『更新停止』 東方加速録   作:sinononns

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どうもsinononnsです。
やっと幻想郷キャラが出てきました。
でも出番少ない。すいません。
戦闘描写が下手ですが、そこは生暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。

では、お楽しみ下さい。


第四話 デビュー戦

ハルユキ、いやシルバークロウは歩道橋の上で気配を消して、アッシュローラーを待っていた。ブレインバーストの対戦ステージは現実世界の地形そのままで再現されている。ただし、ステージには属性があって、建造物が倒れていたり、毒沼があったりする。今のステージは朝と同じ[世紀末]ステージ。その名の通り、世紀末の世界を再現している。ただし、建造物は壊れていない。

昼休みの黒雪姫との戦闘訓練を思い出す。

 

「きみはアッシュローラーとの対戦の後のリザルト画面を覚えているか?」

「はい。シルバークロウの名前とレベル1の数字。あと、バーストポイント?が99から89に減りました。」

「よし。よく覚えていた。バーストポイント、それが我々が戦わなければいけない理由だ。バーストポイントとは、単純に言うと加速できる回数だ。一回加速する度に1ポイント使う。補充する方法はただ一つ、戦い、そして勝つことだけだ。同レベル対戦なら勝てば10増え、負ければ10減る。」

「ちょっと待って下さい。負け続ければ、ポイントが無くなる事もありますよね?そしたらどうなるんですか?」

ハルユキの問いかけに黒雪姫は厳しい顔をしながら答える。

「答えは単純だ。ブレインバーストを失う。」

黒雪姫の言葉にハルユキは思わず黙り込む。そんなハルユキに気づかず黒雪姫は話を続ける。

「プログラムが強制アンインストールされ、二度インストールすることは出来ない。」

「そんな、それじゃあぼくは・・・・。」

「だが、勝てば問題ない。さあ、訓練を始めるぞ。」

「は、はい。」

「きみの視界の上に二つのゲージがあるだろう?青いゲージが体力ゲージ。細いゲージが必殺技ゲージだ。必殺技ゲージはダメージを受けたり、くらったりすると増加する。その下にきみの名前があるだろう?そこを押してみろ。アバターに設定されている、技が確認出来る。」

言われた通りに押してみる、と幾つかの文字が現れる。ハルユキはかっこいい技や強い技を期待したが、そこに書いてあったのは少なく、シンプルな物だった。

「あの、通常技のパンチとキック、必殺技が頭突きしか無いんですけど。」

「ほう」

黒雪姫に失望されたと思い、ハルユキは自嘲気味に謝る。

「このアバター、見た目からしてザコそうですよね。すいません、ご期待に応えられなくて。他の人を捜して下さい。その方が「馬鹿者!」え?」

黒雪姫が突然大声で叫んだのでハルユキは驚くが、黒雪姫は話を続ける。

「強さとは、結果としての勝利だけを意味するものではない。わたしがそれに気づいたときは、すでに遅かったがな。だが、きみのブレインバーストはここからだ。それを、忘れないでくれ。」

黒雪姫は目を伏せたがすぐに顔を上げ、指導を続けた。

昼休みのあと、ハルユキには黒雪姫からメールが送られて来ていて、その中には、アッシュローラーの弱点が予想されていた。そのアドバイスに従った結果、歩道橋の上で待ち伏せしているのだ。

【アッシュローラーの弱点その1

移動のときに大きな音を出すことだ。ガイドカーソルは相手のいる向きだけだが、音は位置と距離を教えてくれる。それを利用すれば奇襲を掛けられる。】

ハルユキは黒雪姫のアドバイスを頭に思い浮かべていると、エンジン音がした。

「!。来た!」

小さくバイクのライトが見える。その小さな光もすぐに近づいてくる。

ハルユキは歩道橋からアッシュローラーに奇襲を掛けるつもりだった。

(ぼくにできるのか。いや、弱気になるな!今のぼくはデブでいじめられっこの有田春雪じゃない。シルバークロウだ。ここはぼくのありったけの時間をつぎ込んだゲームの世界。)

