空想ヒーロー   作:UFOキャッチャー

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少し遅れましたが


m(__)m明けましておめでとうございますm(__)m





【13】油断と相棒

雄英の訓練施設である嘘の災害や事故ルーム、通称【USJ】に(ヴィラン)が個性を使って侵入。映画のような出来事に驚愕するA組一同。

 

切島「(ヴィラン)ンンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんて…アホすぎるだろ!?」

 

八百万「先生!侵入者用のセンサーは!?」

 

13号「もちろんありますが…」

 

轟「ここだけに現れたのかそれとも学校全体か…どちらにせよセンサーが働いてねぇってことは向こう()側にそういうのが出来る個性がいるってことだな…」

 

轟が状況を冷静に分析していく。これは何かしら目的があって周到に画策された奇襲なのだと…。困惑がA組に広がるなかプロは違った。

 

相澤は13号に避難指示を出し、自身は生徒が避難する時間を稼ぐため準備をする。だが相澤の行動に緑谷が口を開く。

 

緑谷「先生1人であの数を戦うんですか!?イレイザーヘッドの戦闘スタイルは相手の個性を消してからの捕縛…いくらなんでも正面戦闘は…!」

 

相澤「緑谷…一芸だけじゃヒーローは務まらん…」

 

相澤はそう言うと階段を飛び降りて敵陣の中に向かった。当然敵側はそれを迎え撃つために構える。射撃系個性の敵が相澤に狙いを定め、銃で言えば引き金を引くが何も起こらない。個性が発動できないことに気を取られている間に、相澤が捕縛布を使って気を取られていた敵を無力化する。

 

敵「バカ野郎!コイツは見ただけで個性を消すっつぅイレイザーヘッドだ!!」

 

敵「消すぅ~?俺らみてぇな異形型も消してくれるのかぁ~?」

 

4本腕で岩のような鱗がある大男がそう言いながら相澤に近づく。だが素早いパンチを顔面に貰いそのまま殴り飛ばされ、間髪入れず足に捕縛布を巻き付けられて他の敵の場所に投げ飛ばされる。

 

緑谷「スゴい!多対一こそが先生の得意分野だったんだ…!」

 

飯田「関している場合ではない!行くぞ緑谷くん!」

 

A組がUSJの外へ避難をしようとしたその時、黒い渦が出現し黒い靄を纏った男が姿を現した。相澤の個性【抹消】は見た相手の個性を消す…正確には一時的に使えなくするものだが、瞬きなどの一瞬の隙が生まれるのだ。相手はその隙をついてA組の前に姿を現した。

 

????「初めまして…我々は(ヴィラン)連合…この度ヒーローの巣窟である雄英高校に来たわけですが…」

 

「平和の象徴オールマイトに消えて頂こうと思ってのことでして…!!」

 

衝撃の侵入理由を語る黒い靄をまとった敵。その敵は得ている情報を語りつつオールマイトがいないことを疑問に思いながらも次の行動に移ろうとする。だがその前に爆豪と切島が先制攻撃を仕掛けた。

 

ボオンッ! サシュッ!

 

切島「その前に俺らにやられるってこと考えてなかったのかよ!?」

 

????「危ない危ない…そう。生徒と言えど優秀な金のたm……っ!?」

 

卵と言いかけた瞬間、敵の動きがぎこちなくなる。一体何が起こったのか分からない敵に答えたのは擬魅だった。

 

擬魅「動かしたくても動かせないだろ?俺としては大人しくすることをお勧めするぜ?」

 

????「これは貴様が…!?」

 

擬魅「そうだ。そのまま大人しくしておきな。13号先生。今のうちに外へ」

 

13号「いろいろ言いたいことがありますが…助かりました擬魅くん!皆さん!今のうちに外へ!」

 

擬魅の個性で体の動きを封じられた黒靄の(ヴィラン)。擬魅が動きを抑えている間にA組生徒たちは施設の外へ再び避難を始めた。だが…

 

????「(くっ!ビクとも…いや?こちらは動く?なら…!)私の役目は…散らして…!嬲り…!殺すこと…!!」

 

ズアアアッ!!

