古代戦士シンフォギア   作:超越の破壊者

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随分と遅れてしまった。本当にすみません!




第五話「奪われし鎧と筋肉パァワ~!」

 

 

 これはかつての地球の記憶。

 

『ゼェア!』

 

『テェア!』

 

 あらゆる全てを破壊すべく暴れまわるトリガー。その理不尽な破壊に抗うため押さえ込もうとする光の巨人ティガ。

 

 最強の光と闇が殴りあうことで世界が振動する。

 

 それは遠くから逃げながら眺めていた人たちにまで、戦いの余波は伝わってくる。まるで滅亡の瞬間を表す戦いに人々は絶望した。

 

 ティガが地球に現れる頃には、他の光の巨人は全て殺されてしまった。

 

 地球を壊すべく現れたガタノゾーアの手下怪獣までもがトリガーに殺されてしまった。

 

 トリガーは光も闇も破壊した。自分以外の存在を許さないというばかりに破壊していた。

 

 トリガーとティガが光線を放つ。

 

 赤黒い色と青白い色のゼペリオン光線がぶつかる。お互い一歩も引かずに撃ち続けるが、次第にティガのゼペリオン光線が撃ち負けてしまい、ティガは大きく後ろに吹き飛んだ。

 

 ティガは建物を破壊しながら落下する。

 

 トリガーはティガの元まで走ると、その首を掴み上げ腹を殴り蹴りそして投げる。ティガの胸にあるカラータイマーが赤く点滅する。

 

 人類はまた絶望した。最強と呼ばれた光の巨人が、同じく最強と呼ばれた闇の巨人になすすべもなくやられる様を見たから。見てしまったから。

 

『グオオオオォォォォォアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』

 

 トリガーが雄叫びを上げる。

 

「悲しそう」

 

 その叫びを聞いた青髪の少女が呟いた。

 

「あぁ、確かに悲しそうなメロディを奏でてるな」

 

 その隣にいたオレンジ色の髪をした少女は同感した。

 

「私たちでは、あの人を救えないんですね……」

 

 茶髪の少女も悲しそうにそう呟いた。

 

『テェア……』

 

 苦しみながらもティガは立ち上がるが、すぐに膝をついてしまう。

 

 そしてカラータイマーの光が点らなくなると同時に、ティガは光となって消えていった。

 

 もう誰もトリガーを止められる者はいなくなった。トリガーは勝利の雄叫びを上げると、最大限にまで溜め込んだゼペリオン光線を放った。

 

 ゼペリオン光線はまだ原型を保っていた建物等に襲いかかり、本当の意味で古代都市は――ルルイエは時代から、大地から消え去ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「ふ~ん、流星群……ですか」

 

 あぁ、今日もなんか機嫌が悪そうだなぁ。

 

「そうですかそうですか……私という可憐で大人しい美少女と同じ屋根の下で過ごしているというのにも関わらず、どこの馬の骨かもわからない女と見に行くんですか? へぇ~いい度胸してますよね?」

 

 め、めんどうくせぇ……。おかしいな? セレナってこんなにも面倒くさい子だったっけ? まだ出会った頃の方が刺々しかったけど素直ではあったぞ。

 

「だ、だから一緒に見に行かないかって……」

 

「行きませんよそんなの。そもそもここに住むにあたって最初に言ったじゃないですか。私は外に出るのが怖いと」

 

「いや、読書の皆さんは知らないと思うけど……」

 

「黙ってください! そんなメタ発言は聞いてませんよ!!」

 

 じゃあ、どうしたらいいんですかねぇ? これがもしかして噂に聞く女心ってやつかな? そんなの俺にもわからないよ……。

 

「まぁもういいです! 勝手にその、小日向未来って女と流星群を見に行ったらいいじゃないですか! 私はもう知りません!」

 

 怒鳴りながら階段をかけ上っていったぞあの子。さてさて、どうしようか?

 

 約束は破りたくないけどセレナの様子も気になるしなぁ。

 

 仕方ない。流星群見に行くかぁ……。とても気分が重いけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「闇塚さん、今日は来てくださってありがとうございます!」

 

「あぁ、お礼なんかいらないよ」

 

「でも、無理言ってしまいましたし」

 

 自分でもそう思ってんなら最初から誘わないでほしかったかな……悲しいかな、男の俺にそんな台詞は言えないんだよ。

 

 だって絶対未来は悲しむと思うからな。未来が悲しめば響が知るだろう。そうなれば最近鍛え始めた彼女の全力パンチが飛んでくる。

 

 でもね、俺としては遠くの方でノイズの気配がしてるからそっち行きたいんだよね。未来がいるから行かないだけで。

 

「本当なら響も来る筈だったんですが……急に予定が入ったみたいで」

 

 知ってます。だって遠くの方で二人分のガングニールの気配を感じてますから。なんか荒れてるのがわかるから。よほど未来と流星群が見たかったんだろうね。どす黒い感情に支配されかけてますよ。

 

「別に大丈夫だよ。急に予定が入るなんて普通だろ」

 

「いや、急に予定が入るのは普通じゃないと思いますよ?」

 

 あぁ、やっぱり?

