これはかつての地球の記憶。
『……それで、いったい俺になんのようだ?』
「聞かなくてもわかっているだろう? パパの遺言である世界を識る為にもオレに力を貸せ」
いつもの巨人体ではなく等身大の状態でも一人旅を続けていたトリガー。彼は荒れ果てた大地にて、自身を呼び出した友の娘を見る。
最後に別れたときから言動以外何一つ変わっていない彼女に疑問は残るものの、復讐のために動く彼女に心が辛くなる。
『……具体的には?』
「そうだな……その話をするためにもまずはオレが拠点としている場所へ移ろう。ここでは誰が聞いているかわかったもんじゃない」
『…………お前が指定したんだろうに』
「うるさいな///」
「あーくそ! なんで止めたんだよ! 答えろ、ダーゴン!!」
我は今とても困っている。目の前で醜く喚き散らすクリスを見てどう答えたものかと考えている。元より我は考えることが得意ではない。
トリガーのように状況を瞬時に把握して戦闘を行うわけでも、ヒュドラムのように前もって罠など策略を廻らせて行動する訳でもない。
ただ、この力の限りを尽くして破壊するだけだ。我にできるのはたったそれだけ。
「あのトリガーとお前は昔は仲間だったんだろ!? なんで殴りあう必要があるんだよ!! 意味わかんねぇ!」
『そう言われてもな。我とトリガーは昔から殴りあうことで互いに高めあってきた。今さらそれを変えることなどできん』
「……脳筋過ぎんだろお前」
失礼な! 我のどこが脳筋だというのだ!!
「はぁ……まぁ、過ぎたことを気にしても仕方ねぇか」
なぜため息を吐くのかはわからんが、気にしないでくれるなら我もこれ以上考えなくてすむ。
「随分と楽しそうね」
突然現れるでない。心臓に悪いぞ。
「っ!? ふ、フィーネ……」
『なんのようだ、終わりの巫女』
「その名で呼ぶな、筋肉バカ」
トリガーもそうだが、なぜみんなして我の事を筋肉バカ等と呼ぶのだ!! なぜ我ばかりがそんな呼ばれ方をされなければならんのだ!!
――お前がバカだから。
――エクセレント!! 流石ですねトリガー。
――エレガント、エレガントうるせぇよ。頭かち割るぞ。
――凄く物騒ですねぇ!? 私何かしました!? あとエレガントじゃなくてエクセレントですよ!?
誰がバカだ!!!! 断じて我はバカなどではないぞ! 少し考えるのが苦手なだけだ!! それだけだ!
『それで、本当になんのようだ?』
「本当ならクリスだけに用があったんだけど、まぁいいわ。数日後、奏者達がデュランダルの護衛につく。そやつらからデュランダルを奪ってこい」
なんだと?
『我に、そのような誇りもなにもない醜い事をせよと言うのか?』
「そう言うだろうと思って、初めからクリスにだけ頼もうとしていたのだ」
『何が頼もうとしていた、だ!! この娘が了承すること以外は認めない貴様が、よくもまぁそのような戯れ言をほざく事ができるな!!』
我は怒っている。そう、これだ!こいつのこういうところがトリガーの怒りに触れたのだ。
かつてエンキと共に居たいがためだけに闇の一族と共に旅していた我らを裏切った終わりの巫女を、長年仲間として一緒にいた我らが驚くほどトリガーは激怒して殺しに向かった。
結果的に終わりの巫女は、何度も何度も蘇ってきて我らの邪魔をする度にトリガーに殺された。ゆえに今現代の終わりの巫女の精神はとてもじゃないが正常とはいえないほど壊れている。
かつてあった人としての心を亡くした終わりの巫女は、偶然拾ってきたらしいクリスをまるで与えられた壊れやすい玩具のように扱っている。
我にはそれが許せん。クリスはまだ子供だ。本当であればこのような戦いに参加させるべきではない。
『そもそも、我はまた一度トリガーと会うために物凄く泣きながらしがみついてきたマリアに心を痛めながらも日本に来たのだぞ!! 貴様に手を貸してやっているのも、前のようにクリスに必要のない傷を負わせないようにするため!! 貴様はあの奇妙な鎧をクリスに無理矢理つけさせ身動きがとれなくしてから何時間も電撃を浴びてただろう!!』
「必要だったから浴びさせたまでのこと。必要あれば私の行動に口を挟まないと約束したのはダーゴンの方ではないか? 貴様は誇りある闇の一族だろう?」
『あぁそうだ! そうだとも! だが、本当に必要なのか!!』
このままでは埒があかない。やはり我にはトリガーのようにはなれんようだな。
「もういい!」
『ぬ!? どうしたクリス?』
「もういいよ。アタシのために怒らなくても」
『だがなぁクリスよ』
「戦争をなくすためにアタシが自らお願いしたんだ」
そう言われてしまってはなにも言えなくなるではないか。だが、ならばなぜそんな悲しそうな顔をするのだクリスよ。
我はクリスを守らねばならんのだ。この命に変えてもな。約束したから。
――アンタがフィーネの言っていたダーゴンってやつか?
――アタシは雪音クリスって言うんだ。よろしくな!
――え? フィーネのあの電撃は怖くないのかって? 戦争をなくすためならあんなのいくらても耐えてらぁ
――な、なんだよ。アタシを守ってくれるってか?ばぁか、そんな台詞はもっとアタシから信頼レベル上げてから言いやがれってんだよ/// 恥ずかしいだろうが!
いつかは我もマリアの待つあの場所に帰らねばならん。だが、それまでの間、守ると約束したからには守る。
「はぁ……まぁ、好きにしなさい。デュランダルさえ奪ってきてくれるのならやり方は問わないわ」
『言われなくても』
いつものことながらどうやって消えたなのだ終わりの巫女は。
『こうなってしまったからには仕方なしか。デュランダルを奏者供が守っていると言うことはトリガーも来るであろう』
「お前本っ当にトリガーに対して執着するよなぁ」
『この程度で何を言ってる? 我の知る限りトリガーに関してならカルミラと■■■・■の方がよっぽど執着心というか愛というか重いぞ?』
「マジかよ……頭狂ってんじゃねぇのか?」
『……それについては同感だ』
珍しく意見があったな。まぁ、そんなことよりもデュランダルの事を考えねばならぬか。
次会うときはトリガーは本気で殺すつもりで我らと敵対するだろう。正直怒り狂ったトリガーとだけは戦いたくない。むしろ会いたくない。
なぜいつもいつも我は盾代わりにならねばならぬのだろうか? 全くもって意味がわからんぞ!
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