 

擬魅「っ…!?(なん…!?そうか!止めたのはあくまで動きだけ!呼吸や心臓までも止めたわけじゃない!なら個性も…クソ!油断どころか考えが足りなかった!)」

 

黒い(もや)がA組生徒たちを包み込みクラスメイトの半数以上がこの場から消えた。

 

飯田「皆ーーーーっ!?」

 

擬魅「クソっ…飯田!外へ出て学校にこのことを伝えろ!敵は外までは追ってこれねぇはずだ!」

 

飯田「しかし!クラスメイトを置いていくなど…」

 

砂藤「行けって非常口!」

 

13号「委員長!君に託します…救うために個性を使ってください!!」

 

13号の言葉に覚悟を決めた飯田。走り出す構えをしてタイミングを計る。

 

????「手段がないとはいえ…敵の目の前で策を話す阿保がいますか!?」

 

13号「ばれても問題ないから語ったんでしょうが!」

 

敵が再び靄を展開させて攻撃してくるが、13号が個性【ブラックホール】を発動させて相殺する。その隙に擬魅が個性を発動させて攻撃を仕掛ける。

 

擬魅「飯田。俺が合図したら一気に走れ(モアモア×ピカピカの能力…)」

 

飯田「あ、ああ!分かった!」

 

瀬呂「頼んだぜ委員長!」

 

擬魅「モアモア10倍速…!

 

ヒュゥンッ…!!

 

????「なっー!?」

 

擬魅「天叢雲剣(あまのむらくも)…」

 

光り輝く十字型で長身の剣が擬魅の右手に生成される。そしてそれを敵の後ろに回り込んでいる擬魅は躊躇なく、左から右へ流れるように振る。光の剣は敵の横腹に当たると敵は凄まじい速度で柵に向かって吹っ飛んでいった。

 

ドゴォォンっ!!!

 

擬魅「飯田!」

 

飯田「ーっ!」

 

????「ぐっ……!行かせるか!」

 

擬魅の合図とともに飯田は足のエンジンを吹かし一気に加速する。だが吹っ飛ばした敵も粘り強く黒い靄を飯田に差し向けるが、擬魅が天叢雲剣で靄を霧散させる。それと連携するように瀬呂が敵の体にテープを貼り付け、麗日がテープつながりに無重力状態にして浮かし、軽くなった敵を砂藤が持ち前のパワーでテープごと投げ飛ばした。

 

その間に飯田はUSJの出入り口に到着し外へ出た。それは原作よりもはるかに早く…

 

????「なんてことだ…応援を呼ばれる……ゲームオーバーだ…」

 

黒い靄の敵はそう言うとワープしてその場から消えた。

 

瀬呂「しゃぁっ!ミッションクリア!」

 

砂藤「あとは校舎にいる先生たちが来れば…!」

 

13号「皆さん!喜ぶのはまだ早いです!皆さんは外へ…!」

 

タタタタッ…!

 

芦戸「え、擬魅どこにいくの!?」

 

擬魅「相澤先生の援護に!」

 

13号「えっ…!?ちょ擬魅くん!?」

 

障子「擬魅!?」

 

走って勢いをつけ階段を飛び降りる擬魅。下降する間に相澤が戦っている場所を確認し、個性を発動させて敵に向けて攻撃を放つ。

 

擬魅「(メラメラの能力…!)火拳んんんっ!!!」

 

ボォンっ!!

 

敵「「「ギャアアアアアっ!?」」」

 

相澤を巻き込まないように火拳を撃ち放つ。その威力は一度に数人を吹き飛ばすものだった。火拳を放ったあとは個性で着地し、相澤の背後に周り背中を合わせる。

 

相澤「擬魅!?何しに来た!?」

 

擬魅「何しに来たって?援護っすよ!」

 

相澤「チッ…!あとで説教だぞ!」

 

擬魅「それはお手柔らかに…火銃(ひがん)!」

 

ボンボンボンボンッ!!!

