古代戦士シンフォギア   作:超越の破壊者

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随分と遅くなりました。申し訳ありません。


第七話「デュランダル争奪阻止」

 

 

 

 これはかつての地球の記憶。

 

「トリガー……」

 

『……ユザレか。俺に、なんのようだ?』

 

 古代都市ルルイエを眺めていたトリガーの隣に、白いドレスを着た白髪の少女――ユザレが座り込んだ。

 

「貴方は、どうしてルルイエを滅ぼさなかったのですか?」

 

『……ただの気まぐれだ。それ以外に意味などない』

 

「本当に?」

 

『あぁ、本当だとも』

 

 トリガーに寄り添うに近づいたユザレは、そっと腕に抱きつく。

 

「貴方のことを町の皆が話していました。私の事が好きだから、トリガーはルルイエになにもしなかったんだって」

 

『それはあり得ないな。俺に恋愛感情など存在しない。それに、先程も言ったはずだ。ただの気まぐれだ、だとな』

 

「ですが……」

 

『光と闇は決して交わる事はない。君は光であり、彼らを導く聖女だろう? 俺は闇の一族だ。不可能なんだよ』

 

 そう言ってトリガーは立ち上がると、顔を俯けるユザレを無視して歩き出した。背中に聞こえる少女の鳴き声に胸を痛めながら………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はああああああぁぁぁ!!」

 

『ふん!』

 

 翼の放つ斬撃を片腕で受け止める。軽い。

 

『……』

 

「くっ、刃が通らない! なら、無理矢理にでも通すまで!」

 

 おいおい。無理矢理なんかしたらアマノハバキリが可哀想だぞ。

 

 俺は今防戦一方になっている。理由? そんなの今攻撃したら力を押さえられなくて殺してしまうかもしれないからだよ。

 

『……無駄だ。今のお前では、俺に傷一つ付けることも不可能だ』

 

「くっ! なぜ貴様がそう決めつける!」

 

『知っているからだ。かつて貴様の血の者と刃を交えたことがあったが、俺が唯一勝てなかった人間がいたことを。その人間と比べれば、お前の太刀筋は生ぬるい』

 

「なんだと?」

 

 翼の太刀筋を見て思い出したんだ。俺が昔殺しあったあの男の事をな。まぁ、結局あの男は俺を殺さずに終わったけど……。

 

 

――なぜだ! 何故それほどまでの力を持っていながらぁ!!

 

――力だけでは、国は守れんのだ……トリガーよ。

 

――だが! まだ手はあったはずだ!

 

――お前の言う、絆だけではなにも守れんよ。この私のようにな……。

 

 

 

 

 今でも覚えている。俺は救えなかった。仲間を殺され絶望に墜ちたあの男を。

 

 あの時あの男につけられた傷と斬撃に比べれば……

 

『今のお前など恐れるに足らん』

 

「一体誰の話をしている……?」

 

 まぁ、そりゃあ戸惑うわな。行きなりそんな話をされたら。でもな、

 

『意思なき刀で俺に勝とうなど片腹痛いわ!』

 

 あっ、やっべぇ。古き親友の言い方が移った。

 

「その言葉使い……まさか!」

 

『ふん!』

 

 俺は一瞬で翼の懐に入り無防備な腹を殴り付けて吹き飛ばす。勢いよく飛んでいった翼は壁にぶつかり意識を失った。

 

『ふぅ……お前達も、その娘と同じように俺に挑むつもりか? ならば、容赦はしない』

 

 威圧も込めてなぜか傍観に呈していた響達に体を向ける。その瞬間、響だけがビクッとしていたが。

 

「いやいい。あたしは戦うつもりはないぜ。勝てる気もしないしな」

 

 なんで笑ってんだよ……意味わからんぞお前。

 

「ほら、旦那が来る前にさっさと言ってくれ……あたしとしては色々と話したいことが一杯だけどな!」

 

「あ、それ私もです!」

 

 ………………………………………………。

 

