アズールレーン 怪獣との航路   作:ヴェノム

9 / 10
9話

お待たせしました。戦士たちの休息とエンプラちゃんとゴジラの問答です


今回はアニメでは出てこなかったKANSENとゴジラ映画には欠かせないある人物をオマージュした仲間が登場します


それではどうぞ


9話 新たな仲間と亡霊への問答(前編)

エンタープライスsaud

 

 

とある病院の一室にてエンタープライズとベッドに身を預ける両足を失った女性がいた

 

 

その女性は長い銀髪と紺色の瞳をしているどこかはかなげな雰囲気を放ち、エンタープライズの姉である『ユニオン所属・ヨークタウン級航空母艦1番艦・ヨークタウン』。彼女は窓から見える海を見ながらエンタープライズに一言つぶやく

 

 

ヨークタウン「見て、今日は海が綺麗よ?」

 

エンタープライズ「・・・海を美しいと思ったことはない。 私たちが生まれた時から海は戦場だった。 ヨーククラウン姉さん、あなただって海で・・・・」

 

 

エンタープライズはヨークタウンの失った足を見ながら言葉をつなげる。しかし彼女の言う通り彼女達KANSENが初めて見た海は確かに戦場であったことは紛れもない事実であり、今窓から見える戦火のかけらもない静かな海でさえ戦場と変わらないように見えている。ましてや海で足を失った姉の事を思えばなおさらだ。しかしヨークタウンはその妹の海への感想を否定する

 

 

ヨークタウン「それは違うわ。 私たちはただ忘れているだけ、私たちは艦が人の形を成したもの。 海の美しさは私たちの魂の奥に刻み込まれているわ」

 

 

ヨークタウンの言う通りKANSEN達はキューブによって思いと艦の記憶によって人の形を成したもの。故に人が海に思いを馳せた結果生まれたのが船なのだから、人が海に対して思った美しさがどういうものかはどういう形であれ艦である自分たちに刻まれているとヨークタウンは思い、妹に言い聞かせながら彼女の手を取る

 

 

ヨークタウン「人があなたに込めた思いにいつかきっと思い出せる日が来るわ。 碧き航路に祝福を・・・私のかわいい妹エンタープライズ」

 

 

姉の微笑を見ながら言葉の意味を少しの間考えようとすると、徐々に自身の周りの景色がぼやけ始めて最終的にすべてが真っ暗となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンタープライズ「・・・姉さん・・・」

 

 

気が付くとそこは薄暗い生活感がまるでない自室だった。あるのは必要最低限の家具と机に並べられたレーションや缶詰しかなく、まるで独房のようなもの寂しさがある。そして今のが夢であると気づき、昔に教えられた言葉の意味をいまだ理解できず医いるなと思いながらももう少しだけ眠ろうとする

 

 

???「あら? 可愛らしい寝言ですね」

 

エンタープライズ「っ!」

 

 

自室に見知らぬ声を聴いた瞬間、戦士として身についた聞き察知能力によって眠気がふと牙されると即座に起き上がる。同時に謎の人物によって締めていたカーテンが開かれて日光が部屋全体を照らして、思わず光に慣れていない視界を庇いながらその人物を確認する

 

 

ベルファスト「おはようございます。 ゆっくりとお休みになられましたか?」

 

エンタープライズ「あなたは・・・」

 

 

その長い銀髪と優雅なたたずまいで自分を訪ねてくるメイド姿の彼女を見て、先の戦いで自分たちを助けてくれたロイヤルのKANSENだと思い出す。そして名を思い出す前にメイド・・・ベルファストがスカートをつまんで軽く持ち上げて名乗りだす

 

 

ベルファスト「メイドのベルファストでございます」

 

 

そしてベルファストはエンタープライズに向けて優しく微笑んだ

 

 

その後すぐに身支度を整えると、助けてもらったことに礼を言っていつものレーションを持って自室を出る。すると前の戦闘の事を気遣ってベルファストが提言する

 

 

「安静にしておられた方がよろしいのでは?」

 

「この程度の傷は戦場の常だ。」

 

「危ないところだったのですよ。」

 

 

しかしエンタープライズはこの程度問題ないと拒否するが、ベルファストの言う通り命の危機であったことも事実だ

 

 

「そうだな。 貴艦に感謝する。」

 

 

だがその言葉も簡潔な礼で終わらせると、ベルファストは若干むくれる。そしてそのまま寮から外へと出るため扉の持ち手に手をかける

 

 

ベルファスト「朝食のお時間ですが?」

 

エンタープライズ「これで十分だ」

 

 

そこにベルファストに朝食を奨められる。実際にもうすでに食堂では朝食のためにKANSEN達がたむろしている時間帯だが、彼女は携帯したレーションを見せて外へと出ていく

 

 

ベルファスト「・・・はぁ・・・」

 

 

それを見送るとベルファストは彼女に気が付かないほど小さく、先が思いやれると溜息を吐くのだった

 

 

エンタープライズside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャベリンside

 

その頃食堂では多くのKANSEN達が料理を楽しむ中、ジャベリンとラフィーも食事をとっていた。ちなみにラフィーはハンバーガーでジャベリンはサンドイッチをほおばっている・・・・余談だがこの時サラトガが他の子達の料理に余計なひと手間を加えて阿鼻叫喚を作っていた

 

 

するとハンバーガーを美味しそうに食べていたラフィーだが、先ほどからジャベリンがほとんど食が進んでいない事に気づく

 

 

ラフィー「ジャベリン、食べないの?」

 

ジャベリン「えっ・・・あ、ごめんなさい。 ちょっと考え事してて」

 

 

ジャベリンは食事を再開しながら先の戦いでのラフィーの行動を思い出す。ラフィーは敵としての綾波とZ23に全く恐れずまるで近しい友人のように接していた。その点では自分は二度であって何もできなかったうえに、いまだ心の中でもやもやとした思いと綾波たちに対する答えが出てこないことに気落ちしている

 

 

「ずいぶんと落ち込んでるな。 食事の時は暗いと味なんてレーションの様に不味くなるぞ?」

 

 

すると後ろから最近聞きなれた声が聞こえて後ろを振り向くと、そこにはあちこち訪台や応急処置が施された指揮官のシンジがスクランブルエッグとウィンナーとパンという言わゆるユニオンらしい定食を持って立っていた。シンジは二人の前に空いた席に着くと挨拶を交わす

 

 

シンジ「おはようジャベリン、それにラフィーも」

 