 

 俺も時たま急に予定(主にノイズ退治でね)が入ることがあるから、おばちゃんには頭が上がらないよ。仕事中であってもノイズが現れたら……普通逃げるよな? 何で逃げないの店に来てるお客さん達。

 

「で、でも……二人っきりというのもなんだかドキドキしますね」

 

「そういうものか?」

 

「もう、そういうものですよぉ」

 

 何で頬を赤らめるのかは知らないが、今日は綺麗な夜空だな。え? 現実逃避? なにそれ美味しいの?

 

「なら、後で響も見れるように動画でも撮っておくか?」

 

「あ、いいですね!」

 

 流石に一人見れないっていうのも可愛そうだからな。

 

 

 

 

 

 

 

――トリガー。綺麗なんだね、こんなにも夜空って

 

――そうだな。人間はこの夜空を愛しているんだぞ、知っていたか■■■?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昔の記憶が掘り起こされるな……今アイツが何してるかは知らないが、たぶん今でもどこかで勘違いされるような事を言っているんだろうなぁ。

 

「どうしたんですか?」

 

「ん? あぁ、ちょっと旧友の事を思い出してな」

 

「えぇ!? 闇塚さんって友達いたんですか!?」

 

「それはどういう意味かな?」

 

『見つけたぞ!』

 

 突然空から赤い鎧が落ちてきた。全く誰だよ……って、お前は――

 

『久しぶりだな』

 

「お前か……ダーゴン」

 

 剛力闘士ダーゴン。俺が闇の巨人として活動していたときに仲間だった力の巨人。

 

 おかしい。お前は俺が封印したはずなのに。

 

「封印はどうした……?」

 

『相変わらず口数が少ないようだな』

 

「人の話を聞かないのは変わらずか……面倒だな」

 

 後ろには未来がいる。目の前で変身するわけにはいかない。かといってこの場を離れて変身しても怪しまれるだろう。未来は頭が賢いからな。ちょっとした理由があればすぐに俺の正体に気付くだろう。

 

「……仕方ないか。おい未来」

 

「は、はい!?」

 

「俺が今からすることについて……なにも聞かないでくれ」

 

「え? それってどういう……?」

 

 疑問だらけになってる未来を無視して俺は懐からブラックスパークレンスを取り出すとトリガーダークキーを起動させてブラックスパークレンスに差し込む。

 

「未来を染める、漆黒の闇……トリガーダーク!!」

 

 俺の姿がトリガーに変わる。

 

「え? 闇塚さんの姿が……えええぇぇぇ!?」

 

 後ろで未来がかなり驚いているのがわかる。だが、後ろを気にしている余裕は今の俺にはない。なぜなら、

 

『ふん!』

 

『ぐっ……この!!』

 

 トリガーに変身した瞬間ダーゴンが殴り付けてきたからだ。まぁ、咄嗟に握った拳で殴り返したけどな。

 

『ふむ……腕は鈍る所か以前よりも増してあるようだな。我は嬉しいぞ!!』

 

『こんの……』

 

 相変わらずの戦闘狂過ぎるだろ。

 

『お前が復活したということは……他の奴等も』

 

『あぁ、そうだ! 3000万年前、地球を滅ぼすと決めたお前によって我ら三人は封印された!! だが、その封印ももう解けたのだ! 今頃はカルミラやヒュドラムも地球に来ているであろう!』

 

 面倒なことになったな。

 

 ■■■の願いを叶えるためには、カルミラ達が邪魔だった。だからかつて俺は、アイツらを火星に封印した。

 

 それが今、こうしてこの地球に現れるというのであれば……

 

『……今度は生き返ることができないように殺す』

 

『なぜだトリガー!! なぜ、あの日、地球の文明を破壊し滅ぼす際、たった一人だけで行ったのだ! なぜ我らを頼らなかった!? 我はお前の好敵手ではあるが、仲間でもあるはずだろう!?』

 

『……うるっさい!!!!』

 

 拳に闇を纏わせてダーゴンを殴り付ける。何度も何度も。

 

 イライラする。昔の事を……!!