 

手を銃の形にして火を銃弾のようにして敵に撃ち次々と倒していく。その光景を見た敵は必然と距離を今以上に取り警戒する。

 

擬魅「だったら…蛍火(ほたるび)…!」

 

両手の掌を見せるように前に突き出し、蛍のような光の玉を敵に向けて放出する。

 

敵「なんだこれ!?」「気を付けろ!」

 

敵「動きが止まっている今がチャンスだ!仕留めろぉ!」

 

擬魅「火達磨ぁっ!!」

 

キュボッ!!ボオォオンっ!!

 

「「「「「グアアアアアアっっ!!?」」」」」

 

蛍のようにフワフワと浮いていた光の玉が爆発し連鎖的に火が敵に燃え移る。この一連の攻撃に敵は完全に及び腰になってしまう。

 

敵「コイツ…!本当に学生かよ!?」

 

敵「怯むんじゃねぇ!数じゃこっちが勝ってんだ!数で押し切れ!」

 

敵「じゃあお前行けよ!」「お前が行けよ!」「あ゛ぁ゛んっ!?」

 

相澤「(いいぞ…このまま時間を稼げれば応援が…擬魅の話じゃ既に飯田が施設(USJ)を出たらしいから…数分ってところか…?)」

 

仲間同士でケンカをする(ヴィラン)…状況を冷静に分析する相澤…圧倒的火力で敵を返り討ちにする擬魅。それらを離れた場所から見る者が1人…

 

死柄木「…肉弾戦も強くゴーグルで目を隠しているせいで誰が個性を消されているかわからない…そのせいで連携が遅れを取っているな。それだけでも厄介なのに…なのに!あのガキはなんなんだ!?プロヒーロー並じゃないか!…プロも生徒も嫌だな…有象無象じゃ歯が立たないな…」

 

それは雄英侵入の主犯の1人、死柄木 弔。そんな彼の隣にもう1人の主犯である黒い靄を纏った男、黒霧が姿を現す。

 

黒霧「死柄木弔…」

 

死柄木「黒霧…13号はやったのか?」

 

黒霧「それが…行動不能どころか生徒も散らし損ねてしまい…1名逃げられました…」

 

死柄木「はっ…………?」

 

黒霧の報告に呆気を取られる死柄木。しばらく思考がフリーズしてしまい気まずい空気が2人の間に流れる。死柄木はスローにうなだれたかと思えば体を起こし天を仰いだ。

 

死柄木「黒霧…お前がワープゲートじゃなかったら塵にしてたよ…!!流石にプロが何十人も相手だと無理ゲーだな…ゲームオーバーだ!今回は!…………帰ろっか」

 

まるで子供の遊び感覚で方針を決める死柄木。それは帰ると決めた後も見られた。

 

死柄木「だけどその前に…平和の象徴の矜持を少しでもへし折って帰ろうか……行け…脳無…!」

 

雄英に侵入した時から死柄木の側にいた存在。その名は脳無。オールマイト並み…いやそれを上回るかもしれない筋骨隆々な体。黒い体表にワニの口を連想させるような大きな口と、むき出しになっている脳みそ。その見た目はおおよそ人間とは思えない。そんな存在が死柄木の命令に従い相澤と擬魅に牙を向ける。

 

脳無「キュアアあ゛あ゛ア゛ァぁア…!」

 

脳無は気味の悪い声を出しながら、凄まじいスピードで2人に急接近し目の前で構える。

 

相澤「なっ、コイツは…!?」

 

擬魅「(脳無!)…何の用だ!脳みそ男!」

 

相澤「退くんだ擬魅!」

 

脳無「ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」

 

擬魅「(迎撃…!?いや、ここは…)」

 

脳無が大きく腕を引き擬魅に拳を凄まじい勢いで突き出す。相澤が捕縛布で擬魅をその場から退かせようとするが間に合わない。そして脳無の拳が擬魅に届く…相澤の顔は一瞬、苦い顔になるがそれはすぐに驚愕に変わった。

 

ボフンッ!

