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夏休みに3度のトラブルに遭遇するも、夏休み後半は何事もなく充実した休みを送ることができた擬魅。そんな充実した夏休みも終わり2学期を迎え学生たちの学校生活が再び始まっていく。夏休みに
擬魅「(もう11月か…なんかあっという間だな…)」
そう思いながら今日の晩飯を何にするか考えながら歩いていると擬魅のスマホに着信が入る。
ブゥー…ブゥー…!
擬魅「(ん、誰から…)お、耳郎からだ《ピッ…》はい、もしもし?」
耳郎『あ、擬魅?ウチだけどいま時間大丈夫?』
擬魅「ああ、大丈夫だけど どうした?」
耳郎『えぇっと、今週の土曜日って予定空いてる?』
擬魅「今週の土曜日?あ~…いや、特に用事はないな」
耳郎『じゃあさ、ウチの家に来てくれない?』
擬魅「耳郎の家に…?」
耳郎『うん。実はこの前あんたと電話してたとき母さんに会話を聞かれて、あんたの事いろいろ話しさせられちゃったんだよね…(苦笑)』
擬魅「あぁー…」
耳郎『夏休みの時のお礼もかねてご飯をご馳走したいらしい…主に母さんがだけど…』
擬魅「なるほどね。わかった、何時に行けばいい?」
耳郎『親がお昼まで仕事あるらしいから……午後3時過ぎぐらいかな』
擬魅「OK、3時過ぎね」
耳郎『駅着いたら知らせて。迎えに行くから!』
擬魅「了解、助かるよ…!」
耳郎『いいっていいって!じゃあ土曜日にね!』
擬魅「おう、また土曜日に…!」
ピッ…ッーー……ッーー……
通話が終わりスマホをズボンのポケットに戻す。そして小さく鼻歌を交えながら擬魅は行きつけのスーパーに向かうのであった。そんな彼を自宅に招待した耳郎はと言うと…。
――耳郎宅――
耳郎「……土曜日に擬魅がうちに…(なんでウチこんなドキドキして…いやいや!これはお礼をするためで…)…あいつとはただの友だ…」
耳郎母「あらあら~~(嬉)!」
耳郎「わあぁあぁああーーーーー!!?」
耳郎母「あらあらどうしたの~?そんなに驚いちゃって~(嬉)?」
耳郎「いいい、いつからそこにいたぁーー!!?」
耳郎母「えーっと…《あ、まがみ?ウチだけど――》」
耳郎「
耳郎母「響香にいよいよ春がきたかしらね~(嬉)!」
耳郎「だああーー!!そんなんじゃないからー//!!」
必死に否定するもその日耳郎は夜遅くまで母にいじられ続けられたのであった。
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そして、日は経過し擬魅が耳郎の家に訪問する日がやってきた。
ガタンガタン…ガタンガタタン……
『間もなく~阿留津、阿留津です。お出口は――……』
電車が駅に到着。ドアが開き乗客が乗り降りし新たな乗客を乗せ、電車は再び動き出し次の駅へ向かっていく。その電車から降りた乗客の1人である擬魅は改札を出ると、スマホを取り出し耳郎に到着したことの連絡を入れる。
――耳郎宅――
耳郎「あ、擬魅が駅に着いたって!ちょっと迎えに行ってくるから出るね!」
耳郎母「は~い、行ってらっしゃ~い…!」ニコニコ
耳郎「そーゆーのじゃないから//!」
顔を赤くしながらドアを開け小走りで駅に向かう耳郎。だが、その耳郎の姿を見つめる姿があった。
ピッピッ……プルルルル……ガチャ…!
??「そっちに行ったぞ…」
??『了解…お前は先に戻っててくれ』
??「わかった…うまくやれよ?」
??『まかせろ…』
不穏な通話が終わる。耳郎を見ていた男はどこかへ行き、通話先の男は乗っていた車のエンジンを掛ける。
耳郎「(もぉー母さんったら!あんなにいうから変に意識しちゃうじゃん//!!)」
母親へのいじりに対して頭の中で愚痴っていると十字路に差し掛かる。すると右の道路の方に車が見えたため一旦立ち止まる。耳郎は駅に着くまでに気持ちを落ち着かせておこうと思いつつ、車が通り過ぎるのを待っていると突然車の後部ドアが開く。そこから1人の男が現れ耳郎の腕を掴みそのまま車内に引きづり込む。
耳郎「えっ!?ちょ…ん˝ー!」
??「いいぞ!出せ!」
??「おう!」
ブオオオォォォォ……!!!
