エヴァのエヴァオタによるチルドレンのための改変(Rルート) 作:さつまいもキング
ケンはまた、不思議な夢を見た。
今朝、夢に出てきた白い少女に抱きしめられている。
自分の体も夢中の様に成長している。ゆっくりと体を離すと、少女は涙で目を潤わせて言った。
「ごめんなさい。私のせいでまた苦しませることになった。ごめんなさい」
そう言って涙を流す少女を、今度は自分が抱きしめる。
「そんなこと無い。俺の方こそごめんな。1人で逝ってしまって。もう1人にはしない。約束する」
お互いの顔が見えるように体を少し離す。少女の目をまっすぐに見て言った。
「だから、もう一度そばに居てくれるか?」
「ありがとう。ケンくん」
少女は涙を流しながら笑った。
「こちらこそありがとう。レイ」
2人は何も言わず顔を近づけ、唇を重ねる。
目を覚ますと、照明が1つ付いただけの真っ白な天井があった。
ケンは体を起こして周りを見る回すと、いつもの病室に懐かしさを覚える。
前の世界よりもかなり早くNERVに来たことに少し困惑して状況を整理する。
(そうか…父さんも母さんもいないのか。俺がここに来たいと言わなければこんなことには……俺のせいで、あいつらを苦しませるのか……)
溢れる涙と後悔を堪えて、なんとか冷静を保つ。
(今は泣いてる場合じゃない。逆に考えろ。使徒が来るのは4年も先だ。まだエヴァの開発も終わっていない。この4年でなんとかして設計に関わることが出来れば戦闘を優位に進めることが出来る。それにこの右目。前は1年も使えなかったが、今回は4年の期間がある。それだけあれば前よりも身体が適応し、上手く扱えるはずだ。このチャンス、逃してなるものか)
ケンが新たな覚悟に拳を震わせると、病室の扉が開き1組の男女が入ってきた。
サングラスをかけた黒い制服の男性と白衣をきた金髪の女性。
NERVの司令、碇ゲンドウと技術1課E計画担当博士、赤木リツコだ。
「目は覚めたかしら?大和ケン君」
(この2人相手は特に気をつけないとな。記憶があると思われたら何されるか分からん。せめて生身でATフィールドが操作出来るまでは一言一句気をつけるか)
「……父さんと、母さんは?」
少し躊躇して、リツコが答える。
「残念だけど、あなたのご両親は──」
「そう、か…俺のせいで……」
抑えていた涙が止まらない。分かっていたことだが、受けとめることが出来なかった。第三者に言われて湧いた実感が、ケンを辛い現実に押し付ける。
初めて両親を失った喪失感と悲しみが混ざり、無表情のまま涙を流した。