それではどうぞ
シンジside
~アズールレーン母港~
昼食を終えた後、ジャベリン達と別れて執務室で仕事を再開しようとする。すると基地周辺のパトロールを行っていた別動隊の一人であるヘレナと有人部隊の隊長から、重桜の五航戦に遭遇し戦闘を解するという報告を受けて救援のために主要メンバーを招集した
シンジ「ホーネット達の救援にはクリーブランドを旗艦に、『ユニオン』と『ロイヤル』のKANSEN達の混成部隊と、動ける有人部隊を『バード・ネスト』に乗せて向かわせる。 『女王陛下』たちの現在位置は?」
ウェールズ「既に『陛下』達も指揮官の指示通りに向かっている」
予め予想していたことだったが、やはり別動隊が襲撃されてしまったことにシンジは歯がゆく思うも『ユニオン』と『ロイヤル』の混成部隊を結成するとともに『バード・ネスト』に有人部隊を搭乗させてすぐに出撃するように指示を出す
『バード・ネスト』とはユニオンで最近建造された最新式の航空母艦であり、その名の通り多数の航空兵器を搭載している上に『5インチ砲』や対空砲を装備しているため攻守ともに優れている
そんな空母がこの母校に配備されている幸運に感謝しつつ、『陛下』たちも頼みごとを聞いてくれたというウェールズからの報告にすこし心に余裕ができたと思いきや、淑女らしいイラストリアスと不安そうなユニコーンが慌てた様子が入室する
イラストリアス「指揮官さま! エンタープライズ様があの状態で出撃を・・・! クリーブランド様がそれを追って・・・」
シンジ「あの状態で!? 仕方ない、俺も出る。二人には母港の指揮を任せる」
ウェールズ「了解した、指揮官、気を付けてくれ」
イラストリアス「わかりましたわ、どうかご武運を・・・」
イラストリアスの言葉を聞いて呆れと驚きが同時にやってきたことに顔を渋くする。おそらく妹を想っての行動だろうが、あの状態で戦場に赴こうなど自殺行為と同じだ。クリーブランドが同伴しているなら彼女がエンタープライズのストッパーとなってくれるだろうからそこは安心していいだろう・・・しかしそれでも心配はぬぐえず自身も出撃することに決め、ウェールズとイラストリアスに不在時の母校の指揮を任せて『M82』を携えて装備を整えつつ、損傷が少なくエンタープライズと関わったジャベリンとラフィーにサラトガに連絡を入れる
シンジ「サラトガ、ジャベリン、ラフィー。 今母港のパトロールが襲撃を受けて、エンタープライズが損傷を抱えたまま出撃した。 クリーブランドが同伴しているが彼女だけでは心配が残る、そこで君たちにもエンタープライズの護衛を任せたい」
ジャベリン《了解しました!》
ラフィー《任務了解・・・》
サラトガ《は~い、サラトガちゃんにお任せだよ!》
シンジの申し出に三人は快く承諾する。自身も制服を戦闘服へと着替えて『バード・ネスト』に登場するため歩を進める
しかしまさかこれから向かう戦場で待ち続けた仇敵と出会うことになるとは予想もしていなかった
シンジside out
エンタープライズside
~アズールレーン母港近海~
シンジから万全の状態になるまで『待機命令』を下されていたエンタープライズは損傷が残る体を文字のごとく引きずって、ホーネット達が交戦する近海へと向かっていた。そんな彼女をクリーブランドが随伴しながら母港に連れ帰ろうとする
クリーブランド「エンタープライズ! 先走るなってば! 指揮官が今編成を整えてるからさ!」
エンタープライズ「事態は一刻を争う・・・うぐっ!」
クリーブランドが現状を聞かせて制止しようとするも、ホーネットが襲撃されているという報告を聞いてしまった彼女はいてもたってもいられなかった。しかし体は正直で体のあちこちから痛みが走るとともに、艦装も大きな音を立てながらひびが入り倒れそうになるも、とっさにクリーブランドが支えてくれたことでなんとか身体を立て直す
クリーブランド「やっぱりダメージが残ってるじゃないか!? こんなの無茶だよ、指揮官にも出撃は無しって言われたんだろ!」
エンタープライズ「・・・ホーネットは私の妹だ!」
クリーブランドは体はもう限界であり無茶だと伝えられるも彼女は止まらない。部隊に妹のホーネットがいると知ってから、心が『行け! 妹を助けろ! 急げ!』と叫んだように体が止まることを許さず一刻も早くたどり着こうとする。エンタープライズは今戦う為に戦うのではなく、妹を助けるために戦おうとしているのだ。妹のために歯を食いしばって戦おうとする姿にクリーブランドは彼女を見直してもう止めることをやめた
クリーブランド「エンタープライズ・・・なんだ、人間らしいところもあるじゃないか。 しょうがない、私も妹がたくさんいるから気持ちはわかるし付き合うよ」
エンタープライズ「クリーブランド・・・良いのか?」
クリーブランド「気にしないでいいよ!・・・・でもせめて護衛艦がいてくれればな・・・」
自分を顧みず色々と無頓着に思える彼女からこうして人間らしい一場面を見れたことにクリーブランドはそのままエンタープライズに随伴する。エンタープライズはそんな彼女に命令違反になるのではと問いかけるも、そもそもクリーブランドはエンタープライズにそのままついてくる形で来ているだけなので命令も下されていないので何も問題はなく笑顔で問題ないと答えた。すると後ろからシンジの指示によってエンタープライズの護衛として駆け付けたサラトガ達が駆けつける
ラフィー「ラフィーも行く・・・」
ジャベリン「みんなを助けに行きましょう!」
サラトガ「指揮官に頼まれてサラトガちゃん登場~、アイドルの力見せちゃうよー!」
クリーブランド「さすが指揮官! オーケー!!」
エンタープライズ「・・・フッ・・・」
クリーブランドは三人に向けて頼もしさを感じるとともに、親指を立てながらウィンクする。そんな四人の様子を見ていたエンタープライズは口元がわずかに微笑みを浮かべ、大弓を構えなおして妹がいる海域へと急いだ
エンタープライズsaid out
ホーネットside
戦闘を開始してから十数分後・・・・『五航戦』によってホーネットと有人部隊以外は戦闘不能になっていた。あの強気だったハムマンもまる溺死体のようにプカプカと浮いていた
ハムマン「ブクブク・・・」
ロング・アイランド「なの~・・・」
『♪~♬~♩~♪~♫~♪』
『ブオオオオオオォォォォン!!』
『ドオオオオォォォン! ドオオオオォォォン!』
翔鶴「この笛の調は・・亡者を沈める鎮魂曲」
爆弾とプロペラ音が響き、所々が炎上する戦場に不釣り合いな笛による音色が鳴り響く。音色と共に発艦された艦載機がホーネットめがけて攻撃を集中させ、ホーネットは絶え間ないその攻撃を回避していた
「どうにかホーネットさんを援護できないのか!?」
《だめです! 敵の艦載機の数が多すぎて味方の戦闘機たちが動けず、歩兵部隊も近づこうにも艦載機の爆弾による荒波で行動を妨害されて動けません!》
有人部隊もホーネットの援護をしようとするも、多数の艦載機に囲まれているせいで自衛するのが精一杯だった
ホーネット「くっ!? 防戦一方ってのは、性に合わないんだけどなぁ!」
ホーネットは次々と頭上から襲い掛かる艦載機の銃弾や爆弾を回避するが、爆撃機が投下した爆弾による衝撃と水しぶきがすぐ横から襲い掛かったことで視界がふさがり、動きを止めてしまう
瑞鶴「貰った!」
ホーネット「っ!? しまった・・・!」
その隙を瑞鶴は見逃さず、高速でホーネットに接近すると刀を抜刀し切りかかる。ホーネットは回避は間に合わないと本能に悟り動けなくなり、その刃が彼女の体を切りつける・・・・・・・