引きづり込まれた耳郎は声が出せないように布で口を塞がれ、車は急発進しどこかへ走り去っていくのであった。
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駅前で耳郎が来るのを待っている擬魅。彼は最初、耳郎が5分ほどで駅に着くと言っていたため待っていたが、待ち合わせてから時間が20分過ぎても耳郎が現れないため不審に思い始めていた。それこそ最初は時間が5分経過しようとも多少のズレはあると思い待っていたが…。
擬魅「(いくら何でも遅いな…連絡してみるか)」
スマホを取り出そうとズボンのポケットに手を入れたその瞬間、擬魅のスマホに1件の着信が入る。それは今まさに連絡を入れようとしていた耳郎からであった。擬魅はすぐに応答し電話に出るが…。
擬魅「もしもし耳郎?今どこに『よお…』……!?」
返ってきた声は明らかに耳郎とは違う声。その声に一瞬動揺しつつも聞き返す。
擬魅「えっと、誰…ですか?耳郎じゃないですよね?」
??『俺を覚えてないのか…?』
擬魅「?…すいません、名前とかを言ってもらえれば……」
??『まあ数カ月も前の事だ…忘れてても仕方ねぇか…』
擬魅「?……あの…」
??『お前の友達は俺たちが預かっている』
擬魅「…………は!?なにを言って…!?どういう…!!」
??『返してほしければ今からメールで送る場所に来い』
擬魅「何を言って…!?」
??『あと、サツやヒーローにチクれば大事なお友達の命はないと思え』
擬魅「あ、おい!!もしもし!?もしもし!?……(切れた…)」
通話が切れた画面を見ているとメールが送られてくる。画面をタップしメールを開くとどこかの住所と1枚の画像が添付されていた。添付データをタップし画像が表示されると擬魅を目を見開き驚く。それは猿ぐつわをされ両手首と両足首を縄で縛られ地面に横たわっている耳郎の姿であった。一瞬思考が止まる。そして体の奥から怒り…不安…恐怖…殺意……それらが入り混じった感情が湧き出る。擬魅はメールにに記載してあった住所を地図アプリに入力し場所を検索する。検索結果が出るとそこに表示されたのは、擬魅がいる場所から10キロほど離れた場所にある倉庫であった。場所を確認すると周りの目なんか気にせず個性でフワフワの能力を発動させ、空に飛び立ち耳郎が囚われている倉庫に向かう。
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――倉庫――
ここは倉庫と言っても現在はもう使用されていない廃倉庫であり、かつては建築資材や輸送用コンテナなどを保管しておく場所として使われていた。しかし、ここより立地が良い場所に倉庫ができてからは皆そちらを利用するようになり、次第にこの倉庫は使われなくなっていった。建物というものは使わなくなっていくと段々と朽ちていく。この倉庫も壁や屋根に使われている金属製のトタンが錆び、そこに穴が開き光が差し込んで倉庫内を一部照らしている。本来ならば倒壊など起こさないために解体をするのだが、解体には金が掛かるため現在は不良などの溜まり場となっている。そんな溜まり場に現在4人の人影があった。
耳郎「……(コイツら……確か…)」
タツヤ「なあケンちゃーん。この子さー味見しちゃだめなの?」
耳郎「(…!?)」
ケン「まだダメだ、タツヤ。あの野郎をボコって立ち上がれない状態にしてから目の前で犯ってやるんだ」
サダ「だけどサツやヒーローにチクられていたら俺ら終わりじゃね?」
ケン「心配すんなって!ちゃんと警察にチクったらコイツの命はない!って脅したか心配ねぇって!それにいざっていう時はコイツ連れて逃げりゃあいんだよ!」
サダ「まあそうだな」
タツヤ「だけどさーあの時みたいに体の動き操られたら終わりじゃん?」
ケン「そこはサダの
サダ「通用しなかったら終わりだけどな(笑)」
タツヤ「まあ何とかなるっしょ。早くそいつボコっておいしい思いしよーぜ」
耳郎「(サイテー……ウチ…
ケン、タツヤ、サダという名の3人の男。実はこの3人は約3か月前の7月に耳郎に対して悪質なナンパをした3人であり、それを通りすがりの擬魅に止められ返り討ちにあった哀れな男達である。そう、彼らが耳郎を攫ったのは擬魅に対する逆恨みによるものだった。何とも迷惑な話であるが彼らが大事なことは、他人からすれば安っぽい己の
タツヤ「!…おい2人とも、外に誰か来たぞ…!」
《タツヤ》個性【レーダー(発動型)】…個性を発動させると半径50m圏内にいる人間の居場所をレーダーの様に探知できるぞ!かくれんぼでは敵なしだ!
