エヴァのエヴァオタによるチルドレンのための改変(Rルート)   作:さつまいもキング

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新しい世界編
R2.STAGE1新しい世界、新しい地獄


 

長い夢を見ていた気がする。

まるで現実味の無い、それでいてリアルな夢。

その夢の中では、自分と同じ名前の男の人が巨大なロボットに乗っていた。

訳の分からない何かと戦って、友達を作って、恋をして、最後は死んだ。

まるでシナリオが迷走して打ち切りになった下手なロボットアニメのような夢だ。

正直言って駄作だ。あまりに酷すぎて、テレビでやったらネットのおもちゃにされるぐらいには酷い。

やたら長いし、途中もありきたりな展開や大して面白くない場面が多い、オマケに後味も悪いと来た。二度と見たくない。

そこらの悪夢の方が早くおわるだけマシだろう。

全く、朝から嫌な気分だ。

 

部屋を出て階段を降りると、父さんと母さんが朝ご飯の準備をしている。

「おはよう、ケン。相変わらず早いわね」

「おはよう。顔色が悪いぞ、よく眠れなかったのか?」

「おはよう。大丈夫、少し変な夢を見ただけだよ。すぐに顔を洗って手伝うね」

洗面所でふと鏡を見て驚いた。

夢の中に出てきた男の人のように右目が赤く光っていたからだ。

「ひぃ!」

思わず目を背けて手で鏡を隠す。

恐る恐る指の間から鏡に写る右目を見ると、何の変哲もない黒目だった。

(見間違いか…)

そう思うと、何だか急にバカバカしくなってくる。

自分に呆れながら顔を洗って、そそくさと家族が待つ台所に向かった。

 

いくつかの大きなテーブルを慣れた手つきで拭いて回って、食器を並べ終わると丁度、自分が降りてきた階段からチビ達が眠そうな顔で降りてきた。

「おはよう。みんな」

そう挨拶すると、

「「「おはよぉ!ケン兄ちゃん!」」」

と元気な挨拶が返って来る。

「朝ご飯の準備はできたから、顔を洗って来るといい」

「「「はーい」」」

10人程の可愛いチビ達がとてとて、と足音を立てて洗面所に入って行く。

この光景に毎朝癒されているのは言うまでもない。

 

この子達は兄弟では無い。とは言っても、本当の弟妹のように愛している。

みんなセカンドインパクトの影響で孤児になった子達だ。

セカンドインパクトは世界を滅ぼしかけた、当然世界中の政府が崩壊。

五体満足で生き残った大人も職を失い、何年も定職出来なかったり、出来たとしても自分の事で手一杯な人も多い。

そういう人に子供が出来ても、中絶するお金も無く産むしかないので、産まれた赤ちゃんはどこかに置いてかれる。

ほとんどが雨風のしのげる橋や屋根の下だが、運が悪いと人のいない場所で飢え死にするか動物の餌になるか、あるいは人身売買か。

父さんと母さんは優しい人だ。

孤児を放ってはおけないからと、自分が4歳の頃に孤児院を作った。

自分も積極的に手伝ってはいるが、学校もあるので簡単な仕事しかさせてもらえない。

 

1週間前の事だ。

もうすぐ自分の誕生日だから、みんなでどこかに出かけようという話になった。

自分は特に行きたい所もないが、前にチビ達が「だーさんしんとーきょーしにいきたーい」と言っていたので「第三新東京市に行きたいな」と言った。

「第三新東京市か、分かった。来週みんなで行くか!」

と父さんは快く言ってくれた。

「「「やったー!」」」

後ろで遊んでいたチビ達が喜ぶ顔は、いつまでも忘れないだろう。

 

そういう訳で、今日は朝ご飯を食べたら第三新東京市に向かう。

昨日まではチビ達が迷子にならないか心配だったが、いざ当日になると自分も喜んでいるのが分かった。

「「頂きます」」

「「「いただきまーす!」」」

父さんと母さんにチビ達が元気に続いた。

朝ご飯を食べながら、どこを見て回ろうかと考えていると、いつの間にか孤児院のバスに乗っていた。

これには驚くしかない。

途中の記憶が全く無い程集中していた自分に変な笑みがこぼれる。

そして、悲劇は起きた。

 

目の前に父さんと母さんだった物が散らばる。

右目が痛い。

後ろではチビ達が泣き喚き、失禁している。

頭から血が垂れている。

地面に広がる血の溜まり。

足に力が入らない。

周りの情報と自分の情報が交互に処理されていく。

訳が分からない。

バスを降りてみんなで歩いていた。

そしたら暴走した大型トラックが目の前を歩いていた父さんと母さんを

「ヴォェェ」

吐いた。

父さんと母さんを潰した。

2人は最期に何も言わなかった。言う暇が無かった。

落ちた吐瀉物が血と混ざって地獄のような景色で視界を埋める。

気を失った自分はその地獄に顔面から倒れ込んだ。

最後に感じたのは、消化途中の朝ご飯と胃酸と、血の匂いだった。




前回の世界では書かなかったケンの家族を書きました。
初期の頃にケンは孤児院に仕送りをする為に戦っている。というのは決めていたのですが、その話を途中に挟む技量が無かったこと、途中で1度リセットをかけるつもりだったこともあって、2度目の世界で最初に書くことにしました。
皆さんの疑問が少しでも解けたら幸いです。
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