【メイクデビュー】負けウマ娘のスレ【失敗】 作:zaq2
7/8:中身をちょっと修正
スターティングゲート
そのスタート位置について、軽く目を瞑る。
最終ルーティンの続きで、静かに水底からソレを引き出す様に……
すると、周りの雑音が消え、周囲の状況がつぶさに理解できる状態に陥る。
この状態になるのは
が、意識をスタートへとゆり戻す。
ゲートが開く気配がした。
それに釣られる恰好になってはしまったが、顔を前へと向け、その先へと身体を揺り動かす。
そうして、先頭集団の一つとして、たち入り込む。
少しスピードを載せつつも、飛越するタイミングを合わせる歩調にしながら、だ。
障害の4100mは、並大抵ではないスタミナも必要となるが、それ以上に
《最初の障害を、ステップ!ジャンプ!》
各所に設置されている障害を飛越していかなければならず、ここ中山レース場では、さらに高低差4mの急激な坂道を下り、そして登らなければならない。
そんな長丁場となるレースでは、焦ってしまったモノが脱落する。
(先手を取られてしまいましたが、大丈夫、まだ始まったばかり。)
ここまでは想定の範囲内。
何度もシミュレーションをした内容の一つに過ぎない。
位置取りを修正し、インコースを取りつつコーナーを曲がる。
コーナーを出たところで、先頭を行く相手の外へとラインをクロスさせては、誰もいない場所へと身体を進ませる。
そうして、先ほどから
《ステイトオブジアト、主導権を……奪いました!》
眼前に広がるは、何者も存在しない
ようやくスタートラインに立てた気がした。
そう……ここから、スタートさせる。
《スタンド前、
《後続、水しぶきは?あがったが、大丈夫》
《その間にステイトオブジアト、リード四バ身、二つ目の障害をステップジャンプ!》
障害と思われた物が、自身の後ろへと過ぎ去っていく。
飛越も思い描いた通りにできている。
この感触、この肌で感じる感じ、
身体の隅々までが、自身の意思に一つも誤差無く、間違わずに動かせている感覚。
この白い世界にいる時の、自身の感覚が研ぎ澄まされた状況。
これならば、この、さらに先へと、もっとすすませる事だって出来る……
《10バ身以上はなれて、2番手は──────》
《先頭はステイトオブジアト、場内がどよめく大逃げで、後続を大きく突き放しています。》
徐々に、足音が遠ざかり、その音すらも耳に残らなくなる。
けれど、身体はさらに前へと身体を進ませてくれる。
視界に入る障害すらも、小さく見えてしまう。
歩数もおのずと合わせていける。
高低差のある登坂路すらも、軽々と登れてしまう。
周囲には誰もいない事は感覚で分かっている。
誰も来ていないこともわかっている。
(身体が思った以上に軽く感じる……)
大逃げと思われるかもしれない。
けれど、違う。
これは、彼女に対抗するために、私たちが作り上げた
そして、懐かしい感覚。
何もかもが白く、ただただ、己が進むべき道だけが記されている世界。
大地を駆けるは、自身の脚
聞こえる鼓動は、自身の鼓動
誰もいない、誰も来ない、誰も……
(
感覚が研ぎ澄まされていくのが分かる……このまま、このままいける!)
《四コーナー手前、五号生垣をステップ、ジャンプ!》
《二番手が詰めにかかる!あとは離れた!三番手以降は大きく後ろ!!四コーナーに向かいます》
《さぁ!先頭はステイトオブジアト!その後ろから追いすがるは現王者!》
不意に、今まで自分だけの世界だった中に、
自分以外の大地を蹴る音が……
何?と耳にざわめきが
誰?と胸がざわつく
だけど、気にする必要はない
この感覚のまま、この状況のまま
最後のコーナーをまわったのならば
あとは───進むだけ
《さぁ!前王者か!現王者か!》
《二つの王者の追い比べに代わる直線!》
視界の隅に入った大地に、
影が映った。
自分以外の影が。
自分しかいなかった世界に、自分以外の影が映された。
いったい誰?と疑念が浮かんだ。
《ステイトオブジアト三バ身リード!
だがあっというまに並びかける、─────────!!》
《ここで躱すか!残り150m!》
誰よりも先に、視線の先にゴール板を認識した時、
私の世界だったはずの空間に、
空色の
吹き荒れた───
・ ・ ・
ターフから控室へ向かう通路、気が付いた時、ここを歩いていた。
(なぜ、ここに?私は、ターフの上にいたはずなのに……)
ふと、何かにぶつかる。
ぶつかるまで気づかなかった。
いや、気づけなかった。
「アトゥ…」
声が聞こえた先には、トレーナーが優しく哀しい目をしてこちらを見つめていた。
それで、理解した。
理解してしまった。
涙が零れた。
「私は、わたしは何を間違ったのでしょうか……?」
「お前は、何も間違っちゃいなかった。
ああ、これっぽっちも、何も間違っちゃいない。
それだけは、オレが保証する。
最高の状況、最高のバ場、最上のコンディション、
綺麗にはまった策……、そして、今まで以上の最高の走り。
どれをとっても、何一つ間違った所なんてなかった。
その証拠にだ、知ってるか?アトゥ。
レコードタイムなんだぜ?4分36秒2。
25年以上も更新されなかった、
シンボリモントルーの4分37秒2を1秒も塗り替える、
とんでもなコースレコードを叩き出したんだ。
これは、とてもすごい事なんだぞ?
たった1秒というかもしれないが、
その1秒という数字をいきなり縮めるのは、とてつもない偉業なんだ。
だからアトゥ、お前は何一つ間違ってはいない。
間違っていたなんて、誰にも言わせない。
オレが言わせない。
「なら、なんで、何で届かないんですか!」
「……」
「ここまでして、何が足りなかったんですか!!」
「……」
「なにか、何か言ってください!」
「……相手が、悪かった」
「……えっ?」
「生まれた時代が、悪かった……」
「そんなの、そんなのって、もう、どうし「だが、それを覆す為に、トレーナーというのがいるんだ」……」
「今だけは泣いておけ。
こんなオレでも、胸ぐらいは貸す事はできる」
「……っ」
この日、私は、静かに泣いた。
生まれて初めて、心の底から湧き上がる感情のまま
落涙した。
何か質問とかあれば、答えれるものだけ答えていきます。
〇キタちゃんの有馬
そりゃもう、マツリだ!マツリダ!!と歌ってるでしょうねぇ~
というか、ウィニングライブが専用になってそう
〇書き方
気にされた方がおられたなら、申し訳ないです。
そういうのを、あんまり気にせず勢いだけで書いてたりするものなので
〇原作は
賢いですねー怒られるラインも知ってそう。
こちらは、賢さはジ(検閲)かもしれないが、直観力はエスエスクラスです。
野球でいえば、い〇ローではなく、ビッグボスのプレイ能力にしてます。
〇例の大障害(感想欄多数)
あのレースを知らない人は、絶対見るべきだと思います(力説
『見ればわかる』
ただ、この一言のみですから。本当に。
〇3着以降
障害レースを沸かせた方たちもいますからね
あと、前の閑話に出してたタイガくんもいたりしたりなんて