 

脳無「ーっ!?」

 

擬魅「どうした?ご自慢の力はそんなもんか?…火拳んんっ!!!」

 

脳無「きょあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーっっ!!?

 

ドゴオォォンッ!!!

 

脳無の拳は確かに擬魅に直撃した。だが擬魅が現在使用している個性の力はメラメラの能力。某海賊の世界ではある例外を除けば物理攻撃無効の能力。いかに脳無がオールマイト並みの力を有していようが関係ない。暖簾に腕押しである。

 

死柄木「………ハアっ!?」

 

吹っ飛ばされた脳無を見て思考が停止する死柄木。対オールマイト用に持ってきた駒がプロでもない学生にブッ飛ばされる。予想を超えた出来事に苛立ちガリガリと自身の体を搔きむしる。そんな体を掻いているとふと、自身の胸の中心に赤い十字の模様があることに気づく。なんだこれ?…そう考えていると野生の勘のようなものが働き擬魅の方を見る。

 

死柄木「ーっ!?」

 

擬魅「十字火(じゅうじか)ぁっ!!」

 

キュドッっ!

 

死柄木「がっ…ぁ゛っ!?」

 

十字型の炎が死柄木を襲う。体を貫かれたような感覚と肌が焼ける痛みに悶える死柄木。黒霧はすぐに駆け寄り声を体の状態を確認する。

 

死柄木「あ゛あ゛ぁ゛あ゛っっ…!!?」

 

黒霧「死柄木弔!大丈夫ですか!?痛むところを見せてください!」

 

死柄木「クソがあっ…!なんっ…何なんだよあのガキ!?あんなのがいるなんて…ハァっ…!…聞いてないぞ!!」

 

擬魅「(今のうちにこの広場の敵を…オリオリの能力…)袷羽檻(あわせばおり)!」

 

ガキキキキキンッ!!!

 

敵「がっ!?」「んだこれっ!?」「ぐえっ!?」

 

両腕から柵のような鉄格子を広範囲に展開し、左右に広げた両腕を閉じて敵を一網打尽にする。圧倒的制圧力に相澤は驚きを隠せなかった。自身の援護に来たときは危険な目に合わせまいと考えていたが、今その考えは薄れていた。

 

擬魅「先生。とりあえずこの広場の敵は粗方片付けました!あとは各所の敵と主犯格の3人です!」

 

相澤「ったく…規格外にもほどがあるだろ…だが助かった。特にあの脳みそ(ヴィラン)は。正直俺だと厳しかっただろうな…」

 

擬魅「それより先生。これからどうします?あの主犯格っぽい敵…捕まえますか?」

 

相澤「そうしたいのは山々だが…待機だ。警戒をしたまま応援が来るまで待て。俺が視ておけばどこにも…っ!?」

 

相澤が擬魅の方をチラッと見ながらそう言いかけたとき、擬魅の背後に突如黒い影が出現した。

 

相澤「擬魅!うしr…!(擬魅がブッ飛ばした脳みそ敵!?いや、さっきのとは少し違う!まさかもう1体…!?)」

 

擬魅「はっなんdー!?」

 

ドゴォッ!!!

 

エネルギー消費を抑えるためメラメラの能力を切っていた擬魅。だがその判断が裏目に出てしまい、死柄木たちが侵入序盤に隠していたもう1体の脳無に奇襲されてしまう。まともな防御も出来ずに常人離れしたパワーでブッ飛ばされる擬魅は、出入り口の階段の方へ飛ばされ激突する。

 

ドォンっ!!