アッシュローラーが歩道橋の下を通り過ぎる。その直前に、

「ぼくにとっての、リアルなんだ!」

ハルユキは叫びながら、歩道橋を飛び降りアッシュローラーの顔面目掛けて、飛び蹴りを仕掛ける。

「あ?」

ハルユキの声に気づき、アッシュローラーは顔をシルバークロウに向けるが、すでに遅かった。

ズガァァァァァンという音と共にアッシュローラーの身体がバイクから離れ吹っ飛んで行き、体力ゲージが30%ほど減った。シルバークロウは着地の時に衝撃を消しきれず、10%ほど減ったが、目的は達成した。

【アッシュローラーの弱点その2

その能力の殆どがバイクに集中していることだ。

デュエルアバターには同レベル同ポテンシャルと言って、同じレベルでも、合計的に割り振られている能力に差は殆ど無い。アッシュローラーのレベルはきみと同じ1だ。そしてアッシュローラーはその能力の殆どをバイクに割り振られているため、アバター本体の戦闘力は0に等しいはず。なので、一撃決めた後、バイクが使えない場所までにげて、タイムアップまで待てばいい。】

ハルユキは高層ビルの屋上に向かう。世紀末ステージはエレベーターが稼働していないため、バイクは登って来れない。バイクを置いてライダーだけが登ってきても、近距離格闘型アバターのシルバークロウには勝てない。階段を登り切り屋上に出たハルユキの耳に、話し声が聞こえた。

「ちょっとは出来るようね。」

「朝とは全然違うぜ。ちゃんと鍛えて来たな。」

「勝てたら観戦リストに登録させてもらいますね。」

彼等もバーストリンカーだ。だが、対戦している訳では無い。この対戦を観戦する為にこのステージにいる。彼等の事をギャラリーと呼ぶ。

「でも、そんなに簡単ではなさそうですが。」

メイドの様な姿をした人が、下を見ながら言った。

シルバークロウは慌て屋上から下を覗いて見た。そこにはビルの前でバイクのエンジンを鳴らす、アッシュローラーの姿があった。

「なにする気なの?あんた。」

シルバークロウの質問を無視して叫ぶアッシュローラー。

「いい気になってんじゃねぇぞ、ハゲ!俺様のVツインサウンドでおどらせてやるよ!」

バイクのエンジンが吠える。それと同時にバイクが猛スピードで加速する。シルバークロウは(以下クロウ)はアッシュローラー(以下アッシュ)がビルの壁に突っ込むのを予想したが、バイクはハルユキ目掛けて壁を登って来た。

「は?そんなのアリかよ!」

猛スピードで登ってくるバイクを見て、慌て離れる。その瞬間アッシュが屋上に飛び出し、クロウがいた場所に落ちてくる。クロウは踏み潰されない様に避けたが、衝撃で飛び散った床の破片がかすり体力ゲージが2%程減る。

「破片がかすっただけでもダメージ認定されるのか!」

驚くクロウを無視してアッシュが喋り始める。

「実は俺様、今朝てめぇに勝ったポイントでレベル2になったんだよな。レベルアップボーナス迷ったんたがよ、[壁面走行能力]にしたんだよぉ。いやー、俺様超正解!そしてお前は、」

アッシュがバイクのハンドルを握る。

「ギガ・アンラッキーだ‼︎」

叫びながらバイクで突撃してくる。クロウは右にステップするが少し遅く、吹っ飛ばされる。体力ゲージが10%程へる。黒雪姫はこんな警告を言っていた。

【もし奇襲、あるいは退避に失敗した場合、きみの勝利の確立はかなり低くなる。なぜならアバターの能力は、名前と見た目から有る程度予想する事が出来る。近接戦闘の青、遠距離戦闘の赤、防御の緑がある。アバターの名前には、ほぼ必ず色を、示す単語が入っている。きみのシルバーは青、赤、緑からは外れたメタルカラーチャートにある、珍しい色系統だ。シルバーは切断、貫通、熱、毒に耐性を持ち、近接戦闘能力も低くはない。だが、腐食と打撃には弱い。アッシュローラーの色は特殊たが、バイクはおそらく近距離打撃だろう。つまり、きみのシルバーの装甲は意味をなさない。そこでやれることはただ一つ。残り時間、ひたすら避け続けろ。】

(って言われても、このままじゃやられる。何か無いか。起死回生の秘策。あった!必殺技だ!)

