空想ヒーロー   作:UFOキャッチャー

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ヒロアカがあと1年で……プロヒーロー編きてほしいな


【2】お嬢様と救出

俺と耳郎が連絡先を交換してから約2週間が経過。あれから耳郎とは何気ない日常の会話や、ヒーローへ向けての話を通話アプリで話を交わしたりしてなかなか充実した夏休みを送っている。そんな充実した夏休みを送っている俺はいま東京へ遊びに来ている。せっかくの夏休みだ。ただ勉学と個性の鍛錬だけで終わらせるつもりはない。事前に行くところを決めて地図アプリで確認しながら歩いていた。

 

擬魅「もうちょいだな…(それにしてもやっぱ、東京は人が多い…)」

 

初めて東京へ訪れた人が思いそうな感想を頭の中で呟いていると、1台の高級リムジンが停止する。そして助手席からどこからどう見ても、執事と言える男性が降車し後部ドアを丁寧に開ける。

 

執事「お嬢様、到着いたしました」

 

お嬢様「ええ、ありがとう爺や」

 

そう言いながら後部ドアから降りてきたのは薄水色のロングヘアーで、顔にモノクルを掛けた如何にもお嬢様という女子だった。その姿を見た擬魅は「すげー、リアルお嬢様じゃん」と感心していると。

 

お嬢様「…あの、何か私にご用でも?」

 

擬魅「へっ?ああ、いや別になにも…」

 

お嬢様「でしたらどいてくださるかしら?そこに立っていられたらお店に入れませんわ」

 

擬魅「お店…?ああ、これは失礼…!通行の邪魔をしてしまって」

 

擬魅がお嬢様がいる反対の方を向くとそこには高級服のブランド店があった。

 

お嬢様「いえ…ありがとうございます。では爺や、行きますよ」

 

爺や「はいお嬢様…。すみません、お嬢様のご無礼をお許しください」

 

擬魅「ああ、別にいいですよ。実際邪魔になってたし」

 

爺や「寛大なお心感謝いたします。それでは…」

 

執事の男性は擬魅に一言謝るとお嬢様の後を追いかけ店に入っていった。擬魅も目的地へ向けて再び歩き出す。だが擬魅が高級ブランド店から数メートル進んだところで大きな音が聞こえた。

 

ガシャアァアアァアンっ!!!

 

擬魅「―っ!?《ビクッ!》…なんだ…?」

 

通行人「ビックリしたー!なになに?」「ガラスでも割れたのか?」

 

擬魅の周りにいる通行人もこの音に驚いており、音の発生源であろう方向に振り向いている。そんな何事かと見ているとその音の発生源から悲鳴が聞こえた。

 

店員「きゃああああ!!」「ヴィっ!(ヴィラン)だぁー!!」

 

通行人「えっ?(ヴィラン)?」「まじかよ…!?」

 

擬魅「ちょっとすいません…通ります…」

 

擬魅が少なくない通行人を避けながら少し前に行くとそこには、店内から逃げる店員の姿があった。どうやら音の発生源は先ほどの高級服のブランド店のようだ。

 

店員「店内に(ヴィラン)が!!は、早く警察とヒーローを呼んでくれ!!」

 

通行人「もしもし警察ですか…」「ええ…(ヴィラン)が……」

 

店員の様子を見た周りの数名の通行人がスマホを取り出し警察へ通報をする。

 

擬魅「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」

 

店員「だ、大丈夫です…わわ、私を含め店員に大した怪我はない…」

 

擬魅「そうですか。では、まだ店内に誰か取り残されていたりはしますか?」

 

店内「…………お……お客様がまだ2人…恥ずかしながら…わ、私たちはそのお客様を残して…………」

 

擬魅「(マジかよ!!)」

 

店員の言葉を聞いた擬魅は驚き周りを見渡す。そして、自分が先ほど会ったお嬢様と執事の姿が見えないことに気づく。擬魅がまさかと思っていると店内から大声が聞こえる。

 

お嬢様「なっ、何なのですかあなたは!?こんなことをしてタダでは済みませんよ!!」

 

擬魅「あー…なんか嫌な予感が……」

 

店員「ちょ君!危ないって…!!」

 

店員の言葉を聞きながらも店内の様子を見ようと店に近づきコッソリと見る。するとそこにはなかなかの地獄絵図が待っていた。

 

(ヴィラン)「ぶふ、ぬふふふふ…!ああ、才子ちゃん可愛いなぁ~。そんなに怖がらないでよ。僕は君に会いたくて来たんだよぉ!でゅふふ(笑)」

 

才子「~~~っ!!?」ゾワワワワ…!!