『バババババババババババババ!!』
瑞鶴「何っ!? くぅ!」
翔鶴「はっ!」
しかし刃がホーネットへと到達する寸前、突如現れた艦載機の機銃が瑞鶴へと殺到する。咄嗟に瑞鶴は刀で機銃の弾丸を切り伏せながら即座に後退し、翔鶴も突然の攻撃に笛の演奏を止めると有人部隊のくぎ付けに発艦した艦載機達が突如現れた艦載機とともに現れた戦闘機『F-35 ライトニング』、『F/A-18E スーパーホーネット』に撃墜されていくことに気づく。そのおかげでホーネットはその場から退避することに成功し、そのすぐ横を自身の姉であり艦載機を飛ばしたエンタープライズが突っ切る
ホーネット「姉ちゃん!」
エンタープライズ「行け!ホーネット!」
ホーネット「ありがとう姉ちゃん!」
エンタープライズは大弓から光矢を射ってホーネットを援護する。ホーネットはその援護で助けに来てくれた姉に礼を言って撤退する。そして上空にいた瑞鶴がエンタープライズを双眸に捉える
瑞鶴「来たか、グレイゴースト!」
瑞鶴はエンタープライズに突撃すると共に刀で切りかかり、エンタープライズは大弓で瑞鶴の刀を受け止める
瑞鶴「『ユニオン』最強空母エンタープライズ! 相手にとって不足なし!!」
エンタープライズ「・・・っ!」
火花を散らせながらエンタープライズの吠える瑞鶴。エンタープライズは鍔迫り合いから抜け出すため、瑞鶴は力一杯に吹き飛ばして間合いを確保する。そして両社とも刀と大弓を無言で構える
瑞鶴「いざ! 尋常に勝負!」
瑞鶴からの一声から弓と刀の応酬が幕を開けた
その頃ホーネットは姉を心配しつつも前に視線を送ると、最新鋭空母『バード・ネスト』の横で倒されていた仲間達をクリーブランドにサラトガと友軍であろう駆逐艦二人に救助されていた。そしてその横には量産型に乗る指揮官らしき男性に目が入る
クリーブランド「ホーネットー! 助けに来たよー!」
ホーネット「ナイスタイミング、間一髪だったよ・・・」
自分に向かって手を振るクリーブランドに合流したホーネットだが体力が限界になったのか倒れそうになる。そこにクリーブランドが支えに入り、ホーネットはクリーブランドに感謝しつつ指揮官であろう男性に紙面を向ける
ホーネット「クリーブランド、もしかしてその人が?」
クリーブランド「うん! 私達の指揮官、シンジ・ブロディ指揮官だよ!」
クリーブランドの紹介から指揮官・・・シンジが敬礼をしながら自己紹介する
シンジ「どうも初めましてホーネット。 ここまで良く戦ってくれたな、勲章物の働きだぞ」
ホーネット「ありがとう、指揮官・・・」
気が抜けてしまったのかさらに体が力が入らなくなってぐったりとしてしまうホーネット。さすがにクリーブランドも負担が大きくなってしまったのかずり落ちそうになるも、シンジも一緒に彼女を支える
シンジ「みんな、負傷したKANSENと隊員達を量産型と『バード・ネスト』に乗せるんだ。 すぐにここから撤退する」
クリーブランド「あれ? 戦わないの指揮官?」
シンジ「当然だ。 負傷者多数に万全じゃない仲間がいるんだ、戦えば間違いなく俺たちが負ける・・・それに嫌な予感がする。 ここは・・・・・・全艦退避しろ!」
シンジの言う通りこちらには大量の負傷者がいる上にけがと損傷が治っていないエンタープライズがボロを出さないという保証がない以上、空母とサラトガ達がいるといえ負傷者を抱えたままでは満足には戦えない・・・そして何よりシンジは一刻もここから離れなければならないと思わずにはいられない不安な予感を感じていた。すると直後上空から何かが迫っていることに気づき退避を皆に命じた
???「
シンジが命じたと同時に、上空から砲撃が襲い掛かる。クリーブランド達とシンジは回避に間に合うも『バード・ネスト』はその巨体故に回避が間に合わず被弾してしまう。砲撃をしたであろう存在はゆっくりと降りてきてホーネットたちにその姿を現す
オイゲン「ウフフフフ」
それは上空で蠱惑的な笑みを浮かべる鉄血所属のプリンツ・オイゲンだった
クリーブランド「今度は何だよ!?」
シンジ「彼女は『鉄血』所属のプリンツ・オイゲンだ。 いよいよ鉄血も参戦してきたか・・・!」
クリーブランドは突然の襲撃者に戸惑うも、シンジは冷静に彼女の正体を皆に伝えると状況がかなり悪化したことに冷や汗をかく。大戦時に彼女とも会って指揮をしたこともあるため彼女の実力と堅牢な防御力は脅威であることを知っており、嫌でも今ここにはその防御を突破する見方がいないという事実ができてしまった。そんなシンジに対してオイゲンは久しぶりの旧友に会えたことで作り笑顔ではない本当の笑みを浮かべながら声をかける
オイゲン「
シンジ「ありがとうオイゲン。本当なら再開を祝して互いに酒をたしなみたかったが・・・こんな事になってしまって残念だ」
オイゲン「・・・そうね、でも全ては『鉄血』のためよ。 それはそうとあなたの方も久しぶりねサラトガ?」
オイゲンからの結婚の祝言をもらいシンジは嬉しく思うも、場所が場所だけに素直に喜べなかった。本当なら鉄血らしく酒を飲みあいたかったと吐露しながら、『バレットM82』を構える。オイゲンも静かにそれに同意するも全ては『鉄血』と仲間たちのためにと伝えると久しぶりに会えた旧友であるサラトガに再開の言葉を送る
サラトガ「そうだね、あの『冒険』以来だったよね? 本当だったらもっと平和な時に私のライブを見せてあげたかったかな・・・」
オイゲン「ええ、あなたの歌嫌いじゃないからもう一度聞いてみたかったわね・・・・だけど今はそうはいかないのよ。 それじゃあ任せてもいいかしら、ニーミ?」
サラトガも旧友に会えたことへの喜びがわいてくるが、それ以上にこんな敵同士での再会になってしまったことに残念さと悲しみがわいていた。オイゲンも旧友である彼女の歌をまた聞きたいと思っていた身として残念な思いを伝えるとオイゲンの後方からセイレーンの量産型と共にニーミと綾波が現れる。余談だがこの時シンジは大戦時よりも笑顔らしい笑顔を浮かべてどこかあきらめている雰囲気がほとんど感じられない事から一瞬『別人では?』と思ってしまった
ニーミはオイゲンの言葉にまるで決心したようにうなづくと、前に出てホーネット達に艦装を向ける
Z23「鉄血駆逐艦Z23と申します。 あなた達をここで倒します」
ニーミの宣言と共に彼女の後ろから綾波も艦装を携えて現れる
綾波「・・・・・」
ジャベリン「綾波ちゃんちゃん・・・ニーミちゃん」
二人に気づいたジャベリンの呼びかけに二人は一瞬ジャベリンから目を伏せようとしたが、余計なものを考えないようにするかのように顔を横に振って対艦刀と主砲を構えなおす。ジャベリンはそんな二人に武器を向けられることができずにいるとラフィーが二人の前へと出る
ラフィー「指揮官、みんなを連れて撤退して」
ジャベリン「え、ラフィーちゃん!?」
シンジ「やれるのかラフィー・・・・・」
ラフィーが殿を買って出たことにジャベリンは驚き、シンジはラフィーは少なくとも綾波とニーミとジャベリンと同様な気持ちを持っていることにうすうす気づいているため無理しているのではないかと心配するもラフィーは覚悟を決めているのか艦装を前へと向ける
Z23「っ・・・自ら殿を務めますか? 敵ながら敬意に値します」
最初会った時には感じなかったが、今は迫力を感じさせる真面目なラフィーに戸惑いつつもZ23は銃口を向ける
シンジ(今俺たちのこの状況を打開する一手はない。 賭けるとするなら『陛下』達だが、それまでま持つか? いや、持たせるんだ!)
