エヴァのエヴァオタによるチルドレンのための改変(Rルート) 作:さつまいもキング
「無号機はあとどれ程で使える?」
オペレーターの1人、青葉に向けられた質問
「動かすだけなら12分で終わります。本当に破損した内部や拘束具は後回しにして良いんですか?」
「あぁ、まだ碇が稼げる時間には限界がある。何かあった時に最低限動かせれば私が対応する」
年上が相手であろうと、自分よりも立場が下なら敬語は無い
だが、無礼にも見える行動を誰も咎めることは無い
業務が終われば敬語に戻る。言ってしまえば、公私混同をしないためのやり方だ
何事にも冷静に対応する
だからこそ、たった10歳の子供が4年でネルフ本部の実質No.4になれたのだ
「冷却終了。ケイジ内、全てドッキング位置」
「パイロット…エントリープラグ内コックピット位置に着きました」
「了解。エントリープラグ挿入!」
シンジが乗るプラグが初号機の背中、背骨に似た挿入口に吸われていく
「プラグ固定終了!第一次接続開始!エントリー注水!」
マヤのオペレートの元、順調に行程を踏む
「無号機型のダミーバルーンがあったな、それを使って使徒をB-2まで誘導しろ。」
「B-2ですか?近くに射出口が無いのでエヴァを出せませんが……」
オペレーターの1人、青葉が聞いた
「初号機パイロットはまだ訓練も受けていない。出してすぐに戦闘では負ける可能性が大きすぎる。少し歩かせて慣らした方がいいだろう。それにB-2は建築物が少ないからな、後で出てくる被害や修繕費も減らせる」
「なるほど…了解しました」
近くで見ていたミサトが、リツコに呟く
「凄いわね。あれで14歳でしょ…」
「この4年…ずっと戦いを刷り込んだんですもの。前線での戦闘技術だけじゃない、戦術の組み立てや指揮能力も植え付けた…全て自分の意思で……」
「……」
「使徒、誘導完了!」
「初号機、発進準備完了」
「了解。司令、よろしいですね?」
振り向き、最後の確認を取った
「もちろんだ、使徒を倒さぬ限り我々に未来はない」
モニターに視線を戻す
「初号機、発進!」
使徒の背後数百メートルに現れる
「やれるか?碇」
『あ…はいっ』
「最終安全装置解除。エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!」
ロックが外れ猫背の姿勢になる初号機
「碇。まずは歩くことを考えろ。距離はある、落ち着いて、ゆっくり歩け」
『歩く…』
1歩、初号機が踏み出した
「いいぞ碇。その調子だ」
『歩く…』
また1歩、1歩と歩みを進める
「よし、1度止まって様子を見よう」
『と…止ま…』
意志とは反対に足は止まらない
『くっそう!!このまま行けぇ』
シンジのヤケクソに呼応してか、初号機は走り出した
『うおおおおぉぉぉぉ!』
「碇、止まれ!落ち着くんだ!」
使徒へ向かっての体当たりは当たることなく、横を通り過ぎてしまう
勢いを殺せずに転倒する初号機、それを視線で追うサキエル
「(やはりこうなるか……)周囲の兵装ビルを全て展開!私の合図と同時に射撃開始!」
「了解!兵装ビル展開!」
サキエルの背後でビルが変形し幾多の銃口が背中を見る
頭部を掴もうと細長い腕を伸ばした
「撃ちなさい!」
「まだ撃つな!」
状況に焦るミサトの命令を取り消す
「なぜ?!このままではシンジ君が」
「もっと初号機に意識を集中させる。ATフィールドは確かに強力だ。1度張られたら突破はほぼ不可能。少しでも効果を狙うなら意識外から攻撃しなければ意味はない。だから耐えるんだ。ギリギリまで耐えて、最も効果的なタイミングを狙う」
サキエルの3本指が右腕を握り、頭と反対方向に引っ張る。
「目標、両二の腕から肘関節部」
モーター音を鳴らして調整された砲身は完璧に細い腕を捉えた。
力を込め、狙いの筋肉が膨れ上がった瞬間、
「てぇー!」
ケンの声に合わせて放たれた無数の弾丸が肘を撃ち、面積の増えた上腕二頭筋と肘を吹き飛ばした
初弾命中に一瞬遅れてATフィールドを張られたが、本来の威力を発揮した機銃は無事に初号機を解放した
「碇。聞こえるか?返事をしろ」
『はぁ…はぁ…はぁ…』
恐怖か痛みか。若干の錯乱状態にある今のシンジに声は届かない
(まずい…想定した中で最も厄介な状況だ。気絶でもしてくれれば暴走で方が着くんだが、仕方ない)
「鎮静剤を少し投与しろ。落ち着けばそれでいい」
「あの子、プラグスーツ着てないから鎮静剤投与できないわよ」
「あ……マジで?」
「えぇ。マジよ」
リツコの言葉に思わず素になる
一瞬沈黙に包まれたが、すぐに気を取り直した
「無号機の状況は?動かせればそれでいい」
「え、すぐに出せます。ナイフも補充済みです」
「了解した。無号機発進準備!状況終了まで指揮権を葛城一尉に譲渡!」
「「「了解!」」」
返事を聞いてすぐに発令所を出ると、広い本部を駆け無号機の元へと向かう
ケージに着いてすぐに発令所からインターフェイスに連絡が来た
(まさか…)
「何があった?………そうか。分かった。」
脱ぎかけた制服を直すと、ケンの様子に気づいた整備班の班長が寄ってきた
「何か問題でもありましたか?」
「初号機が暴走して使徒を殲滅したとの事だ。すまないが、無号機が出る幕は無いらしい」