ケン「おっ、来たか!サダ、人質頼むぜ」
サダ「あいよ…!」
3人が廃倉庫の扉が開くのを待ち構える。静かになったことにより扉に近づいてくる足音が聞こえてくる。
ザリ…ザリ………
耳郎「(擬魅…なの?)」
タツヤ「止まった…」
サダ「……入ってこねぇな?」
ケン「なんで入ってこね――」
ピシピシピシッ…………カコ…ガココ!ガゴンガラン!!ゴゴォン…!!
ケン「……はっ!?」
サダ「うわ…これヤバいんじゃないのケンちゃん?」
ケン「慌てるんじゃねぇ…!」
扉を個性で細かく切断し廃倉庫に入ってきた擬魅。彼は3人の男と拘束されている耳郎を確認すると目を
擬魅「来たぞ……耳郎は無事なんだろうな…?」
ケン「へ…へへへへへ!おぉ~よく来たな!ご覧の通りテメェのお友達は丁重に扱ってるぜ!まあそれもここまでだ…テメェをボコした後は目の前で犯してやるぜ!」
擬魅「…………そもそもなんでこんな事したんだ?俺があんたに何かしたか?」
タツヤ「あら、覚えてない?」
サダ「まあ3カ月前だから仕方ないか」
ケン「ああ!?何かしただと!?テメェ俺にあんな恥かかせて覚えてねぇとはいい度胸だ!俺の体を操って仲間を殴らせ、その仲間にビンタを何度もさせやがって!それを忘れているとは言わせねぇ!!」
擬魅「ビンタ?………………ああ、もしかしてアンタら耳郎に悪質なナンパをしていた奴らか?」
ケン「そーだよぉぉ!!やっと思い出したか!あの時の屈辱ここで晴らさせてもらうぜ!!」
擬魅「屈辱もなにも悪いのそっちじゃねぇか。逆恨みもいいとこだな」
ケン「うるせえ!!俺に恥をかかせたこと後悔させたことその身に教えてやらぁ!!」
擬魅「そうなる前に動きを封じてお前らを片すだけだ…!」
ケン「ハッ!そうはいくかよ!サダ!」
サダ「おう…!」
個性でイトイトの能力を発動。そのまま3人の動きを封じようとしたが途中である異変に気付く。
擬魅「(なんだ?あのサダっつったけ?あいつに糸がいかねぇ…なんか邪魔されているような……)」
《サダ》個性【阻害(発動型)】…自身に対しての個性による物理的干渉を阻害することが出来る。
ケン「ハハハッ!どうやらサダの個性は通じたみたいだな!サダ、そのままその女抑えとけよ!」
サダ「ああ、まかせろ…!はは、上手くいくか心配だったがこれなら大丈夫そうだな…!」
タツヤ「ほらほら~!早く俺らの体自由にしないと大事なお友達に傷が付いちゃうよ~?」
その言葉の通り、サダが懐に持っていた小型ナイフを耳郎に近づける。
耳郎「ん˝ん˝っ!?」
擬魅「クソ野郎が……」
ケン「お、体が!へっへっへっ!それじゃあ早速テメェに俺の怒りの鉄拳を……」
擬魅「…予定変更だ…力づくでいかせてもらうぞ…クソデブ」
ケン「あ˝あ˝っ、またクソデブっつったかテメェ!!てゆーかこの状況分かってんのかよ!?テメェが変な動きをすれば大事なお友達はタダじゃ―!」
擬魅「おかないってか?だったらそうなる前に助けりゃいいんだよ…おいサダって言ったか?お前光の速さで殴られたことってあるか?(ピカピカ…)」
サダ「あ?光の…なに?何を言って…」
眉間にしわを寄せながらサダが聞き返そうとすると擬魅の姿が3人の前から消える。耳郎を含めた4人が消えたことに驚くのも束の間、擬魅が姿を現したのはサダの目の前だった。
サダ「うえっ!?うそ、どうし―!?」
擬魅「耳郎を…返してもらうぞ!」
サダ「ちょちょま―ぶべばっ―!!!」メギッ!!