シンジはこの状況を打開する一手を『陛下』に賭けることを決め、それまで誰一人死なせずに乗り切るため頭を回転させてライフルを構える。ホーネットも残された体力でどうにか艦載機を発艦しようと艦装を操作するのだった
しかしこの時この場にいる全員が思いもしなかっただろう
もう黒き翼がすぐそこまで迫ってきていることに・・・・・
ホーネットsaid out
エンタープライズside
一方エンタープライズは瑞鶴と激しい打ち合いを繰り広げているが、エンタープライズが推され気味だった。なにせ負傷したままの出撃であったため動けば動くほど体から悲鳴が上がり狙いも正確には射てず、射っても刀で切り伏せらせ瑞鶴の得意とする近距離戦に持ち込まれるため防ぐ続けるのが限界だった。そして激しい刀による連撃にエンタープライズは耐えきれず吹き飛ばされてしまう
エンタープライズ「くっ!」
瑞鶴「貰ったぁ!!」
仰向けに倒れそうになるエンタープライズを見て、好機と判断した瑞鶴は一気に接近して追撃を仕掛けようとする
翔鶴「駄目よ瑞鶴!」
瑞鶴「っ!?」
その瞬間翔鶴の制止が聞こえ、瑞鶴もその意図をエンタープライズを見て即座に気づいた。倒れそうになっていたエンタープライズは瑞鶴が自身に向けて必ず追撃してくると予測して弓矢をまんまと引き付けられた瑞鶴に構えていたのだ
エンタープライズ「そう来ると思ったぞ・・・!」
瑞鶴「くっ!」
エンタープライズの瑞鶴の胸元を狙った光矢は、紙一重で瑞鶴の刀ではじかれる。しかし弾かれた光矢は艦載機へと変わり、瑞鶴を抑え込んで自分ごと爆弾を投下する
瑞鶴「む、無茶苦茶だぁ!?」
『ドゴオオオォォォォン!!』
瑞鶴はエンタープライズのバカげた戦術に声を上げなら爆発に巻き込まれる。爆弾によって起きた水柱から少しして瑞鶴が出てくるも、すかさず水柱から飛び出したエンタープライズの蹴りを瑞鶴の横腹に繰り出し大きく吹き飛ばす
瑞鶴「うわぁっ!!?」
瑞鶴は爆発によるダメージによって傷だらけとなった体を起こしてエンタープライズを視線を移す。元々あの光矢は外れる事や弾かれる事を考慮した上で艦載機となるようにしていたのだ。あの一瞬であらゆることに予測して攻撃を選択し実行する判断力・・・エンタープライズがどれだけの戦場を駆け抜けてきたのが良くわかる。自身を巻き込むことも戦術の一部にするあたり歪んでいる部分もあることもわかってしまうほどに・・・・・・・
瑞鶴「くっ、なんて奴・・・!」
そんなエンタープライズの強さの一端を知りながらも、痛みを訴える体に鞭を打って立ち上がる瑞鶴に向けてエンタープライズは静かに大弓を構えなおす。しかし彼女の艦装はもうすでに限界を迎えようとしていた
エンタープライズsaid out
シンジside
その頃シンジたちはオイゲンたちとのにらみ合いが続いていた。ジャベリンは二人と戦うことに迷いを持ち、シンジもかつての仲間であるオイゲンたちに銃を向けることは本意ではなかったが殿を買って出たラフィーの命のためなら戦うことを決める覚悟で対物ライフルを構える
オイゲン「・・・あら?」
上空からシンジたちを見下ろしていたオイゲンが突如として起こった事態に気づく。なんとラフィーは艦装の装備である主砲と魚雷発射管を折りたたんでしまったいたのだ。当然相対していたニーミと綾波にシンジたちも戸惑った
Z23「な、何のつもりですか!?」
シンジ「ラフィー・・・どういうつもりだ・・・?」
その場の全員が硬直する中、ラフィーの一言で全員が違う意味で呆然と驚愕が巻き起こった
ラフィー「・・・やっぱり眠いから止める」
Z23「なっ!・・あ、あなたふざけているのですか!? 真面目にやりなさいっ!!」
ジャベリン「えっ、えええぇ~??」
シンジ「・・・ラフィーらしい理由ではあるな・・・気が抜けるなぁ・・・・」
救助部隊&パトロール部隊&有人部隊『・・・・・・・・・』
ラフィーの行動の理由に真面目で優等生なZ23は大声で注意し、シンジはラフィーらしい答えに納得はしつつもこの場の空気で言えないありえない言葉に張りつめていた気が抜けてしまい、ジャベリンやクリーブランド達や有人部隊でさえ唖然となる
ラフィー「指揮官も・・・気は乗らないよね?」
シンジ「・・・・・本心から言ううとそうだな」
ジャベリン「ええぇっ! 指揮官もですか!?」
Z23「っ! シンジ指揮官も何を言ってるんですか!?」
ラフィーの問にシンジとてラフィーと同様に彼女らと戦いたくない思いを持っていたため同意する。ジャベリンはシンジもラフィーと同じ考えに驚愕し、Z23はこの期に及んで戦うことを拒否する思いを持つシンジに異を唱える。するとシンジはZ23に視線を向けて話し出す
シンジ「・・・ニーミ、確かに今俺たちは互いに敵という立場にあるさ。 だが敵だからという点だけで何も迷わず、共に戦ったかつての仲間同士や知り合って友になるかもしれない人とと戦えるほど俺たちは万能じゃない。俺だって軍人であり指揮官である前に心を持った人間だ、共に戦った仲間に簡単に銃を向けることはできない。 それに心を持たない道具でない以上必ず気に入らない現状に出会えば迷うのは当たり前だ。 現に君だってこんな共通の敵や未知の敵がいるのにもかかわらず人類同士で争い、親しく接せられたジャベリン達と戦う事になったこの戦いに疑問を抱いているだろう?」
Z23「・・・っ!」
シンジの言うう通り今や自分たちは敵同士だ。しかし人間は迷い迷って末に決断して進歩してきた存在、人間とそう変わらないKANSEN達もそうであるように親しくなれたかもしれない相手やかつての戦友を相手に戦えと言えば「はい」と即答できるような機械の様に判断などできる筈もない。たとえ時代という流れによって敵が変わるこの世界で国や家族のためとはいえ、背中を合わせて戦中同士で殺しあうことになれば迷いを生じるのは当然のこと、その中で自分がどうしたいのかを迷い悩んで最適解を導き出すのが重要なのだ。ニーミとてこの戦いについてや心のどこかで戦うことに迷っている所があるため、シンジに図星をつかれて口ごもってしまう
『ドオオオオォォォン!』
ニーミが何かを応えようとした時、後方から爆発音が響き全員がその方向に目を向けるとエンタープライズが瑞鶴を追い込んでいた。翔鶴はどうにか瑞鶴を援護しようとするもエンタープライズの発艦した艦載機や有人部隊の『F-35 ライトニング』に機銃を打たれ動けず、いよいよ瑞鶴に最後の一手を打とうとする
シンジ「っ! 待てエンタープライズ、お前の艦装はもう限界だ! 今すぐ退け!!」
エンタープライズの艦装にひびが広がっていることに気づきシンジが生死の言葉を上げると同時にピキピキと音を立てながら大弓が砕け散った
エンタープライズ「っ!?」
思いもよらない事態にさすがのエンタープライズも戸惑ってしまい大きな隙を生んでしまった。その隙を見逃す瑞鶴ではなくすかさず艦載機を発艦させると、その艦載機が炎となって刀の刀身に纏われ凄まじい熱を放ちすべてを焼き切る溶断刀となった
瑞鶴「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!!」
雄たけびを上げなら疾走してからのジャンプで上空から迫る瑞鶴にエンタープライズは甲板から艦載機を発艦して迎え撃とうとするも、甲板も同様に限界でひびを立てながら損壊する
シンジ「・・・まずい!」
シンジはエンタープライズを助けるべく瑞鶴・・・正確には瑞鶴の刀を狙って『バレットM82』を構える。しかしもう距離的に正確に狙いを定める暇もなく万事休すかと思ったその時・・・・・
???《ただいま到着しました、ご主人様》
シンジ「っ! いいタイミングだベルファスト!!」
一人のKANSENの到着で賭けに勝ったと確信した
シンジside out
エンタープライズside
エンタープライズ(ここまでなの・・・か?)
艦装が損壊し、まさに打つ手なしの状態で瑞鶴の炎を纏った溶断刀が眼前に迫る中『死』を覚悟しながらも壊れた大弓の残骸で受け止めようとする。その時・・・・・・
???「失礼いたします」
エンタープライズ・瑞鶴「「っ!?」」
突如涼やかな声が響くと共にエンタープライズと瑞鶴の間に颯爽と現れたKASENが腕に付けられた装甲を交差して、燃え盛る炎の斬撃を防いで見せた
瑞鶴「な、なんなのアンタはっ!?」
そのKANSENは絹のように精細な白髪に白いフリルのカチューシャを被りコバルトブルーの瞳をして、まるで人形のように豊満ながらバランスの取れた体形とフリルに彩られたステレオタイプな白と紺色が入ったメイド服と首にある破断された鎖が垂れた鋼のチョーカーというまさに中世のメイドを思わせる服装が特徴的な容姿をしている凛としていながらどこか柔和さと艶やかさを兼ね備えた世話好きな魅力の美少女・・・・『ロイヤル所属:エディンバラ級軽巡洋艦2番艦:ベルファスト』だった
ベルファスト「通りすがりの、メイドでございます」
突然の人物に戸惑う瑞鶴にベルファストは笑顔で答えると、勢いの落ちた刀を艦装としてのガントレットで弾き飛ばし瑞鶴を後退させる。するとエンタープライズの艦載機をすべて撃墜し終えたうえで、自身の艦載機で有人部隊を足止めしているのか翔鶴が瑞鶴を心配して合流する
シンジ《久しぶりだなベルファスト、君のおかげでみんなが助かったぞ》
ベルファスト「こちらこそお久しぶりでございますご主人様。 壮健そうで安心しました」