 

才子と言う女子の体に走る悪寒と拒絶反応。そしてこっそり店の出入り口から店内を見ていた擬魅もこれには引いていた。

 

擬魅「(うわぁ…これはあれだな、ストーカーだな。しかも最悪なパターン!…いやストーカーはどれも最悪か?…まあ今はそれはおいといて…)」

 

擬魅は自身の個性を使って助けるか少し考えた。いま目の前で起きていることは耳朗のときのチンピラとは違いどう考えてもヒーロー案件。下手に自分が助けに向かって被害が出たら取り返しのつかないことになる。だが通報は先ほどされたばかり。警察とヒーローが到着するにはまだ時間が掛かる。律儀にそれを待っていたら彼女が危険である。擬魅がそう思っていると店内の様子が動く。

 

(ヴィラン)「ふひひ、さあ才子ちゃん。僕と一緒になろう…そして幸せな家庭を築こうねぇ…!」

 

才子「だっ、誰が貴方のような方と一緒になるもんですか!!お断りしますわ!!」

 

(ヴィラン)「んなぁ!!ひっ、ひどいんだな!僕はこんなにも君のことを想っているのに!!だったら…僕が嫌でも分からせてあげるよぉ!!」

 

才子「ひぃっ!?こ、来ないで!!!」

 

(ヴィラン)が足が震え腰が引けて床に座り込んでしまって動けない才子の元へゆっくりと接近し始める。

 

擬魅「(だあー!四の五の言ってられねぇ!スケスケの能力…!)」

 

(ヴィラン)「ぶひゅひゅひゅ…!さあ、一緒に気持ちよくなろぉね~~!!」

 

才子「い、いや…!(誰か!誰か助け…)助けて……!」

 

(ヴィラン)「ブへへへへ!このあたりの時間帯はヒーローがいねぇ。呼んだってすぐには―…」

 

擬魅「はじめまして(ヴィラン)さん」

 

(ヴィラン)「……うおっ!?誰だてめぇ!!?」

 

才子「……ぇ…?」

 

突然自分たちの近くに現れた擬魅に驚きを隠せない(ヴィラン)と才子。そして突然現れたことにより(ヴィラン)は一時的に混乱する。

 

擬魅「そして、さようなら…!(バリバリの能力…)バリアクラッシュ!!」

 

(ヴィラン)「なんっ…《ドゴッ!!》ぶべぼぁっ!!?」

 

ズウゥン……

 

才子「…………」

 

目の前で起きたことに理解が追いつかない才子。口は半開きになり瞼は何度もパチパチとさせている。そんな状態の才子に近づき声を掛ける擬魅。

 

擬魅「大丈夫ですか、えーと…才子さん、でいいのかな…?」

 

才子「……ぁ…ぁの…はい…」

 

擬魅「立てますか?どこか怪我を負っていたりとかは…?」

 

才子「…わ、私は大丈夫です。ですが執事の者が…」

 

才子の視線の先には床に倒れている執事の姿があった。

 

擬魅「わかりました。俺が執事の人を背負います。歩けますか?」

 

才子「ええ…、大丈夫…です!」

 

才子は震える足を抑え自身を鼓舞させながら立ち上がり、そのまま少し駆け足で店を出る。擬魅も執事を背負い(ヴィラン)が目を覚ます前に店を出る。そして、店に取り残された者が出てきたことにより、外にいた通行人や野次馬は驚きに包まれた。また、周囲の人たちは(ヴィラン)がいる店内から才子と執事の2人を救出した擬魅に驚愕・称賛・関心の目や声を掛けていた。そんななか、擬魅がぶっ飛ばした(ヴィラン)の意識が徐々に戻りつつあった

 

(ヴィラン)「………う˝っ………痛っっ……イデデデ…顔いてぇ……なんで僕倒れて……………そうだ!思い出した!!才子ちゃん!僕の才子ちゃんは!?それと僕を殴りやがったガキはなんなんだ!!?よくも僕の邪魔をしやがってええ!!!」

 

(ヴィラン)はガバッと立ち上がり物が散乱した店内をドタドタと出る。そして首を左右に振り辺りを見渡し目当ての人物を見つける。。

 

(ヴィラン)「いたあぁ~~!!!才子ちゃわぁぁぁん!!それとお前ぇぇぇぇえ!!」

 

才子「ひっ…!!?」

 

擬魅「げっ…」

 

(ヴィラン)「このクソガキぃ!僕を殴ったこと後悔させてやる!!!」

 