ジャベリン「お、おはようございます指揮官」

 

ラフィー「ん・・・おはよう指揮官」

 

 

シンジは軽く挨拶を交わすとジャベリンもシンジの当然の登場に遅れながらも挨拶を返して、ラフィーも挨拶を返す

 

 

ラフィー「そういえば指揮官・・・怪我は大丈夫・・?」

 

ジャベリン「そうですよ! 怪我は大丈夫なんですか?」

 

シンジ「ああ、さすがに医師にはかなりどやされてしばらくは戦闘は厳禁とくぎを刺された。けど日常生活や執務には問題はないよ」

 

 

ラフィーがシンジの大けがの具合を思い出したことでジャベリンもその事を思い出して二人で問い詰めると、シンジは苦笑いして医師にきつく言われた時のことを思い出しながら戦闘も無理だがもう動けるほど回復したことを二人に伝えると二人はほっとしたように胸をなでおろした。するとシンジはジャベリンに向き直り話を持ち掛ける

 

 

シンジ「ジャベリン、やっぱり綾波たちの事で悩んでいるな?」

 

ジャベリン「え、えっと・・・はい。 いったいどうすればいいかわからくて・・・あの時黒い怪物に食べられそうだった綾波ちゃん達をみたらいつの間にか体が動いてましたけど・・・・」

 

ラフィー「うん・・・ラフィーも同じ」

 

 

シンジの問いにジャベリンは肯定する。あの時黒い怪物・・・ムートーの襲来時、捕食されようとした綾波たちを見た瞬間に理屈や感情など関係なく気づけば体が動いて助けていたと吐露する。ラフィーもジャベリンと同じらしく同意する

 

 

シンジ「なるほどな・・・なぁジャベリン。今でも綾波たちを敵と思ってるか? ちなみに指揮官がどうとか話だぞ」

 

ジャベリン「・・・敵じゃないです。 敵だと思いたくないです・・・」

 

シンジ「そうか・・・ならその気持ちを大事にするんだ。 そうすれば答えは必ず見つかるさ」

 

 

シンジの問いにジャベリンは悩んだ結果の答えを返す。シンジはそんな彼女の応えになった臆すると彼女の思いを激励する。そしていつの間にか完食していた朝食をもってシンジは立ち去ろうとするが最後にシンジはジャベリンにある事を伝える

 

 

シンジ「ジャベリン、最後に言わせてくれ。良く人が人助けるのに理由なんてないというが、あれは嘘だと思うんだ。 敵だろうと関係ない人だろうと助けたいから助けたいと・・・救いたいから救うと必ず理由があり、 俺だって守りたいと思うからここにいるKANSENや兵士たちに市民を守るんだ。問題はどうして助けたいと思ったのか、ジャベリン・・・君がなぜ綾波たちと戦いたくないのか・・・どうして敵と思いたくないのか・・・それがわかれば君の答えはすぐにわかるさ」

 

 

シンジは自身の自論を伝えるとその場を去っていく。彼にとって親しい者が重桜にたくさんいる身として彼女の気持ちは大変理解できるからこその言葉だがジャベリンはその言葉を聞いてだいぶ楽になると、まだ答えは出ないけど改めて自身の思いを大切にしてゆっくりでもいいから自分なりの答えを出そうと決心する。そして決心と比例してか先ほどとは違って元気に朝食をラフィーとともに完食した

 

 

 

 

 

ちなみにサラトガの方では己のいたずらにかなり注意されて絞られているのは別の話

 

ジャベリンside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホーネットside

 

~同時刻・軍港付近~

 

同時刻において港でホーネットとハムマンが新しく着任したKANSENを出迎えていた

 

 

ふわふわな銀髪ロングヘアにナースキャップを被り、修道服に似た服と短いスカートとはニーソックスにガーターベルトであるという服装をしている背丈は低いが豊満な体つきでどこか母性を感じる少女・・・『ユニオン所属・工作艦・ヴェスタル』。ホーネットはヴェスタルに近づくと再会を祝すかのように背中をポンポンと叩きながら抱き着いた

 

 

ホーネット「ようやく工作艦が到着だよ~、助かったぁ!」

 

ヴェスタル「遅れてごめんなさいね?」

 

 

ホーネットのハグにヴェスタルは若干苦しそうだが、久しぶりに会えた友人にあえた喜びの方が勝り笑顔で彼女の感謝を受けとって戦いにおく手は事に謝罪した。すると後ろでどこかモゾモゾしいハムマンが口を開く

 

 

ハムマン「・・・ヨークタウン姉さんは元気?」

 

ヴェスタル「・・・・・」

 

 

艦であったころからの付き合いが長く姉として慕うハムマンはヨークタウンの容態を聞くと、ヴェスタルは沈んだ顔で無言になる。その事からホーネット達はある程度察した

 

 

ホーネット「まぁ、相変わらずってとこかな・・・?」

 

ハムマン「ハムマン「・・・そう・・・」

 

 

姉として慕う人の状態を聞いてハムマンは沈んだ気持ちとなる。するとホーネットは彼女の後ろに回り込むと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホーネット「フン!」

 

 

 

『バサァッ!!」

 

 

 

ハムマン「きゃああああぁあぁっ!?」

 

 

おもいっきりハムマンのスカートを捲りその純白の下着があらわとなる。自分の状態を理解するとハムマンは顔を真っ赤にすると同時にスカートを下ろしながら後退すると下手人であるホーネットに吠える

 

 

ハムマン「なっ何をするのだーっ!!」

 

ホーネット「私の姉ちゃんだぜ? 心配すんなって!」

 

 

ホーネットはいたずらが成功した子供のようにと笑みを浮かべながらそう言う。頬を膨らませるハムマンとヴェスタルはこれがホーネットなりの励ましだと長い付き合いから知っているため、その気持ちを受け取ってようやく二人は沈んだ気持ちから笑みを浮かべた。するとヴェスタルがある人物について一言尋ねる

 

 

ヴェスタル「それで、エンタープライズちゃんはどうしてます?」

 

 

ヴェスタルの言葉で場の空気が止まり、ホーネットもさすがに苦笑いしかできないのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

それからホーネット達はヴェスタルと共に半壊どころか沈没寸前のエンタープライズの艦とご本人のまえに連れていくと・・・・

 

 

ヴェスタル「・・・フゥ―――ッ!」

 

エンタープライズ(・・・まずいな)

 

 