大戦以来の再会に互いに言葉を混ぜ合わす二人。するとベルファストの視線の先にシンジがいることに瑞鶴たちは気が付いた
瑞鶴「やっぱりシンジだっ・・・!」
翔鶴「っ!・・・本当ね、なら私たちがすることはわかってるわね瑞鶴?」
瑞鶴「うん翔鶴姉、シンジを取り返すよ!」
瑞鶴と翔鶴はシンジを奪還するためシンジの元へと向かおうする。しかしそれをベルファストが許すはずがなく、シンジへの行く手を阻むため艦装の三連装砲と対空砲で二人をけん制する
瑞鶴「くぅっ!? 邪魔をするな!」
ベルファスト「申し訳ありませんが、ご主人様に危害を与えようとするならば、主人の身を守るのもメイドの務めであるためお相手するしかありません」
瑞鶴は行く手を遮るベルファストに声を張り上げながら接近戦に持ち込むが、メイド服を着ているのにもかかわらず軽快で洗練された動きで斬撃を避けてはガントレットで受け流し、極めつけは通り過ぎる瑞鶴の腕をつかんで後方へと投げ飛ばした
瑞鶴「あぐっ!?」
翔鶴「瑞鶴!」
エンタープライズの戦いによる傷も含めて瑞鶴の体はボロボロで海水にたたきつけられる痛みも数倍となっているため、叩きつけられた痛みが激痛となり瑞鶴は悲鳴を上げる。翔鶴も一時シンジへの接近を断念して、立つことも難儀になりつつある瑞鶴を支える。ベルファストはロイヤルで『ロイヤルメイド隊』のメイド長を務めているため、その技量と練度はとても高い上に能力も卓越しているのでそう簡単には倒せない相手だ。故に今の五航戦に勝てる見込みはほぼない
瑞鶴「っ! 先っからメイドって、なんの冗談なの・・・」
オイゲン「大真面目なのよそいつは・・・」
いきなり現れてメイドと名乗るベルファストに悪態をつく瑞鶴に、上空から戦況を見ていたオイゲンがベルファストを見下ろしながら答える
オイゲン「ロイヤルエディンバラ級軽巡洋艦ベルファスト、ふざけた格好をしていてもロイヤルの中でも歴戦の強者よ。甘く見ないことね」
ベルファスト「ご機嫌麗しゅうございます、鉄血のプリンツ・オイゲン様。 このような場所で会うとは奇遇でございますね」
オイゲン「そうね・・・『鉄血』と『ロイヤル』、遠く離れたこの海で決着をつけるのも悪くないわね」
オイゲンに向けてベルファストは礼儀正しく挨拶を交わす。『鉄血』と『ロイヤル』の因縁はなかなか深く、いわばライバルと言ってもおかしくはない。するとオイゲンの生体兵器がガチガチとその顎を鳴らすとベルファストにむけて『セイレーン』の量産型を仕向ける。ベルファストはそれに臆することなく微笑みを浮かばせる
ベルファスト「私は一向に構いませんが・・・その場合、こちらも全力でお相手させていただきます」
ベルファストの言葉と共に『鉄血』とセイレーンの量産型を真っ向から立ち向かうように遠くから『ロイヤル』の艦隊が現れる
ケモミミのような髪型をした金髪にライトパープルの瞳をして、愛らしい少女のような背が低く控えめな幼児体形と首元に金色の錨の刺繍がついた白いマフラーを巻いて金色のボタンが付いている白い衣装の上に紺色のチョッキ上の軍服を着て、下は本人が言うには「スピードを得るためにスカートは廃した」とスカートを履かず黒い紐パンだけで何より携えている大剣と言う刺激的だが中世の騎士を思わせる服装が特徴的な容姿をしている愛らしい見た目に反して歴戦のオールドレディとして淑女であると同時に勇敢な少女・・・『ロイヤル所属:クイーン・エリザベス級戦艦2番艦:ウォースパイト』
輝くような金髪に艦橋を模してたような白いハット帽子を被りサファイヤの瞳をして、一目で大人の女性と確信させる魅惑的なプロパーションを持つ体形と青い膝まで長いコートにユニオンジャックの外套を纏い、細い美脚は黒いストッキングで包まれているという優雅にして堂々とした英国の淑女を思わせる服装が特徴的な容姿をしている勇ましくも優雅な雰囲気と物腰を持つ穏やかな淑女でありロイヤルネイビーの栄光である女性・・・『ロイヤル所属:アドミラル級巡洋戦艦1番艦:フッド』
右目が隠れた薄い金髪に白いフリルのカチューシャを被りトパーズの瞳をして、色々と小柄ながらも均一さがとれたスレンダーな体形と全身グレー系で統一したフリルに彩られ露出が少ない清楚なメイド服とベルファスト同様に破断された鎖が垂れた鋼のチョーカーにくびれた太物の下に白いガーター付き―ソックスという英国の本家本元のメイドを思わせる服装が特徴的な容姿をしている無愛想で無表情かつ毒舌家だが指揮官と認めた者にはそれなりに慕い、冷静な行動力を発揮するやや氷のような少女・・・『ロイヤル所属:サウサンプトン級軽巡洋艦3番艦:シェフィールド』
絹のように精細な白髪に白いフリルリボンを飾り丸眼鏡をかけてコバルトブルーの瞳をして、豊満ながらバランスの取れた体形と首下にセーラー服の襟を模した首飾りフリルが彩られた宗元がさらけ出されたウェイトレスタイプな白と紺色が入ったメイド服に長く白い靴下という現代風のメイドを思わせる服装が特徴的な容姿をしている自信たっぷりで仕事をことごとくこなすプロだが人間臭いドジなところが目立ってしまう可愛らしくも少し残念であり、ベルファストの姉である少女・・・『ロイヤル所属:エディンバラ級軽巡洋艦1番艦:エディンバラ』
黄金のような金髪に光輝く王冠付きのカチューシャを被り碧眼の瞳をして、童女らしい凹凸が少ないがどこか艶しさを感じる体形と胴回りのラインどころかヘソまではっきり見えるドレスと腕には二の腕まである手袋に足には白のハイソックスと言ういかにも大変高貴で王族であるのかを思わせる服装が特徴的な容姿をしている我儘にして尊大で多くの者から慕われる『ロイヤル』の小さな女王陛下でありウォースパイトとは姉と妹ではなく主君と騎士の関係をもつ少女・・・『ロイヤル所属:クーイン・エリザベス級戦艦1番艦:クイーン・エリザベス』
『ロイヤル』の最高権力者が率いる『ロイヤル』の主力艦隊が今ここに現れたことで形勢は間違いなく逆転した。シンジが先んじて母港に向かっていた『女王陛下』ことクイーン・エリザベスにホーネット達の救援を頼んでいたことが功をもたらしたのだ
オイゲン「なるほど、あの小さい女王様もいるわけね・・・・・」
オイゲンもロイヤルの増援とその女王を確認して、今の戦力では対抗することは不可能だと察する。そして潮時と判断してニーミ達に撤退の言葉を変えようとしたその時・・・・・
『ヒュウウウゥゥ・・・・・・ドボオオオオオオオオオオオォォォォォン!!!』
ジャベリン「え!? 何々!?」
シンジ「くっ、何が起こった!?」
エンタープライズ「・・・っ!?」
瑞鶴「うわぁっ!?」
突如として空から何か巨大なものが彼らの前に振り落ちて、その衝撃によって起きた荒波が彼女らを襲った。幸いにも全員が何とか荒波に乗り込まれながらも沈むことはなく、有人部隊もすでに『バード・ネスト』や量産型に避難していたことで事なきを得ていた。そして落ちてきたものが何かと全員が確認すると一番最初に反応を示したのは『鉄血』だった
Z23「これは! 今行方不明になっていた私たち『鉄血』の原子力潜水艦じゃないですか!」
オイゲン「・・・・この有様じゃ生存者は絶望的ね。 それに『原子炉』が引き抜かれてるわ、そしてこの壊れ方は・・・」
その正体は『鉄血』内で点検のために稼働させていた鉄血所属の原子力潜水艦だった。突如として行方が不明となっていたが、今その潜水艦は無残な姿で現れた。その船体は大きく捻じ曲げられ、原子炉が供えられた場所がまるで何かに食い破られたように破壊されており、その船体のあちこちに白い粘液のような液体がへばりついていた。潜水艦が空から降ってきて、その潜水艦の異常な破壊のされ方にその場にいた全員が呆然し、オイゲンはこの惨状に搭乗していた乗組員の生存者はいないと察すると同時にこの破壊のされ方からあることを確信してしまう
『キィィィン!』
するとヘレナの『SGレーダー』が何かの反応を捕らえる
ヘレナ「指揮官! 上空から何か巨大な物が直上から接近くるわ!」
シンジ「何っ!」
シンジがヘレナの報告を聞いて即座に上空を見上げた瞬間・・・雲を突っ切りながら黒く巨大な何かが急降下していた
『ズドオオオオォォォォン!!』
そしてそのままセイレーンの量産型に向けて降り立ち、その衝撃によって近くにいたオイゲンやベルファストにシンジ達が吹き飛ばされてしまう。辛くも全員が波にのまれてずぶ濡れになったが無事であり、全員が水しぶきが舞い衝撃が起こった中心に視線を集める
エンタープライズ「あれは・・・!」
エンタープライズは徐々に水しぶきが晴れていくその場所で『奴』を見た
黒い体色で三角形の長い頭部をしており、紅く輝く単眼を怪しく光らせ、1対の脚に1対の巨大な腕と胸部のものより小さい1対の副腕の計4対6本の肢と自身よりも大きな1対の巨大な翼を持つ怪獣・・・・・・
ムートー「ガラララララララララ!!!」
ムートーが大きく黒い翼を広げ、咆哮を上げて蒼き海へと降臨した
エンタープライズsaid out
シンジside
ムートー「ゴッゴッゴッゴ・・・」
現れたはムートーは『セイレーン』の量産型から鉤爪を使って、核エンジンを引きずり出してそのまま飲み込んで放射能を吸収し始める
その場にいた者達はアンギラスとは異なる別の怪獣の出現に、一度怪獣を見た者や初めて怪獣を目にする者関係なくムートーの突然の襲来に唖然とするがシンジだけは違った。『モナーク』からの情報を元に探していた父と母を殺した怨敵が今目の前にいる。それだけ心の底から憤怒と報復心が燃え上がり、気づけば量産型をムートーに向けて直進させていた