 

相澤「擬魅ぃー!」

 

死柄木「ハハハハハっ!痛ぅっ…ゲホっゲホっ!ざまあみろ…!」

 

黒霧「念のために隠しておいて正解でしたね…本当はオールマイトと戦うときの予備だったんですがまさかこんな形で使うことになるとは…」

 

死柄木「細かいことは良いんだよ…それよりイレイザー。大事な生徒が傷ついちゃったなぁ!」

 

相澤「貴様…!」

 

死柄木「おっと…よそ見してていいのかな?」

 

擬魅を襲った脳無は相澤を標的にし攻撃を始める。状況は一気に逆転し擬魅をブッ飛ばしたパワーを見た相澤は、必然的に触られる・捕まらないように回避一択の行動になる。

 

そして相澤の援護に向かった擬魅の様子を、出入り口の階段上から見ていた13号、芦戸、麗日、瀬呂、砂藤、障子の6人。擬魅が階段に激突し動かないことに動揺が走る。

 

13号「擬魅くん…!」

 

芦戸「13号先生ぇ…擬魅、動かないよ…」

 

瀬呂「し…死んでねぇよな…?」

 

砂藤「ば、バカなこと言うんじゃねぇよ!あんだけ強ぇーんだ!擬魅なら何とかしてるに…」

 

麗日「でも…」

 

麗日の言葉はそれ以上続かなかった。その理由は麗日の視線の先にいる動かない擬魅が物語っていた。障子はそんな擬魅を見て助けに行こうとしたが13号に止められる。

 

13号「障子くん!どこへ行くつもりですか!?」

 

障子「どこって…擬魅を助けに!」

 

13号「危険です!あの黒い(ヴィラン)に標的にされれば命の保障はありません!」

 

障子「だからって…!」

 

13号「僕も彼を助けに行きたいです…!ですがいま下手に助けに行くのは敵の思う壺です!君たちのすべきことは無事でいること!いざとなれば僕が行きます!」

 

13号の言うことは正しかった。障子は己の無力と悔しさに拳を強く握りしめる。そしてそれは訓練ゾーンの1つ、水難ゾーンに飛ばされた緑谷、蛙吹、峰田の3人も同じであった。3人は水難ゾーンにあるボートに飛ばされたが、敵を一網打尽にして脱出していた。水辺まで来た3人は擬魅が戦っていることに驚きを隠せなかった。敵を圧倒するクラスメイトの擬魅…その姿に安堵を覚えたのもつかの間、そのクラスメイトが脳無に殴り飛ばされた。緑谷はすぐに救けに行こうとしたが蛙吹に止められた。

 

緑谷「蛙吹さん…!?」

 

蛙吹「ダメよ緑谷ちゃん。私も助けに行きたいわ…けどいま行っては相澤先生の足を引っ張ることになってしまうわ…」

 

峰田「だけどよぉ…!早く擬魅救けねぇとマズいだろ!あいつブッ飛ばされてからピクリとも動いてねぇぞ!」

 

13号達と緑谷達がどうするか必死に考えていると、USJの出入り口のドアが吹き飛ぶ。13号達が振り返る前にドアを吹き飛ばした者が13号達の前に姿を現す。№1ヒーロー【オールマイト】がUSJに到着した瞬間だった。

 

マイト(オール)「もう大丈夫…私が…来た!!!」

 

身に着けているネクタイを引きちぎりながら、そう言うオールマイトの顔は笑っていなかった。オールマイトは即座に動き相澤が戦っている脳無をブッ飛ばした。そして続けさまに水辺にいる緑谷たちを回収し、意識を失っている擬魅を回収して13号達のいる場所まで戻った。

 

オールマイトの圧倒的速度に緑谷、蛙吹、峰田は驚きが遅れる。先ほどまでに水辺にいたのに今は出入り口の近くにいる。だがそんな驚きも擬魅を見てすぐに消える。緑谷、蛙吹、峰田、芦戸、麗日、瀬呂、障子、砂藤、13号たちは擬魅に駆け寄る。オールマイトは13号に擬魅のことを頼むと相澤がいる広場へ飛び降りた。

 

13号「擬魅くん!擬魅くん!聞こえますか!?返事をしてください!」

 

