入学初日からの体力テストを終えたその後、擬魅と耳郎は昼食を兼ねてマ〇クへ行くことにした。昇降口で靴に履き替えていると、擬魅のスマホのメッセージアプリに2通のメッセージが届く。2通とも擬魅が今どこにいるのか尋ねるものであり、擬魅は下駄箱にいると返信する。するとすぐにメッセージが返ってき、そこで待ってて!と2通とも同じ文面だったため耳郎に一言入れて待つこと30秒。タッタッタッ!と小走りに走ってくる足音が2つ聞こえてきた。
※昇降口…学校などの校舎の出入り口。上履きと靴を履き替える場所を指す。
「「擬魅お待たせ!!……ん?」」
擬魅「お、取蔭に拳藤。久しぶり~」
拳藤「う、うん。久しぶりだね擬魅…」
取蔭「久しぶり~…」
耳郎「(女子…)」
別に
取蔭「拳藤と擬魅、知り合いだったんだね~。すごい偶然じゃ~ん(棒読み気味)」
拳藤「あははは…それはこっちもだよ」
耳郎「(2人ともでっかいな…胸)」
剣の達人同士が一歩も動かず互いの動きを読みあっているかの如く、3人の間には見えない何かが蠢いていた。しかし、そんな状態になっていることに擬魅は気づいていない。なので平気でこの状況でも口を開く。
擬魅「耳郎、紹介するよ。友達の拳藤と取蔭だ。2人とは中学のときに知り合ったんだ」
耳郎「あ…ど、どうも。耳郎響香です。A組だけどよろしく」
拳藤「あ、私はB組の拳藤一佳。これからよろしく!」
取蔭「取蔭切奈!B組だけどよろしく~!」
お互いの自己紹介と挨拶が済むと擬魅はそうだと言い、拳藤と取蔭に一緒にマ〇クへ行かないかと誘う。2人は急にお邪魔していいのかと聞くが、擬魅は大勢で食べた方が美味いからと答える。拳藤と取蔭は擬魅の返答に甘えお誘いに乗り、耳郎もこれを快く了承した。こうして4人は交流を含めた昼食をしにマ〇クへ向かった。因みに、たまたま遠くから擬魅たちを見ていたブドウ頭の少年は、嫉妬と憤怒で満ちた顔で擬魅を睨んでいたそうな……
雄英高校から最寄りの駅近くにあるマ〇クに到着した4人は、カウンターで注文をし受け取ると席へ座る。4人はいただきますと言い食べ始めた。
取蔭「耳郎のそれ、もしかして新作シェ〇ク?」
耳郎「そうだよ。一口いる?」
取蔭「え、いいの?んじゃお言葉に甘えて~……うまっ!」
擬魅「
拳藤「あんたは食べながら喋るな」
4人の食事の光景は青春の1ページとも言え実に微笑ましい限りである。4人は食べながらこれからの学校生活について話し合った。ヒーロー科の授業はどんな感じなのか、学校行事や体育祭など話は盛り上がる。そんな盛り上がるなか耳郎は席に着いたときから気になっていたことを擬魅に聞く。
耳郎「今更だけどアンタ食べる量すごいね…」
擬魅「え、そう?」
拳藤「これが男子の普通なのかな~って思ったけど…やっぱ普通に考えたら多いわ」
取蔭「実は私もそれ思ってたところ」
では、ここで耳郎、拳藤、取蔭が多いと思った擬魅が注文したものを見ていこう。まず各種バーガーが5つ、ナゲット15ピース(1セットタイプ)、ポテト2つ、サラダ2つ、ドリンク2つ、季節限定スイーツ3つ。食べ盛りと言えどこの量は普通に多いと言えるだろう。しかし、実はこれにはちゃんとした理由があり、それは擬魅の個性に関係していた。
擬魅「俺の個性はエネルギーを消費するからストックしとく必要があるんだよ」
耳郎「へぇー。アンタの個性ってそういう感じなんだ。だとしてもまだよく分かんないけど」
拳藤「擬魅の個性ってロボットとかに変身する個性じゃないの?」
取蔭「え?恐竜に変身するんじゃないの?」
拳藤と取蔭の疑問に耳郎が体力テストで見た擬魅の個性について話した。話を聞いていくとともに2人の頭の上に?が何個も浮かび上がり、本人にどういう個性かと聞くが教室の時と同じように擬魅は「秘密で」と答えた。
注文したものを食べ終えた擬魅は3人に一言断りを入れてトイレに用を足しに行った。取蔭がちゃんとトイレに行ったことを確認すると口を開く。
取蔭「んじゃまぁ…話しますかー…」
耳郎「?…なにを?」
取蔭「2人はさ……擬魅のことどう思ってんの?」
拳藤「ぶフォっ…!?」
取蔭の突然の発言に拳藤が飲んでいたシェ〇クを少し吹き返してしまう。耳郎も同様に食べていたポテトが気管に入りそうになり
拳藤「ゴホ…ゴホ…!急に何を言ってんのさ取蔭!?」
耳郎「あ、
取蔭「好意……分かりやすく言えば好きかってこと」
取蔭の言葉を聞いた2人は頬を赤くする。中学2年の時からの付き合いで2度も助けられたこともあり、バレンタインでは義理ではあるもののチョコレートも渡している耳郎。もう1人はというと知り合ったのは中学3年の夏休み。共に海の家の手伝いをした仲であり、経緯はあれど自分の家に泊まらせている拳藤。しかも、親のいらぬ行為で自分の裸も見られている。
2人の反応を見た取蔭は2人がそれなりの関係を築いているが、気持ちの方はどうかと言うと微妙なラインであると見た。そんな2人に対して取蔭が先手を打つかの如く口を開く。
取蔭「私は好きだよ。
耳・拳「「ーっっ!!」」
取蔭「つっても今すぐに告る気は…ないかな?上手く言えないけど今じゃない気がするんだよね」
耳郎「(うちは…)」
拳藤「(私は…)」
取蔭「ま、2人がどう思っているかは分かんないけどモタモタしてると私が取っちゃうよってこと。2人がそうでないならそれはそれでだけど」
