エヴァのエヴァオタによるチルドレンのための改変(Rルート) 作:さつまいもキング
電源装置のむき出しにされた回路を慣れた手つきで繋ぎ直すプラグスーツ姿のケン。
(まさか、前世で機械科に行っていたことが役に立つなんてな…ほとんど覚えてなかったが、やってみると思い出すもんだ。)
昔の記憶に浸っているうちに、回路の接続が終わった。
「後は電源を入れれば…お、ついたついた。」
電気がつき、部屋が明かりで満たされると、扉の前にレイが立っていた。
「レイ。いつの間に着いてきてたんだ。ケガはないか?どこかぶつけたり─」
「これ、ケンくんがやったの?」
怯えた目と震える声。
倒れている工作員を見ると、さっきまで暗くて分からなかったが、誰も気絶しているのではなく死んでいた。
それを知ったケンは声を荒らげて否定する。
「違う!そんな!俺は…気を失わせようとしただけで…」
だが、自分がやった。
「ケンくんが殺したの?」
ついさっきまで自分が恐怖していた力で。
「違う!違う違う違う違う違う違う違う違う!違う!」
頭に手をやり、首を大きく横に振り、全力で否定した。
「違うんだ…」
レイに顔を向けると、いつの間にか部屋から消えていた。
発令所の面々は、監視カメラの映像を通して様子を見ているリツコが言う。
「諜報部を回して遺体の回収と調査をさせて。それと…ケン君の拘束もね。」
この場において最も正しい命令は、残念ながらケンを絶望の底に突き落とすことになる。
死体の中で力なく座るケンの手に手錠がかけられる。
無理やり立たされても何も言わず、ただ従うままの目に光はない。
何も考えず、何も言わない。かつてシンジがそうしたように、暗い独房の中でケンはそうして現実から逃げた。
真夜中になっても寝付けないまま、死体の様に横たわる。
誰1人として面会に来るでもなく、ただ尋問を受ける日々。
やがて1週間が経った。
「ケン君、今日も何も答えなかったそうです。それに、食事も水しか飲まないと…」
報告書をそっとリツコの机に置くマヤ。
「困ったわね。無号機のパイロットは替えがきかないし、少しでも立ち直って貰わないと貴重な戦力に穴ができるわ。」
報告書に目を通しながらリツコは言う。
「そもそもなんで水しか飲んでないのに健康に異常無しなのよ。むしろそっちの方が気になるわ。そこんとこどうなのよ?」
サボりに来ていたミサトがコーヒーを口にする友人に聞く。
「そんなこと言われても。私だって気になるわよ。」
そして影のある表情で言った。
「もしかするとケン君はもう…人を超えた、もっとスゴい何かになってしまったのかも…可哀想に。エヴァに呪われてしまったのね…」