顔面直撃の右ストレート。ピカピカの能力でその威力は桁違いに上がっており、それを喰らったサダは宙を舞い地面を数回バウンドしながら殴り飛ばされた。
サダ「あ……ぁう……」
タツヤ「サダ!?」
ケン「なっ…!?」
擬魅「耳郎、ちょっと待ってろ…こんな奴らすぐに片付ける…!」
耳郎「ん…!」
目尻が熱くなりながらも頷きながら返事をする耳郎。そして残りの2人を片付けるため体を2人に向ける。
擬魅「さて…」
ケン「てめえええええ!!!」
擬魅「クソデブ…お前は最後だ。その前に……」
タツヤ「うえっ!?ちょちょちょ!俺は別にその
擬魅「どんな言い訳をしようが俺お前らを許す気ねぇから…あとさ……どう考えてもそれ本音だろテメェ…!!!
タツヤ「ひっ!?こ、これは…!!」
擬魅はハナハナの能力でタツヤの顔の近くに腕を6本生やしビンタを始めた。
バチチチチチチチチチチン…!!!!
タツヤ「ゴベッ!…ま˝っ!…なざ!…や˝め˝!……」
擬魅「ふん…」
擬魅が個性を解除するとタツヤはその場に崩れるように倒れる。その顔はパンパンに腫れておりもはや最初の顔の原型がない。そして地面に倒れる2人を見て体を震わせながら怒るケン。
ケン「てめぇ…!ぜってぇ許さねぇ!!再起不能にまでボコボコにしてやるぅぅ!!いや!縄で縛って海に沈めて…!!」
擬魅「…御託はいいからさっさとかかって来いクソデブ」
ケン「ぬぅあああああああ!!!!ぶっ殺してやるうううう!!!!!」
ドスドスドスッ!と足音を鳴らし怒りと憎悪の感情にまみれながら突っ込むケン。
擬魅「全部自分が悪いんだろうが…(メラメラの能力)!!火拳!!!」
ボオオオオオオオン!!!
ケン「ギョオ˝オ˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ーーッ!!!!」
ケンは巨大な炎の拳によって廃倉庫の扉近くまでブッ飛ばされ気を失うのであった。
耳郎「(すごい……)」
擬魅「クソ野郎が……耳郎、待たせたな。いま縄を解くから」
固く結ばれた縄を個性で切り、口にしてあった猿ぐつわを取る。すると緊張の糸が切れたのか擬魅の方に向かってよろけてしまう。
擬魅「っとと…」
耳郎「擬魅…」
擬魅「大丈夫か…?しんどかったらどこかに…」
耳郎「…大丈夫…だけど…少しこのまま…いいかな?」
耳郎は擬魅の胸の辺りに頭を軽く
擬魅「もう大丈夫、大丈夫だ…!安心しろ…!」
耳郎「~~~っ///……うん…ありがとう…//」
耳郎の震えが落ち着いたその後、擬魅の通報によって警察とヒーローが廃倉庫に急行。事件の首謀者である3人組は連行しようにも怪我がひどいため警察病院に搬送された。耳郎も念のため病院に搬送され、連絡を聞き病院に駆けつけた両親に目一杯抱きしめられたのであった。そして擬魅はというと、今回の事件の顛末と個性使用について警察署で調書を取ったあとしっかりとお説教を受けたのであった。こうして擬魅と耳郎の波乱な一日は幕を下ろすのであった。
ちなみに擬魅に抱きしめられた耳郎はそのことを思い出すたびに、顔が真っ赤になり恥ずかしさに駆られるのであった
駅名【阿留津】はスターウォーズの地名ではないんですがR2D2から取りました。