ジャベリン「指揮官っ!?」
シンジの特攻に近しい行為にジャベリンが戸惑いの声を上げるが、シンジには今なにも聞こえずただ眼前の仇だけを見据えて『バレットM82』をムーとに向けて放つ
『バアアアアアアァァァァン!!』
しかし戦車や戦闘機の装甲を貫通できる対物ライフルの弾丸は命中するもはじき返されてしまう。そしてムートーは食事の邪魔をされた事に怒り、邪魔をしたシンジに矛先を向ける。そこに今まで突然の状況に周りを飛行していた『F⁻35 ライトニング』、『F/A-18E スーパーホーネット』に『バード・ネスト』から発艦した『AH-64D アパッチ・ロングボウ』がシンジの攻撃を切っ掛けに攻撃を開始しようとしていた
ムートー「ガララララ・・!」
ムートーは自身の周りを飛行し始めた戦闘機を見据えると、爪先に生態電流を生み出して赤く発行させると大きく振りかぶる。シンジはその動作をみてムートーが何をしようとしているのかを瞬時に読み取る
シンジ「全員奴から離れろっ!!」
KANSEN達や有人部隊に即座に退避命令を出すが、間に合うわけもなかった
『ブオオオオオオオオオオオオォォォォォン!!』
揺れ動く衝撃波と共に電磁パルスが不可視のドーム状になって拡散され、電磁パルスに晒された戦闘機たちは一瞬で電子回路が焼き切れて次々と機能を停止していく
《なんだこれ! 機体が停止した!?》
《指揮官! 機体の電源を失いました!》
《野郎俺たちの機体に何しやがった!》
パイロットたちは突然制御できなくなった事に戸惑いつつも、なんとか脱出装置を起動させて海面にたたきつけられる前に脱出する。しかし異変はそれにとどまることはなかった
ホーネット「何これ・・・体が、重い・・・!」
クリーブランド「っ!・・・それどころか上手く移動もできないよ!」
オイゲン「くっ!」
綾波「体に・・・力が入らないのです・・・!」
翔鶴「・・・っ!」
戦闘機だけでなく固い装甲に守られている『バード・ネスト』も停止することはなかったがエンジン出力が大幅にダウしている中、KANSEN達には突然の体の不調が現れて水上を満足に移動できなければ凄まじい怠惰感と疲労感が彼女らを蝕む。どうにか艦載機でムートーの気を引こうとする翔鶴だが____________
翔鶴「______っ! 艦装が動かない!?」
Z23「こちらもです! 主砲も魚雷も全く反応しませんっ!」
艦装に意識を向けて操ろうとするが全く反応を示さず艦載機を発艦することができず驚愕してしまう。それに続いてニーミも艦装の機能停止を訴えて、そこからKANSENのみんなが互いの艦装を確認すると全員が使用不能の事態に陥っていることに気づく
シンジ「これはまずい! 『バード・ネスト』、そちらは戦闘が可能か!」
《運航はできますが武器システムがすべてダウンしています! おそらく搭載している艦載機もすべて無力化されています・・・・使える物があるとすればライフルとロケットランチャーと言ったアナログに近い物しか・・・!》
『バード・ネスト』から聞こえる通信相手の兵士がこの状況に震えていることがすぐにわかった。シンジとてその気持ちをすぐに理解する。たった一手でこちらを詰み一歩手前まで追い込んだ怪物が今自分たちを見据えているのだ。少しでも動けばそれがきっけとなり、今攻撃されれば全滅は必至・・・・・絶望しても仕方ないだろう
シンジ(だけどそれがどうした?)
戦場において不利な状況なんて当たり前、装備が完全に潤沢な時なんて無く、相手が自分達よりも強いなんてしょっちゅうだった。それでも自分たちは生き残ってきた、それはなぜか?
ただ諦めず家族のため、仲間のため、国のためと最後まで戦う意思を持っていたからだ。故に人類は生き残ってきた。怪獣がなんだ? 相手がなんだろうと自分は仲間と家族のために戦うだけ、それに仇を前にして臆する気などさらさらなかった。そしてシンジは量産型から『バード・ネスト』に飛び移り、『M136 AT4』と『SMAW ロケットランチャー』を拝借して背中に背負うと量産型に再び伸び乗って『バレットM82』をムートーに向けて乱射しながら近づく
瑞鶴「っ! シンジ!? 無茶だよ・・・やめて!」
エンタープライズ「指揮官・・・!」
無謀ともいえる行動にエンタープライズと瑞鶴が生死の言葉をかけるも、ムートーの咆哮とその質量によって動く余波によってそれはかき消される
ムートー「ガララララララ!」
ムートーはチクチクとうっとおしいことをしてくるシンジにイラ立ちの声を上がながら前脚の爪をシンジに向かって振り下ろす
『ガッシャアアアアアァァァン!!』
シンジを狙ったムートーの爪は量産型の装甲を轟音を立てながら軽々と破壊し、衝撃による揺れと破片が襲い掛かるも銃を盾にしながら突っ切りと同時にムートーの爪に飛び乗ってそのまま駆け上がる
ムートー「グオオォォンッ!?」
まさか踏みつぶすつもりだった敵がそのまま自身の腕に飛び移ってくるなど思いもしていなかったのか戸惑いの声を出すムートー。腕を動かして振り落とそうとするが、驚異の馬鹿力なのか驚異的な身体能力であっという間にムートーの眼前まで上り詰めたシンジは背負っていた『『M136 AT4』を右手に、『SMAW ロケットランチャー』を左手に携えるとそのまま反動を気にせず発射した
『ドオオオオォォォン!!』
発射されたロケット弾は二発ともムートーの顔面に見事命中し、爆炎と硝煙と衝撃が吹き荒れる。煙で一時的に見えなくなっていたムートーだが、一瞬で無傷の状態で煙から飛び出すと翼を羽ばたかせて空中に投げ出されたシンジを叩き落とす
シンジ「ガ八ッ!?」
シンジはとっさに弾頭が無くなった『M136 AT4』と『SMAW ロケットランチャー』を壁のようにして前に出すが、ムートーにとっては羽虫を払う行為だが圧倒的質量と威力をもったそれはシンジにとって必殺の一撃と化した。凄まじい衝撃によってシンジは気を吐き出しながら海面へとたたきつけられる
ジャベリン「指揮官っ!」
そこにようやく電磁パルスの影響が抜けたのか、いつも通りとはいかず遅くなってはいるが艦装を操って海上を疾走しながら駆けつけるジャベリンとラフィー。そこには量産型の残骸にムートーをにらむシンジがいた。ただしその左腕は骨が折れて脱臼しているのか所々が赤くにじんでおりブランブランと脱力したように揺れている。それでもまだ立ち向かおうと『バレットM82』を杖代わりにしてムートーに向かおうとする。当然ジャベリン達は指揮官の容態を見て戦わせまいと止めに入る
ジャベリン「指揮官、その怪我じゃもう戦っちゃだめです!」
ラフィー「血がこんなにたくさん・・・もう動いちゃダメ!」
シンジ「止めないでくれ二人とも。 奴は・・・父さんの仇だ! これくらいで引けるわけない・・・!」
二人は自身の身を案じてくれていることはわかっているが、それでも怒りが『前に進め! 仇はまだ生きている!』と伝えてくる。ようやく見つけた仇が目の前にいてまだ生きているのだ、それを前にして尻尾を巻いて逃げるなんてシンジの選択肢にはなかった。するとシンジの言葉が聞こえたのか瑞鶴たち重桜のKANSEN達は狼狽する
瑞鶴「ジョーお義父さんの・・・仇?」
翔鶴「ジョーお義父様は、事故で亡くなったんじゃないの・・・?」
綾波「指揮官・・・どういうことですか・・・?」
瑞鶴たちはジョーが無くなった原因は爆発事故であると知らされていたため、シンジの言葉に耳を疑うのも無理はなかった。綾波が震えた声でどういうことか問うとシンジはジャベリン達に支えられながら真実を話す
シンジ「父さんが死んだのは事故じゃない。 あいつが・・・! あいつがある場所で目覚め、暴れだした時に崩壊した施設に巻き込まれて父さんは・・・死んだんだ!」
翔鶴「それが・・・真実なのね・・・」
瑞鶴「あいつが、義父さんの仇・・・!」
翔鶴「瑞鶴?」
『アズールレーン』だけではなく『レッドアクシズ』のKANSEN達が明かされる真実に愕然とする中、瑞鶴と綾波が得物が震えるほど強く握りしめながらムートーを怒りで染まった目で見つめていることに翔鶴は気づくも、その瞬間二人はムートーへと駆け出す
瑞鶴「ああああああああっ!!」
綾波「絶対に、許さないのです・・・!」
翔鶴「瑞鶴!? 怒りに任せては駄目よ!」
Z23「綾波! いくらなんでも無茶ですよ!?」
恩人でもあり父親でもあったジョーを殺した相手が今目の前にいるムートーだが認識した瞬間、ジョーをなくしたからの行き場のない悲しみとやるせなさが一気に怒りへと変わる。綾波は鋭い目つきで分厚い対艦刀を、瑞鶴は怒りの絶叫を上げながら刀を携えてムートーへと突貫する。無論翔鶴とてムートーに対して思うことが無いわけではないが、無策に挑んでも勝てない相手と分かっているためニーミとともに制止しようとするが二人には怒りによってその声は聞こえてはいなかった
ムートー「ガララララッ!」
ムートーはまた自分に仕掛けてくる新手に向けて、今度は両腕を二人に向けて振り下ろす。しかし二人はKANSEN、シンジのような訓練された兵士よりも身体能力が高いため最小限の動きでそれを避けると大きく跳躍し腕に刀を切りつける
『ガッキイイイイィィィィン!!』
しかしムートーの体は、戦車砲にバズーカや艦載機の銃撃を耐えきるほどに頑丈。摩擦音と火花を散らせ、軽く極微小の傷しかつけることができなかった
瑞鶴(全く切れなかった・・・!? セイレーンの艦でも切れる刀なのに!)