ヴェスタルは怒りが強すぎるのか吸って吐いてを繰り返して感情を沈めている。ホーネットはもちろんエンタープライズでさえ何か今言えば雷が落ちるがごとく説教の嵐が飛んでくるとわかり黙るしかできなかった。するとある程度落ち着いたのかヴェスタルは見事に壊れた艦と大弓を交互に見てからエンタープライズに言葉を投げる

 

 

ヴェスタル「ずいぶんと無茶をしましたね! エンタープライズちゃん!」

 

エンタープライズ「・・・やむ得ない事態だった。」

 

ヴェスタル「自分を大切にしなさいといつも言ってますよね!」

 

 

百歩譲って激戦だったとしてもエンタープライズの傷は限度を超えており、それを見て今回こそ沈んでもおかしくなかったと瞬時に見抜いたヴェスタルは心配するからこその説教をエンタープライズに掛けている

 

 

エンタープライズ「私たちは戦うための存在だ。 自分を大切にする理由はない」

 

 

しかしエンタープライズはそれでもその言葉を受け入れることはなかった。 そして聞く耳を持たないかのように彼女たちに背を向けてその場を去ろうとするが・・・

 

 

ヴェスタル「もし何かあってエンタープライズちゃんがいなくなったら、私たちもヨークタウンもこの母港にいるみなさんも悲しみますよ!」

 

エンタープライズ「・・・」

 

 

その言葉を聞いてエンタープライズは一瞬歩を止めたが、少しして歩をまた進めてその場を去ってしまう。そんな彼女を見ながらヴェスタルは頬を膨らませるのだった

 

 

ヴェスタル「もう! 世話の焼ける子!!」

 

ホーネット(姉ちゃん・・・)

 

 

ヴェスタルがそういう中、ホーネットは姉の背中を見ながらふと思う。昔は少なくともあれほどひどくはなかったがヨークタウン姉さんが倒れてからがまさに人格が変わったと言っても過言ではないほど自分を追い込んでいった。そんな姉たちを見てもっと自分がやれていたら何か変わったのかと思ってしまうばかりだった

 

ホーネットsaid out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジside

 

エンタープライズが説教を受けているその頃、シンジはジャベリン達と別れた後ウェールズとイラストリアスに合流して女王陛下・・・もといクイーン・エリザベスのために用意されたロイヤル庭園で女王陛下たちとお茶会をしながら話を始める。まず一つ目の話はエンタープライズについての問題だった。その場にいたシンジ、ウェールズ、イラストリアスもその実力は疑いの様の無い物だとわかってはいたがその行動はあまりにも軽率で危険・・・故に自分たちが支える必要があるとしてクイーン・エリザベスに掛け合った

 

 

クイーン・エリザベス 以降 Q・エリザベス「話は分かったわけど・・・う~ん///・・・・八ッ!」

 

 

シンジ達の要件を聞いて申したいことを察すると同時に菓子を口に入れて美味な味から女王の顔から体形相応の幼女のように頬が緩む。そんなところをシンジ達だけでなくその場にいた地震と一緒にやってきたフッドにウォースパイトにユニコーンが見ていることに気づきすぐに表情を立て直して問い直す

 

 

Q・エリザベス「けれど下僕・・・・それって、ユニオンの問題ではなくて? 私達が口を挟む事ではないでしょう?」

 

ウェールズ「それは・・・」

 

 

ユニオンの問題ならユニオン内で片付ける・・・クイーン・エリザベスの言う事は筋が通ている。ウェールズはどうにか提言しようとするがうまく何を言えばいいのか言葉を詰まらせる

 

 

ユニコーン「でもエンタープライズさん、ユニコーンの事助けてくれたよ

 

 

するとそこにユニコーンがエンタープライズに助けられたことを話す。シンジとイラストリアスは彼女のそんな言葉を聞いて笑みを浮かべると続くようにクイーン・エリザベスに向き直る

 

 

シンジ「陛下。 エンタープライズはユニオンのエースであり今やその象徴とも言える人物です。 故に彼女の存在はユニオンのKANSEN達の士気や戦力面にも彼女をこのままにしておくのはこちらとしては勿体無い上にエンタープライズ自身のためにもなると考えています」

 

 

イラストリアス「私も指揮官と同じ意見ですわ。『セイレーン』に新たな陣営『レッドアクシズ』だけでなく全く未知の存在『怪獣』が現れた今、彼女の力はきっとこれからの戦いで必要になります。 ここで終わって言い方ではありません」

 

フッド「お二人は彼女を買っているのですね、理由を聞いても?」

 

 

理由を言いながら言い切る二人にフッドがそこまでエンタープライズを買う理由は何かと聞くと、シンジはフッと笑みを浮かべた発言する

 

 

シンジ「彼女の戦士の輝きは相当だったからさ。 それに今はロイヤルやユニオンとか関係なく彼女は俺たち『アズールレーン』の仲間、不愛想で危なっかしくとも真っ向から受け入れて背中は守ってやらないと指揮官は務まらないさ」

 

イラストリアス「聖なる光の導きですわ♪」

 

 

シンジのいう戦士の輝きと言うのは彼女の戦いぶりを見ていたウェールズも同じ考えで共感し、指揮官らしい彼の言葉に皆は彼らしいと納得する。しかし次のイラストリアスの満面の笑みで答えた言葉に一同の空間がまさに一時停止してしまい雰囲気があっという間に崩れたのだった

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

ウォースパイト「・・・・貴女はいっつもソレねぇ」

 

フッド「けれど、彼女の勘はこれでなかなか侮れませんわ。 そう思わなくて?」

 

ウォースパイト「むぅ・・・」

 

 

ウォースパイトが沈黙を破ってため息をつくも、フッドの言葉通りイラストリアスの勘は侮ることはできないほど鋭いのも事実だった。そこに畳みかけるようにウェールズも言葉を発する

 

 

ウェールズ「二人の言う通り『セイレーン』に『レッドアクシズ』だけでなく『怪獣』の問題もある以上、エンタープライズは戦力的にもこの基地の主力であり要となる艦です。 彼女の抱える問題は見過ごすわけにはいきません」

 

 

3人がエリザベスに僅かに頭を下げるとクイーン・エリザベスは少しの間考え込むと、自身の右腕とも言えるウォースパイトに目を向けた

 

 

Q・エリザベス「ウォースパイト。貴女はどう思う?」

 

ウォースパイト「私は陛下の判断を信じます」

 

 

ウォースパイトはそう答えるとK・エリザベスは再び思考すると不敵な笑みを浮かべて3人に向き直る宣言する

 

 