緑谷「擬魅くん!」

 

峰田「おい擬魅…冗談だろ?俺らをからかっているんだろ?なあ…!?」

 

障子「擬魅!しっかりするんだ!」

 

必死に声を掛けるが反応がない。そんな擬魅の姿を見て不安な雰囲気が広がる。

 

蛙吹「けろっ…」

 

麗日「擬魅くん…」

 

芦戸「ね、ねぇ擬魅さ…そんなわけないよね…?」

 

芦戸は涙をこぼしながら問いかける。

 

瀬呂「あ、ああ!そんなわけ(・・・・・)あるかよ!」

 

砂藤「そ、そうだぜ!戦闘訓練であんな強ぇ擬魅がそ、そんなわけ(・・・・・)あるかよ!」

 

ドクン…

 

13号達が擬魅に声を掛けている間、下の広場では激しい戦闘が繰り広げられていた。擬魅が最初にブッ飛ばした脳無VSオールマイト、擬魅を殴り飛ばした脳無VS相澤が一進一退の攻防をしていた。オールマイトの戦いは力のぶつかり合いで、相澤の戦いは捕縛布や相手の勢いを利用して戦っていた。そんな場所に敵を倒して来た爆豪、切島、轟の3人が合流した。そして轟は相澤が押されている状況を即座に判断し、氷結で脳無を氷漬けにして動きを止めた。

 

ドクン…

 

爆豪たちの合流に芦戸や瀬呂が気づき、峰田や砂藤も駆け寄り広場の方に顔を向ける。爆豪たちが脳無と戦おうとするが、相澤に叱責される光景を見て何をやってんだと呆れる。

 

ドクン…ドクン…ドクン……!

 

瀬呂「オールマイトは…まだ戦ってんな…」

 

砂藤「あのオールマイトとやりあうなんて何なんだあの(ヴィラン)…」

 

芦戸「轟の氷結効いて…ない!?再生した!?」

 

ドックン……!!!

 

擬魅「……っ」

 

広場の方に皆の意識が少し向いたその時、擬魅の意識が戻った。そのことに13号がいち早く気づき声を掛ける。

 

13号「擬魅くん!?擬魅くん!僕が分かりますか!?」

 

緑谷「擬魅くん!」

 

障子「擬魅!聞こえるか!?」

 

蛙吹「擬魅ちゃん!?」

 

麗日「擬魅くん!?うちらの声聞こえる!?」

 

緑谷たちの声をよそに擬魅は自身が負った怪我を個性で治癒する。そして映画などでよくあるアクション…跳ね起きで立ち上がった。

 

緑谷「へっ……?」

 

13号「えっ?ま、擬魅くん…!?」

 

障子「お、おい擬魅……!?」

 

蛙吹「け、けろっ…?」

 

麗日「ちょっ…!動いちゃダメだって!」

 

擬魅はゆっくりと動き出す。体は左右に小さく揺れながら広場の方へ向かう。

 

瀬呂「ちょっ…待て待て待て!なに動いてんだよ!?」

 

砂藤「お前動いていい状態じゃねぇだろ!?」

 

芦戸「ダメだよ擬魅!死んじゃうよ!?」

 

左右に小さくユラリユラリと揺れながら歩く擬魅に芦戸が涙を浮かべながら止める。擬魅は動きを止めて芦戸の方を見る。擬魅は薄く微笑み芦戸の頭を撫でる。数回撫でると再び歩きはじめ、広場が良く見える場所に立つ。

 

擬魅「魔弾……

 

擬魅が小さくそう呟くと彼の手にマスケット銃が現れ握られる。擬魅はそれを広場の方へ向け引き金に掛けた指を躊躇なく引く。ドォンッ…!と銃声が響き銃口から射出された銃弾は不規則な軌道を描き飛んでいく。

 

ヒュウンっ…!ヒュッ…ヒュヒュウゥゥンッ…!!