綾波(っ!?・・・ものすごく硬いのです!)
セイレーンの艦ですらたやすく切れる自慢の得物がまったく歯が立たなかったことに驚愕する二人。驚愕と刃が通らないことで動きが止まった二人をムートーはそのまま腕を振り回して吹き飛ばす
翔鶴「瑞鶴っ!」
Z23「綾波!」
吹き飛ばされた二人に翔鶴とニーミが駆け寄り、二人の状態を確認する。幸いに吹き飛ばされただけで目立った傷はないことにニーミと翔鶴は安堵するも、ニーミと綾波は体が小さく仕留めやすいと判断したムートーが彼女たちに狙いを定める
ムートー「グオオオオォォン!」
Z23・綾波「「っ!?」」
ムートーは少しだけ足場にしていた残骸から飛翔すると大口を開けて二人を捕食しようと海上を滑空して急速に迫る。ニーミは綾波を背負って退避しようと試みるも、電磁パルスの影響がまだ依然として残っているせいで思うように力が入らず動けなかった。そして迫ってくるムートーの口に思わず目をつむってしまうニーミだが・・・・
ラフィー「あぶない・・・!」
ジャベリン「危ない!」
そこにシンジをベルファストとエンタープライズに任せたジャベリンとラフィーが横から掻っ攫うように全速力で二人をムートーの進行方向から退避させた
ジャベリン「大丈夫だった!?」
ラフィー「けがはない・・・?」
綾波「・・・どうして?」
Z23「あなた方は・・・!」
ジャベリンとラフィーは二人を心配する反面、二人のの行動に綾波とニーミはなぜ敵を助ける行為をしたのかと疑問を抱くがそんな暇を与えるムートーではない。もう一度4人を襲おうと旋回して上空から襲い掛かり、クイーン・エリザベス達『KANSEN』がどうにか動くようになった艦装から対空砲や砲弾を浴びせるがそのほとんどが避けられ、当たってもかすり傷程度にしかならずそのまま爪を四人に向けて構える。四人は次に迫ってくる死に思わず抱きしめあいながら目を閉じてしまう・・・・
ムートー「グオオオォォォッ・・・・!? ガララララララララララ!!」
その瞬間ムートーは何かに気づいたのか、ジャベリン達に向けての攻撃を突然やめるとその場を後ろに飛んでセイレーンの残骸に降り立つと同時に羽を大きく広げて出現時と同じくらいの咆哮を上げながらある一点を見据える。その視線と行動はまるで自身の
エンタープライズ「・・・何かに反応している?」
ベルファスト「ええ、まるで何かに威嚇しているように見えます」
エンタープライズとベルファストはムートーの突然の行動に何かあるのかと思案していると、突然ムートーが視線を向ける方向から渡り鳥たちが一斉に何かから逃げるように飛んでくる
ロング・アイランド「うわ~、鳥さんがいっぱいなの~!」
ノーザンプトン「次から次へと何なのさ・・・」
渡り鳥たちの様子にKANSENと有人部隊が戸惑っていると、渡り鳥たちが来た方向に渦巻きが突然と発生する
『ザッパアアアアアァァァン!!』
渦巻の中心が大きく爆発すると水しぶきと共に中心から黒く巨大な何かが現れ、その場にいたムートーを除く全ての者が息を飲んだ
シンジ「あれは・・・・!」
オイゲン「・・・フフッ、これはまたうれしい再会ね♪」
サラトガ「アハハ! なんだかこの状況懐かしいね」
KANSENや有人部隊がその存在に慄く中シンジはその芹沢達に伝えられていた王である存在だと気づき、オイゲンは自身の友であり心の在り方を変えてくれた存在にまた会えたことにうれしく微笑み、サラトガはまたこうしてピンチの時に駆け付けてくれる状況に懐かしさを覚えつつ嬉しそうに再会を喜ぶ
それはかつて地上を支配していた恐竜のように圧倒的巨大な体躯をたくましく頑強な足で支えながら二足歩行でたたずみ、全身が黒い体表で背中の大きな背びれは剣山のごとく黒く鋭く尖っており尾の先まで続いている。恐竜のティラノサウルスに似た屈強な頭部と鋭い牙を持ち、首元にはえらのような呼吸器官があって太くがっちりとしている。彼が持つ目は猛禽類のように鋭くどこまでも見渡せ、その剛力を発揮する腕は太く屈強でその爪は刃のように鋭かった。その強さと大きさだけでなくその放たれる覇気で『王』だと周りの者を認識させる。彼こそが地上が今よりも濃い放射能で満ち溢れ、様々な怪獣が跋扈していた古生代ペルム紀からこの星の生態系の頂点に君臨していた『王たる種族』の末裔・・・・・
『怪獣王』ゴジラが初めて堂々と人類の前にその姿を現した
ゴジラ「ゴガアアアアアアアアアアァァァァァァァァァン!!」
ゴジラは王として、調律者としての役目を全うするため咆哮を上げながらムートーとの戦いを始めた
シンジsaid out
ゴジラside
ゴジラ(まさか、ここでオイゲンたちと出会うとはな・・・)
ゴジラはムートーを前にしながら、久しぶりに再会できたオイゲンたちにうれしく思い、視線を彼女らに向けるとオイゲンは心からの笑みを浮かべながらこちらに小さく手を振り、サラトガはうれしさのあまりかピョンピョンと跳ねながら手を大きく振っていた。ゴジラはそれに対して「久しぶりだな」と伝えるように低くうなずくとムートーへと向き直る
そもそもなぜゴジラがこの場所に現れたのか?
その理由は『地球の意思』からの頼みと今目の前にいるムートーが関係していた。『地球の意思』の『頼み』とは、目覚めたムートーの対処だった。本来ならムートーは何も自然に対して過度な破壊や殺戮をしているわけではないが、この人間たちが繁栄すると同時に機械が跋扈する地上ではムートーの能力は危険すぎる物であり、主食も大地や海を汚染してしまう核弾頭などの人工的な核エネルギーであるため野放しにしておけば故意でなくと地上の自然は次々と汚染され、何より
何より先ほどからムートーを見るたびにゴジラの本能が奴を倒せと叫び続けている。まるで古来から続く因縁に決着をつけろと言ってるかのように・・・・
ゴジラは知らないだろうが、ムートーは古来からゴジラの祖先に寄生をしてきた種族。故にゴジラとムートーは宿敵と言っても過言ではない関係なのだ。本能がそう訴えてくるのも無理もない
ゴジラ「ゴガアアアァァァン!」
ムートー「ガララララ!」
ゴジラは咆哮を上げながらムートーに地鳴りと波を立てながら駆け寄ると、ムートーも咆哮を上げながら残骸から飛び立つと彼よりも速くその喉元に爪を突き立てようとする。しかしゴジラは難なく素早く近づいてきたムートーの動きに対応して逆にその小さな首元に噛みつく
ムートー「グオオォォンッ!?」
KANSEN達の攻撃にはほとんど苦痛の声を上げなかったムートーだが、生物の急所である首元を自身よりも巨大で格上なゴジラに噛みつかれることで大きく苦痛の声を上げる。さらにゴジラは噛みつくだけでなく、何度もそのムートーの体を残骸や海面へ大きく叩きつける。海面は面積が大きければ大きい程衝撃や強く、高い場所から落ちた際には高さによってコンクリートにたたきつけられるほどのダメージを与えられる。ゴジラはムートーを衝撃で体を何度も痛めつけて軋ませると体を回転させて、遠心力を強化した勢いでムートーを投げ飛ばす
大きく空中に投げ飛ばされるムートーだったが、空中で体制を立て直して旋回するともう一度ゴジラの正面から低空飛行で高速で迫る。ゴジラは海から頑強な足を引きあがて踏みつぶそうと振り下ろすが、ムートーをゴジラの踏みつぶしを紙一重で避けると同時に左腕の爪を足に食い込ませてブレーキをかけると同時にその勢いでゴジラの背びれがある背中に取り付く
ゴジラ「ゴガアアアァァッ!?」
足に痛みが残りつつも、背中に乗りかかったムートーを払いのけようとする。しかし体が小さいムートーは腕が届かない場所に取り付いて、振り落とされないように後頭部に当たる場所を噛み続けている。ムートーはそのままゴジラの背中でロデオしながら背中の至る処を爪で突き刺しては切り裂いていく。いくらゴジラの強固な皮膚でも穴地場所を何度も攻撃されれば傷口となりゴジラは悲痛を上げる
『ドオオオオォォォン!!』
ムートー「ガララララッ!」
ムートーを中々引きはがせないでいると、突然轟音が響くとムートーの体に砲弾が命中する。ムートーは突然の横やりに痛みを感じずとも注意がそがれてロデオに失敗し体勢を崩す。ゴジラはそれに乗じて体をくねらせて腕の届くところにムートーを動かすとその翼を掴み強引に引きはがすと、海面へと一度たたきつけると空中に投げると回転を加えた尾の一撃をムートーの腹に叩き込んで吹き飛ばす。ムートーとの距離が開いたことを確認すると、砲弾の飛んできた方向を見るとオイゲンが艦装を構えていた
オイゲン「借りは返したわよコウモリ擬き?」
どうやら電磁パルスを食らわされた仕返しと共に援護してくれたようだ。軽く一言念和で「ありがとう」と伝えるとオイゲンはこちらに向かって微笑み、礼を言われてうれしかったのか頬を若干赤らめていた
ムートー「ガララララララ!」