 

『かつての話で、俺に話しかけるなあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 殴ってダーゴンを吹き飛ばしたあと、赤黒い雷を放電する。それによって周囲に電撃が散らばるがどうでもいい。

 

『アアアアアァァ!!』

 

 まるで野獣のように叫びながら飛びかかる。両手でダーゴンの頭を叩きつけ、そのまま膝で顔面を蹴り上げる。

 

『ぐぅ……』

 

『アアアアアアァァ……』

 

 ダーゴンは吹き飛ばされないように踏ん張ると、殴りかかった俺の拳を受け止めた。

 

『正気に戻らんか! 我が闘いたいのは暴れまわるお前ではない!』

 

 そういってダーゴンは俺を殴り付けた。それだけで、俺はどこか遠くの場所まで吹き飛ばされた。

 

 ドガァーンッ!!

 

 そんな音と砂埃を上げながら俺は落下した。未来と流星群を見に来たときからずっと感じていた響達の気配の場所に。

 

「な、なんだ!?」

 

「何事か!?」

 

 声からしておそらく防人……翼がいるんだろうな。気配で知ってるし。

 

 俺は痛む身体に鞭を打つようにしながら起き上がる。

 

「と、トリガーさん!?」

 

「へぇ、今日のあたしは運がいいな! なにしろ、フィーネから言われていた二人を連れ帰ることが出来るんだからな!!」

 

 響がなにか驚いているように感じられるが、今の俺には聞こえない。だって、さっき聞こえたから。

 

 フィーネとなぁ!! その名が聞こえてしまってはからには生かしておくわけにはいかない。

 

『フィーネ、だと? 誰だ、やつの名を言った奴は……?』

 

 立ち上がった俺は、周囲にいる女どもに問いかける。だが誰からも返事は返ってこない。仕方ないな。

 

『一人一人、殺してでも聞き出すしかないか?』

 

「「「「っ!?」」」」

 

 何をそんなに怯えているのだろうか? 怯える必要ないだろうに。

 

「へ、へっ! ちょっと見た目が強そうだからって調子に乗るな!」

 

 さっきまで翼と戦っていた銀髪の女が鞭を伸ばしてくる。俺はそれを掴みとろうとしたが、

 

『やめんか!』

 

 俺を追ってきたダーゴンによって止められてしまった。

 

「な、なんで止めるんだ! そいつを連れ帰ってこいってフィーネに言われてんだぞ!?」

 

『そんなことはわかっておる! だが、今の奴にちょっかいをかけるのはやめておけ。死ぬ必要のない命を散らすこととなるぞ』

 

「なんだと……!?」

 

 そうか。お前は蘇ってフィーネ側についたのかダーゴン。なら、

 

『貴様らを……殺す』

 

 いまだに叫びあっている二人に向けてゼペリオン光線を放つ。躊躇? 遠慮? 必要ないな。 あの二人はフィーネの敵だ。3000万年前からフィーネは俺たちの敵だったというのにな。

 

『ぬぅ!』

 

 ちっ。ダーゴンが盾になりやがったか。アイツは力だけじゃなく防御も高いから一度や二度ぐらいなら俺の全力で放ったゼペリオン光線を耐えることができる。

 

『今は撤退するぞ』

 

「はぁ!? なんでだよ!」

 

 銀髪の女がなにか喚いているが関係なしにダーゴンが抱えると背後に闇を産生み出してその場から消える。

 

『仕留め損なったか……』

 

「トリガー……なんなんだ? あの、赤いやつ」

 

『奴か? 奴は……』

 

 響と一緒にノイズ退治をしていた奏が話しかけてくる。忘れてないといいが、この場にはなぜか空気を読んでくれない女がいることを忘れてないか?

 

「話の途中ですまないが、トリガー。貴様には聞きたいことが山ほどある。私たちに着いてきてもらうぞ」

 

「翼ぁ、お前さぁ~本当にそういうとこだぞ」

 

 奏が呆れた声を洩らす。

 

『前にも言ったが、俺にはお前達に着いていく理由がない。帰らせてもらう』

 

「帰すわけにはいかんのだ! こうなってしまっては仕方がない!実力行使にでる!」

 

 マジか。俺絶対後でMIKUSANとなった未来さんにも詰め寄られるかもしれないんだからな。こんなところで無駄な時間を使いたくない。

 

 それに、帰るのが遅くなってしまえば家で一人寂しくご飯を食べているであろうセレナが怖い。

 

 

 

 

 

~その頃のセレナ~

 

「なんかイラッてした。健吾さんがまた変なこと言ったな? お仕置きが必要かなぁ?」

 

 

 

 

 

 

帰りたくないなぁ

 

「何をぼそぼそと!!」

 

 あ、危な!! お前な、俺だからいいものの他の人だったら真っ二つだぞ!?

 

 なんか翼見てたら、さっきまで怒ってたのがバカらしく思えてきた。

 

 それよりも、この状況どうしようか……?

 

 

 

 

 

 

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