クロウの必殺技ゲージは半分以上溜まっていて、これならヘッドバットが使える。アッシュから距離を取り、ヘッドバットの構えを取る。必殺技ゲージが減り、頭に力がゆっくりとチャージされる。

「ヘッド、バァァァァト!」

発動する、その直前にバイクに潰され、溜まった力は地面に解放され地面がへこんだ。ギャラリーがクロウの無様な姿を見て笑う。

(くそ!ゲームの中ならぼくはヒーローだったのに。なんだよ、あたりもしない必殺技って。こんな弱いキャラで勝てるわけないだろ。やってらんないよ!)

「そこで終わり?シルバークロウ。」

声の主を見てみると、赤と白の巫女服の様な物(脇だけあいている)をきたアバターがこちらをみていた。

「負けるなら負けなさい。でも、今のままならあんたは虫けら以下よ。」

「じゃあどうすればいいんだよ!こんな弱いアバターでどうすれば勝てるんだよ!」

「足掻きなさい。どんなにピンチでも、最後の最後まで動いて、考えなさい。それでも負けるなら、それは相手が強かっただけ。あんたはもう諦めてる。見せてみなさい、あんたの根性。」

巫女型アバターの隣に、黒と白のドレスに三角のとんがり帽子をかぶった魔法使い型アバターが立つ。

「女の子にここまで言われて、何もしないなら男じゃないぜ!ほら、立て。シルバークロウ!」

クロウは動けなかった。だが、二人の背後に黒い揚羽蝶型のアバターを見たとき、クロウは黒雪姫の言葉を思い出す。

【強さとは、結果としての勝利だけを意味するものではない。】

(そうだ。勝利だけが目的じゃない。より多くの情報を手に入れる為に、次の対戦で勝つために足掻く。惨めでも、醜くても、足掻く。せめてそれぐらいしなきゃ、)

「あの人のコマにすらなれない!」

クロウは立ち上がる。足掻くために。

「おしゃべりタイムは終わりか?それなら行くぜぇ!」

アッシュはバイクのエンジンを鳴らし突っ込んでくる。

それを最低限の動きで避けながら、クロウは考える。

(バイクの、それも前世紀のガソリンエンジン型バイクの特徴。音は接近されたら回避にしかつかえない。燃料タンクに穴をあければ・・・いや無理だ。相手が早すぎる。他に無いか?何か、何か。)

体力ゲージは残り50%程しか無いが、まともに轢かれれば2回で終わりだ。アッシュのバイクが後輪で跡をつけながら走ってくる。それを見たクロウはバイクの弱点に気づいた。だが、それを成功させるためにはバイクの突撃をギリギリで避ける必要がある。

(頼むシルバークロウ。一度だけあいつより早く動いてくれ。)

バイクが眼前に迫り、轢かれる。その直前に身体を少し右にずらす。そして、クロウの身体にかすりながら走り去っていくバイクの後輪の泥除けの取手のような物をつかむ。

腕に鋭い痛みと共に衝撃がはしり、体力ゲージが3%ほど減る。クロウは痛みを堪えながら、両足を地面につけて踏ん張り、スピードを落とそうとする。だがバイクの馬力はクロウの力より強く、クロウを引っ張って爆走する。クロウの足は摩擦熱で赤くなり、腕は引っ張られる力で火花が散り、体力ゲージが勢いよく減る。

「いてて、いててて・・・・・・。」

「バァーカ!てめぇみたいなガリチビに俺様のバイクが止められるわけねぇだろ!早く離さねぇとゲージがモリモリ減ってくぞ!」

バイクはクロウを引きずったまま走り続け、屋上の端に近づく。

(もうすぐだ。)