Q・エリザベス「そこまで言うなら見定めてあげるわ! エンタープライズ、彼女がどんな艦なのかをね!」

 

 

エリザベスの答えにシンジたちは互いに顔を合わせて笑みを浮かべる。そしてK・エリザベスは自身の後ろに控えていた『ロイヤルメイド隊』のメイド長ベルファストに声をかける

 

 

Q・エリザベス「ベル!」

 

ベルファスト「畏まりました陛下」

 

 

ベルファストはK・エリザベスに綺麗にお辞儀をするとその場を後にする。シンジも彼女ならエンタープライズを見定める人として最適だと判断する。ベルファストがその場を去るのを確認するとクイーン・エリザベスはシンジに声をかける

 

 

Q・エリザベス「さて下僕。この間の頼みも含んでこれは貸しよ♪ いいわね?」

 

 

シンジ「分かっています」

 

 

K・エリザベスは前の救援と今回のエンタープライズの件で大きな貸しであると信じに改めて伝える。シンジは返事をするもいったい何で借りを返す事をさせられるのだろうと内心げんなりしていた。余談だが前は大量の荷物持ちや多くの買い物、果てはロイヤルの輸入をよりしやすくする様にさせられた

 

 

Q・エリザベス「なら良いわ。 それで『怪獣』についてだけど、あれを知っているみたいなサラトガはどこかしら?」

 

シンジ「ああ、それについては先程順序が変更することになったのです」

 

Q・エリザベス「? それはどういうことなの?」

 

シンジ「実は・・・」

 

 

シンジはなぜ怪獣を知るサラトガがここにはおらず、順序が違ってしまったのかを説明する

 

 

実はシンジがジャベリン達と別れた直後、自身のスマホから連絡が入った。確認すると連絡先はモナークでありすぐさま応答するとそれはモナーク・・・正確にはモナークユニオン支部からの者であり、その内容は怪獣の出現を知ったモナークは表舞台へと出ることを決定したという事とその先駆けとして怪獣に詳しいモナークの重要人物をこの母港に送っているという知らせだった。故にシンジはかじっている程度の知識と不確かなサラトガの手がかりよりも長年怪獣を研究してきた組織の重要人物の方が信憑性も高く実際整備員などの戦場に出なかったことで怪獣をその目で見なかった人員も信じるだろうという考えに行きつき本格な説明はその人物が来てからの方が良いと判断したのだ

 

 

しかしそうはいってもロイヤルの王族であるK・エリザベスに対して何も報告できないというのは失礼な事・・・故に自分が知り得る限りのことを報告した

 

 

1つ・・・・彼らは人類誕生前からこの星に存在していた巨大生物であること

 

 

2つ・・・・その怪獣たちを第2次世界大戦前よりも研究してきた組織がモナークであること

 

 

3つ・・・・今回現れた黒い翼を持つ怪獣は重桜で管理していたが、目覚めてしまい自身の両親の仇である『ムートー』であること

 

 

4つ・・・・怪獣たちの中で格上であり生態系の頂点に立っているのがムートーとともに現れた『ゴジラ』であること

 

 

5つ・・・・現在モナークは表舞台から出ることを決定し、その先駆けとしてこの基地に組織の人間が怪獣の説明で派遣されていること

 

 

全部で5つの事をその場にいた面々に伝え終わるとその反応は差異はあった物の、ほとんどが驚愕と困惑の表情で締められた。しばらく誰もが沈黙を貫くがクイーン・エリザベスがその沈黙を破る

 

 

Q・エリザベス「・・・事情は分かったわ。 けれど下僕、あなたの仇を討ちたいという気持ちはわかるけれどそれであなたも傷つき死に急ぐ事はあなたを愛した両親と信じてくれる部下たちの侮辱だと理解なさい。 決して早まった行為はするんじゃないわよ?」

 

シンジ「・・・肝に銘じておきます」

 

 

クイーン・エリザベスの忠告を聞いてシンジは頭を下げて聞き入れる。確かに敵討ちで忘れていたが、父との約束である家族を守る事を放棄していた。さらにまるでついてくるように赤城たちを置いて両親の後を追うことになればそれこそ両親に顔抜きはできないだろう

 

 

ウォースパイト「それにしても私たちが艦であった時代からそんな組織が存在していたばかりか、大昔から怪獣の存在があったなんてね」

 

フッド「ええ、まるで映画や小説の中の出来事の様です」

 

 

ウォースパイトとフッドもまさか昔から自分たちの知らないところで彼ら怪獣が存在し、それを研究する器官があるとはまさにSFとしか思えない事態にため息をつくばかりだった。するとクイーン・エリザベスは話題を変えるように別件を持ち出す

 

 

Q・エリザベス「まぁ、それなら怪獣の件はその組織の関係者が到着した時に持ち越すわ。 それはそうとして私たちと同時刻に本国から新しい増援が到着したわ。 シンジ、イラストリアス、あなた達と親しい者達もいるわ」

 

 

シンジ「俺たちと親しい者達ですか?」

 

Q・エリザベス「ええ、もう入ってきていいわよあなた達!」

 

 

自分たちに親しい者と聞いて首をかしげると、クイーンエリザベスの一声で庭園の出入り口である扉から数人のKANSENと年若い青年に率いられた人間の兵士達が入ってきた

 

 

黒と白のゴスロリなリボンでツーサイドアップに纏めても地面についてしまうほどの長い銀髪、黒基調のゴシック風のドレスと大きな胸に挟まれて隠れてしまったお洒落ななゴシックネクタイ、イラストリアスと同等に強烈で大きい胸を持つダイナマイトな体形、イラストリアスの妹で三女に当たりそのお嬢様とわかる『ロイヤル所属:イラストリアス級航空母艦3番艦:フォーミダブル』

 

 

黄金の月桂冠を被った豪奢で長い金髪、金の飾りが施された前が大胆に開いた純白のシースルーのドレス、彼女も姉であるイラストリアス譲りの豊満さがあふれ出る体形、彼女もイラストリアスの妹で次女に当たり右手に持った杖と追わせて全体的な雰囲気がギリシャ神話に出てくる女神のようである『ロイヤル所属:イラストリアス級航空母艦2番艦:ヴィクトリアス』

 

 

白黒のレースのカチューシャで纏めた銀髪のボブヘアー、首にはベルファストと同様の鎖が付いた首飾り、纏っているのは白系に黒のアクセント入りのモノトーンである胸元が多きく露になっているエプロンドレス、メイド長ベルファストに引けを取らない豊かな胸を持つ体形、彼女は携える長剣も相まってメイドでありながら騎士を彷彿とさせる『ロイヤル所属:ダイドー級第2グループ:シリアス』