 

相澤「(銃声…!?)」

 

轟「今のは…銃声か!?」

 

切島「一体どこから…!?」

 

爆豪「あそこだクソ髪…ハッ!生きててホッとしたぜ。じゃなきゃ俺がぶっ殺せねぇからな…!」

 

爆豪の視線の先には擬魅の姿があった。相澤から擬魅のことを聞いていた3人は擬魅の姿を見てひとまず安堵した。だが相澤は違った。プロゆえにすぐ擬魅の状態は危険だと理解した…だがそう判断した対象が起き上がって動き、再び戦闘に参加しようとしていた。

 

相澤「アイツ何する気d…!?」

 

ズパァンッ!!

 

相澤が言葉を言い切る直前、目の前に対峙していた脳無の頭がはじけた。それは映画の狙撃シーンのように…。撃たれた脳無はその場に仰向けに倒れる。

 

脳無「ぎゅぁ…くぁあ…?」

 

相澤「なっ…!?」

 

爆・切・轟「っっー!?」

 

脳無の頭に命中したことを確認した擬魅は階段から個性を使って飛び降りる。そして相澤の近くに着地すると次弾を装填して構える。頭を撃たれた脳無だが個性で再生して立ち上がろうとする。擬魅は脳無に体制を整えさせないようにするため2発目を撃つ。

 

擬魅「(狙うは…)」

 

2発目に撃たれた銃弾も不規則な動きをしながら、脳無に向かって飛んでいく。そして脳無の腕や足の関節、さらには背骨など体を支える部分を重点的に貫いていった。脳無は再生の個性で対抗するがそれを上回る速度で銃弾は脳無の体を破壊していく。その間に擬魅はマスケット銃に3発目の銃弾を込めながら脳無に近づく。そして破壊の繰り返しによって地面に伏した瞬間、脳無に急接近し脳の中心部を狙ってゼロ距離で撃ち込んだ。いかに再生の個性持ちであろうと、生命の維持に必要な機関である脳幹を破壊されてはどうすることも出来なかった。

 

擬魅「そのままお寝んねしてろ…」

 

相澤「擬魅、お前……」

 

擬魅「あ…?あー…説明めんどくせぇな。どうすっかなぁ…いや、それよりも今は…」

 

切島「な、なぁ…なんか擬魅違くね?雰囲気とか…」

 

轟「そうか…?」

 

爆豪「………」

 

相澤は何かを言おうとしたが言えなかった。1体目の脳無までとはいかないがそれでも苦戦を強いられていた脳無を、まるで赤子の手をひねるかのごとく擬魅は倒した。いや…殺した。目の前で起きた光景に相澤は気圧された。

 

死柄木「あ…?おいおい…なんでアイツいるんだ!?しかも脳無を倒した!?はあっ!?どうなってんだよ!?」

 

マイト(オール)「擬魅少年!?(意識が戻ったのか…!?いや、戻ったとしても動けるような状態ではなかったはず…!?しかも脳無という敵を倒しただと!?)」

 

擬魅が最初にブッ飛ばした脳無と戦っていたオールマイトは驚愕した。その驚きを起こした本人は凄まじいスピードで移動し、オールマイトが戦っている脳無の間合いにまで接近する。

 

マイト(オール)「なっ…擬魅少年!?」

 

死柄木「ーっ!?」

 

擬魅「(ドルドルの能力…)蝋燭騎槍(キャンドルランス)!!」

 

ズアッ!!!ドズンっ…!!

