元の世界でありふれたマスターは異世界で家族をつくる   作:nightマンサー

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ランキング載ってて滅茶苦茶嬉しいです。
読んで頂いてありがとうございます。


第11話 残念ウサギ

 

 

 

 

 

 

転移が完了し、目の前に広がったのは青空ーーーではなく岩に囲まれた洞窟だった。

 

「「なんでやねん」」

 

無意識にだした言葉がハジメと被った。

 

「我が夫、『水鏡』に慣れてしまったから多少仕方ない部分もありますが、設置型の魔法陣なら隠蔽は当然ですよ」

 

モルガンに言われて確かにと思い直す。

確かにあの200層にもなるオルクス大迷宮を全てショートカットしてあの屋敷に行ける魔法陣なのだから隠蔽していて当然と言える。

 

「それじゃ、サクッと進んで外に出るか」

 

ハジメの言葉に頷いて俺達は洞窟を進む。

途中魔術で封印された扉や罠があったが、ハジメがオスカーの遺体から頂戴した指輪が反応して尽く解除されスムーズに進むことが出来た。

 

そうして暫く進んだところで光が差し込み、俺達は地上に出た。

 

「外だぁぁぁ!!」

 

「んっ!!」

 

久しぶりの地上であるハジメとユエは喜びで声を上げていた。

俺は1度恵里に会いに外に出ているし、恵里自身も1ヶ月前までは普通に地上にいたのでハジメ達程地上を熱望してはいなかったが、それでも久しぶりの陽の光と外の空気に嬉しさを感じていた。

 

「ふむ。どうやらこの場所では魔力が分解されるようですね」

 

「魔力が分解されるってことは、ここは【ライセン大渓谷】かな」

 

モルガンの言葉に、オスカーの書斎の本でこの世界について勉強した内容の1つに覚えがあった。

 

ーーー【ライセン大渓谷】

大陸西にある【グリューエン大砂漠】から東の【ハルツィナ樹海】まで大陸を南北に分断する大地の傷跡であり、断崖の下は魔力が分解されることで魔法が使えず、また強力な魔物が跋扈する処刑場。

そして、大迷宮があると目星が着けられている場所である。

 

「さてと、迷宮攻略するなら場所がわかってる所から行こうと思っていたが、此処も迷宮があるかもしれない所なんだよな……」

 

ハジメの言葉に今後の方針をどうするか決めようとしてーーー

 

「確かに此処から東方面の渓谷内に迷宮がありますね」

 

モルガンの一言に全員の視線がモルガンに集まった。

 

「マジか!?てか、モルガンさん今どうやって!?」

 

「普通に探知魔法を使用しただけですが」

 

「でもモルガン、さっき此処だと魔力が分解されるって……」

 

「分解されるだけで無効化されるわけではありません。魔力消費がいつもの10倍程悪いですが、魔術は使用可能ですよ、我が夫」

 

「この広い渓谷内の探知出来るってだけでも凄いのに、それを10倍の燃費の悪さで難なくやってのけるモルガンさんって、改めて規格外の強さだね……」

 

「何言ってるのよ恵里。お母様なんだから凄くて当たり前だっつーの!」

 

モルガンのある意味ゴリ押しな方法での魔術施行に恵里は乾いた笑みを浮かべ、バーヴァン・シーは自分の事のように得意気だ。

 

「それと、こちらに向かってくる反応がーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと会えましたぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

何か続けようとしたモルガンの言葉を、大声が遮ったため、全員そちらに目線を向ける。

 

水色の長髪に踊り子のような服装、特に目を引くのは普通の人には付いていないウサギ耳から恐らく兎人族であろう女性がこちらに向かって全力疾走してきていた。

 

 

 

 

「助けてくださぁぁぁい!!」

 

 

 

 

その後ろに恐竜に似た魔物を1頭引き連れて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は兎人族ハウリアの長の娘のシアと言います!お願いします!私の家族を助けてくださいっ!!」

 

恐竜に似た魔物をハジメが『ドンナー』1発で瞬殺し、結果的に助けた兎人族の女性ーーーシアがハジメの足に抱きつきながら懇願していた。

 

「いやいや、急に言われても断るに決まってるだろ」

 

「お願いします!ここで私が引き下がったら一族は全滅なんです!お願いします!」

 

一向にハジメの足から離れようとしないシアを、ハジメとユエが引き剥がそうとしている。

 

「なぁ、シアさんだっけ?ちょっと聞きたいんだけど、さっきやっと会えたって言ったけど、どういうこと?まるで俺達がここに来ることを知ってたみたいな言い方だけど……」

 

「あ、はい!私の固有魔法が『未来視』と言って仮定した未来が見えます。この選択したらその先どうなるか、という感じで。後、自分に危機が迫ったりしたら勝手に見えたりします!」

 

少し気になったから質問したのだが、シアからの回答に驚きを隠せなかった。

未来視ーーー所謂予知能力なんて皆が一度は考えるチート能力だ。だが驚いたのはそこだけではなくーーー

 

「え?シアさん亜人なのに魔法が使えるの!?」

 

俺と同じことを思ったようで恵里が驚愕し声を上げた。

亜人族は身体能力が高いが魔力を持たず魔法は使えない筈だ。なのに『未来視』なんて強力な固有魔法を使えるということは、シアはかなり特別な存在なのではと考えてしまう。

 

「マジか、こんな如何にも残念ウサギみたいな感じの奴が『未来視』なんてチート能力持ちなのか…」

 

「ちょ!こんな美少女捕まえて、残念ウサギって酷くないですか!?」

 

ハジメの言葉にシアがまた騒ぎ出す。

皆で話した結果、流石に見捨てるのは良心が痛むので助けることに決め、その見返りに【ハルツィナ樹海】にある大迷宮までの道案内を要求しシアが承諾したため、先ずはシアの案内で他の兎人族との合流することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、モルガン。ちょっと聞きたいけど、例のあれ……シアでいけるかな?」

 

「…そうですね、兎人族ではありますが獣人には違いないので、問題ないでしょう」

 

 

 




妖精騎士勢揃いする予定の所(アニメ一期中盤辺り)までは駆け足で進みたい(願望)
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