 

 

白黒のレースのカチューシャで求めた青みがかった銀髪の長髪、両腕の手首には枷のようなアクセサリー、纏っているのは白系に黒のアクセントが入ったモノトーンである胸の下部分が小さく露になっているエプロンドレス、シリアスと同等の大きさを誇る胸を持つ体形、シリアスと同様に背中に携える長剣も相まって彼女もメイドでありながら騎士を思わせる『ロイヤル所属:ダイドー級第1グループ:ダイドー』

 

 

黒いリボンでまとめた腰まで伸びている手先が若干ロールしている金髪のツインテール、纏っている服は胸元が大胆に開いた黒を基調として白と金が入りじまった超ミニのワンピースにそれを覆い隠すほど大きな赤い軍服、太ももも隠すほど長く黄色の刺繍が入った赤いハイブーツ、気が強く居丈高であるゆえに全体的に気高い女軍人を思わせる『ロイヤル所属:ネルソン級戦艦1番艦:ネルソン』

 

 

薄紫を帯びた一部三折りされた銀色の長髪、纏っているのは上から色が青と白で腋や肩や二の腕が大きく露出した海軍服と下は胸元が大きく露出した黄金のラインが入った白のトップスと同じく黄金のラインが入った白いプリーツスカート、ロングブーツを履いている。姉であるネルソンとは正反対で軍人とは思えない優しくおっとりとした雰囲気を持つ『ロイヤル所属:ネルソン級戦艦2番艦:ロドニー』

 

 

そして彼女たちの横に並ぶのは『ロイヤル』の有人部隊で誰もかれもが屈強で精錬されたへしたちである。そしてそんな彼らの隊長を務めるのは彼らの前に立つ中性的な顔立ちをした茶髪の年若い青年・・・『ノア・トレスラァモ』。

 

 

しかし彼はただの兵士ではなく、エスパー・・・いわゆる超能力者である。幼少の時に能力に目覚めて以来能力のコントロールを可能にしながら、戦争に巻き込まれて両親を失った悲しみからもう誰にもこんな思いをしてほしくないと軍へと入隊する。そして超能力で第六感的に人間では感知することが出来ない波長や精神感応を感知、障害物越しから相手を確認する透視能力、物体を自在に操るテレキネシスを用いて味方や敵の思考を読み取って誰を狙ってどこに攻めようとしているのかを見抜き、的確にサポートするという数々の戦績を上げてきた

 

 

シンジとは大戦時にともに背中を預けあった戦友と言う関係で、ノアもシンジの善い心の持ち主だとわかったことから親しくなり、遠く離れた後もよくプライベートで連絡しあっては相談を気兼ねにしあっていた。するとイラストリアスは最愛の妹たちを見るや否や笑顔でヴィクトリアスとフォーミダブルに駆け寄った

 

 

イラストリアス「ヴィクトリアスにフォーミダブル! まさかあなた達が来るなんて、私とっても嬉しいですわ!」

 

ヴィクトリアス「久しぶりね姉さん、私も姉さんと過ごせるなんて嬉しいわ! 私がいればこの戦いもうまくいくはずよ」

 

フォーミダブル「ヴィクトリアス姉さん、陛下の前なのだからもう少しお静かに。 久しぶりですわねイラストリアス姉さん、後で再会を記念して後で3人だけのお茶でもいかがかしら?」

 

 

久しぶりの姉妹同士の再会にイラストリアスたちは話に花を咲かせて楽しく談笑を始める。そこにユニコーンも加わりさらに話が盛り上がっていった・・・・こうして4人そろってある育った部分をみると本当にしまいだなと思ってしまった有人部隊は少ない無いのは余談である。そして同時にシンジもまた久しく会えなかった友と再会できたことに喜んでいた

 

 

シンジ「ノアじゃないか! 久しぶりだな、しばらく会わないうちに隊長になったんだな」

 

ノア「こっちこそ久しぶりだねシンジ。 うん、階級が最近上がったと同時に隊長に任命されたんだ」

 

 

互いに久しぶりの再会に笑顔を浮かべ、互いにまた戦えることを祝う。しかし互いの昇級を祝い終わるとノアは表情を暗くしてある件についてシンジに聞く

 

 

ノア「そういえばシンジ・・・ジョーさんの事は聞いたよ。 ・・・残念だったね本当に・・・」

 

シンジ「・・・ああ」

 

 

ノアもジョーに世話になった一人、ジョーの死を聞いた時はノアも大きく心に影を落とした。しかしノアはシンジの心を覗き込まずとも、誰よりも悲しく怒りに燃えているのを察していた。そしてシンジの肩にきずかうように手を置いて言葉を送る

 

 

ノア「シンジ・・・君が抱えてる気持ちはわかるよ。 僕たちを巻き込みたくないってこともね、でも君を親友として何もしないで無茶はさせたくない。 だから抱え込まず僕たちを頼ってよ? 僕らは仲間なんだからさ」

 

 

ノアはシンジに仲間だからこそ自身の問題に巻き込みたくないと信じの気持ちはうれしく思う。しかしただ一人で復讐と言ういばらの道に行かせる喉親友として看過できるわけがない。友でもあるのだから・・・互いにその業を背負ってやるのが真の仲間だとノアは思い、手を差し伸べた。シンジもノアの言葉を切っ掛けに涙を一筋流す

 

 

シンジ「ッ!・・・ああ、すまないな。 この戦いを早く終わらせるために、仇を討つために力を貸してくれ」

 

ノア「もちろんだよ」

 

 

良き友を持ったことに感銘を受けると同時に感謝するシンジの言葉をノアは当然のように受け入れて力強く握手を交わした。男同士の誓いを立てるように・・・するとクイーン・エリザベスがノアに声をかける

 

 

Q・エリザベス「そろそろいいかしら? 久しぶりねノア、遠路はるばるよく来てくれたわ!」

 

ノア「陛下のご命令ならすぐに駆け付けます」

 

Q・エリザベス「良い心掛けよ。 そちらもよく来てくれたわねシリアス、ダイドー、ネルソン、ロドニー?」

 

 

クイーン・エリザベスはノアの功績とロイヤルでの鉱石から下僕ではなく本名で呼ぶほど信頼している。だからと言ってシンジよりも親しいというわけや依怙贔屓しているわけは無い。クイーンエリザベスはノアに本国から遠い基地まで来たことにねぎらいをかけるも当然のことであるとノアは言い、その心掛けに感服するとシリアスたちにも労いをかける