取蔭が話し終わったタイミングでちょうど擬魅がトイレから戻ってきた。お待たせ~と言い続けさまにそろそろお店を出ようか?と話す。取蔭はそれに対し普通にOKと返すが、耳郎と拳藤は少しぎこちない返事をする。そのぎこちなさに対し擬魅は一瞬、疑問を感じたが特に気にしなかった。その後は特に何もせず駅で解散し帰路につくのであった。
その日の夜。取蔭の言葉が頭に残っている耳郎と拳藤は、悶々とした気持ちを心の片隅に抱えたまま眠りにつくのであった。
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翌日、雄英の学校生活が始まった。午前の授業はまず必修科目などの座学。またヒーロー科の授業にはヒーローに関する歴史や、法律関連の授業もあったりする。午前の授業を終えると1時間の昼休みとなり、多くの生徒が食堂へ向かう。食堂の厨房ではクックヒーロー、ランチラッシュが腕を振るっており安価で美味しい料理が堪能できる。
擬魅「美味すぎ」
常闇「右に同じく」
そして午後は…これぞヒーロー科の授業、ヒーロー基礎学の時間である。
オールマイトが大声を出しながらアレンジした決めセリフで登場する。A組の面々がオールマイトの登場に興奮を隠せない。
切島「オールマイトだ!すげぇ…本当に教師やってるんだな!」
蛙吹「あれ、
そりゃそうだ。なにしろNo.1ヒーローが目の前におり、これから自分たちの授業の担当教師でもあるのだから。そんなNo.1ヒーローであるオールマイトが教卓に立ち口を開く。
オールマイトがヒーロー基礎学について簡単に説明をする。そして次にポーズを決めながらBATTLEと書かれたカードを皆に見せる。
戦闘訓練という言葉にクラスがザワつく。とくに爆豪は目をギラつかせる。
ガコン…ガコン…!!
オールマイトが持っていたスイッチを押す。すると教室の壁の一部から出席番号が振られ、アタッシュケースが納めれている棚が出てきた。
「「「「「おおおっ…!!!」」」」」
興奮していた気持ちがさらに高まるA組生徒たち。
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――グラウンドβ――
グラウンドβの出入り口から
オールマイトが元気に授業の始まりを宣言すると、飯田が挙手し質問をする。
飯田「先生!ここは入試で使われた演習場ですが、ここで市街地演習を行うのでしょうか?」
続けてオールマイトはA組にテレビやSNSでは主に屋外での
蛙吹「基礎訓練もなしに?」
蛙吹の疑問にオールマイトはその基礎を知るためだと元気よく答える。
蛙吹梅雨、出席番号3番。個性【蛙】…蛙っぽい事ならだいたいできるぞ!
八百万「勝敗のシステムはどうなりますの?」
八百万百、出席番号21番。個性【創造】…生物以外の物体を脂質で創り出すことが出来る。ただし、創り出す対象物の素材や構造を正確に理解することに加え、生成時に対象物のイメージを精密に構築する必要があるため、必然的に相応の知識力と理解力が求められる。
爆豪「ブッ飛ばしてもいいんすか…?」
麗日「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか…?」
飯田「分かれ方はどのように分かれればいいですか!?」
青山「このマントヤバくない?」
青山優雅、出席番号1番。個性【ネビルレーザー】…ヘソからレーザーを撃てる。だが1秒以上撃つとお腹を痛めてしまう。
複数の生徒たちからの質問に一瞬困惑してしまうオールマイトだが、予め用意しておいたカンペを取り出し質問に答える形で訓練内容を伝える。
訓練内容は核兵器を隠し持った敵をヒーローがそれを処理するというシンプルな内容であった。勝利条件はヒーロー側は制限時間内に
飯田「適当なのですか!?」
緑谷「プロヒーローは現場で急造チームアップすることが多いからそういうことじゃないかな?」
飯田「そうか!先を見据えた計らい…失礼しました!」
擬魅「(1人多いけどチーム分けどうなるんだろ…1組だけ3人?)」
擬魅はそう思いつつクジを引くと星マークのボールを引き当てる。
擬魅「星…?」
擬魅「オールマイト。これなんですか?」
擬魅「あえて1人だけの戦闘訓練をさせて別の刺激を与えるとかそういうのですか?」
1年A組の初のヒーロー基礎学において初の戦闘訓練。この戦闘訓練でオールマイトは授業とは別にあることを任されていた。それは擬魅の個性についてである。入試の合否選定会議において話題に上がった擬魅。彼の個性データにアクセス制限が設けられているなど謎が多い少年。入試の実技試験においても発動型なのか複合型なのか判断できず今後、彼に指南するとき何もできないのはマズいため、№1ヒーローであるオールマイトに白羽の矢が立ったのであった。
オールマイトが不思議に思っている間にくじ引きは終わり、いよいよA組初の戦闘訓練が始まろうとしていた。そしてオールマイトが対戦相手をクジで決める。
Aコンビ【緑谷:麗日】VS Dコンビ【爆豪:飯田】
緑谷と爆豪の関係性を知っている者からすれば心臓に悪い組み合わせであった。だが2人の戦闘訓練は否応なしに開始されるのであった。
堀越先生…ヒロアカのファイナルファンブックの特別読み切りありがとうございます(´`)神かな…?