 

脳無「があ゛っ!?」

 

右腕から大量の蝋を放出し脳無の胴体を貫く。そのまま蝋騎槍を軸に無数の棘を生成し、体内部から様々な個所を串刺しにする。そして先ほどと同じようにこの脳無も脳幹を破壊したためこれ以上動くことはなかった。

 

マイト(オール)「なんと…」

 

死柄木「おい脳無!どうした!?なんで動かない!?」

 

黒霧「死柄木 弔…信じられませんが恐らく脳無は死んでいるのではないかと…」

 

死柄木「はっ…?死んだ!?おいおいおい…ヒーロー目指す奴がすることじゃねぇだろ…?はあ…クソゲーだ!クソがっ!!」

 

擬魅「こんなクソゲー始めやがった奴が何言ってんだ」

 

死柄木「うるさい!このチート野郎…がっ!?」

 

黒霧「死柄木弔!?」

 

マイト(オール)「来たか…!」

 

死柄木が激昂していると彼の足に銃弾が撃ち込まれる。だがそれを撃ったのは擬魅ではない。そして「来たか!」と言ったオールマイトの視線の先には雄英教師陣がいた。

 

根津校長「ごめんよ皆、遅くなってしまって!すぐ動ける者をかき集めて来た」

 

飯田「1-Aクラス委員長飯田天哉!ただいま戻りました!!」

 

死柄木「黒霧、撤退だ!」

 

黒霧「はい!」

 

マイト(オール)「そうはさせn…!」

 

擬魅「させるかよ…ROOM!!」

 

マイト(オール)「っ…!?」

 

右手を前に出し青い半透明のドーム状のサークルを展開する。戦闘訓練で見たこの能力で死柄木を捕らえるのかとオールマイトは思った。だが擬魅は違った。彼は自身と死柄木の場所を入れ替えた。

 

死柄木「……はっ!?」

 

マイト(オール)「なにっ!?」

 

黒霧「死柄木弔!?」

 

擬魅「移動手段を封じるのは基本中の基本だよなぁ!?」

 

黒霧「貴様っ…!!」

 

擬魅「カウンターショック!!」

 

黒霧「グア゛ァアあ゛ぁアーーッ!!?

 

死柄木「黒霧っ!?」

 

擬魅は両親指を黒霧の胴体に押し付けるように当て強力な電撃を浴びせた。防ぐ暇もなかった黒霧はその場に崩れるように倒れる。無論、威力は気絶する程度に抑えているため死んではいない。

 

擬魅「オールマイト!」

 

マイト(オール)「っ!了解した!」

 

死柄木「しまっ…!?クソ放せ社会のゴミが!」

 

マイト(オール)「大人しくするんだ!」

 

擬魅の声と目線の意図に気づいたオールマイトは死柄木をその場で取り押さえた。死柄木はジタバタと暴れるが力の差は歴然であり、最後はブツブツと悪態をつきながら大人しくなるのであった。

 

こうして原作とは違い、USJ襲撃の主犯格である死柄木弔と黒霧はイレギュラーとも言える存在、擬魅白郎の活躍によって捕らえられた。そんな功労者とも言える擬魅はというと…

 

擬魅「(チッ…個性で治したとはいえ時間がなかったから完治してねぇな……それに治癒で治せねぇダメージもまだある…もっとエネルギーを蓄えておかねぇとな…)」

 

自身の胸に手を当てながら体の状態を確認していた。そんな擬魅に相澤が駆け寄る。

 

相澤「擬魅!」

 

擬魅「………(相澤…)」

 

相澤「ったく無茶をしやがって…ここで大人しくしてろ!すぐに担架が…」

 

擬魅「相澤…相棒(・・)を頼むぜ…」

 

相澤「あ…?お前何言って…?」

 

擬魅「機会がありゃ…また会…え…r」

 

カクン…

 

相澤「擬魅っ!?」

 

擬魅はまるで糸が切れた人形のように意識を失い倒れかけるが、相棒が擬魅の背中に腕を回し受け止める。相澤は驚きながらも声を掛け続けたが、擬魅がここで目を覚ますことはなかった。そして擬魅が次に目を覚ましたのは病院のベッドだった。

 

 

 

 

 




病院で目を覚ました擬魅。大活躍した擬魅だが相澤やオールマイトが話しを聞きに彼に迫る!?そして擬魅が持つ秘密の1つが明らかに!?

次回!擬魅の過去と体育祭!

タイトルはもしかすると少し変わるかもしれない!

デェエルスタンバイ!
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