 

 

シリアス「ご機嫌麗しゅうございます陛下。もったいなきお言葉です」

 

ダイドー「ロイヤルメイドとして当然のことです」

 

ネルソン「命令とあれば即座に駆け付けるのは当然です」

 

ロドニー「お褒めに頂き光栄です」

 

 

しかし四人は当然のことだと労いの言葉を受け取るも、陛下の言葉ならこれくらいの事当然だと言い切る。これだけでクイーン・エリザベスがどれからの忠誠をささげられている指導者か一目でわかるだろう。するとシリアスがクイーン・エリザベスのカップの中身が無くなっていることに気づき、ティーポッドを手に取るとカップに注ぎ込むと陛下に合わせて砂糖を一さじ加える。その様はベルファスト同様にメイドと言って差し支えない姿だった。クイーン・エリザベスはその紅茶を一口おいしそうに口に含ませたが・・・・

 

 

Q・エリザベス「ブウウウウゥゥゥゥゥッ!?」

 

シリアス「陛下!?」

 

 

次の瞬間クイーン・エリザベスは紅茶をすべて噴出した。シリアスは即座にクイーン・エリザベスに駈け寄るとクイーンエリザベスは涙目で睨みながらシリアスに怒号を飛ばした

 

 

Q・エリザベス「シリアス! またあなた砂糖と塩を入れ間違えたわね、海水と同じくらいしょっぱいわよ!」

 

シリアス「も、申し訳ございません! どうかこの卑しきメイドに罰を!」

 

 

実際シリアスが入れた物は砂糖ではなく、塩であったため甘い紅茶ではなく海水並みにしょっぱい紅茶になっていたのだ。それに対してシリアスは不甲斐ない自分に罰を要求し、それに応じてクイーン・エリザベスは彼女の大きな胸を思いっきり引っ叩いた。若干別の私怨が混じっているが・・・・・

 

 

ウォースパイト「シリアスのメイドとしての仕事ぶりは相変わらず残念ね」

 

フッド「フフッ、けれど前と比べてシリアスもメイドとして手腕も良くなっているのも事実ですわ」

 

 

ウォースパイトの言う通りシリアスは現在としては『ロイヤルメイド隊』の一員だが、以前はキングジョージ5世率いる『ロイヤル騎士隊』に所属していたが()()()()()でメイド隊へと鞍替えすという経歴を持つため、戦闘面ではとても頼りになる。しかしメイドとしては仕事をすれば必ず備品を破損させる、料理をすれば必ず一個は成功して2個は消し炭になる、仕事のサポートも逆に仕事を増やしてしまう等多々不甲斐ないところはあるが、フッドの言葉の通り()()()()()で最近では紅茶の入れ方や砂糖との間違いの頻度も少なくなり、掃除でも備品の破損も少なくなり、料理で失敗する頻度も確率で言うと5分の1になるほど少なくなっていると少しずつ成長はしている

 

 

ロドニー「これも愛の力ですねシリアス、ノアさん?」

 

ノア「ちょっ!? ロドニー、みんなの前でそれは言わないで!」

 

シンジ「まぁ、愛した人のためにうまくなりたいという気持ちはわかるけどな。なぁシリアス?」

 

シリアス「はい、指揮官様。 誇らしいご主人様(ノア)のためならシリアスはすべてを捧げます♪」

 

ノア「あぅ・・・///」

 

 

ロドニーとシリアス、さらにはシリアス自身にもおちょくりを食らわれノアは顔を真っ赤にして俯いた。ここまですればわかるだろうが、ノアとシリアスは恋人の関係である。シリアスが『ロイヤルメイド隊』に鞍替えしたこととメイドの仕事が上達したのも理由は自身の主と認めたノアである。昔話になるがシリアスとノアは同期であり、建造直後からの付き合いで会う機会が多くかった。戦場で新兵時代の彼の超能力を使った活躍や衛兵兵としての【誰も死なせず生きて帰らせる】という奉仕の姿勢に感銘を受けて、人としても兵士としても誇らしく思った彼を支えたいとメイド隊へと編集を希望し、以来なれないメイドとしての業務を何とかこなしつつ彼とともに戦い続けてきた。彼も初期は生真面目で包容力がある上に戦闘では頼りになる彼女を良き友人として思っていたが、彼女がメイドになって自身に仕え始めてからは彼女のなれないメイドの仕事で失敗しても目を背けず努力し続ける姿や不手際が多くても【奉仕には自身がある】と言い切るゆるぎない献身的な姿勢からだんだんと好意を抱えるようになり、様々なことを経てノアから告白して晴れて主従はあれど恋人と言う関係になっている。最近は彼はシリアスから剣術など戦闘技術を学ぶ半面、彼女に料理や掃除の仕方を教え、その結果作る料理や菓子がうまい彼から教わったことでメイドとしての手腕が上がったのだ。

 

 

そしてしばらくして陛下への広告を含めたお茶会はノアの羞恥顔で締められ、姉妹と話し終えたイラストリアスとウェールズと一緒に生きたいと懇願してくるユニコーンを連れていったんその場をシンジは後にするのだった

 

シンジside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンタープライズside

 

~母港の商店街~

 

 

シンジ達がお茶会を終えて数十分後、エンタープライズは母校に設置されている商店街を歩いていたと言うよりも襲撃の後であったため見回りをしていた。しばらく歩くと海沿いの場所に到着すると前方から見知った人物3人・・・ベルファストとユニコーンとシンジがたっており、ベルファストはエンタープライズを確認すると軽く一礼して口を開いた

 

 

ベルファスト「ユニコーンさんがあなたに御用があるという事でお向かいに参りました」

 

シンジ「ほら、ユニコーン。 エンタープライズが来てくれたぞ?」

 

ユニコーン「うぅ・・・」

 

エンタープライズ「・・・?」

 

 

シンジとベルファストの背に隠れながら自身を見つめて用があるというユニコーンに、エンタープライズはただ疑問を浮かべるしかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンタープライズ「何をやってるんだ、あの子達は?」

 

 