すると吹き飛ばされていたムートーが残骸に乗りながら腕を赤く発行させて振り上げていた。おそらく邪魔されたことで一度優先目標をKANSENに切り替えて、無力化したうえでオイゲンたちを仕留めるつもりだと腹を読む。ゴジラはそうはさせないと体内の原子炉に似た器官を活性化させて莫大なエネルギーを生み出す
『ヴォン・・ヴォン・・ヴォン・・ヴォン・・ヴォン・・!』
その無尽蔵のエネルギー生み出していくと同時に体を駆け巡り、背鰭が尾の先端から胎動して広がるように青白い光を放ち始める。そしてそのエネルギーを口内と喉に集中させて口の中で発する生体電気を着火剤として熱とエネルギーを双眸と首元のエラがチェレンコフ色に輝くと同時に爆発させる
『ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!』
そのエネルギーを口から『放射熱線』としてが放ち、巨大で青い炎の奔流がムートーへと直撃し膨大な熱がムートーの体表を焦がしながら残骸から吹き飛ばして後退させる
ムートー「グオオォォン・・!」
ゴジラ(・・・おかしい、普段の熱線よりもうまく力を出せなかった)
しかし致命傷にはならず直撃したところを中心に負った大火傷に苦痛の声を上げるムートー。ゴジラも手ごたえを感じつつも決めきる事が出来なかったことに違和感を覚えていた。通常の『放射熱線』なら小型のムートーくらい今の一撃で致命傷か即死にできる威力を持つが、先ほどの熱線は熱線の勢いが弱くなりまるで火炎放射器の様で膨大な熱力もやや下回っていたのだ
ゴジラは知らないがムートーその電磁パルスを発生させ周囲の電子機器に影響を及ぼす能力が、体内の生体電気で点火して打ち出すゴジラの『放射熱線』の機能に干渉し、威力を大幅に低下させていたのだ
ムートー「ガララララ!」
ムートーは火傷を負った状態でも動きが劣る様子もなく、残骸を足場に天高く飛びあがる。逃がすまいとゴジラはもう一度『放射熱線』を放つため体内の体内原子炉を活性化させる瞬間、天高く飛びあがったムートーは急降下して自身の体重と急降下の勢いがついた一撃をゴジラの頭上に喰らわせる
ゴジラ「ゴガアアアァァッ!?」
流石の渾身の一撃にゴジラも答えたのか、固い頭蓋骨によって爪は通らなかったが脳を揺らされた影響で平衡感覚が狂い足元がおぼつかない。そこにムートーが襲い掛からないはずもなく、ゴジラの喉元に喰らい付く
しかし相手はゴジラ・・・怪獣の王だ。長い間戦い続けることで鍛え抜かれたその体は生半可な力では傷つけることはできず、事実今ムートーはゴジラの喉元に出せる限りの力で食いちぎ網と力を込めているが分厚い皮膚と頑強な筋肉によって阻まれ、せいぜい筋肉の表面にまでしかその牙は届かなかった。なによりゴジラは長年戦い続けた戦闘経験と危機察知能力によって、小さい痛みでさえどのような攻撃をされたのかをある程度予想することができる。ゴジラは徐々に覚醒する意識と共にムートーの胴体を捕らえて、そのまま首から引きはがすと残骸へとぶん回し、同時に体内原子炉を活性化させる
『ヴォン・・ヴォン・・ヴォン・・ヴォン・・ヴォン・・!』
体内原子炉の活性化に応じて背びれが尾の先端から首まで光始める。しかし先の体内放射とは違うようで
ゴジラ「ゴガアアアアアアアアアアアアァァァァン!!!」
『ビシュウウウウウウウウゥゥゥゥッ!!』
咆哮と共にゴジラは輝く尾を力一杯ムートーに対して振り抜くと、尾から輝く刃状の熱線・・・『斬波熱線』を放たれた
この『斬波熱線』はアンギラスのような固い甲殻や特殊な能力で『放射熱線』が利かない相手の対応策としてゴジラの意思の元『G細胞』が体を進化させて生み出した能力。『放射熱線』のように生み出した莫大なエネルギーを連続で対象にぶつけるのではなく、膨大なエネルギーをただ一撃に凝縮して打ち出すことで刃状のエネルギー波となって固い甲殻などを一点集中された刃で破壊することを目的とされている
分かりやすく言うなら水鉄砲はパンパンに入っている水を少しずつ使って相手にぶつけるのが『放射熱線』で、水がパンパンに入った風船のように入った水を一気にすべて使ってぶつけるのが『斬撃熱線』である
その『斬波熱線』は射線上にあった残骸や障害物を真っ二つにしながらムートーに向かっていき、仰向きですぐに動けないムートーの体を切りつけると同時にムートーの付近の残骸からもれた油などが『斬波熱線』の熱と炎で炎上し大爆発を起こす
『ドオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォンッ!!』
よほど流れていたのか凄まじい衝撃波と熱風が周囲に巻き散らかされKANSEN達は体勢を崩しそうになるも、ゴジラは平然とした体勢で爆発の中心部を見据える。すると次の瞬間、立ち込めていた煙や炎が一瞬にして吹き飛ばされる
ムートー「ガラララララララッ!」
その吹き飛ばれた中心部からムートーが方向を上げながら天に向かって飛翔する。その体の肩から胸にかけて大きな刀傷ができて鮮血を垂らしているという見るからに重傷を負ってしまい、これ以上の戦闘は間違いなく死ぬことになると判断してこの場をすぐに離脱していく
ゴジラ「グルルルルル・・・!」
ゴジラはそう簡単に逃がすまいと鼻息と唸り声を上げながら顔から海面に倒れ込んで潜水し追跡を開始しようとすると後ろからとある人間の兵士・・・シンジがムートーに対して怒号を上げる
シンジ「逃げるな! お前を仇として殺そうとしている奴はまだここにいるぞ!!」
シンジの怒りに満ちた瞳と言動からゴジラはあのムートーはこの人間の報復する敵であると見抜く
ゴジラ(復讐か・・・気持ちはわからないことはないな、だが奴を殺すのは俺の役目だ)
前世での記憶から仲間を失うつらさや悲しみから復讐に走り、それを成し遂げてきたことは数知れないゴジラにとってシンジの抱える心情はよくわかっていた。よく復讐は虚しいや悲しいに意味はないというが、復讐を果たすことで前に進むことや自分の中でけじめをつけることがあり、決して意味がない行為ではないとゴジラは思っている。しかし元よりムートーはこちらの獲物・・・シンジには悪いが譲る気はさらさらなく心の中で謝罪するとそのまま海の奥深くに潜ると同時にムートーの行く方向にただ進んでいくのだった
全ては自然と仲間と調和のために
ゴジラsaid out
シンジsaid
シンジ「・・・あれがゴジラか」
エンタープライズ「なんという力だ・・・」
人類同士の戦略と武力になる戦いとは根本的に違う単純な力同士のぶつかり合いである怪獣同士の戦いにシンジとエンタープライズは畏怖の言葉をつぶやき、エンタープライズのみならずその場にいたKANSEN達や有人部隊の全員が怪獣の力に圧倒され動くことはできなかった
・・・オイゲンとサラトガはムートーを圧倒して退けたゴジラに感嘆の視線を向けていたが。すると仇がいなくなったことである程度冷静になったシンジがこの場においてレッドアクシズの指揮者であるオイゲンに提案を告げる
シンジ「・・・レッドアクシズ。 これ以上の戦闘はお互いに無意味のはずだ、即座に撤退しろ」
シンジの言葉を聞いてオイゲンは周りの状況を確認する。呼び出したセイレーンの艦隊は全滅、怪獣の戦いあの余波でこちらの艦隊もボロボロ、ロイヤルの傍円により戦略的に不利、それだけわかるとオイゲンの決断も早かった
オイゲン「確かにここら辺が潮時ね。 そろそろ帰るわよニーミ、もちろん綾波もね」
Z23「・・・了解です。そこのうさ耳のあなた! ラフィーでしたね? 次に会うときはそのいい加減な態度、反省してもらいますからね!」
オイゲンはさすがに分が悪いと思い撤退をニーミ達に促す。ニーミもそれに従うとラフィーに指差しして宣言するも、ラフィーは眠いのか体をゆらゆらと揺らし上の空で何も聞こえておらずその様子を見てプンスカと起こりながらその場を後にする。綾波もニーミに続くもその視線はシンジに向いていた
綾波「・・・・・」
シンジ「・・・・・」
シンジは綾波の視線でその心情は申し訳なさと悔恨に似た感情が生まれる。家族や仲間を守るため、軍人としての責務を全うするために彼女たちと故郷と戦うことになってしまった。もし自分が命令に逆らってでも重桜に残っていれば何か変わっていたのではないかと考えてしまう。しかしもうすでに賽は投げられて過去は巻き戻ることはない・・・・なら今できることとできるかもしれないことをやるしかない、そうおもっていると眠そうにしていたラフィーが少し眠気が覚めたのか姿勢を正して綾波に向き直る
ラフィー「綾波。 バイバイ・・・またね」
綾波「っ!」
ラフィーの友達に対するあいさつと軽く手を振る行為に、綾波は戸惑いを少しだけ見せると顔を俯かせてニーミ達の後に続いていった。そんな様子を見てジャベリンはラフィーのように何かを言おうとするも言葉が出すことができなかった
瑞鶴「勝負は預けたぞ、グレイゴースト! そして次こそ必ずシンジは取り返す!」
翔鶴に介抱されながら瑞鶴はエンタープライズに再戦を申し込むと同時にオイゲンたちと同様に撤退する。するとまったく同時に負傷や疲労からエンタープライズが体勢を崩しながら気を失ってしまい、傍にいたベルファストが彼女を支えた