『……もし、俺がお前達と話す気になったらな』

 

 響よ、嬉しそうな顔をするな。

 

 少しだけ複雑な思いを抱きながらも闇に包まれながらこの場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや逃がしませんよ?」

 

『え、ちょ!? みみみみMIKUSAN!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~天羽奏~

 

 

 

 

 行っちまったか。あ~あ、もったねぇことしちまったねぇ。

 

 せっかく二年前助けてもらった礼を言えると思ったのになぁ。まぁ、仕方ねぇか。

 

 二年前のライブの時、絶唱を使って命を散らそうとした。だけどそんな時に現れたのがアイツ(トリガー)だった。

 

 あたしはアイツに命を救われた。いわゆる命の恩人ってやつだな。一応響のやつも救ってくれたし。あの後病院に運ばれたあたしと響は最初から怪我なんてなかったかのように健康体だった。それはもう、医者が訝しげにあたしらを見るほどにな。

 

 あたしはアイツに恩返しがしたい。そのためにも一緒にノイズを倒したい。まぁ、うちの相方はそれを望んではないみたいだけどな。なんであそこまでトリガーに敵対心を抱くかねぇ。

 

 さて、と。もうそろそろ旦那も来ると思うし、いつまでも翼を地べたに寝かしておくわけにはいかねぇよな。そう思ったあたしは後ろであたふたしている後輩を連れて翼を起こしにいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~闇塚健吾もといトリガー~

 

 

 

「なるほど。つまり闇塚さんは実は何千万年も昔の人で、今もこうして生きている人なんですね?」

 

 今俺たちは流星群を見る予定だった場所にいる。目の前にはなぜか鬼の仮面(いやワリとなんでだろうね?)を被ったMIKUSANがいて、俺は正座させられながら自分の事を説明している。

 

「まぁ、色々と説明を省いたらそうなるね」

 

 いやぁ、セレナちゃんの時も思ったけど、一回で説明のほとんどを理解してくれるのってなんか嬉しいね。これが響ちゃんとかだったら一回一回何度も何度も細かく説明しないと理解できなさそうだからね。

 

 たった一回の説明で理解してくれるなんて……俺にできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!

 

「張った押していいですか?」

 

「申し訳ありませんふざけすみました命だけはお助けくださいこの通りですMIKU様ぁ!!」

 

「え? 今なんでもって言いました?」

 

「んなこと一言も言ってねぇよ!! なに都合よくしてるんだ?」

 

「てへぺろ♪」

 

 くそぉ、可愛いな! 思わず許してしまいそうだ。だが! 俺はこの宇宙よりも広く何よりも硬い精神力で迎え撃つのさ!

 

 一人でやってて悲しくなってきた。三千万年前の俺はこういったボケはしなかったからな。なんだろうな……暗黒勇士トリガーとしてのなにかを失いそうで怖い。

 

 この身体の元のとなったアイツせいなのか? まぁ、気にしないでおくか。

 

 なんか疲れたな。早く帰らないとセレナちゃんも怒っているだろうし……帰りたくないなぁ~。

 

「じゃあ、取り敢えず帰ろうか?」

 

「そうですね。もう響も帰っている頃だと思うので晩御飯を作らないと……」

 

 なぜか未来は嬉しそうにしながら、そして俺はゲンナリしながら帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後…………

 

 

 

 

 

 はいどうも皆さん。トリガーだよ。

 

 只今俺はなぜか無限に襲ってくるノイズに対処しながら、膨大なエネルギーを秘めたなにか(・・・)を乗せた車を追っている。

 

 と言っても先程言った通りノイズが無限と言ってもいいほど沸いてきやがるからそっちの方で忙しくて中々追い付けない。

 

 こんな場所でゼペリオン光線を撃つわけにはいかんからな。ハンドスラッシュとかでなんとかなってる感じだ。

 

 そしてノイズ狩りに専念してから暫く経った頃、なぜか急にノイズが現れなくなった。だから俺は膨大なエネルギーが秘められた場所に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見つけた。やはりダーゴンと白い鎧の女も来ていたようだ。ダーゴンは手を出していないみたいだが、俺には関係ない。アイツからしたら少し卑怯かもしれないが後ろからぶん殴らせてもらおうか!