その後シンジ達に誘われ、車に乗って連れてこられた浜辺で困惑の言葉を呆然とつぶやいた。場所については話し合いについて申し分はない浜辺なので問題はないが、困惑したのは目の前のビーチで襲撃の後というにもかかわらずビーチバレーで遊ぶ水着姿のジャベリンとラフィーといった小さいKANSEN達、さらには黒いビキニを着用した自身の妹であるホーネットがビーチチェアーに寝そべってはハムマンはサラトガのファンである『グリッドレイ』に水着姿を取られた上に砂で胴体を埋められて遊ばれている。海では水着姿でサラトガと同じくアイドルであるサイドテールにまとめた赤い髪と体躯は小さくとも発育が良いKANSEN『サンディエゴ』が突如現れたサメに喰われそうになって、それを助けようとサンディエゴが艦載機を飛ばしてサメごと吹き飛ばされるなど皆々が好き勝手していた。そんな光景を前にして理解できないというように何も言えないでいるとベルファストが声をかけてきた

 

 

ベルファスト「息抜きも結構な事だと思いますが?」

 

エンタープライズ「襲撃の後だぞ」

 

シンジ「休息も兵士にとって重要な事だぞエンタープライズ」

 

 

襲撃の後だというのにこの体たらくはいけないというと、シンジはそれに待ったをかける。ユニコーンはシンジに遊んでもきていいと体をつついて聞くと、シンジは許可を出して彼女は浜辺へとゆーちゃんと共に向かった

 

 

シンジ「襲撃の後だからこそ警戒するのもわかるさ。 けど休める内に休むことでコンディションを整えるのも兵士の務めだ。 前の君のように戦場でミスを起こさないためにな」

 

エンタープライズ「・・・・・・・・」

 

 

シンジの長年の兵士としての経験からくる言い分に、エンタープライズは渋くする。そしてシンジは畳みかけるように先の戦闘の件について語りだす

 

 

シンジ「言い忘れていたけど、前の戦場での独断専行については結果的にホーネット達を救出できたから不問にする。 しかし次また命令違反をしたときは厳罰に処する・・・わかったな」

 

エンタープライズ「了解・・・」

 

 

先の戦闘による独断行動に命令違反・・・本来なら即座に厳罰だがシンジは結果的にホーネット達を救出して帰還してきたことを踏まえてチャンスを与えると伝え、エンタープライズは渋い顔のまま了承する。するとユニコーンが自分たちに向けて手を振っていることにベルファストが気付く

 

 

ベルファスト「呼ばれてますよ」

 

エンタープライズ「えっ・・・?」

 

 

ベルファストに声をかけられ、エンタープライズは呼ばれているのは自分だと指差して確認してユニコーンをチラッと見ると、確かに自身の事を見ていたことで困った顔をしながらユニコーンの元へと向かった。余談だがこの時シンジは浜辺を見渡せる離れた森が生い茂る崖付近でカメラの反射光を発見し、万が一に備え持ってきていた『バレットM82』をゴム弾に切り替えてその場所を射撃。そしてその場所でとあるロリコンならぬ駆逐艦コンが気絶して確保されたらしい・・・・

 

 

ユニコーン「ウフフ♪」

 

 

時間が経って夕暮れとなった浜辺で、ワンピースの裾を積個室マンで上げて波際でパチャパチャと音を立てながら跳ねて遊ぶユニコーン。そんな彼女をエンタープライズとシンジとゆーちゃんが見守っていた

 

 

エンタープライズ「・・・・・」

 

 

しばらく見守っていたエンタープライズだったが、そろそろ本題に入るべくユニコーンに声を掛けた

 

 

エンタープライズ「私に用があるのでは?」

 

ユニコーン「うん。 ・・・あのね、ちゃんとお礼を言いたかったの」

 

エンタープライズ「?」

 

 

エンタープライズは要件はお礼を言いたかったことであるとわかったが、彼女に対してお礼を言われることをした覚えが無いため首をかしげる。

 

 

ユニコーン「エンタープライズさん! 助けてくれてありがとう!」

 

エンタープライズ「あぁ、襲撃の時の話か」

 

ユニコーン「うん・・・!!」

 

 

ユニコーンの笑顔でのお礼から、エンタープライズは襲撃時に白面から彼女を救った時の事だと思い出す。ユニコーンも肯定と言わんばかりに何度もうなづくが、エンタープライズは砂を払いながら立ち上がって言葉を放つ

 

 

エンタープライズ「礼を言われる事ではない。当然の責務を果たしただけだ」

 

ユニコーン「でも・・・!」

 

シンジ「!・・ユニコーン、後ろを見てみなよ」

 

ユニコーン「え・・?」

 

 

当然のことだとエンタープライズはお礼は不要と言い、ユニコーンはそれでも感謝を送りたいため言い淀む。すると見守っていたシンジがあることに気づき、後ろの事象に対してユニコーンに伝えると彼女もそれに振り向く。そこには水平線の向こうに淀む夕焼けに染まったオレンジ色の海岸で、夕焼けの光が海面で反射してキラキラと輝いている神秘的な光景があった

 

 

ユニコーン「綺麗・・・・・エンタープライズさん。海が凄く綺麗だよ!」

 

エンタープライズ「・・・・・!」

 

 

ユニコーンははしゃぎながらエンタープライズに振り向くが、反対的に彼女の表情は悲しそうなものになって俯いていた

 

 

エンタープライズ「皆同じ事を言うんだな・・・・」

 

ユニコーン「えっ?」

 

 

突然の言葉に戸惑うユニコーンとはよそに、エンタープライズ何度も聞く言葉に対してどこか暗い意味を含めた思いを言葉にして発する

 

 

エンタープライズ「海が美しいなどと思えたことが無いんだ。 思い出すのは轟く砲声や硝煙の匂い、燃える炎の熱さ、水の冷たさ、そう言う物ばかりだ。海は戦場だ、それを美しいなんて・・・」

 

 

思いを言葉にすると同時に脳裏には()()()()()()()の光景が脳裏に現れる。戦場で揺らめく炎と硝煙、飛び交う砲弾の轟音と銃声、そして死にゆく者達の声、そして自身の肌にこびりつく血と海の感触、そればかりが自身の中の海を形成する者ばかりだった。故に誰もが海を美しいと言ってもエンタープライズは海を綺麗と思ったことはなかった。少なくとも姉が健在のころは少しだけ違っていただろうが・・・・夕焼けの海をみながらそう語ったエンタープライズにユニコーン少しだけ考えてたった一言を彼女に返した

 

 

ユニコーン「エンタープライズさんは・・・海が、怖いの?」

 

エンタープライズ「"怖い"・・・私が?」

 

シンジ「・・・・なるほどそうかもしれないな?」

 