シンジ「エンタープライズ! ベルファスト、彼女の容態は?」
ベルファスト「心配はありません。 どうやら疲労から気を失っただけのようです」
シンジ「そうか。 それじゃあ俺たちも母港に帰ろうか」
シンジはエンタープライズを心配し、ベルファストに容体を確認する。ベルファストは笑顔で気を失っただけと伝え、大事な無い事がわかって安心すると自分たちも母港に帰るために各自に指示を出す。電磁パルスで動けなかった量産型はEMP対策されていたため行動可能な『バード・ネスト』にけん引させて動かすと同時にそしてとある想いを浮かばせていた
シンジ(・・・どうにか重桜に行って、赤城から真意を聞きたいな)
そう思いながらシンジは仲間とともにその海域を離脱していった
少し先の未来でその思いが思わぬ形で実現するとは思わずに・・・・・・
シンジ said out
ゴジラsaid
シンジ達が海域を撤退して十数分後・・・・・ムートーを追跡していたゴジラだったが、いかんせん相手は空を飛ぶ怪獣。あっという間に気配を感じれる距離から離れてしまい見失いながらも、その重傷で自分を振り切るとは思ったより根性があると逆に感心しながらもあることを危惧する
ゴジラ(速くアイツを見つけなければ・・・
ゴジラは海底を潜行しながら、地上へと出た際にムートーが
ゴジラ(それにしてもオイゲンたちとは久しぶりに会ったな。 サラトガは相変わらず元気そうで、長門とはまだあっていないまた思い詰めていないといいが、オイゲンは・・・前よりも笑顔が良くできて綺麗になったな)
久しぶりの再会にうれしさを覚えながら三人を振り返る。サラトガは相も変わらず元気であると同時にどこか歴戦の雰囲気を持ち、長門はまだであってはいないから何とも言えないが思い詰めていないか不安を持ち、オイゲンは笑顔が作り笑いでなかったことに徐々に変わってきているのだと友として嬉しさを覚える反面でその笑顔がモスラと同じくらいにきれいに見えていた。思い返すたびに心臓が本少し高鳴っている気がするがいったんその事は置いといてある事を思う
ゴジラ(そういえばあの場所に板という事は少なからず彼女たちはこの戦争に関係しているだろう。 この際当事者に聞いた方がセイレーンやこの戦争の発端もより詳しく聴くことができるかもしれないな、そうと決まれば・・・・)
ゴジラはオイゲンたちならばよりこの戦争やセイレーンについて詳しく聴けると踏み、ムートーの捜索と並行しながらオイゲンたちの後を追う。その行先はおのずと重桜へと向かっていった
全てはこの星のために・・・
其れこそが調和をもたらす者でもあり、王である彼の役目なのだから
・ゴジラの鳴き声は平成やFINAL、ゴジラ2019の物をイメージしています
・ゴジラの斬波熱線のイメージはアニメゴジラのプラズマカッターです。
・ゴジラにとって王の在り方とは、『愛する自然と仲間のためならだれよりも激怒して力を振るい、この星の平穏と調和を乱す者は種を問わず必ず制裁を下し、頂点として君臨しこの星とともに自然と調和し生きる仲間を命ある限り守り通す者』としています
基本的に平穏を望んでいるので、必要以上に縄張りを広げたり戦いを求めたりもしなければ必要以上に食糧を求めることはない。しかし一度縄張りや調和を乱し、仲間を害する敵が現れた時は一切の容赦はなく守護欲と怒りと使命を持って制裁を下す。縄張りにいる生物・・・例えるなら民や臣下が調和を乱さず王に安寧と自然との共生をささげるなら、王はその身をもって民と臣下と自然を守り、時に彼らも追うとともに戦い、自然と共にあることがどれだけ素晴らしく自然を穢すことがどれだけ愚かなことをを教えて導くという形を取っている
【怪獣紹介】
【ムートー】全高:約61m 体重:不明
・経歴
ゴジラと同じ時代である古生代ペルム紀に生息していた放射能を餌とする古代の怪獣で天然の原子炉であるゴジラの体内に卵を産み付ける寄生生物でもある。大昔にゴジラの同族に寄生して長い間休眠状態だったが、鉱山会社の採掘によって目覚め日本に移り住むと1999年に『重桜』において電磁パルスによる原発事故を引き起こしてまた眠りへとつく。 2014年までムートーは生態をモナークに研究並びに管理されていたが、十分な放射能を取り込むと繭から羽化するとどこかに飛び去ってしまう。 その後目覚めたてで柔らかい皮膚が硬化するまで体を休め、十分な硬度に達すると活動を開始して『鉄血』の潜水艦を襲って放射線を求めて水爆ミサイルと原子力機関を奪い食事すると、レッドアクシズの戦闘王とセイレーンの放射能エネルギーを狙って彼らの前に現れる。 その後電磁パルスによってKANSENや有人部隊を圧倒するもゴジラの乱入によって深手を負いながらも撤退している
・生態
天然の放射性物質で生き永らえてきたゴジラと違い、昔は大気中や放射能が発生する洞窟から放射能を吸収していたが、現代において大気中に放射能が皆無な状況から地上の人工的な放射能源(原子力発電所、核弾頭、原子力潜水艦)を積極的に狙うという性質に変異している。 遠距離攻撃は持たないが、至徳や引き裂くために使う主な武器である爪から強力なEMP電磁パルスを放出してあらゆる電子機器を無力化してしまう能力を持つ。その規模や影響は極めて大きく、一撃で大都市を丸ごと機能停止させ、軍艦や戦闘機のみならずKANSENの艦装残らず戦闘不能に追い込んだほど強力。さらに生体電気で点火するゴジラの熱線の機能に干渉し、威力を衰退させ弱体化できる
【オリジナル設定】
・セイレーンの船や艦載機には核エネルギーで動くエンジンを搭載しているため、怪獣達にとっては餌なのでよく狙ってくる。しかしセイレーンの技術で作られているので破損や破壊されても爆発はせず、放射能も漏れ出さないように本体が機能停止かエンジン部分に損傷を受けた場合に緊急停止して放射能が漏れださないようにシールドがコーティングされているためある意味安全性が高い。怪獣たちは消滅する前にため込まれたエネルギーや放射能を吸収して食している
【オリジナル兵器】
・バード・ネスト
ユニオンの企業『クロキッド』で開発された最新鋭の空母。高性能レーダーや最新の対空砲と『35インチ砲』を3問備えている。特徴はその名の通り多数の航空兵器と最新鋭の戦闘機である『F-35 ライトニング』、『F/A-18E スーパーホーネット』、『AH-64D アパッチ・ロングボウ』、『CH-47 チヌーク』、『SH-60 シーホーク』を搭載しており、内部には重文や弾薬や食料も貯蓄され前線基地としての機能を持つ。ハニカム構造を取り入れた装甲板で戦艦の砲弾にも耐えうる耐久性を獲得しるため攻守ともに優れているがその巨体から速度はあまり出すことができないのが短所である
・満載排水量100,500トン
・全長310m
・最大幅70m
・水線幅40m
・吃水15m
【シンジとKANSEN達の関係】
・シンジは大戦時、四大陣営や小国でも指揮を執っていたため彼と知り合いで戦友な関係を持つKANSEN達が多い。しかし建造されてから新しい子達や大戦が終ってから建造された子達とはあまり面識はありません
・ニーミや綾波はこの話から少しずつ意識を変えていくことになります。
・オイゲンはゴジラと言葉と出会いによってその在り方に変わってきています。具体的には作り笑いの頻度が少なくなって心からの笑顔をよくするようになり、仲間との交流も良く付き合うほどするようになっています。しかしやはりそう簡単にはいかずまだ一歩引いた感じの距離を開けての接し方で作り笑いは依然していますが少しずつ心の扉を開いていっています。・・・・その変わりようにオイゲンが時々仲間から『偽物か?』、『頭でも打ったか?』、『疲れているの?』など疑われたり心配されたりしていますが、彼女の姉はこの変化にうれしく思う反面からかわれる頻度がちょいとばかし増えて複雑な気持ちになっていますw
・読んでると信じの身体能力と頑丈さが異常ではないかと思いますが、これには理由があります。
初めて背景や文字の色付けなどをしたりして色々と難産でした
ふと皆さんに聞きたいのですが、キャラを紹介するときの文の長さをどう思っているか教えてもらえないでしょうか?
長いと思うのであれば簡略化します(決してその方が楽とか思ってません)
感想などで教えていただけると助かります
それではまた次回に
ciao♪
あとがきに残した設定を設定集としてまとめた方が良いですか
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はい
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別にいい
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任せる