元の世界でありふれたマスターは異世界で家族をつくる   作:nightマンサー

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メモ帳に勢いで書いてたものを投稿。


第1話 転生

 

 

 

 

異世界転生。

日本におけるアニメや漫画のジャンルの1つであり、

死んで別世界に生まれ変わるという今や定番となっている"お約束"である。

最近では単純に人間ではありふれすぎているため、

昆虫やドラゴン、某粘液魔物に果ては武器なんて生物ですらないものまで様々だ。

 

なぜわざわざ異世界転生について長々と考えているかといえば、

所謂産まれてから今まで過ごしてきた17年の記憶とは別の記憶を有している転生者の様な状態であるからだ。

義務教育を受け高校大学と進み、大学卒業後は社会人となり仕事をこなしていたが、

ある日大きな地震による建物倒壊に巻き込まれ死んだ事までハッキリ覚えている。

ここまで聞くと定番すぎるのだが、俺の転生(?)した世界は俺がいた現代と殆ど違いがないのである。

つまりは魔法も無ければ科学が2次元並に発達している訳でもなかった。

そう、この世界では俺は転生というより前世の記憶を持った人間である方が的を得ているのだ。

まぁ幼い頃から社会人並の考えができるのだからこれはこれでチートではあるのだろう。

実際現在の人生においては前世とは違い、年相応の頭脳では解決が難しい問題が幾つかあったのでかなり有難かった。

 

そんなことを考えていると、一緒に通学している友達が大きな欠伸をした。

 

「ハジメ、また徹夜したのか?身体には気を付けろよ?」

 

「う、うん。ちょっと没頭しちゃって…

で、でもそれは終わったから暫くは大丈夫。心配してくれてありがと、慎夜」

 

この如何にも眠そうな顔をしているのが友達の南雲ハジメだ。

父がゲームクリエイター、母が漫画家という事もあり、生粋のヲタクである。

高校の同じクラス内でラノベを読んでいるのを見て声をかけたのがきっかけで友達になった。

この歳で両親の仕事の手伝いをしており将来を見据えている。

 

(それでも流石にもうちょい余裕持てないものかね…)

 

そう思いつつ俺とハジメは教室への扉を開き、中に入る。

 

「お、キモオタ達じゃん。遅刻ギリギリとかどうせエロゲでもしてたんだろ?」

 

入室早々に気持ち悪い言葉をかけられる。ヲタク趣味と言うだけで虐めてくるクズ共である。

まぁそいつら以外の大半の奴も俺は兎も角ハジメに対して嫌悪の視線を向けている。

確かに俺と違ってハジメは先に話した理由から授業態度が真面目とは言い難いがただそれだけだ。

それが何故ここまでなっているかと言うと……

 

「おはよう、南雲くん。今日もギリギリだね、もう少し早く来ようよ」

 

クズ共とは対照的にこちらに友好的な態度で接してきた彼女、白崎香織の存在である。

彼女はこの高校のマドンナ的立ち位置に属する。

そんな彼女が見た目平凡なハジメに対して異常なほど構うのだ。

他人から見たら白崎に構ってもらっているのに態度を改めないハジメに良い印象は持てないだろう。

ちなみに俺はハジメと一緒にいる事が多いだけで生活態度は悪くない。

 

「お、おはよう、白崎さん」

 

「うん。間桐くんもおはよう」

 

「おはよ」

 

挨拶も早々に自分の席に向かう。

後ろでハジメが俺に救援求むみたいな視線を向けているだろうが、どうせチャイムがすぐに鳴るだろうからと戦略的放置を選択。

その後白崎他3名の有名人と会話していたようだが、変わらず放置した。

 

 

 

 

 

 

午前の授業が終わり、昼休憩に入るとクラスメイトの2人が俺に近付いてくる。

 

「慎夜、一緒に飯どうだ?例のソシャゲの攻略法教えて欲しくてさ」

 

「兄さん、私も一緒にいいですか?」

 

「トシに恵里か、勿論いいぞ」

 

最初に声をかけてきたのは清水幸利。渾名はトシでハジメと同じヲタク仲間である。

もう1人は間桐恵里。俺の事を"兄さん"と呼んでいるが、実の妹ではない。

旧姓は中村恵里と言い、端的に言えば小さい頃に実の母親から虐待を受けて自殺しようとしていた恵里を俺が助けて両親に頼んで養子にしてもらったのだ。

ハジメ関係で問題は多々あるが、2度目となる人生を謳歌していた。

 

 

 

 

 

この時までは……

 

 

 

 

 

 

 

突如、教室の地面に魔法陣の様なものが広がった。

 

(まさか、これって……!?)

 

漠然と何かやばいと感じ行動しようとするが、既に魔法陣の輝きは最高潮に達しようとしていた。

 

「皆、教室から出て!」

 

未だ教室に残っていた先生が声を上げるが、あまりにも遅すぎた。

教室に光が満ちた数秒後、その教室には食べかけの弁当やペットボトルが残っているだけで、

人だけが忽然と姿を消していた。

 

 

 

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