと作ってたらこんな立派なの作れちゃった!」
剣が自分の作った料理の皿を見せると俺は唖然とした。
「お前、意外に料理うまいんだな…」
完全に店に出せるレベルのものが並べられていたのである。
「びっくりしたわ。私が作っているのを見てすぐにここまでの完成度を出せるなんて…」
「なんか負けた気分になった。」
「そんな…お二人に比べれば全然ですよ!」
嬉しそうにしている剣をみて二乃姐さんたちは顔が引きつっているのが見えた。
「まっ料理の出来たことだし、いただくわよ」
「待ってました!」
何もしていない海電が嬉しそうに手を合わせると三玖が遠い目で海電に迫った。
「カイデン…何もしてないなら少しは遠慮も覚えた方がいいよ」
「え~いいじゃん!おなかすいたもん!」
子供っぽいと思ったのか剣も心の声が漏れたかのように吐露した。
「海電子供みたいだね…」
「なにを~」
「ねぇねぇ俺っちも食べてみたいんですけど!この世界でも食べれないとか世知辛いぜ~」
食べれないバイスを置いてこの日は姐さんたち、そして剣と一緒に夕ご飯を食べて一日が終わろうとしていた。そして俺は姐さんたちと剣に自分の覚悟を伝えた。
「あの、二乃姐さん、三玖姐さん!話したいことがあるんだ」
「何よ改まって」
「何?」
「?」
「俺、今日個性が発現したんだ!それで俺、決めたんだ!雄英高校に行く!」
「はいはい雄英ね…って雄英!個性が出たって何!私聞いてないんだけど!」
「私も聞いてない…それにいきなり雄英なんて本当にカイデン?」
「ほへ?海電雄英行くの?」
「俺っちも知らない新事実来たー!」
各々驚く中、彼の宣言の真意とは…
そして海電が大きな宣言をしている最中、カフェなかのビルの上には黒い仮面の戦士が闇に紛れて立っていた。その見た目はコウモリを模した姿をしており、ペンキで適当に塗られたような跡、そして掃除機のようなブレード状の武器を握りしめていた。コウモリ仮面は海電が宣言した後、何か満足したようにその場から消えてった。
実は今回の話、タイトルの通りで二つの記憶が混じって展開されています。海電の記憶ともう一人の記憶の持ち主の正体とはいったい誰なのか!そして黒いコウモリ仮面!これもまた今後のカギになる人物となるはずです!
そして次回はヒロアカヒロインがついに登場!誰でしょうね~