アッシュは曲がる為にスピードを落とし、180度カーブする。クロウの体力は15%程しか残っていない。引きずり回されれば10秒も持たないだろう。アッシュが勝利を確信して笑う。スピードを落としたおかげで、クロウの両足が地面を捉える。その瞬間、クロウは叫びながら両腕に力を込める。アッシュが笑いながらバイクのアクセルを回す。

「ヒャハハハハハーーーー‼︎」

「そこだぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

バイクのエンジンが爆音を鳴らすが、進まない。もう一度アクセルを回すがやはり音だけで、進まない。クロウがどうなったのか気になり、後ろを見たアッシュは信じられない光景を見た。

「なっ、なにーーー⁈」

バイクの後輪が浮いていた。クロウが持ち上げていた。

「なるほど。あのバイクは後輪駆動。持ち上げてしまえばバイクは使えなくなる、と言うことですか。なかなかいい作戦ですね。」

うさぎ型アバターがクロウの作戦を評価する。

「てめぇ、離せ!離せハゲ!」

「やだね。悔しかったら前輪回してみろよ!」

「な、ぬぁんだとーーー!」

クロウの挑発にアッシュは怒りをあらわにして飛び込んで来る。それに対してクロウは、ヘッドバットの構えを取り、パワーチャージを開始する。

「この○○野郎ぉぉぉぉぉーーー‼︎」(作者が分からなかった為に伏線)

アッシュがヘッドバットの射程に入ると同時にチャージが完了。アッシュの顔面にヘッドバットが炸裂する。

ガァァァァァァァァン‼︎

アッシュの体力ゲージが一気に減り、0になる。クロウの視界には<YOUR WIN!>の文字が浮かび上がり、加速が終了する。

 

side 巫女型アバター

なかなかやるわね。

巫女型アバターはクロウの戦いを、心の中で評価する。

(戦い方は仕方ないけど、発想力。あの危機的状況であんな方法で逆転した。そしてなにより、)

「あの動体視力、だな。あんなギリギリの回避はわたしにも難しいぜ。」

声の方へ向くと、魔法使い型アバターがニヤニヤしながら見ていた。

「なにも言ってないんだけど。」

「考えくらい分かるさ。にしてもすごいな。れい、じゃない。メイデンも認める速度か。

「まぁ、まだまだだけどね。」

「まあな。まあいいや。そろそろオチようぜ。」

「そうね。」

そう言って巫女型アバターを筆頭に、魔法使い型アバターやうさぎ型アバター、メイド型アバター、二振りの刀を背中と腰に刺す、剣士型アバターがログアウトした。

 

巫女型アバターの名前は、

[Hakurei Maiden]

 

side out

 

 

 

梅里中学校校門前

 

現実世界に帰ってきたハルユキはふぅと息をつく。

「やったな!ハルユキ君。正直負けたかと思ったぞ。」

ハルユキの背中を叩きながら、黒雪姫はハルユキに賞賛を贈る。その顔は笑っていた。

「ぼくも負けたかと思いましたよ。偶然ですよ、偶然。」

「謙遜するな。きみの作戦勝ちだ。これでポイントもしっかり取り返したな。」

「いえ、むしろ増えました。あいつ、レベル2に上がってましたから。」

それを聞くと、黒雪姫は笑みを濃くしながら喋る。

「そうか。だから奴は壁を垂直走行したのか。」

そして黒雪姫は微笑みながら、

「みごとな勝利だ、有田春雪君。せっかくだ、祝杯をあげよう。どこか・・・・ん?」

「ハルをどうするつもりなんですか。」

聞き覚えのある声が聞こえてきて、ハルユキはとっさに声の主を見る。

そこには不機嫌そうな顔をしたハルユキの幼馴染、倉嶋千百合が立っていた。

 

END

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
さて。
ついにオリジナルアバター参戦!
って言ってもだれのことか分かっている人は多いと思いますが。

幻想郷キャラの必殺技候補の投票を実施します。
鈴仙のアバターの必殺技になるスペカを候補から選んでくれると嬉しいです。
詳しくは水曜日に出す活動報告で。

次回はもしかすると再来週かも。
テストがありまして。
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