エンタープライズ「指揮官・・・?」

 

 

ユニコーンの言葉に一瞬戸惑るとシンジが合点が言ったようにエンタープライズに話しかける

 

 

シンジ「長年戦場にいたせいで、人の目を見ればその奥に何をもっているの変わるようになってな。君の目には何かを恐れている恐怖だったことも・・・言わせてもらうが恐れている物から逃げて、海、世界、仲間、自分自身に向き合う事をしないのは永遠に前に進まない事と同じだぞ」

 

エンタープライズ「指揮官、あなたに私の何が・・・!」

 

 

シンジの経験からの言葉にエンタープライズは少しだけ怒りが混じる表情で何かを言おうとする。すると同じタイミングで離れていたところで遊んでいたジャベリン達がユニコーンに声を掛けた

 

 

シンジ「ユニコーン、俺たちのことは気にしないで行っておいで」

 

ユニコーン「う、うん!」

 

 

ジャベリン達に呼ばれていくべきか行かないべきか迷うユニコーンだったが、シンジとエンタープライズに勧められてゆーちゃんと共にジャベリン達の元へと向かった

 

 

シンジ「・・・俺にとって確かに海は戦場だ。 だけどそれだけが海の全てじゃない事も知っている」

 

 

ユニコーンがジャベリン達の元にたどり着いたことを確認すると、シンジはエンタープライズの隣に立ちながら海を懐かしむような眼をしながらそうつぶやく

 

 

シンジ「エンタープライズ・・・実はヴェスタルとホーネットから君の事はある程度聞いてる。姉の『ヨークタウン』の事も、その姉を海で重傷を負って立てなくなったこともな」

 

エンタープライズ「ッ!?」

 

 

シンジの言葉にエンタープライズは動揺を見せる。しかしシンジはそれを余所に話を続けていく

 

 

シンジ「仲間を失ってしまう戦場を恐れる気持ちはわかる。だが恐れているだけで逃げていたらその場所で逝ってしまった仲間たちに顔向けができなければ、前に出て自分が戦う理由も失ってしまう。それに俺にとって海は戦場だけじゃなく、仲間と一緒に馬鹿笑いした事や誓いを立てた場所、そしてその果てに夢見た思い出の場所でもあるんだ。だからなエンタープライズ・・・いつまでも()()()()()()()()()()()()()()()()()ばかりを見て恐れていては、いつまでたっても君は前に進むことはできない。 分かりやすく言うとな、『兵器』なんて簡単な言葉で大事な事から逃げるな。 それはあの大戦で倒れていった全ての者達の侮辱だ」

 

 

話しながらシンジの頭の中には海に思いをはせた仲間たちの事が思い出される。いつか海を旅したいと夢見た仲間、いつかセイレーンからこの海を奪還しようと誓い合った仲間、海でふざけあい笑いあった仲間、そんな者達と出会わせてくれたのは今戦う場所である海だった。そんな海を戦場と決めつけ、逃げることは仲間とその死を穢す行為であった。故にシンジは今のエンタープライズの在り方は『気に入らない』の一言に尽きる。シンジはそれだけ伝えると場えるもいるであろう車の者に戻っていく。エンタープライズはそんな彼の背中を見つめて何か言おうとするもすぐにうつむいてしまう。

 

 

エンタープライズ(私が・・・逃げている? いったい何から逃げているというんだ・・・・)

 

 

エンタープライズは心の中で自問自答するも答えは出ず、そんなどこか儚く壊れてしまいそうな彼女をベルファストが見守り、夕陽を反射させた海が慰めるように照らすのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数十分後~

 

その後しばらくして暗雲が立ち込め、突然の土砂降りに晒されシンジはジャベリン達と共に母校に設置された寮へと戻る。しかしエンタープライズはあれからその場を動かず、海を見つめながらその身を雨に濡らしていた。そんな彼女にベルファストは傘を広げて差し出した

 

 

ベルファスト「いつまでそうしているおつもりですか?」

 

 

そうして二人は浜辺を二人で傘を差しながら寮へと足を運びだす

 

 

エンタープライズ「指揮官達の事はいいのか?」

 

ベルファスト「ご主人様方なら心配はございません。 それにそのご主人様と陛下からあなた様のお付け目役を命じられたのです」

 

エンタープライズ「そうか・・・」

 

 

ベルファストの言葉にエンタープライズはなぜこうも彼女に鉢合わせる事が多く、見られているのかに合点がいった。そしてベルファストはまた口を開く

 

 

ベルファスト「陛下には、それとなく探りを入れるよう仰せつかっているのですが、お恥ずかしながら私そのような機微には疎いものでして・・・」

 

エンタープライズ「何が言いたい?」

 

 

本題に早く入れと急かすエンタープライズ。そんな彼女にベルファストは向き直り、要件を述べだす

 

 

ベルファスト「単刀直入にお伺いします。 いつまであのような戦い方を続けるおつもりですか?」

 

エンタープライズ「・・・・・」

 

 

ベルファストの言葉にエンタープライズは無言を貫くが、ベルファストは視線を合わせながら話を続ける

 

 

ベルファスト「あなた様は『戦いを疎んじている』ようお見受けします。 しかしその一方で、『自らの命を顧みることがない』・・・あなたの在り方は歪んでいる。 このままではあなた様は、いずれ『戦う意味』さえ見失ってしまうでしょう」

 

エンタープライズ「・・・」

 

 

ベルファストが指摘した己の歪みとその果ての末路に無言を貫くエンタープライズだったが、その体をわずかに震わせていた。まるで心の奥底にしまい込んだ恐怖が漏れ出したかのように・・・・

 

 

エンタープライズside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃遠く嵐によって荒れ狂う海で鉄でできた残骸がそこら中に散らばり、その中で巨大で長い"何か"が蠢きながら自身のテリトリーを荒らす者達を見下ろしていた

 

 

 

 

 

「ギュオオオオオオオオオオオオォォォォン!!」

 

 

 

 

そしてその何かは怒りをあらわにするかの如くその方向を嵐の中で轟かした

 

 




長くなりすぎたのでここで区切ります


次回は彼と彼の次に海を独壇場とする()()が登場します


もしかしたらこれが今年最後の投稿になるかもしれません

来年もぜひ暇つぶし程度にこの小説をごひいきに!

それでは良い年末を

また来年もよろしくお願いします

それではまた次回に

ciao♪

あとがきに残した設定を設定集としてまとめた方が良いですか

  • はい
  • 別にいい
  • 任せる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。