 

『ふん!』

 

『おわっと! 危ないではないか我が好敵手よ!』

 

 ちっ! 避けんじゃねーよ!

 

『だがまぁ、お前を信じて待っていた甲斐があったというものだな』

 

『……殺す。フィーネの味方をすると言うのなら殺してやる』

 

 覚悟しろよダーゴン。フィーネの味方さえしていなければ命だけは助けてやろうと思っていたのに。あぁ、でも再会したときに『……今度は生き返ることができないように殺す』って言ったな俺。ごめんやっぱり殺すわダーゴン。

 

『おらぁ!』

 

『ぬん!』

 

 硬ッ! やっぱこいつ硬いな。いやになるほど硬いわ。流石闇の一族随一の防御力を誇るだけのことはあるな。

 

 まぁ、だからといって怯ませることができないのかって言われると違うんだけどさ。

 

『…………』

 

『ぬおぉ!?』

 

 かつて俺に挑んできた最後の光の巨人から奪った赤き力のエネルギーを身体全体に巡らせながら殴り付ける。それにより先程まで一歩も動かなかったダーゴンの足が少しずつ後ろに下がっていく。

 

 俺はダーゴンの腹を蹴りつけると後ろに大きく飛び上がりゼペリオン光線を放つ。赤黒いゼペリオン光線はダーゴンの胸板にぶつかると爆発しダーゴンをぶっとばすことに成功する。

 

『ぬおぉあ!』

 

「な、ダーゴン!?」

 

 ぶっ飛んだダーゴンは丁度奏達が戦っていた場所に落ちた。その背中に落下した俺は躊躇いもなく踏みつける。

 

『ぐおぉ!』

 

 首を掴み持ち上げる。軽いな。かつてもそうだが、

 

『俺はまだまだ全力を出していないのに……がっかりだよダーゴン』

 

「あ、あれで全力じゃねーのかよッ!!」

 

 うるせぇよ。騒ぐなガキが。

 

 片手でハンドスラッシュを放つ。

 

「うお! 危ねぇな!」

 

 知るかそんなこと。

 

 破壊だ。破壊こそ全てだ。そうだろう? 今までずっとそうしてきたじゃないか。何を躊躇う必要がある?

 

 俺は暗黒勇士トリガー。全てを破壊する者。それが俺だ。闇の一族で最強と呼ばれた俺だ。

 

 さぁ、残酷で傲慢な破壊の時間だ――

 

『……今、何をしようとしていた俺は?』

 

 気づけば辺り一面なにもなくなっていた。ダーゴンも奏者達も黒服のお兄さん達も皆傷だらけで倒れている。唯一倒れてないのは眼鏡をかけた白衣を着た女だけだ。

 

 眼鏡の奥に見えるあの瞳の色……そうか――

 

『また、誰かの命を踏みにじって蘇ったのか……貴様はぁ!!』

 

 全力のゼペリオン光線をフィーネに放つ。だが、そのゼペリオン光線はフィーネが出したバリア煮よって防がれた。

 

『昔よりもだいぶ強化したみたいだな』

 

「何回も殺されれば強くなろうとするのは当たり前だろうに」

 

 お互いに睨み合う。コイツだけは生かしておけない。俺があの文明を滅ぼす切っ掛けとなったコイツを……ッ!!

 

『殺す。今ここで!……グッ!?』

 

 急に身体が痛み始めた、だと? そうか、もう限界か。エネルギーを使い始めたみたいだな。本来なら鳴らないはずのカラータイマーが点滅してるからな。

 

『今日のところは生かしておいてやる。だが、貴様だけは必ず殺してやるからな。覚悟しておけフィーネ!』

 

 そう言い残して闇となって消えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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