野次馬「ヴィ、(ヴィラン)だあーー!!」「逃げろー!!」

 

通行人「ヒーローはまだなの!?」「それに警察は!?」「まだ来ねぇの!?」

 

(ヴィラン)が目の前に現れたことにより周りは大混乱。周りにいた人々は一目散に逃げ始める。通報から経過した時間は5分弱。しかし、まだ擬魅がいる現場にはヒーローと警察は到着していない。理由としては普段からこの近辺にはヒーローが少ないのと、警察は現場に向かう道中に車の交通事故に遭遇し遅れていた。

 

擬魅「才子さん…あんたは執事の人を引きづってでもいいから下がってて(ヒーロー遅いな…)」

 

才子「なっ…!?危険です!ここは逃げてヒーローの到着を…」

 

擬魅「それを相手が待ってくれるんならいいけどな…」

 

才子「…っ」

 

(ヴィラン)「んなああぁあぁああ~~!!!なに僕の才子ちゃんと喋ってるんだああああ!!!」

 

擬魅「早くしろ!」

 

才子「…分かり…ました!ですが!ご無理はなさらないでください!!」

 

擬魅「大丈夫。時間を稼ぐだけだから」

 

才子はそう言うと執事の両脇に腕を入れて体を起こし、引きずりながら後方へ下がっていった。

 

擬魅「さて…始めようか。(ヴィラン)さん」

 

(ヴィラン)「フシュルルルゥゥ…!!ぶっ殺してやる!!!ぬおおおああああああ!!!!」

 

擬魅「まあぶっちゃけ正面からやり合う気はないけど(ドルドルの能力)キャンドルロック!!」

 

(ヴィラン)「ぬおっ!なんだこの白いドロドロは…ってうおぉあぁあああーー!」

 

ドシィン…!

 

怒りの感情剝き出しで突進してきた(ヴィラン)に対して、擬魅はドルドルの能力で相手の両脚の動きを封じる。相手は脚が一瞬にして固定されたことによってバランスを崩し盛大に転ぶのであった。

 

(ヴィラン)「イデデデデ……クソッ一体何が…んなっ!?俺の脚が!クソッなんだこの白いのは!?硬ぇっ!!」ガンガンっ!!

 

擬魅「無駄だ。それは蝋だが鉄の強度を誇る代物だ。」

 

(ヴィラン)「なっ!?おいクソガキ!僕にこんなことしてタダで済むと思ってんのか!!?」

 

擬魅「そのセリフ、そのままお返ししますよ。あ、一応腕も拘束しておきますね。キャンドルロック」

 

(ヴィラン)「ンガアアアアア!!テメェ絶対許さねえからなああああ!!!!」

 

(ヴィラン)がそう叫んでいるとサイレンの音が近づいてくる。それと同時に連絡を受けたヒーローも到着した。

 

ヒーロー①「皆さん大丈夫ですか!」

 

ヒーロー②「(ヴィラン)はどこに!?」

 

通行人「おお!ヒーローだ!」「ヒーローさん!あっちに(ヴィラン)が!」「子供が(ヴィラン)と戦っている!!」

 

ヒーロー①「なんだと!おい急ぐぞ!」

 

ヒーロー②「おう!皆さん危ないので下がっていてください!」

 

擬魅「どうやらヒーローが来たようだな…んじゃ、面倒ごとは避けたいので俺はこれで…(スケスケの能力、フワフワの能力…)」スゥ…フワッ…

 

才子「あっ、ちょっと待って!お名前を……消えてしまいましたわ…」

 

才子が呼び止める前に擬魅はその場を立ち去ってしまった。その後、駆けつけたヒーローと警察によって(ヴィラン)は再度拘束され連行された。一応、今回連行された(ヴィラン)の犯行動機を述べておこう。簡単にいえば街中で見かけた才子に一目惚れしたらしい。それから本人にバレないように尾行や盗撮を繰り返していたらしいが、日々積もっていく才子への想いが抑えきれなくなり今回の犯行に及んだらしい。ちなみに、まだ才子への想いはあるのかと聴取をした刑事が聞くと『こんなもんで消えるはずがないだろう…ふひひひ…!』と答えたらしい…。

 

 

 

 

擬魅「あー…やっぱあの場から逃げたのマズかったかなぁ…店の防犯カメラとかに顔が映ってたらいずれバレるだろうなぁ……まあその時はその時で何とかなる…かな?」

 

多少後悔しながらも東京を満喫する擬魅であった。

 

 

 

 

 




今年もあと3日で終わりですね。
皆さま、よいお年を!
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